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数学小話
 授業をしていて、あるいは教材研究をしていて 気付いた面白い話や、気になった話を集めてみました。
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群馬大学 瀬山研究室



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数学小話
NEW! No90区分求積と広義積分 2018.12.28
区分求積を普通に積分に書くと,広義積分となるときがある. 一般にこれは成り立つのだろうか?
No89$\lim_{x\to+0}\dfrac{\sin x}{x}$についての考察 2017.05.12
同僚が言ってきたこの問題をHPのトップに挙げていたら, 円積率を使って数学そのものを書き換えるという方法を知らせてくれた方がいて, その方法と,現在の数学の範囲で,三角関数の微積分を迂回することで対応する方法について まとめました.
No88入試問題で出た不等式 2016.08.20
2001年度京都大入試理系4問の解答例を5つまとめました. 生徒が聞いてきたとき,学校で話題になっていました.昨年の講習でも扱っていたことを思い出し まとめてみました。
No87入試問題で出た不等式 2014.02.16
生徒ができないと言ってきた単純な不等式の証明です。 考えるところがあってまとめてみました。
No863回移すと元に戻る一次変換の入試問題 2013.02.24
前期試験向けの演習をしていて、気になった問題です。 単純に(1)を解くと、(2)でやることに気づかず、大学が考えていた解答を考えました。 その際、行列を使った新しい観点の解答も見つけました。
No852010数学オリンピック 予選問題 2010.2.28
受験した生徒が、問題の意味がわからないというので、問題の意味も解説してみました。上手に使って、生徒の才能を伸ばしたいですね。
No84電卓で計算できる 2010.2.28
電卓で3乗根が計算できるだけでなく、$2^{\sqrt2}$ まで計算できる!
No832つの放物線の最短距離 2010.2.28
微分可能なグラフ間の最短距離は、法線が与える。法線って大事なんだ。
No82 $f(x^3)+g(x)=f(x)+x^5g(x)$ を満たす最小次数の $f(x)$ を求めよ 2009.8.12
2009年数学オリンピック予選問題8です。 生徒と一緒に解いていて、簡単にできたのであげておきます。
No83AX=XAならXはEとAのべきの一次結合として表せるか 2009.8.18 更新
AX=XAならXはEとAの一次結合で表されることを証明せよという問題がありました。 これは一般に成り立つのでしょうか?
No80トレミーの定理 2009.8.4
トレミーの定理の証明をいくつか考えてみました。
No79数の不思議3 2009.8.4
2009年東北大学理学部数学科のオープンキャンパスで 配られていた問題です。
No78チェバとメネラウス 2009.2.9
人の授業を見ていて書きました。 使い方、教え方、そして チェバとメネラウスの同値性についてです。
No77複素数の四則演算と幾何2 2009.8.4
複素数の四則演算が幾何に直接関係あるという話です。
No76線対称を表す1次変換 2009.7.16
直線 $y=3x$ に関する対称変換を表す行列を簡単に求めます。 当たり前なんだけど・・・
No759点円の初等的証明 2009.5.10
9点円を複素数で計算した証明を見て、 幾何的な疑問を持った。 それを解消して証明ができました。
No74 $\sqrt a+\sqrt b\leq k\sqrt{a+b}$ を満たすkの最小値2 2009.8.4
上記の不等式で、昔ダメな例としてあげた解法が 少し手を入れるとうまい解法に変わることを追加した。
No73数列と初項 2009.2.9
階差数列から復元した数列の一般項について、$n=1$ の場合に成り立つことを証明する試みです。
No72 $\cap$ と $\cup$ の双対性2004.5.5
3つの集合の要素間の関係式があります。 その $\cap$ と $\cup$ を入れ替えても成り立ちます。 うまい理由があるのでしょうか。
No71置換積分の見方2004.5.5
置換積分の公式は使いにくくありませんか。 もっと自由な発想ができるのに。
No70不等式の証明について2004.5.2
数3の教科書にある、関数の増減を用いて証明する方法ですが、 おかしくありませんか?
No69初等幾何の問題(角を求めよ)2004.1.25(改訂2004.5.2)
少し前に流行った問題です。 頂角20°の二等辺三角形の底角を50°+30°と60°+20°に分けて 半直線を引き、それらが斜辺と交わる点を結んだ線分が作る角を求めよ というものである。もともとこれが円周等分点とそれらを結んだ弦を 使ってできるはずだと思っていたが、やっとできました。 証明そのものは数行で終わる簡単なものです。
No68ベクトルと内分点3
三角形の辺の内分点をベクトルで表す話はたくさんあるが、 結局分割された小三角形の面積比に行き着く。
No67ベクトルと内分点2
三角形の辺の内分点をベクトルで表すとき、 ベクトルにこだわりすぎて、ちょっと面倒になっていたが、 比に直すと分かり易い。
No66不等号の定義
中学校で扱われていた不等式が新カリキュラムで高校に移ってきた。 そのためか、本校で使用している東書の教科書「数学U」で 扱われている「不等号の導入」が奇妙であると言う人がいた。 どれどれ・・・
No65天国の門はどっちだ。
天国と地獄に通じる道の前に門番がいる。 門番に1回だけ質問をするおきまりのクイズだが、 きれいな解答を作ることについて生徒T君が言ってきたことを まとめてみました。
No64どんな自然数も、$2^n$ の最初の数として現れる。
$|\log2-\frac pq| < \frac 1{qQ}$ という式がポイントだが、 これを $\log N \leq n \log2 - m < \log(N+1)$ の形にするのが難しい。
No63コラッツ予想 任意の2以上の自然数 $n$ に対して、$n$ が偶数なら $\frac n2$ を、$n$ が奇数なら $3n+1$ を対応させるとき、 有限回の操作の後1になるというのがコラッツ予想である。 今年の理数特論で何人かの生徒がやっているのを見て、 次のようなことを考えた。
(1)3の倍数になる数はない。 全ての数は3の倍数から始まる列の中にあらわれるのだろうか。
(2)変換の仕方を変えても同様な性質があるのだろうか。
(2)については、$3n+1$ を $3n-1$ や $3n+3$ , $3n+5$ 等に変えてもループが 生じてうまくいかない。また、わり算を変えてもやはり ループが生じるようである。 オリジナルの条件だけがうまくいくのだろうか?
No62群馬大学 瀬山先生の問題
(1)どんな自然数も、$2^n$ の最初の数として現れる。
(2)適当な自然数を選ぶと、$3^n$ の最後が $0\ldots 01$ とできる。
(3)ほとんどの自然数は、連続する自然数の和として書ける。
(4)2以上の自然数の階乗は平方数にならない。
(5)$4n^2+4n-1$ はどんな整数 $n$ に対しても平方数にならない。
H15 SEM特別例会で瀬山先生が述べられた問題です。
No61$\tan$ の積
「$\tan10^\circ\tan50^\circ/\tan20^\circ=\tan30^\circ$」が成り立つ。 証明し、ちょっとだけ拡張しよう。
No60$\cos$ の積
「$\cos20^\circ\cos40^\circ\cos80^\circ$」を 求めよという問題がある。 これ以外の角度できれいになるものは無いのだろうか。 また3つより多くの積できれいになるものは無いのだろうか。
No59不等式を成立させる臨界値
$\sqrt a+\sqrt b \leq \sqrt{a+b}$ がすべての正の数 $a$ , $b$ に対して 成り立つようなkの最小値を求める問題があります。 両辺を2乗する、 相加平均・相乗平均をちょっとおもしろいやり方で適応する、 同次式であることを使う、 といろいろあります。 これらも興味深いのですが、 ある生徒が極座標を使ってみました。 目から鱗です。
No58球の体積と表面積
中学の内容で高校に移行する内容に、 球の体積や表面積があります。 中学のときよりどう論理性を高めていくか SEMの例会で話された内容です。 カバリエリの原理を使うと、 三角錐の体積が三角柱の体積の1/3であることが わかるのでした。
No57K-君の問題
さて,K君が理数特論で,「$1^k+2^k+・・・+n^k$」は, $k$ に無関係に共通因数を持つというレポートを出してきました。 ビックリして調べてみました。 実際にはちょっと違うのですが, そう思っても良いような理由があるんですね。
No56続続 数の不思議
No55「続 数の不思議」の続きである。
講演で9以外の数を並べる話があった。 この数を探すことが大変だと思い, 色々やっていくうちに実はとっても簡単なことに気付いてしまった。
No55続 数の不思議
2002.9.11 に新潟県立教育センターで行われた飯高茂氏の講演の中で述べられた 素数ベキによる商を2等分,3等分してそれぞれを足し合わせると 9が並ぶ。商の列についても同様な性質があり,学生と楽しんでいるという 話があった。
ここでは,その背後にある性質を説明しn等分和についても触れる。
なお,「続」のつかない「数の不思議」は,興味付けにおいたGCD, LCM についての 話である。なお,講演では9以外の数を並べる話があり, 初めはp進展開したのだが,合成数を分母にすれば良いことが分かったと言っていた。 もし分かるようなら,これが「続々」となる。
No54正三角形と同じ面積を持つ正方形の作図
「円の面積と等しい正方形を作図せよ」という問題があった。 もちろんこれは可能ではない。 最近,「正三角形と同じ面積の正方形を作図せよ」という質問を受けた という話を聞いた。 3の4乗根を作図するのが面白そうで,ちょっと考えてみた。 作図が面倒だと言われたが,そうでもないと思うのだが。
No53円周角の定理の逆の別な易しい証明
新カリキュラムで円周角の定理の逆が中学校から高校へ移行しました。 知っている限りの教科書では,これを証明するために 円の内部・外部を学びます。 ところがこれは難しい。
この主張は面白いので必要ならやっても良いのですが, 単に補助定理として使うのなら,実は不要です。 この別証をあげました。
No52スキスキいとうけ
「伊藤家の食卓」が出しているトランプのゲームで 「スキスキいとうけ」がある。 SEMの例会で昔上杉先生が説明していたが, ここでは違う方法で説明してみた。
No51正五角形の作図 jpg
1年生に高次方程式を教えたとき, 「正17角形の作図は方程式を解くんだよ。」と教えました。 複素数は平面上の点と対応すると教えただけですが, $x^17-1=0$ は解けないと言ったので正五角形の作図を先にやってみたらと 言っておいたのですが,一晩かかってこれで良いかとS君がこれを持ってきました。
No50シャッフル
今年の東大に,カードをシャッフルして何回かで戻るという問題がありました。 カードの数を一般に拡張してみました。
No49階差数列と初期値
階差数列から元の数列を復元するとき, $n=1$ の場合が $n \geq 2$ の式にまとめることが出来ない経験を した人はいません。これについての話です。
No48$\pi/3 \leq (aA+bB+cC)/(a+b+c)(A+B+C) < \pi/2$ とチェビシェフの不等式
表題の不等式の左はチェビシェフでわかりますが, 関連する不等式の紹介と,図形的証明をしてみました。
No47ある不等式の証明
ある不等式を証明する問題です。 最近の生徒は試行錯誤をやらずに, スマートな解法の形だけを学んでいてひ弱な感じがします。 ここでは,解答時の実況中継も入れてみました。
No46一般の相加平均と相乗平均の関係
一般の形の証明です。 普通に逆向きの帰納法で証明したものと, 微分を使って,前向きに証明したものです。 逆向きも面白いですが,前向きの証明にはちょっとした工夫が必要です。 この辺の工夫は, 2次対策の問題として試行錯誤をさせるとき役に立つ のではないかなと 思います。
No45ベクトルと内分点
三角形で作られた,交点の位置を比で求める問題です。 $t$ : $1-t$ とおく以外の方法も集めてみました。
No44ベクトル方程式はす・て・き
座標平面の問題をベクトル方程式で簡単に解いてみました。
No43ある定積分の計算
累乗根の関数を積分するのに普通は分数指数に直して計算しますが, それって本当に良いのでしょうか?
No42中線定理の別証
角の中線定理が外接円を使って証明できるので, 元々の中線定理はどうだろうかと考えてみた。

△ABCの辺BCの中点をMとし, AMの延長と△ABCの外接円の交点をPとする。 このときカニカニの定理,方ベキの定理,トレミーの定理から 次が成り立つ。
AB・AC : BP・CP = AM : MP
AB・BP : AC・CP = 1
AM・MP = BM・MC
AB・CP+AC・BP=AP・BC
BM=CMに注意して不要な長さを消去すれば中線定理
AB^2+AC^2=2(AM^2+BM^2)
が現れる。

No41角の中線定理
面白い定理を聞き込んできました。

通常の中線定理は、次の形です。
△ABCの辺BCの中点をMとするとき、
$AB^2 + AC^2 = 2(BM^2+AM^2)$
が成り立つ。
これに対して、 次が成り立つ。
△ABCの頂角∠Aの二等分線と対辺BCとの交点をNとするとき,
$AN^2 = AB\cdot AC - BN\cdot CN$
が成り立つ。

△ABCの外接円とANの延長との交点をEとすると, △ABEと△ANCが相似になるので AN・AE = AB・AC , また方ベキの定理より AN・NE=BN・NC が成り立つ。 これを組み合わせればよい。

No40カニカニの定理
面白い定理を聞き込んできました。 証明は簡単です。 適応例はNo42で。

円に内接する四角形ABCDの対角線の交点をEとするとき、
△ABC : △ADC = AB・BC : AD・DC (第1定理:阿部)
△ABC : △ADC = BE : DE (第2定理:西條)
が成り立つ。

No39one point lesson 「帰納法」
帰納法をドミノ倒しに対応させることはよく行われていますが, 生徒から話を聞いてみると, 関連がいまいちわかっていないようです。

$n$ に関する主張が、 実際には無限にたくさんの単純な主張の集まりであることを明示する。 その一つ一つの主張が成り立つことと、 ドミノの駒が倒れていくことを対応づけるために、 駒に命題を順番に書き込むこと。
この2つを実行すればドミノが倒れることと帰納法が機能し すべての命題が自動的に証明される感じを、 まるで神様になったかのように天上から眺めることが出来るようになるでしょう。

No38one point lesson 「背理法」
いくら矛盾が出たからといったって, 正しいことを否定してかかるんだから元々議論がおかしいのではないか, と言われて納得させることが難しいという話を聞きました。 よくアリバイと関連させて説明することがありますが, 論証と関連させても分かりにくいようです。 最近私は次のように話していますが, 大きくうなずく生徒が何人かいるのでうまい方法ではないかと思っています。

隣町へ行くために道を歩いています。 分かれ道に来ました。 どちらか一方の道が隣町へ通じていて, もう片方の道は行き止まりであったことはわかっていますが, どちらの道が通じているのか, どれだけ歩けばたどり着けるのかはわかりません。
このようなとき,どちらの道が隣町に通じているか 知る方法はあるでしょうか。

実はたった一つあります。 実際に歩いてみれば良いのです。 ただ,間違った道を選択して, 通れないことを確かめなければいけません。 通れる方の道を選択してもいつまでたってもたどり着けないかも知れないので, 正しい道を選んでは解決しないのです。

No37下の解説です。
No362001.8.7に新潟県立教育センターで話した内容です。
「間違い探し」の形で提示してあります。どこがおもしろいのかを 中心にお話ししました。このHPにまだ載せていない問題もありますよ。
完全に間違っているものもありますが,「これで良いのかな?」程度のものも ありますから,解説をそのうちつけますね。
No35大学入試問題詳解の解答が間違っていた, 長崎総合科学大学の問題です。12人の人がボールを1個ずつ持っていて, 順番にA, B, C の箱のいずれかに入れていくものとする。 このとき,次の各問いに答えよ。ただし,同名の人はなく, 空の箱があっても良いものとする。
(1)ボールに自分の名前を書いて箱に入れていく場合, ボールの入り方は何通りあるか。
(2)ボールに自分の名前を書いて箱に入れていく場合, Aの箱にちょうど8個のボールが入る入り方は何通りあるか。
(3)ボールに名前を書かずに箱に入れていく場合,A, B, C の箱に入った ボールの個数の組み合わせは何通りあるか。
(4)ボールに名前を書かずに箱に入れていく場合, 8個以上のボールが入る箱がある確率を求めよ。
No35連立合同式の問題です。 「$ab\equiv 1(\mod c)$, $bc\equiv 1(\mod a)$, $ca\equiv 1(\mod b)$ を満たす自然数 $a$, $b$, $c$ を求めよ。」
$ab\equiv 1(\mod c)$ というのは,$ab$ を $c$ で割った余りが1ということです。
この条件を満たすとき$a$, $b$, $c$ は互いに素となるので,$0 < a < b < c$ として良い。 $ab+bc+ca$ を考えると,$a$, $b$, $c$ で割った余りはすべて1となるので,$ab+bc+ca-1$ は $abc$ で割り切れる。 $ab+bc+ca-1=abck$ とおく。$abc > 0$ ゆえ,$1/a+1/b+1/c-1/abc=k$ となる。 $0 < k < 3/2$ で,$k$ は自然数ゆえ,$k=1$ である。 $a\not=2$ なら $a \geq 3$, $b > 3$, $c > 3$ だから $k < 1/3+1/3+1/3=1$ となり矛盾するから $a=2$ である。 $b\not=3$ なら $b \geq 5$, $c \geq 7$ だから $k < 1/2+1/5+1/7-1/2=1/2+12/35 < 1$ となり矛盾するから $b=3$ である。 このとき,$1/2+1/3+1/c-1/6c=1$ であり,$5/6c=1-1/2-1/3=1/6$ ゆえ $c=5$ となる。 よって,$(a,b,c)=(2,3,5)$
No34公開キー暗号
素因数分解を実行することが難しいことを使った公開キー暗号について 基本的な事実をまとめてみました。
No33分数漸化式の一般項
分子が $a_n$ の形の分数漸化式の一般項を求めることができますが, この形に変形することができて,一般の分数漸化式も解くことができます。
No32逆手流で解くある問題 2000年関西大の問題です。
「座標平面上の点 $(p,q)$ は $x^2+y^2 \leq 8$ , $y \geq 0$ で表される領域を動く。 点(p+q,pq)の動く範囲を図示せよ。」
よくある問題ではありますが, 領域が対称でないところが問題です。 SEGの闘う50題や数研シニアの逆手流で解いた解答は, $X=p+q$, $Y=pq$ とおいたあと, $t^2-Xt+Y=0$ が少なくとも1つの0以上の解を持てば十分だと 述べており,0以上の解を $q$ とおけばよいとの注意まであります。 $X$, $Y$ に話をすり替えたとき,$p$ や $q$ はもう選べなくなると 考えるのが当然ではないですか?
この問題では,$(p,q)$ と $(q,p)$ が同じ点$(p+q,pq)$にうつるので, 最初から $x^2+y^2 \leq 8$ かつ ($y \geq 0$ または $x \geq 0$) で表される 領域を$(p,q)$が動くとして良いのです。この場合, 領域が $y=x$ に対して対称なので,逆手流で表現した条件は, 同値条件となって問題は生じません。
こんな簡単な解決策があるのに, どうして誰もやらないんだろう?
そもそも逆手流とは写像の元像を考えていくことだから, Symmetric Span が出てくるのは当たり前ですよね。
No31分数漸化式の周期と関連する話題について
1次分数関数で与えられる漸化式で決まる数列は周期を持つことがある。 その周期には5や7は現れない。
No31一次系
内地留学中に、円の交点を通る円の方程式が $k f(x,y) + h g(x,y) = 0$ となることについて、 考えてみました。ちょっと古い扱い方です。
No30逆関数とガウス記号
一般にガウス記号下の数列の和は面倒ですが、 今年の数学オリンピック地方予選の問題に、 逆関数が絡むととても簡単に計算できる例があがっていました。
No29e は無理数
自然対数の底 $e$ が無理数であることはとても簡単に証明できるのですね。
No28遺伝アルゴリズム
SEMの例会で話された『遺伝アルゴリズム』の話です。 コンピュータで、例として巡回セールスマン問題を扱っています。
No27関数の極限
教科書に現れる「逆に」を調べてみました。 関数の極限を例として考えています。
No26円分多項式の係数
円分多項式の係数は $0$ でなければ $1$ か $-1$ に見えるのだが、 本当のところはどうなんだろうと考えてみました。
No25q分三角形
SEMの例会で話した内容です。 以前数学セミナーに出ていた $q$分三角形をモジュライに依らず 計算しました。
No24ポートフォリオ(オリジナル)
北陸四県数学研究集会で話した内容を、 スリムに編集し直したものです。
No23ポートフォリオ
SEMの例会で話した内容です。 数学Bの $V(X+Y)=V(X)+V(Y)$ を、$X$, $Y$ が独立という条件をはずすと、 リスクを減らしながら利益を確保できるという話につながります。 ちょっとしたアイディアで、簡単な数学がノーベル賞級の話題に 結びつくという話です。
No22組み合わせについての注意 例えば、1から5までの数の中から数を3つ選ぶ方法は、$_5C_3$ であるが、 $a < b < c$ のように並べる並べ方も、$_5C_3$通りある。 $a \leq b \leq c$ のように並べる並べ方は、 今度は重複を許すので、$_5H_3$ 通りある。 この見方は結構役に立つ。 この重複組み合わせは、 教科書から無くなりつつあるように思うが、 これがないと、順列・組み合わせ、重複を許す・許さないの表が完成しなくて 困ります。 さて、証明ですが、上の式を $a < b+1 < c+2$ と考えると、$_5H_3=_{(5+(3-1))}C_3 がすぐに分かります。
No210の0乗はいくつ?
よくある生徒の疑問です。不定形なのですが、 どんな値を取りうるのか調べてみました。
No20群数列の解き方は厳密でない?!
群数列の第$n$群の初項を求めるのに、 直前までの項数を数えているのに $n \geq 2$ を仮定しない 指導書の解答があります。
NEW! 【追加】平面を直線で分ける問題を中で与えています。 最初が等比数列で,途中からそうでなくなる自然な数列の例ですが, 実は $n$ 次元空間を超平面で分けると考えると,最初の等比数列の部分を いくらでも長くする例を与えます。
No19等差等比混合型数列の和は条件 $n \geq 2$ が不要か
一般項が ($n$ の1次式)×($n$の指数関数)となっている数列の和を求めるとき、 $n$が1だと消えてしまう数列の存在を仮定して計算していることがある。 気にすべきではないのか?
No18数列の和 $S_n$ から一般項 $a_n$ を求めるのに $n \geq 2$ は必要か
数列の和 $S_n$ から数列の一般項 $a_n$ を求めるとき、 普通は $n \geq 2$ の場合と $n=1$ の場合で場合分けします。 これは必要なのでしょうか。
No17接線とその周辺
SEMで話したときの原稿です。
No16三角不等式の証明
SEMの例会で出た話です。 数学Aの平面幾何に、三角不等式の証明があるのですが、 対辺・対角の大小が対応することを使って証明しています。 対辺・対角の大小が対応するという事実より、 三角不等式の方が基本的ではないのだろうか? ということで、簡単な証明が無いかということが 話題になりました。

図をつけるのが面倒なので、^^;

  • 命題5:二等辺三角形の底角は等しい


AB+BC<AC ならAC上に2点B', B'' が存在して AB=AB' B''C=BC 線分AC上に点がA B' B'' C の順に 配置される。 命題16より、角BB'A>180度-角BB''C ゆえ 角BB'A + 角BB''C>180度。 ところが命題5から 180度>角ABC>角BB'A+角BB''C>180度 となって矛盾する。

  • 命題16:三角形の外角は内角よりも大きい(平行線の公準を使っていない)
No15曲線へ接線が何本引けるか
先日行われた「大学入試懇談会」で聞き込んできた話です。 普通表題の問題では接線の方程式を考えて、接点がいくつ有るか調べていきますが、 ある大学の先生が、 「曲線上を車がライトをつけて走っていると思えば明らかじゃないか」 といっていたのですが...
No14ある幾何の問題で
「三角形の内部に2点P,Qをとるとき、PQが三角形の最大辺より短いことを示せ。」 という問題がありました。明かという人もいますが、実際に証明するのは 大変でした。これは大学入試用の問題集にあって、生徒にオープン問題として 与えたものです。ある程度気に入った解答を作るのに、私は数日費やしました。 生徒の解答を見てちょっと興奮してしまいました。 それには部屋割り論法が本質的に使われていたからです。 この解答と、もう一つ、私の解答よりずっとよい簡単な解答を2つ紹介します。
No13アリ・ババは洞窟に入れるか View
日本評論社「数学のたのしみ」No13 にでている話です。
アリババがゴマの洞窟に入ろうとしています。 その入り口には樽が1つあって、 樽には4つの穴があいているのですが、 それぞれの穴は樽の中にある4つの壺に続いています。 そしてどの壺の中にもレバーがついていて、 上向きか下向きになっています。 アリ・ババは同時に2つの穴に手を突っ込んで、 レバーの位置を調べた後、 その位置を上向き、下向きどちらの方向にも変えることができます。 この操作の後、樽は回り始め、しばらくして止まりますが、 アリ・ババには穴の区別ができなくなります。 このゴマの洞窟は、レバーが同じ方向に並んでいるときだけ扉が開くのです。 洞窟に入るためにはアリ・ババはどうしたらよいのでしょうか。
No12漸化式に追加の話
漸化式 $a_{n+1}=2a_n+n$ は普通階差数列をとって、 階差数列から元の数列を$\sum$を使って再構成します。 前回は、置き換えをうまく使って階差数列を使わなくてもできる方法を紹介しました。 今回は、階差数列を使った場合でも、$\sum$を使わずに元の数列が再構成できるという話です。 当然$n$の制限はありません。
$a_{n+1}-a_n=a_n+n$ と変形できるが、 右辺に $a_n$ が残るので役に立たないと思ったことはありませんか? これが役に立つのです。とても面白い関係です。
ただ、実際の解法としては、考える方向が、元の数列と階差数列の関係を作ることと、 階差数列を規定する関係を作ることの2つ必要になるので、 わかっている人にはいいのですが、そうでないと面倒な気がします。
この話とファイルは大関先生からいただきました。
No11不定積分のある公式
$x^t$ ($t\not=-1$) の不定積分と $1/x$ の不定積分の公式の形が違うのはなぜだろう。
No10極限と定積分
極限を定積分で表すとき、関数値は区間の左端か右端でとるのが普通ですが、 一般にはそうでなくてもよいのです。 その実例を紹介します。
No9初等幾何の問題
三角形の角度を求める問題です。 補助線が、実は円に内接する正多角形の対角線であるという話です。
No8完全順列と円順列
1から $n$ までの数字を並べるとき、$k$ 番目に $k$ がこない順列を 完全順列といいます。巡回置換に分解することにより、 円順列に帰着させて計算する方法の紹介です。
No72次関数のある性質
$y=x^2-2x+2$ と点(2,3)を通る直線で囲まれた部分の面積の最小値は、 $x=2$ での接線と平行な直線で与えられる。 なぜかこうする生徒が多い。 結果は正しいのだが、直感的に明らかだろうか?
No62次絶対不等式の証明をどう評価するか
$x^2+2x+4 > 0$ を証明せよという問題の解答が、$(x+1)^2+3 > 0$ と変形してから、 これが成り立つから証明されたというのは間違いか? 数学のいずみにあった、 絶対値の付いた1次不等式の解法の妥当性の問題に触発されて、 昔の話を蒸し返してみました。 2次絶対不等式の証明をどう評価するかという問題提起です。
No5 直線の反転
$w=1/{\overline{\mathstrut z}}$ という関係で与えられる変換を反転というようです。 この変換によって円が円に写ることは簡単にわかりますが、 直線が円に写ることはそう簡単ではないようです。 ここでは、軌跡の考え方を使ってこれを簡単に示す方法を書きました。
No4複素数の問題
0, $\alpha$, $\beta$ が正三角形を作るとき、$\alpha^2+a\alpha\beta + b\beta^2=0$ を 満たす実数 $a$, $b$ を求める問題です。いくつかの解答と間違えやすいポイントを 考えてみました。
No3複接線が引けるか
$y=xe^x$ の接線を引く問題があり、 接点と接線が対応するかどうかということが問題になりました。 複接線が引けないとわかればよいのですが。
No2行列のn乗
行列を $n$ 乗する多くの方法がありますが、ここでは Cayley-Hamilton を因数分解した式を 使う方法を紹介します。3項間漸化式を解く方法と全く同じに解けてしまいます。
No1漸化式 $a_{n+1}=2a_n+n$
この漸化式は、普通、階差数列を求めてからもとの数列を求めていくのでしょう。 $a_{n+1}+n=2(a_n+n)$ と変形し、${a_n+n}$ が等比数列だとする間違いを生徒はよくやります。 この解説を作っていたとき、$b_n=a_n+n$ とおくと解けることに気づきました。 ただし $a_{n+1}=a_n+f(n)$ の $f(n)$ の部分が等比数列の場合は、うまくいかないようです。