ばね指の治療例 - アート鍼灸マッサージ
ばね指は更年期や妊娠・出産後の女性に多くみられる症状ですが、そのほかに手を酷使する機会の多い(例:スポーツを行っている人や主婦)方がなりやすいと言われています。
多発部位は中指、親指です。
指に対する過負荷による炎症(腱鞘炎)が進み、腱鞘が肥厚したり腱が肥大するため通過障害を起こし引っかかるようになった状態がばね指と呼ばれます。
以下、当院での症例
<中指短軸断面>
参考1: 右中指短軸断面のイメージ
写真1: 右中指MP関節 (短軸断面:治療初期)
写真2: 右中指MP関節 (短軸断面:治療中期)
写真3: 右中指MP関節 (短軸断面:治療後期)
<中指長軸断面>
参考2: 中指長軸断面のイメージ
写真4: 右中指MP関節 (長軸断面:治療初期)
写真5: 右中指MP関節 (長軸断面:治療中期)
写真6: 右中指MP関節 (長軸断面:治療後期)
注: 中期と後期の違いが画像からは分かりにくいですが、触った時の柔らかさが異なります
ばね指については、(腱の傷み具合や異常の生じた部位などの状況にもよるということをお断りしておかないとフェアではありませんが)単に「痛み」が楽になる、という次元ではなくて、正常に近いレベルまで持っていくことが可能な場合があります。
一般的な説明では、腱が肥厚して腱鞘に引っかかる、というようなものが多いですが、今回ここでご紹介している患者様の場合は、エコー画像から明らかに、腱そのものではなく、腱鞘の内部にガラス玉のような硬い塊ができています。
(*当院ではまだ、腱そのものが肥厚しているタイプのばね指を画像で確認しておらず、今回と同じ施術方法で痛みの軽減以上の治療効果が出せるかは確認できておりません。)
ここでご紹介した例についてはまさにエコーがあったからこそ、最初から終わりまでを客観的に追っかけていくことができたのですが、
この事例の場合、当初、腱鞘内に存在していたガラス玉のような硬さの塊が、丹念に施術を続けていくと、だんだん液状になってきて指を動かしたときの引っかかりがなくなりました。
この、半ば液状になってきた塊がいずれ腱鞘内で吸収されて無くなっていくのか、それともジェル状のまま腱鞘内で残るのか(あるいは長い年月をかけてまた塊になっていくのか)不明ですが症状が無くなっているので治療はひとまずここで終了となりました。