過活動膀胱・尿漏れについて - アート鍼灸マッサージ
過活動膀胱について説明
<症状>
・頻尿(トイレに行く回数が多くなる)
・尿意切迫感(尿意が我慢ができなくなる)
・切迫性尿失禁(間に合わず漏れてしまう)
<原因>
不明(特発性)が一番多いとされています。考えられている原因としては
・中枢性の疾患(脊柱管狭窄症やパーキンソン病など)によるものや、
・加齢により膀胱壁(3層の平滑筋でできています)が硬くなり伸びが悪くなること
・精神的ストレス
・自律神経系の乱れ
・膀胱の感覚過敏
などが挙げられます。
*頻尿(回数が多い)だけでは過活動膀胱とは言いません。膀胱壁の硬化と頻尿だけが症状の場合は、原始的ですが尿を我慢することで膀胱壁(平滑筋)のストレッチ効果が期待できます。
当院での治療
この10数年間、患者様と接する中で、男女問わず本当に多くの方が過活動膀胱、頻尿、(とくに夜間の頻尿)に悩まされていることを知りました 。
中には、夜間、ほぼ毎時間ごとに起きてお手洗いに行かれるというような方もいらっしゃいます。
頻繁に起きれば確実に寝不足になり体力や免疫力の低下ということにつながりますし、 最近報告されているように睡眠不足が認知症のリスクを上げることを考えると大変深刻な問題です。
その一方でTVや雑誌などで紹介されている骨盤底筋運動は、あくまでの弱った出口部分の「筋肉」を鍛えるというものですので、 ”尿意”や"膀胱の収縮"の元となる過敏になった「神経系」にアプローチするものではなく、患者様によっては”我慢できる時間が長くなる”という変化はあっても、それ以上の効果がないようでした。
このような状況の元、患者様のQOL向上を真剣に考えないといけない、と当院での仙骨孔治療が始まりました。
仙骨孔(左右4×2=8穴)の奥に(S1)S2〜S4神経と呼ばれる膀胱などの活動をコントロールしている神経が通っているので、 この8穴に鍼を刺入し、低周波電気をかけ仙骨神経の機能異常を調整すべく治療を中心に行っております。
SNM(仙骨神経刺激療法)という治療法が日本では便失禁に対しては2014年4月から、過活動膀胱に対しては2017年9月から健康保険適用になっていますが、これは心臓のペースメーカーのような機器を臀部に埋め込んで、その機器が仙骨孔を通して仙骨神経に対して電気刺激を与えることで症状の改善を図るという治療方法です。
当院の仙骨神経治療も同様の趣旨で行っております。
(仙骨・仙骨孔) (仙骨神経 ⇒ 膀胱・直腸へ)
第3,4仙骨孔:エコー画像 :オリジナル
第3,4仙骨孔:エコー画像:解説
仙骨孔への刺鍼と低周波パルス