緊張型頭痛について - アート鍼灸マッサージ
頭痛はたくさんの種類がありますが、文献によっては頭痛全体の7割を占めるとも言われています。
緊張型頭痛と他の類型との混合型などもあるのであまり簡単に書いてしまうのは問題がありますが、ここでは緊張型頭痛の場合だったと仮定して記述いたします。
今までご依頼いただいた緊張型頭痛の方のほぼすべての方が、首、肩から背中・腰に掛けて筋硬結が見られるので、肩こりや首こりなどとほとんど境目がないというか、区別にあまり意味がないようにも思われます。
つまり、顔面、首・肩周辺の筋硬結で、たまたま痛みなどの症状が「頭痛」として出ている、という理解です。
疲労や心身のストレス(精神的ストレスも、身体的なストレスも結局最終的な反応としては同じです)などが大きな原因と考えられますが、その事は当然患者様ご本人が一番ご存じ(例:分かっているけど仕事はやめられない、など)ですので、治療としては、とにかく硬結を細かく取っていき、ストレスに耐えられるだけの余裕というか、貯めを作る、という形で治療をご利用されている方が多いようです。
当院で把握している、多くの緊張型頭痛の患者様の筋硬結部位はだいたいこのような感じになります。
原因に精神的ストレスが占める比重が高い場合は、硬結の解消と痛みの除去にギャップが出やすいので難しいですが、それ以外の場合は、仕組みとしては非常に単純なので、とにかく与えられた時間内にひたすらコリを取っていく、という戦略で治療をしていきます。
(特に女性の患者様の場合)中には非常に細い索状の筋硬結もあるので、マッサージの場合、人差し指の先をマイナスドライバーのような感じで使用したり、程よく砥いだ爪を幾重かに折った手ぬぐい越しに当てることで細かいコリを取っていきます。
(図1,2)側頭部の硬結多発部位
(図3,4)顔面、後頭部の硬結多発部位
(図5)胸鎖乳突筋
前側では胸鎖乳突筋も緊張型頭痛の治療にとても重要です。
特に、(図からは分かりにくいですが)奥を走る鎖骨頭が頭部への関連痛が高頻度で見られるので非常に重要なポイントだと当院では把握しています。
(図6)頸椎7番での水平断面図
首こり、首の痛みの治療でも同様ですが、緊張型頭痛の改善に赤矢印のラインでの刺鍼も有効です。
(図7)頸部深筋群