「情報の純度」の問題
TVや雑誌、インターネットなどで健康・医学的な情報が氾濫していますが、まさに玉石混淆という感じです。
一番確かなのは査読付きの科学雑誌に投稿された原著論文で、その下に、教科書や書籍、新聞記事、TV・・・などと続くわけですが(その原著論文でさえ、後に再現性なし、あるいは後の研究で反証されたりすることがあります。)、当然、下に行くにしたがって伝言ゲームのように不正確に歪められた内容になっていきます。
情報をどの文脈で扱いたいか、という力が働いてしまう(TVであれば視聴率、雑誌や本なら発行部数や販売部数、などの情報を扱う者の「意図」が入る)ので当然のことかもしれません。
もっとも科学論文でもデータのねつ造や不正行為が問題になることがありますから。。。
例えば、google scholarなどでちょっと(例えば"acupuncture" や”Dry Needling”などのキーワードで)論文を検索すれば今はすぐ数百本くらい入手出来てしまいますがどこまで信頼してよいものか。。。というのもあります。
別次元の問題として、情報の上流に位置する教科書的な本であっても、言語が問題になることもあります。
最近、出版された『Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual』(Travell,
Simons& Simons)の3版(トリガーポイントについての世界的スタンダードなテキスト)、は2版の後に蓄積された知見を受けて内容が変わっている所が結構ありますが、もしこれを(たいそう分厚い本なので)日本語訳を待っていると何年か遅い情報入手ということになってしまいます。
不慣れな英語に苦心しながらも。。。患者様に提供する情報はなるべくその時入手できる中で確かなものを、と心がけています。