バレエのステップでPas De Chat(パ・ドゥ・シャ）というステップがあります。
これはフランス語で猫のステップという意味です。
ぴょんぴょん軽く猫のように飛ぶステップです。
うちにも保護猫が現在3匹おりますが、本当に足音ひとつ立てず着地します。
猫には不思議な力があるといいますが、私も猫にまつわる不思議な体験があります。
私が東京から戻ってきた当時、野良猫があちらこちらにおりました。
驚いたのは広報に「猫を毒餌による駆除を行うので飼い猫は家に入れるように」と載っていました。野良猫を可愛がる土地がある一方、遠軽は動物には残酷な町だなと思いました。
私が子供の頃に迷い犬のコリー犬を保護しておりましたが、首輪が緩み徘徊後、保健所に毒まんじゅうを食べさせられ殺されたことがあるからです。
私も私の周りの人々も動物好きが多いので、このようなことは非常に不快に思います。
昔はうちの周りにも野良猫や、近所で飼われている猫が沢山いて、猫アレルギーですが猫と過ごす時間が私の心の拠り所となっていました。
それが今では野良猫1匹も見かけません。
当時は自宅から繋がっている会社の中庭に芝生を生やし、デッキテーブルを置いてありましたが、近所の猫たちが集まりひなたぼっこをしたり、平和に暮らしていました。
私は余ったパンや犬のおやつを分けてあげたりしていたのですが、そんなある日、会社の中庭に出るドアを開けると、泥だらけの大きな鮭がドアの前に置いてありました。
インターロッキングにはズルズルと鮭を引きずったであろう跡が残っており、すぐに猫からの贈り物だとわかりました。どこから持ってきたのか、なんとも義理堅い猫たちです。
当時飼っていたヨークシャーテリア（♀）を裏庭に出すと猫たちと戯れるのですが、そのうちの1匹のメス猫がうちの犬に襲いかかってきたことがあり、近くにいた白いオス猫がすかさず間に割って入り、事なきを得、うちの犬を守ってくれたことがありました。人間からみてもかっこいいですね。
それからというもの、うちの犬はその白猫に恋をしてしまい、白猫を見つけると走って行き、前足で白猫に抱きつき顔じゅう舐めまわします。うちのしつこい犬にも白猫は怒りもせず黙って我慢。されるがまま。男前です。
白猫は外で飼っていたビーグル犬（♀）の小屋に住みついていました。当時は犬小屋にはネットを張っていなかったので柵を簡単に乗り越え、ワンワン吠える犬をどのように手なずけたのか不思議です。
パネルヒーターが2台あり温かい寝室、ふかふかベットに餌まで貰える。あるときから犬と猫が一緒に寝ていてびっくりしました。オス猫なので何ヶ月もいなくなるのですが、白猫の最後は、数ヶ月ぶりにビーグルの小屋に戻り朝にはベットで眠るように死んでいました。外傷もなく、死因はわかりません。
今ではすっかり色あせ古びた犬小屋、すっかりプランター置き場となりましたが、その前を通る度、ビーグル犬のラブと白猫のシロの事を思い出します。
当時、たくさんの猫が猫嫌いの人に農薬なのか殺鼠剤なのか毒物で殺されました。
その人は殺す度、保健所の職員を呼び、亡骸を処分させていました。うちに来ていた猫たちも1匹ずつ減っていきました。もうこれ以上犠牲を出したくないので中庭を潰し、猫の小屋を作りましたが、いきなり自由を奪われ可愛そうに思い、一度猫小屋の戸を開け逃がしてあげようとしました。でも朝になるとみんな小屋に戻ってきていました。
たくさんいた猫も今生きているのは3匹です。みんな20歳前後。長生きしています。
毎日猫小屋を掃除するのですが、ある日頭がひどく痛くハンマーで殴られたくらいの痛みでした。こんな痛みは珍しくそれでも意識朦朧猫小屋の掃除に行ったのですが、入るなり、1匹の赤猫がやってきてキャットタワーに登り、私の目の高さになると、私のおでこに自分のおでこをくっつけてきました。どのくらいそのままでいたでしょうか。
猫がおでこから離れると、あんなに痛かった頭痛がうそのようにありません。猫が痛みを感じ取り、痛みを取ってくれたとしか思えません。不思議な体験でした。
猫は可愛がると律儀に恩を返してくれ、猫を殺していたその人はというと・・・ 動物の恨みは深いようです。
人間は偉そうにしているけど、人間だけの地球ではありません。
自然や動物に優しい世界になる日を願い・・・
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猫の恩返し