江戸の湯屋・ページ6

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■女の湯具


左図『好色訓蒙図彙』より
二幅(ふたの)は文字どおり布を二幅横につないで腰に巻くものです。 脚布(きゃくふ)は上方の呼び名ですが江戸でも下穿きとして使っていました。 ふどし(ふんどし)というのは男性の下帯だけをさすのではなく女性の下帯も「ふどし」といいました。

■糠袋(ぬかぶくろ)

現代の石鹸に相当するものが糠袋です。番台で買う糠のほかに持参した鶯(うぐいす)の糞や豆の粉などを入れ工夫をこらしました。 「もみじ袋」という別称もありました。これは使用済みの糠は色が濃くなるからとも、また汁をもみ出して使うからともいわれています。

(川柳)留桶に汐さい鰒(ふぐ)の糠袋
留桶に空気をはらみ浮かんだ糠袋、まるで、波間に漂うフグのよう。

■湯文字

■風呂帰り

男は風呂ふどし、女は湯文字をするのが通例でした。もともとは入浴の際に腰に巻いていたのですが、 のちに日常の肌着として着物の下に着るようになりました。紐付きのものが一般的でしたが、浮世絵では紐なしの布の端を結んだだけのものをよくみかけます。
図は銭湯帰りの姿です。当時は湯屋で着替えるための浴衣をもって行きました。 糠袋以外の入浴用具を持っていないのは専用のものを湯屋に置いてあるからでしょう。

■毛切り石

■湯屋の櫛

江戸の湯屋には「毛切り石」なるものが置いてありました。二つの石で陰毛を擦り切ることによって、手入れをしたのです。 川柳にも「石榴口蛙啼くなり毛切石」とあります。また、「女湯へ蛙きこゆる毛切石」というのもがあって、男湯に毛切石があったのは確かなのですが 女湯にそれがあったのか、なかったのかは定かではありません。
湯屋には、爪切り用の和ばさみや櫛、銅盥(かなだらい)などが備品として置いてあり、誰で自由に使うことができました。 ただし、浴客が持って帰らぬように木札や紐が付いていました。 (4ページ『近世職人尽絵詞』参照)

左図『新撰狂句図会』

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