江戸の女・ページ1

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江戸の『意気』と京坂の『粋』

「京坂は男女ともに艶麗優美を専らとし、かねて粋を欲す。江戸は意気を専らとして美を次として、風姿自づから異あり。 これを花に比するに艶麗は牡丹なり。優美は桜花なり。粋と意気は梅なり。しかも京坂の粋は紅梅にして、 江戸の意気は白梅に比して可ならん。」
近世風俗史(守貞謾稿)岩波文庫より引用

上の文章は守貞謾稿の中にある京坂の『粋』と江戸の『意気』について書かれた部分です。 両者の気質の違いがよくわかるのではないかと思い引用しました。

■江戸時代の美人とは?

左の図は守貞謾稿に載っている当世(嘉永 1850年頃)の美女の図です。 図中には、「当世の美女、江戸、洗い髪の兵庫結び」と書かれています。
文中の説明には、 「けだし中民以下の女なり。 かくのごとき風俗および面貌を俗に婀娜(あだ)な女と云う。あだものと云う。また意気な女とす。いきなあねさんと云う。」 とある。さらに「この図、今世絶世の美貌なり。しかれども熟思するに、二十歳以上の女なり。今世の画工、意匠をもって、俗に中年増(ちゅうどしま)と云う二十以上の女、 大略眉を剃らざる者これなしといえども、これを画かば三、四十歳の婦に混ず故に、画上には専ら三十以下眉を描けり。後人これを察せよ。」と、あります。


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