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骨盤の矯正は、腰痛のみに有効というわけではありません。
酷い頚部痛や寝違い、または慢性的な頚部の痛みに高い効果を上げます。
肩関節の可動域の改善に繋がる事があります。
足の痛みに対して、有効な事があります。
女性の婦人科系のトラブルや、更年期障害と関連があるものと考えられます。
顎関節の痛みとも強く関連しているようです。
その他にも、骨盤の矯正が効果を発揮する例は枚挙に暇がありません。
つまり、骨盤の矯正は全身に良い影響を与えうる、と言う事ができるのです。
骨盤矯正には特別な思い入れがあります。
そして、骨盤の矯正は身体の健康を保つ為の重要な鍵となるものと
私は信じています。
私はこれまで、仙腸関節に付いて様々な角度から研究を行ってきました。
その研究を通じて、改めて痛感させられた事があります。
それは、以前から手技療法の世界では常識だった「仙腸関節（骨盤）の重要性」
についてです。
仙腸関節の研究を始める前から、仙腸関節が骨格の問題を改善するための
重要なポイントである事は知っていたのですが、
「何故重要なのか」に付いての十分な知識は持っていませんでした。
これはおそらく私だけではなく、多くのカイロプラクターに言えるのでは
無いかと思われます。
カイロプラクティックの教育機関では、まだ仙腸関節の重要性に付いての教育が
不十分だと感じています。
骨盤の歪みが矯正されるだけで、脊柱の問題が解消される事があります。
それとは反対に、骨盤の問題が改善されない事が原因で、
脊柱の他の問題が改善されない事もあります。
そして骨盤の歪みを基準にすると、脊柱の歪みの傾向が合理的に理解できます。
骨盤の問題を完全に解消する事は簡単ではありません。
骨盤変位にはいくつかのパターンがありますが、それ以上に
複雑な要素が絡み合い、病態は多彩です。
正確な分析と、それぞれの問題に適した手技を用いる事が、
骨盤矯正には不可欠であると私は考えます。
ワンパターンな手法で解消できるほど、骨盤の矯正は単純ではありません。
私は骨盤を、座位、立位、仰向け、うつ伏せ等、どのような状態でも
矯正する事が出来ます。
基本的には治療台に寝た状態で施術をするのですが、場合によっては
座位あるいは立位で荷重をかけた状態で行う方が有効な事もあります。
そして、痛みで治療台に横になれない方に対しても、その患者さんの
状態に合わせて矯正を行う事が可能です。
その手法も私のオリジナルなので、仙腸関節に対する独自の運動学に基づく
安全で合理的な方法を用います。
骨盤の矯正が、全身の問題を解消するために重要である事は既に述べました。
これは構造的な面でのみ重要というだけではなく、
脳脊髄液の循環という観点から見ると、神経機能に関る全ての問題に対しても
非常に重要なのです。
脳脊髄液は頭蓋骨と骨盤の中心にある仙骨の間を行き来しているので、
骨盤の問題が脳脊髄液の循環を阻害してしまうことが多いのです。
骨盤の問題が改善されることで、脳脊髄液の循環は改善し、
それに起因した神経系統の不調も改善されることになります。
これは私見ですが、私は「骨盤は就寝時に歪む事が多い」と考えています。
全ての方がそうだとは断言できませんが、骨盤の歪みが慢性化し、
関節がルーズになっている方ほどその傾向は強いように思います。
そのようなケースでは、「寝ると腰が痛くなる」とか「寝ても疲れが取れない」
「朝になると頭痛がする」するといった問題が起こりえます。
こういった状態になると、寝る事で骨盤が歪み、仙骨の動きが抑制される事で
脳脊髄液の循環が阻害され、様々な症状を引き起こしていることが予想されます。
施術中に長時間仰向けに寝ていると腰が痛くなるとか、他の症状が悪化してくる
といった経験がある方もいるかと思いますが、それはおそらく、
骨盤がこのような状態にあるものと考えられます。
これらは、仙骨の動きが抑制される事で、脳脊髄液の循環が滞り、
部分的に内圧が高まる事が原因だろうと推察します。
こういった問題を抱える方に対しては、より慎重な対応が必要です。
無闇な施術では、症状を悪化させる可能性があります。
治療をされて症状が悪化してしまった経験のある方は、骨盤が上記のような
状態にある事が多いようです。
その他にも、骨盤の状態には様々なケースがあります。
それらを詳しく分析し、一人一人の状態に合わせた手法で矯正を行います。
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