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鍼(はり)とは?




鍼(はり)の基本的考え
 人の生命体は、自然の一部であると考えられ、人間は周りの大自然(大宇宙)から生まれた小自然(小宇宙)であると考えられています。大宇宙である天地自然と調和しながら、人は生命を営んでいるのです。このように、人体の形と機能とが天地自然と相応していると見る思想が、「天人合一思想」(てんじんごういつしそう)というものであります。
 鍼灸の理論は、陰陽五行思想(いんようごぎょうしそう)によるものであり、陰陽論(いんようろん)と五行論(ごぎょうろん)とは別々の理論でありましたが、いつしか合体し、「陰陽五行論」(いんようごぎょうろん)となりました。
陰と陽は二つの面を持ち、正と反とされています。そのような対立関係を持った物は、自然界の全ての現象を表す上で重要で基本的な観点であるとしました。また、陰陽は対立的だけでなく、上と下・左と右、というように相互に制約しあう、物事の成立に必要な要素でもあります。物事は、対立するものがなければ、一つの分を作る事も比較する事も難しいものであります。人が人である生命活動をするには、陰と陽の二つの要素がなければ成立することはないでしょう。
 五行論とは、万物の性質「木・火・土・金・水」の五つの要素に分けられるとした説で、五つの要素がお互いを助け合ったり、逆に押し合ったりしてバランスを取りながら存在しているという考え方です。
 この二つが合わさって「陰陽五行論」となりました。陰陽学説の中に宇宙の生成から生命現象に至るまで、すべてを「気」を基に考えられている「気の思想」があり、中国から伝わったもので、「気が利く」「気味が悪い」「気位が高い」などという流動的に感情が入り混じっている性格が付きまとうような特徴ではなく、戦国時代の厳しい頃には、生き抜く為の方法論が「気の思想」「陰陽思想」であったとされます。





鍼(はり)は医学?!
 前述のとおり鍼は伝統医学から年月をかけて大成された固有の東洋医学です。企画的な分類においては医学ですが、現在行なわれている実質的な日本での医療の中での鍼のサポート率はゼロに限りなく近いと思います。こんな「医学」で人々や患者様に医学的に結果を残したり、治療として求めてきた疾患などの改善がはかれるものかとても疑問です。しかし、現代の医学の枠組みの中で東洋医学である漢方も数年前までは現代医学のかやの外におりました。薬剤師や製薬関係の努力と治療と結果の位置ずけを現代医学様に変更した事と実質的な治効理論の解明などから広く医療の枠組みの一部を占め、健康保険適用として処方の枠組みにも参加が許されてまいりました。薬剤界のたいへんな努力と敬服いたします。私たちの「鍼の世界」も利点を学び、汚点の改善と高度な鍼灸医学の向上に努めなければ先の無い言葉だけの「医学」になりかねません。科学的医学の中でいかに成果を挙げられるか、鍼灸界の底辺の揚力が果たせるか、医師レベルの医療知識の獲得ができるかなど全ての面で「新鍼灸医学」を目指して日々の努力と学習に時間を費やすことからはじめて行きたいと思います。より良い「鍼灸医学」を行なうため、国民の皆様や患者様からの苦言やご指導を賜れればありがたく存じます。



鍼(はり)とツボ
体内を網目のように走っている気血の通り道を「経絡」といい、その経絡上を通っているのが「ツボ」(経穴)です。ツボは全身に360以上あるとされています。電車で言えば、線路が経絡、各駅がツボです。
 経絡は主なものだけで12本「肺経」(はいけい)「大腸経」(だいちょうけい)「胃経」(いけい)「脾経」(ひけい)「心経」(しんけい)「小腸経」(しょうちょうけい)「膀胱経」(ぼうこうけい)「腎経」(じんけい)「心包経」(しんぽうけい)「三焦経」(さんしょうけい)「胆経」(たんけい)「肝経」(かんけい)あり、これを総称して十二経脈(じゅうにけいみゃく)といい、その他「督脈」(とくみゃく)「任脈」(にんみゃく)があり、これは奇経八脈(きけいはちみゃく)というグループになります。
 体内の臓器をつなぎ合わせ、全身の器官のバランスを保っている経絡に異常が起こると、気血の通り道である経絡上では、気血が滞ったり、停止したりとトラブルが起き、臓器にも影響を与えて病気を引き起こします。このトラブルを示すものがツボであり、関係する経絡上のツボに「しこり」「腫れ」 があらわれます。
 ツボの位置は人によって異なり、おおよそ決まられているツボの位置の周辺をさぐりながら押したり触ったりしてみると、痛みやしげきを感じるなど、他とは違う感覚の場所がみつかります。そこがその人にとっての「良いツボ」です。ツボを触っていると次のような感じがします。
・へこみ・・・他の部分より空虚な感じがして、皮膚に抵抗がない。
・しこり・・・コリコリとかたいものに触れる。
・むくみ・・・皮膚の下に水がたまっているような感じがする。
・盛り上がり・・・皮膚が盛り上がっているような感じがする。
・圧痛・・・押すと痛みがあるもの。ジーンとした気持ちの良い痛みが多いが、激痛のある痛みもある。
・温冷感・・・周囲よりも明らかに冷たい・温かい。
・乾湿・・・皮膚の一部がカサカサしていたり、逆に汗ばんでいる。

これらが組合わさって成り立つものが「ツボ」です。

鍼でツボを刺激すると、刺した場所の筋肉や血管をゆるめ、痛みやシビレをやわらげます。
また、皮膚に分布した神経の末端を刺激しますが、その刺激が脊髄から脳へ伝わり、自律神経やホルモン、免疫のバランスを整えると考えられています。




鍼(はり)の種類
一口に鍼治療といっても、色々な鍼、色々な方法があります。

毫鍼(ごうしん)
通常、鍼治療で使う「鍼」といえばこの鍼のことです。太さは0.2mm程度と髪の毛くらいしかなく、刺す時の痛みもほとんど感じません。材質はステンレス、銀、金などがありますが、近年では、消毒しやすい、丈夫などの理由からステンレス鍼が多く使われています。

皮内鍼(ひないしん)
数日間刺しておく鍼です。皮膚に対してほぼ水平に刺し、上から絆創膏でとめておきます。鍼の根元は、リング状または板状になっているため、皮膚の下に全部埋まってしまうということはありません。長時間、持続的に刺激を与えたい時に使用します。

円皮鍼(えんぴしん)
画鋲のような形の鍼をしています。皮膚に対して垂直に刺し、上から絆創膏でとめておきます。皮内鍼と同じ様に長時間、持続的に刺激を与えたい時に使用します。

※皮内鍼と円皮鍼の違い
皮膚には、温度、圧力などを感じる神経の末端(受容器)が多数存在します。仮に同じ場所に刺すと仮定すると、円皮鍼は垂直に刺すので最短距離で皮膚を通過し、皮内鍼は斜め(ほぼ水平)に刺すので円皮鍼より長い距離で皮膚を通過します。最短距離で皮膚を通過する円皮鍼の方が刺激する受容器の数が少ないので弱めの刺激、逆に皮内鍼の方が強めの刺激になると考えられます。臨床では他の要素も考慮にいれ、どちらを使用するか選択します。

小児鍼
生後2週間から小学生くらいまでを対象とした、刺さない鍼の総称です。金属の毛がたくさん集まった集毛鍼、でこぼこしたローラーが付いたローラー鍼、イチョウの葉の様な形のいちょう鍼などがあり、皮膚に触れさせる、または皮膚をこすって刺激を与えます。

レーザー鍼
低出力のレーザーを患部に照射する鍼で、鎮痛目的、あるいは患部が深いなど鍼では刺激することが難しい場合に使用します。レーザーの照射部で皮膚を押される感覚はありますが、痛みを感じる事はありません。

低周波鍼通電療法(パルス、電気鍼)
毫鍼に電極をつけ、患部に低周波を流す治療法です。主に筋肉や神経に障害がある際に使用します。

灸頭鍼(きゅうとうしん)
毫鍼の頭に丸めたモグサを乗せて、鍼の刺激と灸の刺激を同時に患部に与える治療法です。肩こり、腰痛や冷えなどに効果があります。

鍼の種類というと、上記の様な感じになりますが、使用する鍼や方法は治療院によって千差万別であり、奥の深いものなのです。





鍼(はり)の適応症
 鍼は刺した部位だけでなく、脊髄や脳を通して様々な疾患に功を奏したり、自律神経やホルモンの調整、鎮痛などに効果があります。
基本的には、機能的疾患(レントゲンや内視鏡などで形に異常が見られない疾患)が適応ですが、器質的疾患(形に異常が見られる疾患)でも、改善が見られる場合、または目的によっては適応となります。例えば、椎間板ヘルニアの場合、ヘルニアによる痛みを緩和することが治療の目的となり、飛び出したヘルニア自体が元に戻るわけではありません。また尿失禁などの膀胱直腸障害や歩行困難など重度のヘルニアの場合は他の医療機関での手術の適応となります。
以下に鍼灸の適応となるものを提示します。
【運動器系】・・・肩こり、頚椎症、頸肩腕症候群、五十肩、腱鞘炎、腰痛症、ギックリ腰、椎間板ヘルニア、変形性膝関節症、野球肩、テニス肘、ジャンパー膝、アキレス腱炎、慢性関節リウマチなど
【消化器系】・・・慢性胃炎、胃酸過多症、胃神経症、慢性腸炎、便秘、下痢、過敏性大腸症候群など
【循環器系】・・・ 高血圧症、低血圧症、心臓神経症など
【神経系】・・・三叉神経痛、肋間神経痛、坐骨神経痛、緊張性頭痛、片頭痛、顔面痛、顔面神経麻痺、パーキンソン病など
【内分泌系】・・・糖尿病、甲状腺機能障害など
【呼吸器系】・・・風邪、慢性扁桃炎、気管支炎、気管支喘息など
【感覚器系】・・・眼精疲労、仮性近視、耳鳴り、めまいなど
【泌尿器系】・・・慢性前立腺炎、インポテンツ、男性不妊症など
【婦人科系】・・・月経不順、月経前緊張症(PMS)、月経困難症(激痛生理)、更年期障害、女性不妊症、逆子、つわりなど
【小児科系】・・・夜尿症、夜泣き、疳の虫、虚弱体質など
【その他】・・・円形脱毛症、片麻痺(脳卒中後遺症)、肥満、不眠症、慢性疲労症候群、アレルギーなど

 参考までにWHO(世界保健機関)とNIH(米国国立衛生研究所)で発表された適応疾患を下記に示しておきます。
 WHO(世界保健機関)(1996年 草案)
腰痛・坐骨神経痛・変形性膝関節症・頸椎炎・頸部筋筋膜炎・上腕肩甲関節周囲炎・慢性関節リウマチ・高血圧・低血圧・頭痛・片頭痛・メニエール症候群・緊張性頭痛・近視・不整脈・上顆炎・胆石仙痛・胆道ジスキネジー・急性扁桃炎・咽頭炎・喉頭炎・慢性副鼻腔炎・扁桃摘出術後疼痛・神経循環性無力症・抜糸疼痛・片麻痺術後疼痛・過敏症腸症候群・ヘルペス後神経痛・三叉神経痛・腎石疼痛・遺尿症・尿失禁・便秘・下痢・肥満・月経異常・月経困難症・女性不妊・男性不妊・インポテンス・分娩の誘発など

 NIH(米国国立衛生研究所(1998年)
手術後または化学療法時の吐き気や嘔吐、妊娠時の悪阻、抜歯後の疼痛、薬物中毒、脳卒中のリハビリテーション、頭痛、月経痛、テニス肘、線維筋痛症、筋筋膜性疼痛、変形性関節炎、腰痛、手根管症候群、喘息など

 日本では公共における鍼治療に関する考えはまだ出ておりませんが、大学病院などの医療機関で臨床研究が続けられており、海外の活動とあわせて今後の発展に期待が持たれています。





鍼(はり)の臨床
 現在の日本各地で行なわれている鍼治療の内容分類をここでは考えたいと思います。
【疾患エリア別の分類】
○頚椎症、五十肩、腰痛症、ギックリ腰、椎間板ヘルニア、変形性膝関節症などの運動器系の鍼治療が圧倒的に多いです。
○健康志向やメンタル、癒し系を取り入れたはり治療
○肩こり、疲労、不定愁訴などのマッサージ系と併行したはり治療
○病院のリハビリ科内でのはり治療や整骨+鍼治療
○内科系で胃腸障害などを主体とする健康向上のためのはり治療
○「整体」や「耳ツボ」などの無資格でできるものとの複合はり治療
○特定の疾患に絞ったはり治療
【ツボの配置別分類】
○古典的なルールや文献などを中心にツボを決めて行なうはり治療
○神経痛など痛い神経周囲に鍼をうつ治療方法
○ツボに電気を通電する治療方法
○経絡を利用した治療方法
○あまり経絡を気にせずに患部を中心に行なうはり治療
○採血や検査を取り入れながら行なう行なうはり治療


鍼灸師により千差万別なはり治療が行なわれております。その鍼灸師の手法や思考を窺うには無料相談や電話相談などから内容を把握する事も大切です。



鍼(はり)の得意技
 西洋医学は、レントゲンや内視鏡検査、または血液検査などで目に見える異常(客観的所見)がある場合を治療の対象とします。またその結果、多くの人に効果のある治療ができるといえます。一方、鍼治療では症状だけではなく、体質や性質など患者さん全体を診て治療します。
不定愁訴(ふていしゅうそ)など、症状があって客観的所見がない場合でも「未病」として対応します。鍼治療は西洋医学と異なり、個人個人に対応したオーダーメイド的な治療といえます。例ではありますが、下記にいくつかの特効穴を紹介します。
症状:目の奥から頭全体に痛みが続き、嘔吐がひどい。
ツボ:風池(ふうち)・・・後髪際外側陥凹部。
   天枢(てんすう)・・・へその少し外側。
   失眠(しつみん)・・・かかとの中央。

症状:手のひら、首から上、額のほてり、ほてりから痛み。
ツボ:百会(ひゃくえ)・・・頭上中央。
   中かん(ちゅうかん)・・・へそより少し上。
   足三里(あしさんり)・・・膝の少し下外側。
   脾兪(ひゆ)・・・背中のツボ。第11胸椎の出っぱりの下の親指のはば1本分外側。

症状:花粉症で鼻水が止まらない。
ツボ:上星(じょうせい)・・・前髪際中央辺り。
   しん会(しんえ)・・・上星(じょうせい)の後ろ。
   風池(ふうち)・・・後髪際外側陥凹部。

症状:風邪のひき始め。
ツボ:少商(しょうしょう)・・・母指の爪の下の内側。

症状:五十肩の痛みで夜もよく眠れない。
ツボ:尺沢(しゃくたく)・・・肘を曲げるとできるしわの外側。
   肩ぐう(けんぐう)・・・肩関節の前方。

さかごの治療、胃痙攣などこの他にもたくさんの特効穴があり、身体の様々な症状にあったツボを見つけ治療することができることも、鍼治療の利点であります。





 

日本ハリセンター
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