私の福島泰蔵大尉研究活動(以下旅)には成果として二つのエポックがある。最初は平成14年研究に着手して以来、学べば学ぶほど学びたくなる福島大尉の奥深さに惹かれ、どんどんのめり込んだ。福島大尉が残した遺品、没後115年にして、遺族がいつか日の目をと守り続けた門外不出の息遣い溢れる資料、に出会い必死で読み込み、多面的な思いめぐらし旅の後、漸く探求・表現両面の集大成である「拓く 福島泰蔵大尉正伝」の出版(平成29年10月、文芸社)に到った。これが福島大尉だ、何を思いどう行動したかの埋もれていた真実、と確信出来るものを世に送り出した。次は、その続編として、「武人の心、連綿と続く顧みずの心」を新着想し、「偕行」(註2)令和元年11月号から令和2年1月号に掲載して頂いた。まだまだ深める余地は大きいが令和元年に福島大尉を起点とする「武人の顧みずの心の連綿性」を武人に対する関心が薄いと感じている今の世に、呈示した意義は大きい、と考える。その意義は①「連綿と続く顧みずの心」が武人として受け継ぎ後世に伝えるべき心であるという点にある。加えて、連綿と続く顧みずの心は武人だけではなく②日本人の武の心であり、日本人として決して忘れてはならない心である、という思いも強くなった。この発信を如何にすべきか、今の自分に何が出来るか、を考え、ホームページで記念館つくりを思い立った。無素養であったが、チャレンジ6ケ月、このほど自力で、立ち上げることが出来た。ここを、福島大尉の心、武人の心を末永く伝え、日本人の武の心を取り戻す記念塔にしたいと願う(R2.4.1)。開設後に三つの心を発信して理解を深めた先に何を目指す、かという疑問が生じ、考究した結果を本コーナー8つの心得第3項に加えた(R2.6.1更新)。さらに国史的背景(後述)を補完し、希(のぞみ)「顧みずの心が日本の標準たれ」コーナーを新設し、前記本コーナー8つの心得第3項関連を新設の同コーナーへ移した(R2.8.1)。
註1:挿画は遺族の福島大尉遺品の陸上自衛隊幹部候補生学校への寄贈(式)(h23.4.12)の模様を伝えた朝雲新聞の記事。
註2:「偕行」は戦後廃刊された旧陸軍将校団の相互研鑽の機関雑誌「偕行記事」を前身として、関係者の熱意で復刊され今は公益財団法人偕行社発行の定期刊行雑誌である。
その後テーマ旅を続け、最後のテーマ「共動」について島津義弘旅を充て終了した(R3・6.2)。これをもって武人の心の典型を指揮と統率の2面からとらえることが出来、武人旅は一応の完結を見た。その後①オーラル・ヒストリー「中尾時久」回読の感想、②国民の負託に応えた自衛隊」を投稿した(r3.9.11)。①に触発され、始めた②で気づいた希旅の見直し点を是正し、記念館全体の探求旅は一段落した。並行して今後の発信について検討し、大目的を達するため、その柱を①従来路線(探求)を継続した著作の継続。②既作品を新しい視点で再活性化する著作。③武人旅の魅力を伝え、本ホームページへの興味を惹起するブログ旅。④記念館(HP)をより見やすくする見直しの4本として、転機を迎えた(r3.9.11)
記念館充実のための8つ(+α)の心得。
1、本館のオープニングの発信テーマを先ずは福島大尉の真実とは、武人とは、武の心とは、顧みずの心とは、宝とはなどについて広く考え、理解を深める一石とし、欲をいえば本記念館を踏み台として私より前に進みたいと志す者の動機づけとならんことを願う。
2、そして18年余の歩みでの作品やブログを棚卸(註)し、来館者の声に力を頂き、他の来館者とは互いにこだまとなって響き合い、思い巡らしと作品と来館者の反響のスパイラルな歩みにより、本記念館を更なる発信の拠点たらんと願う。
註:総括:①平成23年4月12日、遺族の陸上自衛隊幹部候補生学校への福島大尉遺品寄贈の仲立ち。②同校は資料館に福島大尉コーナーを設置し、候補生資質教育に活用すると共に一般には申し込みにより閲覧を受け付けている。福島大尉寄贈品便覧①②を作成保管すると共に関係機関・関係者に提供。③ブログ『福島泰蔵大尉の実行力を訪ねて』(150稿)を冊子化、同名の冊子(3分構成)及び同名資料集を同校他関係機関に寄贈。④防衛大学校統率戦史教官室では教育参考資料を作成し、これに反映。
3、前1,2項で理解を深めた先に記念館が目指すところ(のぞみ)の全体像は今の武人(自衛官)の使命感(服務の宣誓の顧みずの心)と日本人の武の心が日本の標準として定着し、あってはならないことある場合に自衛隊と(武の)心ある日本人が共に立ち向かい、国民の儀表として、責務を果たすことである。そのため、両者が感作し合って高めあい、顧みずの心についてその国史的背景の自覚を共有する環境作りに貢献する(本稿増設R2.6.1、見直し更新R2.8.1)。本項関連は新設の希(のぞみ):地に足をつけた顧みずの心が日本の標準たれ、コーナーへ移した(R2,8,1)。
4、福島大尉が受け継ごうとしたもののふの心を学ぶことは我々ももののふの心を受け継ぐことである、という気づき、が武人や日本人の武の心(こころ)旅の原点である。ブログ福島大尉の実行力を訪ねてー【よろく】もののふの心を受け継ぐ心ーその十一加藤清正と家臣の絆稿尾,ここをクリック。
5、福島大尉の心・武人の心・武の心の旅は常に学びの心に徹し、本館の武人・日本人の武の心旅の起点は福島大尉の心である。
6、福島大尉が碑を建て、来訪者と酒を酌み交わし対話を望んだように、私も来館者を待ち、対話に喜びを感じて、思いや心が伝わる記念館を目指したい。
7、尚武の思いをマイファームの菖蒲に託す心を共有して、おもてなしの一助にしたい。
8、この区切りの私(わたし)的意義は今までを総括(棚卸)し新境地を発信して世に遺すこと、である。状況が許せば更なる発信を目指すが、これは人生のよろくと弁える。従っていつあの世に逝っても悔いがない、心置きなく思いめぐらしを楽しめるならではの居場所を確保できた。この心境を大事にしたい。この覚悟を確りしたものにするため、今の私が出来る最善の途はホームページへのチャレンジであった。これを信じて、余命を大事に、穏やかに進みたい。
8+α:4本柱活動について
大きな転機を迎え、著作(短・長編)により一層心を傾けます(年に2~3作程度)。探求路線の著作は私の好奇心のままに、を大切にし、後日の再活性化等を考えます。既作品を再活性化する著作は新しい視点を十分考えて取り組みたい。武人旅で心に残ったことなどをブログ旅し、これからの著作の下地や既著作のフォローし、著作の合間をみて行います。
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お問い合わせ - 福島大尉から武人の心探求記念館