薪を使用した場合の二酸化炭素排出量は?
この度、薪を販売するにあたり、昨今話題の地球温暖化ガスについても意識し、日常生活の暖房燃料を灯油から薪に変更した場合の二酸化炭素排出量の変化についても簡単に試算してみました。まず試算結果を紹介いたします。
暖房燃料の違いによる二酸化炭素排出量
灯油利用 : 二酸化炭素排出量= 1,756 kg-co2/年/世帯
薪の利用 : 二酸化炭素排出量= 3,570 kg-co2/年/世帯
世帯当たり年間平均灯油消費量を基礎とし、これと同じ発熱量が得られる薪消費量を算定してそれぞの燃焼から排出される二酸化炭素量を計算。さらに流通にかかるトラック運搬などから排出される二酸化炭素量も加えて試算した。
上記から薪を利用したほうが、灯油を利用するよりおおよそ2倍程度、二酸化炭素を排出する結果となりました。
ただし同じ二酸化炭素でも、「薪の二酸化炭素」は地下から地表にくみ出す「化石資源」の灯油とは異なり、既に地表にある二酸化炭素を樹木が吸収されたものが排出されます。
つまり、「灯油の二酸化炭素」が今まで地表に無かった二酸化炭素を新たに地表に増加させるのに対し、「薪の二酸化炭素」は地表にある二酸化炭素利用の循環利用で、灯油と異なりトータル的には地表上の二酸化炭素を増大させることはありません。これをカーボンニュートラルと言います。
それでは、先ほど試算した二酸化炭素排出量からカーボンニュートラルの排出量をマイナスして、もう一度、薪、灯油の二酸化炭素排出量を比較してみます。
暖房燃料の違いによる二酸化炭素排出量
(カーボンニュートラル考慮)
灯油利用 : 二酸化炭素排出量= 1,756 kg-co2/年/世帯
薪の利用 : 二酸化炭素排出量= 316 kg-co2/年/世帯
試算過程の詳細はこちらから
する結果となりました。
カーボンニュートラルの分をマイナスしても、なお薪利用で二酸化炭素が発生するのは、燃料を入手するまでの運搬にかかる二酸化炭素量を考慮したためで、今回の試算では薪の運搬距離を1000kmに設定して、試算しています。
なお灯油の運搬距離は石油備蓄基地~日本の灯油消費地重心までの距離を200kmと仮定し、二酸化炭素の排出量を試算しました。