正教会訳の聖書は、亜使徒聖ニコライと、大阪の懐徳堂出身であるパウェル中井木菟麿によって日本語に翻訳された聖書です。
「新約」は、1901(明治34)年に完成し、発刊されました。
「旧約」は、奉神礼(礼拝)において使用される箇所のみの翻訳にとどまりましたので、冊子の形では発刊されていません。
正教会訳は、「漢文調」であるため、現代の私たちには「とっつきにくい」ことは確かです。加えて固有名詞の表記の違いに「ややこしさ」があります。
しかし、よく読めば、それは日本語として理解できるものですし、声を出して読み上げる(唱える)ためのふさわしいリズム感があり、そして何よりも優れて「原語に忠実な」訳なのです。
難解と言われる正教会訳の聖書ですが、一つ一つ丁寧に読んでいくと、いかに神・言葉を正しく伝えているかがわかります。
このページでは、正教会訳聖書がいかに「おもしろい」かを知っていただくため、任意の箇所を選んで、説明していきます。
司祭ダヴィド水口優明
シーズン1~福音書編~
第一話 語順の違いは意味の違い~マタイ伝1章1節
第二話 「ああ」という大事な一言~マタイ伝15章28節
第三話 七の七〇倍か、七〇の七倍か~マタイ伝18章22節
第四話 複ルビの効果~マタイ伝6章24節
第五話 直訳でないとリンクできない~マタイ伝25章14節
第六話 復活したハリストスの第一声~マタイ伝28章9節
第七話 復活したハリストスが食べたもの~ルカ24章42、43節
第八話 「いや」と「然り」の違い
第九話 主の降誕の時の天使の歌
第十話 「光栄を神に帰す」こと