正教会とは

正教会は、英語で「オーソドックス・チャーチ」といいます。
「オーソドックス」とはもともとギリシャ語で「正しい教え」もしくは「正しい讃美」という意味をもっています。

「正しい教え」とは、すなわち神様とはどんなお方か、イイスス・ハリストスとはどういう意味で救世主なのか、この世とは何か、人間とは何かなどについての正しい答えをもっているということです。これは神様の導きのもとで明らかにされた「真理」をもっている、ということです。

「正しい讃美」の「讃美」とは、正確に言えば「光栄(を神に帰す)」という意味です。「光栄を神に帰す」ために「祈り」「礼拝」があります。正教会の礼拝全体を「奉神礼(ほうしんれい)」といいます。正教会は奉神礼によって神様を正しく讃美し、正しい祈りをささげ続けています。

「オーソドックス」には伝統的という意味がありますが、それは私たち『正教会』がまさに伝統のある教会だからです。正教会はハリストスからその弟子たちへ、弟子たちから次の弟子たちへと二千年間連綿と受け継がれた歴史と伝統を持っています。

日本では、「キリスト教」というとヨーロッパで発展したローマ・カトリックやプロテスタントばかりが注目されますが、しかし、キリスト教の本家本元とも言えるのが、この「正教会」なのです。

正教会の「正しい教え」の内容は同じですが、機構として国ごとに独立しています。そのためロシア正教とかギリシャ正教など、それぞれ国の名前がつけられます。すなわち日本では「日本正教会」です。

1861年(文久元年)に聖ニコライが伝道の志をもって函館のロシア領事館付の司祭として日本に来た時から日本正教会の歴史が始まりました。聖ニコライは、日本の文化を学び、「正教」を日本に根付かせ、多くの信徒を獲得しました。神学校が開かれ、日本各地に聖堂が建てられ、日本正教会が成長していきました。

見える特徴
(a)楽器を使わないで聖歌を歌い祈る
(b)立って礼拝するのが基本
(c)ろうそくを灯し、香をたく
(d)イコンとよばれる聖なる絵をかかげる
(e)聖職者は祭服を身につけて祈る
(f)信徒は十字架をかいて神の祝福を願う
(g)聖堂を建ててそこに集まり、「聖体礼儀」という大切な祈りを毎週日曜日かかさずに行う。


見えない特徴
(a)教会の伝統にのっとって聖書を解釈し、聖師父とよばれる教会の聖人たちの教えを第一とする。
(b)教会は人間のように成長し、国ごとに独立する。しかし、信仰の内容は同一である。
(c)人間が考え出した宗教観、人間観、世界観ではなく、ハリストスの復活の福音を伝えることが中心。
(d)厳しい戒律などはなく、信仰を深めるための生活の知恵をもっている。