カイロ・整体の医療的考察
(身体の歪みと各種疾病の関連性)
カイロや整体が健康状態を計るうえで、身体の歪みに着目している理由を理解していただけたなら、腰痛、椎間板ヘルニアや肩凝り、四・五十肩、手足のしびれ等の筋骨格系の疾病に関連が深いこと。そして、内臓系の疾患に至る理由が解るでしょう。
疾病の発生順序
筋・骨格系 神経系
1、負担姿勢や特定動作の常態化 1、感覚受容器から中枢への学習
↓ ↓
2、椎間板の変形 2、脊髄神経細胞組織の低下・消滅
↓ ↓
3、脊柱椎間孔部の異常 3、中枢神経系の可塑的変化
1、負担姿勢や特定動作の常態化
長時間の同じ姿勢や動作は、特定の筋に常に負担を強いる事になります。筋の収縮は毛細血管を圧縮し、筋組織が血液不足により硬結・炎症が起こります。
この状態が一時的ならば、単なる肩や腰の張り・コリ、腕・足の張り、火照りやだるさという症状で、湿布・マッサージ・温泉などで2・3日で回復します。
しかし常態化すると、皮膚・筋・骨膜に広く分布する感覚受容器のインパレスが、求心性神経信号が強化され、中枢神経に神経系の学習を誘起します。(いわゆる身体が覚えた動作)
2、椎間板の変形
背骨の椎骨どうしを接続している椎間板は、線維輪と髄核で構成されている弾力のある線維組織ですが、継続的な負担姿勢や特定動作の常態化は、椎間板の代謝を低下させ弾力性が失われ、線維輪の断裂や髄核の突出を起こします。
髄核突出と線維輪の断裂による拡張は脊髄神経の絞扼を起こし、ヘルニアとして痛みやしびれ、感覚・筋力低下を起こします。頸椎に起これば四五十肩・手根管症候群となり、腰におこれば、ギックリ腰・股関節・膝の変形になります。
痛みが治まっても、身体動作の低下と制限が生じます。また、髄核の脱出と線維輪の断裂は、元の組織状態には回復しません。
3、脊柱椎間孔部の異常
椎間孔部は脊髄神経の他に、脊髄神経の動静脈もあります。神経とともにこの血管にも障害が生じ、脊髄への血流低下により脊髄神経細胞組織の低下・消滅となります。
運動系の他に、内臓機能の自律神経系も影響がでます。
脊髄神経細胞体の消失は上位中枢にも影響し、大脳皮質の可塑的変化を起こし、本来の正しい動作が出来なくなり、慢性痛となります。
慢性痛は情動にも影響し、その情動が自律神経系にも及ぶと尚回復を難しくします。