松岡圭祐さん『ブラッドタイプ』


ABO FAN


32.gif (286 バイト)『ブラッドタイプ』はウソでした!?

 松岡圭祐さん『ブラッドタイプ』を読んだ方もいらっしゃるかと思います。

 平成18年9月16日のつながるテレビ@ヒューマンでも紹介されたとのことです。

 ところで、彼のサイトには、究極の血液型心理検査として、バーナム効果が体験できるページがあります。そのページの説明はこうなっています。

世にいう血液型性格判断が科学的根拠なく信じられている理由のひとつとして考えられる、心理学用語「バーナム効果」の効用を実体験していただくため作られました。

 しかし、否定論者の大御所、大村政男さんの主張する「FBI効果」、つまり「バーナム効果」は、血液型が「科学的根拠なく信じられている理由のひとつ」ではありません!

 別に私がそう言っているのではなく、否定論者自身が20年前にそう言っているのです!

 つまり、否定論者でさえ、松岡さんの主張はウソと認めている(?)ことになります!

 万が一にも松岡圭祐さんがそんなことを知らないはずがないし、(まさかとは思いますが!)知っていて書いているなら、私は彼の科学的な素養を疑わざるをえません。

 すぐに結論が知りたい方は、ずっと読み飛ばして『32.gif (286 バイト)「究極の血液型心理検査」のどこがヘンなのか? 』から読んでみてください。

Red_Ball12.gif (916 バイト)『心理テスト』はウソでした?

 ショッキングな題ですが、これからの文章を読んでショックを受けない人がいたら、その人は幸せというものです…。(@_@)

 では、スタート!

 佐藤達哉さん編集の『性格のための心理学』(現代のエスプリNo.372 H10.7 至文堂)には、こんな衝撃的な事実が書かれています! 「座談会―性格のための心理学」(22ページ)から引用しておきます。

大村[政男さん] …私はある授業の時、紙片に学生本来のフルネームを書いて出して貰った。少し経ってから、「君たちの書いた文字をある筆跡鑑定家に依頼してその文字から性格を判断して貰った」(これはもちろん嘘)といって1人ずつその偽の診断書を手渡した。そうしたところ、おおよそ70パーセントぐらいの学生が「当たっている」と報告してきた。

 ということは、大村さんのケースでは、少なくとも70%程度の学生には「バーナム効果」が現れることになります。ところが、続きの文章には…

大村[政男さん] 行き過ぎると自己成就してしまう。偽物を渡されて「当たってる」と思う。ずっと前にYG性格検査をやって、その後、偽の結果を手渡したがだれも文句を言わないで納得してしまった。

 私は、この文章を読んで思わず自分の目を疑いました。信じられなくて、何回も読み直してみたのですが、確かに間違いありません。しつこいようですが、上の文章は一字一句違わずに原文どおり引用したものです。疑問がある人は、自分で原典に当たってみてください!

 大村さんの言うことが事実だとすると、YG性格検査では100%「バーナム効果」が現れることになります。でも、YG性格検査がインチキだという心理学者はいません。少なくとも私が知る限りは…。 松岡さんも、私が確認するまでもなく同意見でしょう。結局、「バーナム効果」が現れるかどうかと、性格に差があるかどうかは(ほとんど?)関係ないとしか言いようがありません。

 単刀直入に言いましょう。この文章が正しいと信じる限り、

 松岡さんの主張はウソ!

 と判断するしかありません。それも、否定論者の大御所である大村さん本人が言っているのですから、いまだに信じられません。(@_@) 何かの間違いなのでしょうか?  いえ、そんなことはないでしょう…たぶん。

 別な証拠も引用しておきます。

Red_Ball12.gif (916 バイト)前川輝光さん 『血液型人間学−運命との対話−』(551〜553ページ)

 「FBI効果」[=バーナム効果]について見ていきたい。大村[政男さん]は能見血液型人間学はニセ科学であり、自らの所説を真実らしく見せるために3つのトリックを用いていると言う。すなわち「フリーサイズ効果(Freesize)」「ラベリング効果(Labeling)」 「インプリンティング効果(Imprinting)」の3つである。「FBI効果」の「FBI」というのは、各効果の英語表現のうちの傍点を付けた文字をつないだものである。
 各効果の内容は以下のようなものである。

 フリーサイズ効果というのは、(能見がある型の特性として提示した気質特性が…筆者)何にでも合ってしまうことをいう。B型の特徴は看板さえ換えれば、ただちにAB型になってしまうのである。 (大村 「『血の商人』 の餌食になるな」、 『朝日ジャーナル』 1985年3月8日号、91頁)
 ラベリング効果というのは、ラベル(レッテル)によって内容が規定されてしまうことである。これがO型の特徴だと書いてあれば、内容が何であってもO型だと思い込んでしまう。
 インプリンティング効果というのは、最初の接触で強い印象が人の心のなかに刷り込まれることをいう。…このインプリンティング効果が利用されているのである。これがA型の特徴だと書いてあれば、A型の人の心にそれが刷り込まれ、ずっと消去しないで存続する。(同誌90〜91頁。以上、『血液型と性格』中の「FBI効果」についての説明はわかりにくいので、『朝日ジャーナル』中の発言を引用した)

 しかし、この問題は実は、大村の依拠する既存の心理学において、すでに議論されていたことであった。引用した大村の発言ではこのことがぼかされているが、白佐俊憲・井口拓自のこの点についての発言を読むと、事態がより明瞭になるであろう。

 こうした効果 (FBI効果…筆者) は特に血液型性格判断だけにあてはまるものではないようである。
 アイゼンクとナイアス…は著書『占星術−科学か迷信か−』の中で、「人びとが一般的で漠然とした性格記述と自分とを同一視するこの傾向は、「バーナム効果と言われ、多くの研究で示された」と述べている。つまり、血液型性格判断に限らず、ラベルを貼られると、たとえそれがデタラメな記述であったとしても、そこに示された性格が当たっていると思ってしまう傾向が一般にあるということである。『入門』46頁)

 大村自身、こうした説の存在は知っていたのである。『血液型と性格』の4年半前に出版された『「血液型」の迷路』では、大村は、大西赤人との対談中、目立たない形でではあるが、こうした説にふれている(「これと同じような事が一般の性格テストでも起こります。そういう報告もありますよ」 『「血液型」の迷路』86頁)。ただし、それが気になったらしい大西から質問が出ると、さっさとこの話題を切り上げている(87頁)。

Red_Ball12.gif (916 バイト)他の心理学者も同意見?

 その後、心理学者である村上良寛・千恵子さん夫妻の『性格は5次元だった』(培風館 H11.6)にも同じようなことが書いてあるのを発見しました(11〜12ページ)。 -- H12.5.16

 「大村先生のFBI効果[注4]は,Freesize effectのF,LaBelling effectのB,Imprinting effectのIを並べたものです.したがって,まったく違う概念です.しかし,フリーサイズ効果はバーナム効果とほとんど同じです.…」…

 バーナム効果はアメリカの入門書には必ず記載されています.…
 欧米の研究者は半世紀近くバーナム効果[注:論文は1956年発表]の名称の元で,性格記述の妥当性の問題を研究してきました.…用語を定義する自由はあります.しかし,バーナム効果を知らずに,フリーサイズ効果…などの用語を考案することは許されないと思います.

 注4 大村政男(1998)Pp.233-235参照[注:新訂版『血液型と性格』のこと].提案は1989年.バーナム効果を知らずにフリーサイズ効果と命名してしまったと思われます.

 これられが本当だとすると、 松岡さんの主張は心理学を否定することになります。つまり、松岡さんが「バーナム効果」を主張すればするほど、自己否定していることなってしまいます。あれ?

 蛇足ですが、皆さんのメールからも抜粋しておきます。

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.1316 男性の正義の鉄槌さんから H18.9.9 9:06

1.面白いですか?

全然(--;)

3.血液型と性格の関係は?

ない

4.メッセージ:

おい、SHOZOよ。まずは下の結果を読め。

http://www.mediabridge.info/...

良識ある人々がちょっと本気を出せば邪教・血液型教は
撲滅できるということだ。
日本も今に血液型の話題を出しただけで知性を疑われる
まっとうな社会になるだろう。
この結果をどう見る?ちゃんと答えろよ。
「貴重な情報ありがとうございますm(_ _)m」で逃げるなよ。
もう言い逃れは許されないぞ。

応援のメールありがとうございます。

#まさかとは思いますが、本人からのメールじゃないですよね(実はそんなことが結構あるんですよね…苦笑)。

 読者のデータもOKってことは、(多くの心理学者が認めていない)能見さんの愛読者のデータが信用できることが証明されたということですね。やった! v(^^)

 実は、本は買ったんですが、時間がなくてまだ読んでません。(^^;;

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.1262 匿名希望さんから H18.6.15 1:15

4.メッセージ:

おい、アボファン!これを見て頭を冷やせ!!

http://www.senrigan.net/....

貴重な情報をありがとうございます。早速入手しようと思います。

 なお、大村政男さんのFBI効果については、こちらをご覧ください。

平成18年9月16日のつながるテレビ@ヒューマン

 私は見ていませんが、こんな内容だったようです。

 平成18年9月16日 22:10〜23:10 NHK総合 血液型占いに異議! 島津有理子、一橋忠之

 私の家では、ちゃんとNHKの受信料を払っていますから、番組宛に抗議メールしちゃお〜かなぁ、なんて…。

 以下は、番組のホームページからの抜粋です。  -- H18.9.20

8)血液型心理検査
『松岡圭祐著の小説「ブラッドタイプ」で解説された「非常に当たると評判になったオンライン心理検査」を再現したサイト「究極の血液型心理検査」で、診断後に「当たっている」と回答した人の割合が9割を超えている。』と11日インターネットの情報サイトで紹介されブログでも数多く取り上げられた。
しかし、12日にこの心理検査サイトが書き換えられ、『この検査は、「バーナム効果」という「誰にでも該当するようなあいまいな記述を自分だけに当てはまるものだと捉えてしまう心理学の効果」を使ったものだ』と告知。「血液型性格分類は、科学的根拠のない迷信である」と示すためだったということで、ブログで話題となっている。

◆「血液型信仰に異議あり!」
血液型診断に科学的根拠がないと証明するサイトを作ったベストセラー作家松岡圭祐さん。一定の時間ごとにどの血液型でも同じ性格が表示されるトリック。
松岡さん「なぜ信じていたのかと思う機会になったらいい」

ブログの意見「信じるも信じないも本人次第。これからも占いを楽しみます」

安珠さん「世界中の人が4つの血液型に分かれちゃうのはどうかなと思います」

松岡さんのHPはアクセス集中により、現在は解説のみ公開中。

Red_Ball12.gif (916 バイト)松岡さん本人からのメール?

 その後、またまたメールが来ました。

 皆さんのメールから抜粋しておきます。

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.1322 O型男性のブラッドタイプ騒ぎさんから H18.9.21 9:37

1.面白いですか?

全然(--;)

3.血液型と性格の関係は?

わからない

4.メッセージ:

ABOFANに反論→???質問の意味が分かりません(^^;;→説明
→???質問の意味が分かりません(^^;;→分かりやすく説明
→入門書を読んでください(^^;;→詳しく説明
→???わかりません(^^;;→根気よく説明
…………以下繰り返し
→もう返事するのも疲れたよ……
→私の意見が正しいので反論できないのですね!!??

あなたは自分の不誠実さ、読解力の低さ、
加えてあまりの低脳ぶりを認めるべき

メールありがとうございます。

 ただ、この内容は正直意味不明です。「ABOFANに反論」とのことですが、私のどの意見に反論しているのでしょうか? さっぱりわからないので、どう頑張っても回答しようがありません。(^^;;

 ひょっとして、『ブラッドタイプ』の著者である松岡圭祐さん本人(あるいは関係者)が、『ブラッドタイプ』はウソでした!?に対して反論しているいうことなのでしょうか?

 まぁ、あれだけ忙しい人ですから、本人から反論が来るとも思えないのですが…。はて?

【H18.10.8追記】

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.1333 男性のワロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwさんから H18.10.7 23:39

1.面白いですか?

全然(--;)

3.血液型と性格の関係は?

ない

4.メッセージ:

やっぱり血液型性格診断は嘘だった。

もう一度これを見ろwwwww
http://www.mediabridge.info/...

これが血液型性格診断の運命なのだwwwww
結局は嘘とバレて否定者が多くなるという事実www

情報をありがとうございます。

 ただ、『ブラッドタイプ』は単純ミスが多いようですので、このアンケートに回答しなかった人も少なくないのではないでしょうか?

 そういえば、同じような内容のメールが何通か来ていますが、ひょっとして関係者の方なのでしょうか?

 このメールが本人からのものとも思えないのですが、そう考えると面白いですし、また読者サービスにもなりますね。

 ということで、読者サービスの一環として、私が勝手にこの反論に答えちゃいましょう。(笑)

 では、スタート!

32.gif (286 バイト)「究極の血液型心理検査」のどこがヘンなのか?

 読者サービスということで、今までの説明と大幅に重複するのですが、もう少しわかりやすく書いてみましょう。

 さてさて、どうなることか…。

 彼のサイトには、究極の血液型心理検査として、バーナム効果が体験できるページがあります。そのページの説明はこうなっています。

世にいう血液型性格判断が科学的根拠なく信じられている理由のひとつとして考えられる、心理学用語「バーナム効果」の効用を実体験していただくため作られました。

 しかし、否定論者の大御所、大村政男さんの主張する「FBI効果」、つまり「バーナム効果」は、血液型が「科学的根拠なく信じられている理由」ではありません!

 ですから、 松岡さんの主張はウソ!ということになります。

 確かに、この実験で、血液型と性格の関係がないと仮定した場合、そう思えるのは「バーナム効果」によるものです。しかし、逆に「バーナム効果」があったからといって、 必ずしも血液型と性格の関係がないとは言えません!

 従って、「バーナム効果」の存在を証明しただけでは、血液型と性格の関係を否定することはできません!

 なぜ、つながるテレビ@ヒューマンのリサーチャーが、こんな単純な間違い(!)をいとも簡単に信じてしまったのか不思議ですが、ひょっとして、血液型は間違っているという(妙な?)先入観を持っていたからかもしれませんね。

#私も妙な先入観に気をつけないと…。

 このページの最初にも書いてありますが、「バーナム効果」は性格心理学が正しいと認めている心理テスト(性格検査)にも存在します。しつこいようですが、佐藤達哉さん編集の『性格のための心理学』(現代のエスプリNo.372 H10.7 至文堂) の「座談会―性格のための心理学」(22ページ)から再度引用しておきます。

大村[政男さん] …私はある授業の時、紙片に学生本来のフルネームを書いて出して貰った。少し経ってから、「君たちの書いた文字をある筆跡鑑定家に依頼してその文字から性格を判断して貰った」(これはもちろん嘘)といって1人ずつその偽の診断書を手渡した。そうしたところ、おおよそ70パーセントぐらいの学生が「当たっている」と報告してきた。

 ということは、 この筆跡鑑定のケースでは、少なくとも70%程度の学生には「バーナム効果」が現れることになります。では、心理テストではどうでしょうか。日本の性格検査で、現在一番ポピュラーとされているのはYG性格検査ですが、「座談会―性格のための心理学」の文章はこう続いています。

大村[政男さん] 行き過ぎると自己成就してしまう。偽物を渡されて「当たってる」と思う。ずっと前にYG性格検査をやって、その後、偽の結果を手渡したがだれも文句を言わないで納得してしまった。

 大村さんの言うことが事実だとすると、日本の代表的な性格検査であるYG性格検査では100%「バーナム効果」が現れることになります。でも、YG性格検査がインチキだという心理学者はいません。少なくとも私が知る限りは…。 松岡さんも、私がわざわざ確認するまでもなく同意見でしょう…たぶん。

 結局、「バーナム効果」が存在しても、血液型と性格に関係がないとは言えないのです。

別の証拠もあります(太字は私)。

Red_Ball12.gif (916 バイト)前川輝光さん 『血液型人間学−運命との対話−』(551〜553ページ)

 しかし、この問題[バーナム効果]は実は、大村[政男さん]の依拠する既存の心理学において、すでに議論されていたことであった。引用した大村の発言ではこのことがぼかされているが、白佐俊憲・井口拓自のこの点についての発言を読むと、事態がより明瞭になるであろう。

 こうした効果 (FBI効果…筆者) は特に血液型性格判断だけにあてはまるものではないようである。
 アイゼンクとナイアス…は著書『占星術−科学か迷信か−』の中で、「人びとが一般的で漠然とした性格記述と自分とを同一視するこの傾向は、「バーナム効果と言われ、多くの研究で示された」と述べている。つまり、血液型性格判断に限らず、ラベルを貼られると、たとえそれがデタラメな記述であったとしても、そこに示された性格が当たっていると思ってしまう傾向が一般にあるということである。『 [血液型性格研究]入門』46頁)

 大村自身、こうした説の存在は知っていたのである。『血液型と性格』の4年半前に出版された『「血液型」の迷路』では、大村は、大西赤人との対談中、目立たない形でではあるが、こうした説にふれている(「これと同じような事[バーナム効果]が一般の性格テストでも起こります。そういう報告もありますよ」 『「血液型」の迷路』86頁)。ただし、それが気になったらしい大西から質問が出ると、さっさとこの話題を切り上げている(87頁)。

 さらに、松岡さんのケースでは、もう一つ問題があります。それは、「バーナム効果」を証明するためのサンプルが、事実上彼の読者に限られていることです。心理学的には、こんなデータは無効とされています。

 否定論者の長谷川さんの主張を読んでみましょう。『現代のエスプリ〜血液型と性格』の中で、長谷川さんはこういう主張をしています。(125ページ 『目分量統計の心理と血液型人間「学」』 長谷川芳典)。

標本の無作為抽出
 統計的検定の基本は、研究の対象となる集団(母集団)全体から何の作為もなく標本を抜き出し、その標本からもどの集団の特徴を推測することにある。標本の選び方に何らかの偏りがある場合は、いくらたくさんのデータを集めても公正な推測をすることはできない。血液型人間「学」の愛読者アンケートのような形で何万人ものデータを集めていかなる「偏り」を発見したとしても、そこから日本人あるいは人間一般の「血液型と性格」を云々できないことは明白である。

 同じ愛読者のデータでも、松岡さんの場合はいいが、能見さんはダメということは(いくらなんでも?)ないでしょう。どんな否定論者、そして松岡さんも、この点では同意してもらえるものと思います。

 しつこいようですが、松岡さんのページから究極の血液型心理検査の説明 を引用しておきます。

世にいう血液型性格判断が科学的根拠なく信じられている理由のひとつとして考えられる、心理学用語「バーナム効果」の効用を実体験していただくため作られました。

 そういう意味で、松岡さんの主張は二重に間違っていることになるようです、残念ながら。(*_*)

 一瞬、NHK受信料の不払いを考えてしまう私でした。(笑)  -- H18.9.22

 → もう少し詳しい内容はこちら

32.gif (286 バイト)『ブラッドタイプ』はウソでした!? Part2

 その後、やっと全部読むことができました。

 松岡さんの主張はウソ!という部分がいっぱいあるようです。

 ちょっとヒドイので、私が気がついた分だけ書いておくことにします。

 読者に無用の誤解を与えないのか、だんだん不安になってきました。読後に松岡さんの主張に同感だというアンケートがあるそうですが、本当に大丈夫なのかなぁ?  -- H18.10.1

 NHKのチェックが甘いのでしょうか? そんなことなら受信料払わないぞ! ← ウソです(笑)

ウソ  骨髄移植をすれは血液型が変わる?

 カバーの裏と本文の200ページには、「骨髄移植をすれは血液型が変わり…」とあります。しかし、この記述は半分正しく、半分は正しくありません。

 正確には、(血液中の)赤血球の血液型は変わりますが、脳や神経の血液型は変わりません(もっとも、最近では脳の一部は変わるのではないか、という指摘もあります…)。

 これは、骨髄移植のことを知っている人なら、“常識”ではないのかと思うのですが…。はて?

【H19.2.10追記】

 『ブラッドタイプ』の内容について、芦田嘉之さんの『やさしいバイオテクノロジー』で批判があります。

芦田嘉之さん やさしいバイオテクノロジー 血液型や遺伝子組換え食品の真実を知る サイエンス・アイ新書 ソフトバンククリエイティブ H19.1 945円(税込)

 現職は、広島大学大学院理学研究科助手です。専門は、ガンの移転・浸潤、植物のストレス応答・防御機能などだそうです。あまり血液型に詳しいとは思えないのですが…。 サブタイトルに血液型や遺伝子組換え食品の真実を知るありますが、これはたぶん編集部が付けたのでしょう。

 血液型に関する内容として6ページを割いています。内容は、血液型を決める遺伝子(110〜111ページ)、血液型の分子生物学(112〜113ページ)、コラムとして血液型と性格に関連はあるのか(114〜115ページ)の3つです。

 これらのうち、コラムでは、能見さんについては『能見の集めた膨大なデータはとても「統計」とはいえず、その解析に科学性はありませんでした』と述べています。また、「血液型と気質の関与は今のところ科学的な根拠が見つかっていません」ともあります。「科学的」の説明がないのでなんともいえませんが、全体の文脈からすると、統計的な根拠があれば「科学的」だとも読めます。

 そうだとすると、否定論者のデータも全否定でないとおかしくなります。なぜなら、否定論者のデータは、自分の教えている学生がほとんどだからです。能見さんのデータだけ一方的に批判するのはいかがかと思いますが、そう言う記述は全くないようです。ちょっと一方的な記述だと思うのは私だけではないでしょう。

 また、能見さんのデータは再現性があるらしいことも、一部の心理学者からは指摘されています。例えば、

 です。これらについても、全く触れられていないのはいかがものかと思います。まさかとは思いますが、よく調べてないのでしょうか。ちょっと考えにくいのですが、ひょっとして知っていて書いていないのでしょぅか?

 意外なところでは、松岡さんの『ブラッドタイプ』についてにいてですが、骨髄移植の誤解しているようだと批判しています。『ブラッドタイプ』では、骨髄移植を受ける患者が全身の血液型がB型に変わるから拒否する、という場面があるのですが、これは私もウソ1で指摘したとおり間違っているとのことです。115ページから引用します。

骨髄由来以外の圧倒的多数の細胞のゲノムは、移植前後で変わりません。したがって、血液型を決定している遺伝子も元のまま変わっていませんから、骨髄由来以外の「血液型」は変化していません。

 やはり、骨髄移植では血液以外の血液型は変わらないようです。

ウソ  中国・韓国・台湾は日本の植民地?

 同じカバーの裏には、「全世界で、日本にのみ広がる非科学的な迷信、血液型性格論」とあります。

 しかし、本文の6ページには、「現在、韓国および台湾でのみ日本と同じく血液型性格判断が大衆文化として存在しているのは、植民地時代の文化交流の名残ではないかと思われている」あります。ということは、現在でも、韓国・台湾は日本の文化的植民地(?)なのでしょうか?

 なお、中国でも血液型は流行っているようですから、この論法では中国も日本の文化的植民地(?)ということになります。

 本当にそう信じているのでしょうかねぇ?

ウソ  血液型だけが大衆に普及した?

 本文の6ページには、血液型について「学会では非科学的と断じられながら、大衆にこれだけ普及した説も珍しい」とあります。ほんとうに血液型が非科学的かどうかは別として、欧米の占星術、日本の六曜など、そんな例はありすぎて困ると思うんですが…。それとも、血液型は星占いや六曜よりも普及しているということなのでしょうか?

ウソ  血液型物質は脳に存在しない?

 本文の78ページでは、日本臨床心理学会の会長である、桑名浩樹さんがこう言っています。

生理学的に、血液型の違いが脳に影響を与えるか否かです。しかし、現代の医学では血液型物質は血液脳関門を越えられないといわれています。ゆえに血液型物質が脳内の化学物質に影響を与えたり、シナプス結合に変化を加えることは、物理的に不可能です。だから血液型の違いが性格の違いに結びつくことはない。

 これはおかしいと思いませんか? なぜなら、臨床心理学会がどう言おうが、医学や生理学については「素人」レベルだからです。

 実際には、血液型物質は脳内に存在することは明らかです。確かに、一昔前の心理学者でそんなことを言っていた人もいるようですが、現在は(間違いを認めて?)沈黙してしまいました。この会長さんが医学に疎いのか、それとも臨床心理学会全体の問題なのかわかりませんが…。

 もちろん、フィクションだから、という解釈もありますが、ちょっとヒドイと思いませんか?

ウソ  「血液型性格判断」は占いではない?

 本文の344ページでは、日本血液型性格判断研究所の所長である城ノ内光輝さんが「占いに科学的な根拠がないことぐらい、誰でも知っていることじゃないか」と言っています。また、「私はただ占いのひとつとしてこれを営んできただけなのに、過剰に信じた婦女子が…」ともいっています。

 しかし、そういう意味なら、臨床心理学だって実証的・統計的な根拠はともかく、現時点で脳内のメカニズムまで含めた「科学的根拠」はないでしょう。そういうこともあって、国家資格化であれだけ問題となっているのではないでしょうか?

#もっとも、今後どうなるかはわかりませんが…。

 また、辞書を引けばわかりますが、「判断」は占いという意味ですから、日本血液型性格「判断」研究所の所長城ノ内光輝さんが責められる理由はないと思うんですが…。

ウソ  「血液型性格判断」は占いではない?

 本文の423ページでは、日本臨床心理学会の会長である、桑名浩樹さんがこう言っています。

医学的にも心理学的にも、血液型性格判分類が存在しないということは明らかであっても、万人が納得できるかたちで説明をつけるのは難しい

 一般に「存在しない」という証明はできません。従って、この文章はちょっと疑問です。また、医学的にも心理学的にも明らかなのにもかかわらず、万人が納得しないということはあるのでしょうか?

 私は、「医学的にも心理学的にも、血液型性格判分類が存在しないということは明らか」ではないと思っています。「万人が納得しない」なら、そう考える方が自然ではないでしょうか?

ウソ  心理検査作成者の責任は問われない?

 本文の448ページでは、岬美由紀さんがこう言っています。

心理検査の各オンライン窓口で説明がありましたように、今回は統計が目的なので作成者の医学的、心理学的責務は問われないことが前提になっています。

 税金でやっているのに、「作成者の医学的、心理学的責務は問われない」ということはないと思うんですが…。法律的な解釈はどうなっているのでしょうか? 検察や会計検査院は何をやっているのでしょう?(笑)

 また、仮に法律的に責任が問われないとしても、社会的責任は問われることになりますし、そちらの方が大変なような気もします。(^^;;

 もちろん、フィクションだから、という解釈もありますが、ちょっとヒドイと思いませんか?

ウソ  心理学者の自己矛盾?

 本文の454ページでは、岬美由紀さんがこう言っています。

科学的にはなんの根拠もなかったことですが、しかし血液型性格分類があまりにも長く国民に浸透したために、自分の血液型の性格とされる部分については、みずから助長してしまう傾向があったはずです。B型だからもともと目立ちたがりなんだと思いこみ、実際に人前に立つのが好きになったり…。だから常に血液型性格判断が当たらないわけではありません。

 実はこれおかしいのです。それなら、心理テストでは血液型によって差が出ないとおかしいのです。つまり、心理学では血液型と性格には関係がある、ということなります。

 まさにこれは、私が言っているとおりということですから、過去(心理学)の「関係がない」というデータはウソということになります。そう書いていないというのは、不思議というしかありませんが…。

ウソ  「バーナム効果」はウソでした

 本文の460ページでは、「バーナム効果」を実証した岬美由紀さんに、記者が「きょう日本の国民全員にとって初めて、血液型性格分類が当たっていると感じるのは錯覚にすぎないと証明されたわけですが…いまのお気持ちをお聞かせください」と尋ねる場面があります。

 しかし、これはこのページにさんざん書いたとおり、ウソなのです!

 確かに、この実験で、血液型と性格の関係がないと仮定した場合、そう思えるのは「バーナム効果」によるものです。しかし、逆に「バーナム効果」があったからといって、 必ずしも血液型と性格の関係がないとは言えません!

 従って、「バーナム効果」の存在を証明しただけでは、血液型と性格の関係を否定することはできません!

 岬美由紀さんは論理学の教育は受けなかったのでしょうか?

 もちろん、フィクションだから、という解釈もありますが、ちょっとヒドイと思いませんか? -- H18.10.1

ウソ10  「バーナム効果」はやっぱりウソでした!

 その後、読売新聞夕刊(平成18年10月28日付け KODOMO新聞 SCIENCE)に松岡さんの記事が載りました。

 大見出し:血液型と性格 無関係?
 小見出し:ウソの血液型性格判断 でも…「当たってる」9割

 松岡さんは、読売新聞の取材に対し「この結果[=バーナム効果]だけで、血液型と性格は無関係と証明できたわけではない」と態度が変わってきているようです。確か、前はそんなことは言ってませんでした…。

 まさか、私の指摘のせいだとも思えませんが、結果としてバーナム効果について私の主張が認められたようで、うれしく思います。 -- H18.11.12

【H18.11.12追記】

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.1353 A型男性のゴリラ人間さんから H18.11.01 12:50

1.面白いですか?

まあまあ(^^)

2.お気に入りのページ

今回は松岡圭佑さんに関するページを読んだので、「『ブラッドタイプ』はウソでした!?」

3.血液型と性格の関係は?

ない

4.メッセージ:

「『ブラッドタイプ』はウソでした!?」を読んで、「『ブラッドタイプ』はウソなのだなあ」と思わなかった私の考えを書かせていただきます。

■“「バーナム効果」が性格心理学が正しいと認めている心理テスト(性格検査)にも存在します” と主張されている部分の一連の記述について

 ここで引用されている大村政男氏の発言を受け、管理人様は「YG性格検査では100%「バーナム効果」が現れる」と結論付けていますが、むしろそうではなく、「バーナム効果」というものの効果の強さを物語っているように思えます。
 管理人様が太字で引用したように、大村氏が「YG性格検査をやって、その後、偽の結果を手渡した」のならば、被験者たちが読んだYG性格検査の結果は実際の検査結果とは異なる「偽」の結果であり、大村氏が「FBI効果」の実効性を立証するためにこの様なことをしたのであれば、その「偽の結果」はおそらく曖昧で誰にでも当てはまるような記述の物であったのではないでしょうか。ここで大村氏が「偽の結果」を渡す事前にYG性格検査を実施したのは、(偽の)検査結果に「権威」と「説得力」を持たせるためでしょう。(もちろん「偽の結果」についての具体的な説明はないので、私の主張するような「曖昧な結果であった」かは、何とも言えませんが、それは私も管理人様も同じでしょう。)

■松岡氏のページの「究極の血液型心理検査」に関する記述について

 このページに関して、管理人様は標本の無作為抽出をあげて間違っている主張していますが、そもそもこのページは「バーナム効果」を「実体験」することが目的であって、ここから寄せられた声を元に「統計学的」あるいは「学術的」に証明したものではありません。なので、標本が適切でないという指摘はあまり意味があるとは思えません。
 ちなみに、「バーナム効果」について科学的に実証しているのは松岡氏ではなく、ポール・ミールやバートラム・フォア(この二人が実験結果を元に「バーナム効果」を証明したようです。ウィキペディアに概略が紹介されていました。)です。
おそらく他の心理学者にも追試験で証明した人がいるのではないでしょうか。標本の無作為抽出などの学術的な瑕疵を指摘するのであれば、彼らの論文に対してすべきでしょう。(能見氏の性格診断に対して標本のとり方などでケチがつけられたのは、能見氏の性格診断が「統計学的に有意である」と主張しているからでしょう。松岡氏のページは、ページの来訪者が体験をすることに重きが置かれており、そのページに寄せられてきた声の結果が統計学的に有意であると主張しているわけではありません。)

■最後に、「「バーナム効果」が存在しても、血液型と性格に関係がないとは言えない」という記述について

 まあ、確かにその通りだとは思います。ただ、一般に知られている血液型性格診断での性格に関する記述は曖昧で、誰にでも当てはまるようなものであり、そのような曖昧な記述の診断結果を読んだ人が「自分に当てはまる」と思うのは「バーナム効果」によるものでしょう。
 「バーナム効果」によって否定されているのは「血液と性格の関係」ではなく、「一般に広まってしまっている血液型性格診断」なのです。もし記述が至極はっきりとしていて、曖昧な部分がない血液型性格診断があれば、それは「バーナム効果」が出ない血液型性格診断となるでしょう。曖昧な部分がなければ、その分ハズレの診断もとても多いでしょうが。

 現在、血液型性格診断に否定的な立場を取る心理学者の方々の中にも、能見氏に代表されるような血液型性格診断に対して否定的な立場をとっていても、「血液や遺伝子と性格の生理学的な関係」に関しては、たとえ微々たるものでも関係があるかもしれないと思っている人はいると思います(推測ですが)。
 以前に「大村さんの“転向”の謎を推理する」を読んだとき、大村氏は一貫して上述のような姿勢を持ってきたのであって、「転向」などといわれるような、立場の逆転などしてはいないのではないかと思ったことがあります。
 もし「血液型と性格の関係」が後々、科学的に実証されたとしても、それが即ち現在の「血液型性格診断」が正しい、という証明にはなりません。もしかしたら「血液型性格診断」とは一致しない内容かもしれません。
 管理人様は「血液型性格診断」と「血液型と性格の関係」と同じものとして考えないほうが、よいのではないでしょうか。

私の考えは以上です。我ながら長い文章だなと思いつつ、送信させていただきます。

メールありがとうございます。

 最初の部分ですが、『「偽の結果」はおそらく曖昧で誰にでも当てはまるような記述の物であったのではないか』というのは、心理学者は一言のもとに否定するはずです。もしそうだとしたら、YG性格検査の妥当性は全く否定されてしまいますから…。(^^;;

 従って、この部分には同意できません。

 2番目ですが、心理学者の基準によると、松岡さんのデータは(愛読者のデータなので)間違っていることになります。心理学者は、能見さんの差が出たデータもそうやって切り捨てているので、松岡さんのデータが正しいということはできません。

 3番目ですが、「「バーナム効果」が存在しても、血液型と性格に関係がないとは言えない」ということに同意していただいてありがとうございます。

 いずれにせよ、松岡さんのデータで血液型を否定するのは難しいと思います。

 そのせいかどうか、読売新聞夕刊10月28日付けの「KODOMO新聞」では、松岡さんは「この結果だけで、血液型と性格は無関係と証明できたわけではない」と態度が変わってきているようです。

 また、『「血液や遺伝子と性格の生理学的な関係」に関しては、たとえ微々たるものでも関係があるかもしれないと思っている人はいると思います(推測ですが)』とのことですが、遺伝子についてはすでに証明されています。残念ながら、血液型については統計的なものだけで、メカニズムについては証明されていません。

 なお、「大村氏は一貫して上述のような姿勢を持ってきた」のではないことは明らかです。ぜひ、時系列で大村さんの論文を読んでみてください。

ウソ1 1  「バーナム効果」はやっぱりウソでした!(その2)

 その後にまたまた、毎日新聞(平成19年2月14日付け 東京朝刊)に松岡さんの記事が載りました。

 見出し: 理系白書’07:第1部 科学と非科学/3 根拠ない血液型性格判断

 松岡さんは、「厳密に言えば、[この記事に書いてある]ニセ検査で多くの人がだまされただけでは、血液型と性格は関係ないことの証明はできない」と言っています。つまり、私の主張と同じですから、当初の主張から“転向”したことが再確認できました。

 まぁ、私の指摘のせいだとも思えませんが、結果的にバーナム効果について私の主張が認められたようで、大変うれしいことです。 -- H19.2.15

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.1417 qさんから H19.2.14 20:05

1.面白いですか?

全然(--;)

4.メッセージ:

http://www.mainichi-msn.co.jp/...

ニセ科学の血液型性格診断。
いい加減認めればいいのに。

貴重な情報をありがとうございます。 否定論者全面敗北を認めた記事ですねぇ、実に感無量です。

 しかし、この記事の見出しだけ読んで、一般の読者は血液型はニセ科学で否定されていると勘違いするんでしょうねぇ、たぶん。私も理系ですが、この紛らわしい記事で理系離れが加速しないことを祈るばかりです。(*_*)

 内容は実に興味深いので、時間があれば別ページで書こうと思いますが、とりあえず時間が許す限り解説しておきます。

 一般の読者のため解説しておくと、まず見出しは次のようになっています。

 平成19年2月14日 『毎日新聞』 東京朝刊
 理系白書’07:第1部 科学と非科学/3 根拠ない血液型性格判断

 これを読むと、qさんの主張は明確に間違い(失礼!)であることがわかります。

 なぜなら、この記事では「血液型と性格は関係ない」とも、「“血液型性格診断”はニセ科学」だとも、全く言っていないからです。見出しを読めばわかりますが、「根拠ない血液型性格判断」であって、根拠がないから必ずしも非科学的で間違いだとは言っていません。これは肝心なことですから、読者の皆さんはよく覚えておいた方がいいでしょう。

 さて、最初にある松岡さんの『ブラッドタイプ』についてですが、彼の最後のコメントがポイントです。記事によれば、彼は「厳密に言えば、[この記事に書いてある]ニセ検査で多くの人がだまされただけでは、血液型と性格は関係ないことの証明はできない」と言っています。

 しかし彼は、「血液型と性格に関係があるという非科学的な考えが根強く残っているのは、科学技術立国として恥ずかしい」とも言っています。

 要するにこういうことです。

 松岡さん自身によると、血液型と性格に関係があるという考えは非科学的であるが、彼の著書やこの記事の(彼に関する)内容では「血液型と性格は関係ないことの証明はできない」ということです。私はこれを読んで爆笑してしまいました。(^O^)

#科学的に否定できないものを、頭ごなしに非科学的だと言えるなら、それは「科学真理教」とでも言うしかないでしょう…。

 この記事は、「根拠ない血液型性格判断」とありますが、ひょっとして(科学的に否定する根拠がない)血液型性格判断という意味なのでしょうか。(笑)

#論理的には、そうとしか考えられないのですが…。

 しつこいようですが、彼がわざわざ「血液型と性格は関係ないことの証明はできない」とコメントしているのは、冗談としか思えません。

 はたして松岡さんの真意はどこにあるのでしょうか??

 この記事を読む限り、「自分の判断の根拠がぐらついた経験を、疑問を持つきっかけにしてほしい」ということですから、やっぱり科学的な否定とは何の関係もなさそうです。はっきり言って、私には理解不可能です。(@_@)

 余談ですが、「バーナム効果」という用語と、バナー効果の存在を証明しただけでは「血液型と性格は関係ないことの証明はできない」という彼の主張は、私が『ブラッドタイプ』についての疑問(彼と全く同じ主張!?)を出版元の徳間書店に送信した後に使われているようです(同時にこのHPにも公開しました)。私の指摘のせいだとも思えないのですが、時期的には奇妙に一致していますね。

 次の、立命館大の安斎育郎教授についての記事はもっと面白いです。(失礼!)

 記事を読む限り、「血液型性格判断を信じる人の心模様も同じだと見る」科学的な根拠は何もありません! なにしろ、血液型については直接的に何の分析もしていないのですから…。

 直接分析もしていないし、占いから血液型へ類推できる根拠も不明で「血液型性格判断を信じる人の心模様も同じだと見る」と言えるなら、それは科学的ではあるはずがありません! 安斎育郎教授の著書は何冊か読みましたが、そういういいかげんなことを言う人でありませんから、たぶん記事にするときに、ひょっとして(スペースの関係で?)何かが抜け落ちたのではないかと思います。

#ちなみに、彼の最近の著書では、以前にあった血液型についての記述がカットされてしまいました。理由は不明です。

 以上のことから、この記事の安斎育郎教授についての内容は信用できるとは思えません。

 最後の、成松久・糖鎖医工学研究センター長の発言は、はっきり言って否定的な内容ではありません。(笑)

 あえて否定的な言葉をピックアップしてみると、

  1. 血液型と性格との関連について、科学的な根拠はありません
  2. [血液型が]性格にも関係するとの主張があるが、証拠はない
  3. A、B、AB、Oのいずれにもあてはまらないボンベイ型の人は、どんな性格なのでしょうか

 の3つですが、いずれも否定的な言葉ではありません。なぜなら、この記事は、血液型を否定するのが目的(?)なようですから、もし成松さんが、「血液型と性格は関係がない」と断言したのなら、こんな回りくどい表現にするはずがありません。そのままズバリ、「血液型と性格は関係がない」と書くはずです。

 qさんもご承知のとおり、松岡さんは作家ですし、安斎さんは原子力物理学者ですから、いずれも血液型の専門家ではありません。しかし、成松さんは違います。世界的に有名な血液型の専門家ですから、前の2人とは言葉の重みが違うのです(失礼!)。仮に彼が明確に「血液型と性格は関係がない」と言ったなら、誰だって3人のうちで一番最初に持ってくるはずです。

 しかし、現実には、彼の記事を一番最後に持ってきて、しかも直接的に否定的な言葉は全くなかった。それは、彼が否定的な言葉を言わなかったからとしか考えようがありません。

 例えば、()の中のような言葉を補っても、何の違和感もありません。

  1. 血液型と性格との関連について、科学的な根拠はありません(が将来的に根拠が証明される可能性は残ります)
  2. [血液型が]性格にも関係するとの主張があるが、証拠はない(が将来的に証拠が発見される可能性は残ります)
  3. A、B、AB、Oのいずれにもあてはまらないボンベイ型の人は、どんな性格なのでしょうか(興味深いですね)

 私がこう言っているのは、根拠があります。実は、彼は肯定論者なのです! 以下は、読売新聞の記事についてのコメントしたものからの引用です。

読売新聞(夕刊) 平成18年10月28日付け KODOMO新聞 SCIENCE

 大見出し:血液型と性格 無関係?

 記事の一番最初にはこうあります。

えーっ。理科子先生が恋人に振られた? 「B型は自分勝手で」マイペースだから、付き合えないって言われたの」。ショックで落ち込む理科子先生。「血液型と性格って、本当に関係があるのかしら…」。見かねたイカ丸は、理科子先生のため、ひと肌脱ぐことにした。

 その後、血液型について調べています。そして最後には…

イカ丸の報告を聞き、理科子先生は少し元気になった。「これからは、血液型なんか気にしない男性と付き合うわ」

 といった感じで終わります。一見、否定的な記事のように思えます。

 しかし、この記事は、一言で言えば「日和った」記事です! 一見、血液型と性格の関係を否定しているように思えますが、よくよく読むと違うのです。

 まず、大見出しが「血液型と性格 無関係?」と「?」マークがあり、明確な否定にはなっていません。

 また、小見出しでは「科学的根拠なし」とありますが、よく読むとやはり明確には否定していないのです。大阪大学微生物研究所の谷口直之教授は「性格との関係を示す科学的な証拠は見つかっていません」と答えています。しかし、「科学的な証拠(=メカニズム)」がないからといって、関係が否定されるわけではありません。それは、否定論者である心理学者自身からも明確に否定されています。

  • 菊池聡さん 不可思議現象心理学9 血液型信仰のナゾ−後編 月刊『百科』 平凡社 平成10年3月号 28〜29ページ (太字は私)

 血液型が性格に影響を与えるメカニズムが明らかでないことを批判点として挙げる人もいる。説明原理の不在は科学理論として決して望ましいものではないが、現実に承認されている他の科学理論にも詳しいメカニズムが不明なものはある。メカニズムを解明しようとしない血液型学の提唱者を批判することはできても、理論自体をこの点だけから批判するのはフェアではない。

 ところで、谷口さんは、有名な肯定論者の成松久さんとは知り合いです。参考のために、成松さんの主張を再掲しておきます。

ゲノム情報を超えた生命のふしぎ 糖鎖 第16回「大学と科学」公開シンポジウム講演収録集 H15.1 3,000円+税 クバプロ

 この本は画期的です。ABO式血液型と同じく糖鎖で決まるルイス式血液型で性格が変わることが実証されたからです。やった〜!
 貴重な実験をしたのは成松久教授(産業技術総合研究所糖鎖工学研究センター)です。この本の55から56ページから引用します。

 私は、血液型と性格は関係あるという説の肯定論者です。ただし、ABO式だけが性格をきめているのではなく、ありとあらゆる神経で発現している糖鎖のポリモルフィズム(変異多型)が性格と関係あるに違いないと思っています。一例を示すと、ルイスXとは、先ほどのルイスA、ルイスBとよく似た糖鎖構造を神経で発現しているものです。これを合成するフコース転移酵素をクローニングしてノックアウトマウスを作出すると、抗原構造が消失します。そのマウスは非常におじけついていて、おっちょこちょいで、情緒が不安定です。ルイスXという糖鎖がネズミの性格を決めていたことを証明することができました。

 残念ながら、この本には糖鎖によりなぜ性格が変わるのかは書いてありません。今後の研究に期待したいところです。

 実は、この本は、「平成13年度文部科学省科学研究費補助金」を使っている事業の研究成果の発表であり、その代表は谷口さんです。代表を務めているのですから、この記述を谷口さんが読んでいないはずがありません! また、成松さんの主張に反対なら、わざわざ研究と直接関係がない「血液型と性格の関係」を報告書に掲載するはずもありません。

 これからは私の推測ですが、読売新聞の取材に対しては、「性格との関係を示す科学的な証拠は見つかっていません」と答えたのは事実でしょう。しかし、「関係がない」とは言わなかったと想像できます。なぜなら、「関係がない」と言ったなら、たぶんそのまま記事にするはずですから…。もちろん真相はわかりませんが、そう考えると納得ができます。

 ちなみに、「血液型と性格に関係がある、という説は昭和初期、日本の心理学者の研究から生まれたとされる」とありますが、心理学者によれば、これは間違いとされています。な ぜなら、記事中で紹介された佐藤達哉さん自身が明確に否定しているからです。

 正しくは、世界で最初に血液型と気質の関係を示唆したのは原来復さん(A型)と小林栄さんです。事実、佐藤達哉さんの『通史日本の心理学』と『日本における心理学の受容と展開』にはそういう説明があります。以下は、『通史日本の心理学』(274ページ 下線は私)からの引用です。

 さて、血液型と人の性質に関係があるのではないかと考えたのは必ずしも古川が最初ではなく、医師原来復(1882−1944)などがその先駆である。しかし、原のアイディアはわずかな医学者の関心をひいただけに終わった。古川はおそらくこれらの人々とは無関係に自説を暖め、研究を行い、成果を発表し、そして賛否両論を受けたうえで、最終的にその説を否定されたのである。その意味で血液型気質相関説は古川の学説であったといってよい。

 佐藤さんにも取材したはずなのに、こういう単純ミスがあるとは理解しがたいことです。

 いずれにせよ、この記事は不正確な内容が多いことは事実ですから、はたして登場人物の発言も、本当にそういう意味の発言をしたのかは大きな間疑問符を付けざるをえません。私も新聞記者に取材されたことはありますが、某テレビ局のように発言を捏造することはないとしても、引用の仕方で全く違った意味になってしまうことも少なくありません。

 そういうことを考慮した上で、総合的に判断する必要があると思います。

 繰り返しになりますが、qさんの主張は明確に間違い(失礼!)であることがおかりになったでしょうか?

【追記】

 再度読み直してみたところ、もう一つの明らかな、しかも初歩的なミスを発見しました!

 記事では、「A型はA抗原、B型はB抗原、AB型はA抗原とB抗原、O型はH抗原を持つ」ということですが、これは明らかに間違いです。なぜなら、H抗原はすべての血液型が持っているからです。これはどんな入門書にも書いてあるはずですから、非常に初歩的なミスと言えます。このような初歩的なミスが見逃されてそのまま記事になってしまうとは、毎日新聞の科学欄は、(少なくともこの記事は)あまり信頼がおけるとは思えません。まぁ、捏造でも意図的なミスでもないと信じますが、それにしても読者の信頼を失いかねない内容であることは確かです。

 また、この記事の中では、心理学者が直接発言している部分が発見できません。「性格」と言ったら心理学の専門領域ですから、記事中に全く心理学者の意見がないというのは不思議としか言いようがありません。まさか、記者が心理学者に取材をしなかったとも思えないので、ひょっとして“取材拒否”でもされたのでしょうか…。まぁ、それは冗談としても、非常に奇妙な記事であることは確かです。

 以上のことから、この記事はあまり信頼性が高いとは思えません、残念ながら…。

 ところで、第1回の「教室にニセ科学」で面白い記述を発見しました。

 http://www.mainichi-msn.co.jp/science/...

モーツァルトの音楽が人間に影響を与えるとする「モーツァルト効果」をめぐっては、90年代に英科学誌「ネイチャー」で科学者が論争を繰り広げたことがあるが、科学的な決着はついていない。

 さらに、実際に実験した鳥取大医学部の深田美香助教授(基礎看護学)は、記事によればこうコメントしています。

深田助教授は「他の音楽にも効果はあるかもしれず、モーツァルトだけを特別視する材料はない。被験者が少なく、ストレスを左右する他の要因を考慮していない。個人差もある。統計学的な説得力はない」と話す。学会や論文では発表していない。

 素直に読むと、日本の学会ではこの手の研究は「タブー」としか考えようがありません。私は全くの部外者なので、学会の事情は全然知りませんが、血液型と同じように「ネイチャー」の論争後に「タブー」になったのかもしれないと勘ぐってしまいます。(笑)

#なぜなら、議論や追試は全く行われていないようだからです。これは「タブー」である証拠なのかもしれません…。

 確かに、どの業界にも「タブー」はありますから、学会に「タブー」があっても私は不思議には思いません。しかし、そういうことでは、記事の意図とは反対に、一般の人の科学離れを促進する結果にもなりかねないのが残念です。

#「血液型論争」はその典型です。

 第2回の「教室にニセ科学」にも少々疑問の部分があります。

 http://www.mainichi-msn.co.jp/...

 それは、関東地方の理科教師(52)の「言葉が物体に影響を及ぼすことはありません」というコメントです。もちろん、言葉が物体に影響を及ぼすとは科学的に証明されていないので、このコメントは間違いではありません。しかし、このコメントでは子供の科学の目を摘んでしまうことにもなりかねないでしょう。実験には必ず誤差があり、その誤差をどう判断するか、どうすれぱ誤差が小さくなるのか、きちんと説明すべきだったと思います。

 もちろん、実際にはこの先生はそう指導しているのかもしれません。記事のスペースの都合で「言葉が物体に影響を及ぼすことはありません」と書かれてしまっている可能性もあります。しかし、この記事の一般的な読者はそうは思わないでしょう。

 私も記者の意欲は買いますが、一般的な読者には(私の考え過ぎかもしれませんが)逆効果にならないかと、つい余計な心配をしてしまいます。

 最後に、『毎日新聞』の記者に苦言を一言。

 『朝日新聞』の血液型の記事では、初歩的なミスについてメールで指摘したら、その日のうちに返事が返ってきました。新聞記者は忙しいでしょうから、丁寧な対応に恐縮した記憶があります。しかし、今回の『毎日新聞』の記事では、まだ私のメールの返事は来ていません。たぶん返事はもらえないのでしょう。同じような内容の記事なのですが、新聞社によってこのように対応に差があるとは少々残念です。

 

 

【H19.9.4追記】

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.1572 O型男性のとんねんさんから H19.7.4 18:53 [2通のメールを1つにまとめました]

1.面白いですか?

全然(--;)

2.お気に入りのページ

特になし

3.血液型と性格の関係は?

ない

4.メッセージ:

ずいぶん過去の話かと思われますが、松岡圭祐著「ブラッドタイプ」に関する意見です。

ファンにとっては「ウソ」という単語に大変ショックを受けました。
しかしながら「ブラッドタイプ」に関する反論はいささか納得できるようなものではありませんでした。

まず、「ブラッドタイプ」が批判しているのは世間に広がる血液型性格判断のことであり、あるかどうかはわかりませんが「性格と血液型の関係」を科学的アプローチで研究している人間に対しての直接的批判ではないということです。
世間で一般的に信じられている血液型性格判断は血液型とそれに対するある程度定説化した各々の性格を言い表しているものであり、科学的根拠の乏しい迷信だということ。
つまり、研究の結果ある程度関連性が認められた「血液型と性格の関係」を皆が信じているわけでは無いということです。

それを、真剣に「血液型と性格の関係」を研究している人の論文だとか著書だとか引用して批判するのはいささか見当違いであるといえます。
たとえば、仮に「血液型と性格の関係」が科学的根拠があると大勢の人に周知されたとしましょう。しかし、だからといって今まで言われていた「O型は大雑把」「A型は几帳面」「B型は自己中」といったような性格に必ずしも当てはまるとは限らないということです。
先に自分にフォローを入れておくと上の性格は世間一般に知られている血液型に対する性格であって、まじめに研究されている血液型の本などで詳しく解説されているものとは違っていると思います。そこをつつかれて「最近の研究ではそうではない」と言われても返す言葉がありませんし、まじめに討論されても一般的に認識されている血液型と性格に関する定説化された迷信を、現在研究されている科学的関連性に改められることはないでしょう。
「ブラッドタイプ」ではこの定説化された迷信と、それに伴う職場や学校、男女間での差別を否定するというストーリーであることを認識していただきたいです。

次に、「ブラッドタイプ」もろもろ松岡圭祐さんの著書は娯楽小説であり揚げ足取りは不要です。現実的な側面でストーリー上の演出をあれこれ言うのは野暮ってもんです。

最後、これは私の結論とでもいうべき事柄です。
「血液型と性格の関係」を語る上で根本的な問題ですが、人間の性格とは何を持ってその人の性格といえるのでしょう。
たとえば、他人を観察すると、あるときは優しくあるときは怒りっぽいといった状態は頻繁にあるものです。「血液型と性格の関係」によって某型は怒りっぽい、また某型は優しいといった具合に関連性が証明されたとしても上記の通りやはり誰にでも当てはまる性格だとしかいえません。
無気力で自堕落、他人の気持ちに配慮しない性格の人が、ある日を境にやる気に満ち創造力や独創性を発揮し他者を思いやる心が芽生えることもあるかもしれません。
逆に、興味ある事柄に精力を尽くして取り組み多くの人々に貢献してきた人が、ある日を境に挫折し無気力になることもあるでしょう。

性格とは非常に微妙なものであるといえます。何がそれを決めるのか?血液型?遺伝子?環境?自分を変えてくれる人間との邂逅?
それらのどれか、もしくは全てが密接につながりあって人の性格を決めているのかもしれません。
「ブラッドタイプ」で岬美由紀が言っていた言葉を貴殿はお読みになりませんでしたか?
「(略)あの人はB型だから結婚しても幸せになれない、あの人はA型だからサラリーマン向き・・・。そんな事実無根の判断、いったい何になるんでしょう。誰も人の性格をこうだと決め付けることはできません。性格は多面的で流動的なのですから・・・」
そうです、人の性格は多面的。決してこういう性格と決め付けることは出来ないのです。また、「あの人はこういう性格」と言っても人の性格は時とともに変わっていくものです。
どのような説を呈しようと、人の性格を決め付けることは必ずしも出来ませんし、人の一面を見て性格を推し量ることもできないのです。

また、こうも言っておられます。
「(略)それを血液型という迷信に縛られ、先天的性格と思い込むと、悪いところを直そうとしなくなるという弊害も起きます。人はいつでも変われるんです。血によって性格はさだめられない。わたしが申しあげたかったことは、以上です・・・」
このメッセージを聞けばいかに「血液型と性格の関係」が不毛なものであるかお分かりになられると思います。
血液型でもし性格が決められたとしても人はそれを変える力を持っている。人がそれをやめたら、人は意思を捨て動物的本能の操り人形に成り下がってしまう。自らを改善する能力を持たずして人はどうやって世界をよりよい方向に持っていけるのでしょうか。血に縛られている限り人は人にはなれないのです。今後あらゆる研究の結果「血液と性格の関係」が証明されたとしても私はそんなものに縛られることはないでしょう。明瞭な意思と自己認識により何が最善かを判断し血に縛られた自己の性格さえも改変することが私には出来ると確信しています。それどころか全ての人間にそれが可能だと信じます。
なぜなら、人は自らの意思で不可能を可能にしてきた唯一の生物であるからです。
ヒトゲノムを全て解析できたからと言って、その人の人生を丸ごと知ることは出来ませんし、遺伝子がその人の人生を決めることも出来ません。
同じように血液が性格に影響を与えたからといって必ずしも人の意思を超越して人を操ることは出来ませんし、性格が人生を決定することもできないのです。
人の性格は多面的で流動的、ゆえにそこに個性が生まれ独創性が生まれ多様性が生まれる。多様性が生まれ人間は関係性を持ち社会を作り世界を動かす。そしてその多様性は進化を促進する。そこにはじめから組み込まれたプログラムや人を超越した意思などは皆無なのです。人が意思を持ち続ける限り人は何者にも犯されない真の自由を獲得するのです。

私は人の性格は自らの意思が決めるものであると断言します。血が人の性格を決めるのであれば、その性格に合わない事柄をあきらめねばならなくなります。しかし、人はそれを打ち破ってきた。困難に立ち向かいそれを乗り越えてきた。
血液型で優劣を争ったり、性格上向いてない事柄に懸命に取り組んでる人間をあざ笑ったり、血液型の性格で誰かを無意味に嫌悪し憎悪したり、そんな人間に私はなりたくはありません。
貴殿はどうなのでしょうか?本当に「血液型と性格の関係」を証明することが有益なのでしょうか?

ある事実を述べさせていただきます。「血液型と性格の関係」に直接かかわる事柄でないかもしれません。
「魚鱗せん」という先天的皮膚疾患に侵された子供が生まれました。それまでその疾患に罹った子供は治療を施しても最長で2年しか生きられなかったそうです。しかし、その子は治療の甲斐もあって18歳(私がその情報を読んだ当時)になりました。彼はただ、病床に伏し絶望しているわけではありません。彼は普通の人間にも困難なトライアスロンに挑戦したのです。遺伝子に欠陥があり脆弱であるにもかかわらず、治療の成果と自らの意思でトライアスロンの選手になった彼は遺伝子に人生を縛られた人間であると言えるでしょうか?彼は自らの意思で先天的な性質による壁を打ち破ったのではないでしょうか?
同じように血液型にもいえることです。人は自らの意思により仮に科学的に証明された血液型によって表される性格も凌駕できるのです。

もう一度よく「ブラッドタイプ」をお読みになり著者が伝えたいことを読み取っていただければ幸いです。たとえ血液型と性格の関連性が証明されても彼の伝えるところはなんら間違ってなどいないということを・・・。


追記ですが、心理テストとバーナム効果がどうのこうのという記述がありましたが、テストを受けた本人に自らの性格や性質を伝えて何の意味があるのでしょう?自らが自ら受けたテストの結果を見て、たとえそれが偽の結果であってもバーナム効果は働くだろうし、当てはまっていなくても「そうなのか」と納得するだろうことはわかります。なぜなら、心理テストは自らでは気づくことの出来ない情報も含んでいるからです。
しかも、その結果によって心理テストの正当性とバーナム効果の関係は決して矛盾するわけではないのです。
勘違いしておられるようですが、テストの結果を本人に伝えてどうするんでしょう?普通であればそれは精神科医やカウンセラーが参考にしてテストを受けた人の精神分析とカウンセリングに役立てるはずですが・・・?私は、そこら辺に造詣が深いわけではないので間違いがあるかもしれませんが、どう考えても本人に伝えて意味のある行為だとは思えません。むしろバーナム効果を否定するプロパガンダに使用されているように感じます。

私は決して「血液型と性格の関係」を絶対にありえないし馬鹿馬鹿しいとは思っておりません。科学的に研究することに批判する気もありません。ただ、私たちにとってなんら有益なことではないと思っております。何度も繰り返してきましたが、性格は変わるし、自らの意思で変えられるものだからです。

長文駄文・誤字脱字等申し訳ありません。
私の言いたいことを齟齬無く伝えようと思いこのような文章になってしまいました。
最後まで読んでいただいたことに感謝します。

−−−−−

前にもメールを差し上げたかと思いますが、
私は「ブラッドタイプ」含め松岡圭祐さんの書籍はほぼ全て読んでおり愛読書として親しんでおります。
「ブラッドタイプはウソでした」の見出しに惹かれ拝読させていただきましたがいささか勘違いをしておられるようなので反論させていただきます。
先に明言しておきますが、もし、自ら書いた文章に責任をお持ちであり私の反論に対して明確に答えることが出来ないようであれば、直ちに該当文章の訂正および削除をしていただきたく存じます。
何より、読者としましても誤った記述を野放しにしておくことができません。
棘のある物言いかと思われますが、お察しください。


「心理テスト」はウソでした?に対しての反論。

>>大村[政男さん] 行き過ぎると自己成就してしまう。偽物を渡されて「当たってる」と思う。ずっと前にYG性格検査をやって、その後、偽の結果を手渡したがだれも文句を言わないで納得してしまった。

これに対して。SHOZOさんは

>大村さんの言うことが事実だとすると、YG性格検査では100%「バーナム効果」が現れることになります。
>でも、YG性格検査がインチキだという心理学者はいません。
>結局、「バーナム効果」が現れるかどうかと、性格に差があるかどうかは(ほとんど?)関係ないとしか言いようがありません。

ここで貴方は大きな勘違いをしておられます。
と、言うのもそもそも心理テストというものは、精神科医やカウンセラーが治療やカウンセリングの参考に使うものではないのでしょうか?
心理テストの結果を被験者みずからが見て、そこから自らの治療のためにそれを役立てるなんてことはしないでしょう。
本人に見せれば占いやそのほか性格診断と同じようにバーナム効果が出るのも頷けるはずです。
偽のYG性格検査を本人に見せて納得させることが、どうして

>「バーナム効果」は、血液型が「科学的根拠なく信じられている理由のひとつ」ではありません!

というようなことになるのでしょうか?理解できません。
バーナム効果は主観的な解釈によりそれを受け入れてしまうのであり、如何に信頼性の置けるテストを偽って本人に見せたとしても、やはり主観によって判断されてしまうものはバーナム効果をはらんでしまうのです。
しかし、信頼性の置ける検査をそのまま第三者が正しく扱うことはなんら偽りようがないので、心理学者はだれもインチキだと言わないのです。

よって
>単刀直入に言いましょう。この文章が正しいと信じる限り、
は、否定されましたので。
>松岡さんの主張はウソ!
もまた、否定されたということです。
>これられが本当だとすると、 松岡さんの主張は心理学を否定することになります。つまり、松岡さんが「バーナム効果」を主張すればするほど、自己否定していることなってしまいます。あれ?
あれ?やっぱりこれも否定されますね。
以上の理由により該当文章は正当性のない文章であり著しく松岡さんおよび愛読者の心を傷つけることになりますので、訂正および削除を要請いたします。

蛇足ですが、ところどころ受信したメールに対して、松岡さんおよび関係者が送ってきているのではないかと邪推しておられるようですが、匿名の人物に向かって勝手な憶測を働かせひいては関係者等を侮辱するような記述はあまりに不快であり、貴方の悪意のようなものまでも感じてしまいます。匿名なら匿名と、勘繰ることなく紹介していただきたい。この箇所も若干の訂正をお願いいたしたい。

「究極の血液型心理検査」のどこがヘンなのか?に対しての反論
重複した記述なので一応。
上記で私が書いたことと同じです。
>「バーナム効果」は性格心理学が正しいと認めている心理テスト(性格検査)にも存在します。
これは、上記で書いた通りです。本人が見ればバーナム効果は現れます。心理テストは第三者によって使用、参考されるべきです。
ただし、
>「バーナム効果」が存在しても、血液型と性格に関係がないとは言えない
これに関しては同意せざるを得ません。
「ブラッドタイプ」と「究極の血液型心理検査」では、結局のところ俗に言う「血液型性格診断という非科学的な迷信」を多くの国民がどうして信じてしまうのか、その仕組みを「バーナム効果」によって証明したにすぎません。
つまり、脳科学等の医学的アプローチにより「血液型と性格の関係」を否定したわけではないからです。
つまり、今後も「血液型と性格の関係」が医学的に解明される余地はあると私も思います。

>松岡さんのケースでは、もう一つ問題があります。それは、「バーナム効果」を証明するためのサンプルが、事実上彼の読者に限られていることです。
確かに、信頼たるデータにはならないでしょう。私も「あたってる」に投票しましたから。
ただ、ブログなどで取り上げられ話題になったのも事実です。

『ブラッドタイプ』はウソでした!? Part2に対する反論

>ウソ1  骨髄移植をすれは血液型が変わる?
>正確には、(血液中の)赤血球の血液型は変わりますが、脳や神経の血液型は変わりません(もっとも、最近では脳の一部は変わるのではないか、という指摘もあります…)。
世間ではABOの赤血球の血液型が広く血液型性格判断として広まってます。よって「ブラッドタイプ」の白血病患者は骨髄移植によりB型(赤血球の血液型)になるのを極端に嫌がったわけです。HLA(白血球の血液型)にも触れていますし。体の全ての血液型が変わってしまうといったような表記は見当たりませんでした。また、フィクションであれ医者がそう言っていたのであれば問題ですが、患者が言っている分には医学の知識がありませんのでまったく問題はないでしょう。
ん〜?何が問題なのかわかりません。貴方は小説の読み方を知らないのではないかと思われます。専門的書籍と違い小説というものは行間を読むものです。言った言葉をそのまま受け取るなんて無粋なまねはしないものですよ。
言及されているのは
>恊争Aをすれは血液型が変わり…
でありますが、やはり赤血球の血液型が変わると書いてありますし、それほどまでにおかしい記述がありましたでしょうか?

ウソ2  中国・韓国・台湾は日本の植民地?に対する反論

やはり貴方は小説の読み方を知らない。
ただ、粗探しのためだけに小説をお読みになられるのなら誤解を招くのでやめておいたほうがいいでしょう。
私が、解説します。
まず、カバー裏の解説と本文中の表記が異なることに違和感を覚えているのでしょうか?
解説は短くするため本文との齟齬が多少はあることぐらい理解してください。
つぎ、
>本文の6ページには、「現在、韓国および台湾でのみ日本と同じく血液型性格判断が大衆文化として存在しているのは、植民地時代の文化交流の名残ではないかと思われている」あります。ということは、現在でも、韓国・台湾は日本の文化的植民地(?)なのでしょうか?
はぁ?としか言いようがありません。本当に小説の読み方を知らない。もう、小説なんて読まないでください。読んでもいいけど、不特定多数が観覧する媒体にその批評を書かないでいただきたい。
あのね?これ、フィクションだよ?作者の意図わかる?これねぇ左翼的新聞社の皮肉。もちろんフィクションのね。現実にもあるでしょ?日本を貶めようと自虐史観に走る新聞ってさぁ。そういう新聞社が血液型と交えて日本の植民地支配を糾弾してるわけ。
実際に松岡さんがそう思ってるわけじゃないから。
なんで、読めないかなぁ?読解力とかの問題でなくもう頭のなか批判精神でいっぱい何じゃない?目に付いたもの全部にけちつけなきゃ仕方ないみたいだね?フィクションなのに。しかも細かいとこまでとりあえげてさも著者がそう思ってるんじゃないかなんて勘繰ってるし。本当にお堅い本しか読んでないのかな?もっと小説読み込んだほうがいいよ。誤解を招かないためにね。
と、なにやら興奮してしまい申し訳ありません。
何が言いたいか大体理解していただけるかと思います。
ただの揚げ足取り、それ以前にSHOZOさんの読み違い・勘違いです。何の意図も、疑問もさしはさむ余地のない事柄です。
この「ウソ2」は削除した方がいいと思います。
いえ、ぜひ削除してください。
完全にSHOZOさんのミスリードです。
最後にもう一度いいます。
これは、フィクション世界での左翼新聞社が日本の植民地支配を糾弾するための皮肉を血液型と交えて記事にしているのです。著者が実際に思っている事柄ではありません。
あまりに、大真面目にSHOZOさんが書いているので何度言っても理解してもらえるか心配です。これに関しては理解していただかないと困ります。
ここだけでも回答してほしいです。お願いします。本当にお願いします。

ウソ3  血液型だけが大衆に普及した?に対する意見

考えればわかると思いますが、星占いを例にとると、牡牛座はどんな性格かすぐに出てくるでしょうか?
しかし、血液型となると別です、A型は神経質で綺麗好きとかB型は自己中心的で目立ちたがり屋、たった4つの分類で、なおかつそれぞれの性格も刷り込まれたように世間に広まっています。
身近な人に聞いてみたらどうでしょう?天秤座の性格は?とA型の性格は?大多数が後者に同意見を発するでしょう。そこを見て血液型が広く大衆に普及したと言っても差し支えないと思います。
また、血液というのは医学的根拠がありそうなので信じられる傾向にあるということも書いてあったと思います。

ウソ4  血液型物質は脳に存在しない?に対する意見

>臨床心理学会がどう言おうが、医学や生理学については「素人」レベルだからです。
登場人物がどうであれ当の著者は「素人」ですが?
ま、まさか現実と小説の中身を混同している可愛そうな人ではないですよね?
>実際には、血液型物質は脳内に存在することは明らかです。確かに、一昔前の心理学者でそんなことを言っていた人もいるようですが、現在は(間違いを認めて?)沈黙してしまいました。この会長さんが医学に疎いのか、それとも臨床心理学会全体の問題なのかわかりませんが…。
この会長さんが?だから小説の登場人物に何言ってんの?それとも・・・ってだからフィクションだってば!!小説!!小説!!何度言えばわかるの?小説だよ?
>もちろん、フィクションだから、という解釈もありますが、ちょっとヒドイと思いませんか?
えぇフィクションですよ。知らないから教えてあげますが、松岡圭祐さんの著書にはかなり現実にそぐわない記述があります。
本人もそれを意識しています。
なぜなら、エンターテイメント小説を形作るために必要なことだからです。
小説を読むのなら多少のウソや誤解は覚悟するべきです。
そういう意味でも貴方に小説を読む素質はありませんし、批判する資格もありません。
じゃぁフィクションなら何書いてもいいのかって?
そこは、読者が著者の一番伝えたいことを読み取ることが重要です。
著者は作品を盛り上げるために誇張や誤解を招くような記述をすることもあります
しかし、本当に伝えたいことにウソ偽りはありません。
それを読み取れない人間は小説読むなんて10年早いし批判なんて100年早いです。

ウソ6  「血液型性格判断」は占いではない?に対する意見
さて、進化論は明らかなのに創造論を支持する人間がいますが?
地動説は明らかなのに天動説を信じる人間もいます。
マイナスイオンで病気が治ったりするはずもないのに信じてだまされる人が居る。
そもそも、この世にだまされる人間がいる限り如何に明白な事実であってもそれを納得できない人もまたいるのではないでしょうか?
万人が納得できないからその事柄が明白ではないというのは「納得できません」。

ウソ7  心理検査作成者の責任は問われない?に対する反論
もう一度小学校の国語の時間をやりなおせ。
もう、憤慨モノですよ。
岬美由紀は社会的責任を問うために辞意を表明しましたが?
それも、手を貸した仲間たちも同じように辞意を表明しました。
本当に、小説よんだのか?
自分にとって都合の言い部分だけナナメ読みしてるんじゃないのか?
もしくは、都合の悪い部分に脊髄反射的に反論するから細部まで見えていないのか?
とにかく、もう一度読んでから反論してくれ。頼む。頭が弱いのはわかったからもう一度よんでくれ。辞書も貸すよ。読み方も教えてあげるから。それと現実と虚構の区別も教えてあげる。だからもう一度よんでください。お願いします。

ウソ8  心理学者の自己矛盾?に対する意見
思い込みなんだから心理テストでは結果は変わるのでは?
心理テストには思い込みも反映されるのですか?
詳しくないのでわかりません。

ウソ9  「バーナム効果」はウソでしたに対する反論
>血液型性格分類が当たっていると感じるのは錯覚にすぎないと証明されたわけですが…
確かにバーナム効果によって血液型性格分類があたっていると感じるメカニズムが解明されたわけですが
>従って、「バーナム効果」の存在を証明しただけでは、血液型と性格の関係を否定することはできません!
別に、血液型と性格の関係を否定したとは書いてないよね?ね?ね?ね?
もう5度くらい読んでください。否定したとは書いてない。
何故あたってるように感じるのかを証明しましたが、否定したとは書いてない。
あと、何回書けばいいのですか?
簡単な日本語です。理解してください。お願いします。

ウソ9,10について
だからバーナム効果は血液型性格分類が何故自分の血液型にだけ当てはまっているように感じるのかを証明するために実験を行って証明したんだって。
誰も「血液型と性格の関係」を否定したなんて言ってない。
大事なのは世間一般に広がる迷信を何故信じるのかを解明したこと。
だから、ひたすら否定できていないなんていったってその通りなんだからいちいち言わなくてよろしい。
否定は出来ていないが、どうして信じるのかを解明は出来たの。わかる?
くどくど説明しててなんでそんなこともわからないんだ?


まとめ

ブラッドタイプは「血液型性格分類が何故あたっていると感じるのかをバーナム効果によって証明した」しかし、「血液型と性格の関係を否定したわけではない」
つまり、松岡さんは何も間違っていないし(物語上の誇張や間違いもある)貴方の「血液型と性格の関係を否定していない」ってことだけは正しい。
ただし、松岡圭祐さんも間違っては居ない。
SHOZOさんは小説を読まないでほしい。
小説を読む資質がないし、読解力もない。
自らを認識して批判する精神もないし、人をけなして優越感に浸る変態です。
松岡さんの小説には手を触れないでください。

さて、ここまで読んで私の言いたいことだけ読み取って、冗談を冗談として認識出来ていれば合格です。
どうぞ反論してください。
だんだん、文体が崩れてきてSHOZOさんも不愉快と思われますが、ウソ2の反論を見れば言いたいことがわかると思います。フィクションをフィクションとして受け取らず、ストーリー上の演出さえ著者の真意であると誤解し、著者の意図を理解していないことに私は憤っていたのだと思います。
私自身がこうして今冷静になって自己分析しているわけですが、やはり、SHOZOさんの記述を見るとどうやって伝えればわかっていただけるのか甚だ疑問であります。
著者をけなされたことによる憤りと、小説をよく読んで理解しているのかという疑問が私を不安にさせ、このような書き方になってしまったことをお詫びします。
それを踏まえて反論していただければ幸いです。

重ねてメールをありがとうございます。回答はまとめさせていただきました。

 ただ、最初から???です。

> 「ブラッドタイプ」もろもろ松岡圭祐さんの著書は娯楽小説であり揚げ足取りは不要です。

 「娯楽小説」であるなら、科学的な検証をするだけヤボというものでしょう。つまり、小説はフィクションですから、「血液型」を(少なくとも科学的には…)否定することはできません。

 つまり、松岡さんは初めから科学的な検証するつもりはないと…。

#私にはそう思えませんが…。

 私は、あくまで科学的な観点から反論しているつもりなので、それなら議論自体がナンセンスということなりますが?

 はたして、これは松岡さんの意図することなのでしょうか? 

 いや、小説でも科学的な記述は正しい(松岡さんの意図?)ということなら、お手数ですが再度メールをいただけないでしょうか? それなら、改めてご質問にお答えします。

メール(その2) H19.8.29 15:59

>重ねてメールをありがとうございます。回答はまとめさせていただきました。

> ただ、最初から???です。

>> 「ブラッドタイプ」もろもろ松岡圭祐さんの著書は娯楽小説であり揚げ足取りは不要です。

> 「娯楽小説」であるなら、科学的な検証をするだけヤボというものでしょう。つまり、小説はフィクションですから、「血液型」を(少なくとも科学的には…)否定することはできません。

> つまり、松岡さんは初めから科学的な検証するつもりはないと…。

>#私にはそう思えませんが…。

> 私は、あくまで科学的な観点から反論しているつもりなので、それなら議論自体がナンセンスということなりますが?

> はたして、これは松岡さんの意図することなのでしょうか? 

> いや、小説でも科学的な記述は正しい(松岡さんの意図?)ということなら、お手数ですが再度メールをいただけないでしょうか? それなら、改めてご質問にお答えします。

お久しぶりです。さて、なんと申せば宜しいかなかなか難しいですね。SHOZOさんはお忙しいので私の文章をよく読んでないようで色々誤解を与えてしまっているようですね。
結論を先に提示しておきましょう。
”小説中の科学的記述は正しいです。”
とは言ってもまたまた誤解を招いてしまいそうなので補足しておきますね。
松岡先生は元臨床心理士の資格を取得しておりますので、心理学の記述に関しては正しいです。しかし、脳科学や医学に関しては素人ですので、物語上の医者が言った言葉等には多少の誤りはあるでしょう。
あまり、文章が長くなるとどうでもいいことに反論されてしまうので簡潔に言いますね。
作品中で言及されているバーナム効果及び血液型性格判断を否定するための材料(作品中での実験はフィクションですが)は事実に即したものだと言えます。
もちろん、そういった事実を元に小説でアレンジを加えて日本に広がる迷信「血液型性格判断」を否定したわけです。科学的にね。
誤解しないで頂きたいのは、作品中で読者へ向けたメッセージに偽りは無いということ。また、小説という体裁をとっているため現実的ではない演出や言動はありますが、読者に伝えるメッセージを打ち壊すようなものではありません。
娯楽小説でフィクションだと私が言ったのは、どうでもいい登場人物が言ったさして問題でない発言にSHOZOさんが疑問を持たれていたようなので指摘したまでです。
決して批評するに値しないただの娯楽小説だと言う意味ではありませんので誤解なさらぬようお願いいたします。

私が言いたいのは演出は演出として受け流し、科学的に妥当な記述に関してのみ反論していただきたいということです。
そこらへんはうまく読み取ってください。いちいち説明するのも面倒ですので。

ご返事ありがとうございます。

> 松岡先生は元臨床心理士の資格を取得しておりますので、心理学の記述に関しては正しいです。

 現実には、臨床心理と性格心理学は別物でしょう。

 例えば、丸善の『心理学辞典』ではこうあります。

臨床心理学 clinical psychology

心理学の主たる分野の一つで、精神障害や精神的無能力の性質、診断、分類、治療、予防と深く関わる。厳密な用法では、精神障害に関する科学的研究である異常心理学と区別される。

 要するに精神分析ですよね。精神分析(精神障害)に詳しいからと言って、「心理学の記述に関しては正しい」ということには必ずしもならないでしょう。

 だから、バーナム効果で「血液型と性格」が否定できるというミスを書いてしまうわけです。たぶん、多くの人から指摘かあったのでしょう。その後のインタビューでは本人が自分で訂正しています。

 それでも「心理学の記述に関しては正しい」という根拠はなんでしょうか?

 従って、松岡さんが「血液型性格判断」を否定したというのはウソです。なにしろ、本人が否定したととは言ってないのですから…。

 例えば、平成19年2月14日 『毎日新聞』 東京朝刊 理系白書’07:第1部 科学と非科学/3 根拠ない血液型性格判断 です。

 これを読むと、とんねんさんの主張は明確に間違い(失礼!)であることがわかります。

 最初にある松岡さんの『ブラッドタイプ』についてですが、彼の最後のコメントがポイントです。記事によれば、彼は「厳密に言えば、[この記事に書いてある]ニセ検査で多くの人がだまされただけでは、血液型と性格は関係ないことの証明はできない」と言っています。

 ご確認ください。


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最終更新日:平成19年9月4日 [H28.10.2モバイル用に微修正]