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Pencil_and_Paper32.gif (245 バイト)否定論者の自己矛盾

 なんでこんな簡単なことに今まで誰も気が付かなかったのか…。実は、[従来の -- H12.7.14]否定論者のほとんどは、自分自身の矛盾に気が付いていなかったのです。ウソのような本当の話です。そんなのは信じられない、と思う人も多いことでしょう。私自身もそうだったのですから…。 -- H11.6.22

 最近わかったのは、大部分の心理学者は、統計学も論理学もよくわからないということです。これは誹謗中傷でも冗談でもウソでもなく、事実を書いているだけです。だから血液型と性格の関係について、統計的にも論理的にも判断のしようがないわけです(失礼!)。詳しくは下のページをどうぞ!

#最初は私自身も半信半疑だったのですが、どうやら間違いないようです。これでHPオープン以来の疑問が氷解しました。v(^^)

 否定論者の心理学者である渡辺芳之さんは、『現代のエスプリ〜血液型と性格』で次のように書いています(188ページ 『性格心理学は血液型性格関連説を否定できるか〜性格心理学から見た血液型と性格の関係への疑義』)。

 これまで何人かの心理学者が、 血液型と性格との関連を実証的方法で反証し、血液型性格関連説を否定しようとしてきた。ここで注目されるのは、彼らが血液型性格関連説を「科学的方法によって反証可能な理論」、すなわち科学的理論とみなしていることである。この点でそれを「非科学的な迷信」とみなして無視した従来の心理学者とは異なる。
 しかし、論文を一読すればわかるように、彼らの多くは「血液型性格関連説は間違っている」というアプリオリな立場を持っており、それを実証するために研究を行なっていることもまた確かである。

 となると、(私や心理学者も含めて)普通の人はブランド志向ですから、議論の内容より誰が言っているかで判断することになります。これは別に血液型に限りません。

 この文章を読んでいるあなたは、決してそんなことはない!と私は堅く信じています。 -- H11.8.22

Pencil_and_Paper32.gif (245 バイト)否定論者の主張

 まず、否定論者の主張を要約しておきましょう。ここでは、正確を期すため文献から引用しておきます。『現代のエスプリ〜血液型と性格』の中で、否定論者の長谷川さんはこういう意見を述べています(128ページ 『目分量統計の心理と血液型人間「学」』 長谷川芳典)。

 「血液型と性格は関係がない」という作業仮説のもとに地道にデータを集め、ある性格的特徴について明らかに血液型との関係を示すようなデータが安定的に得られた時に初めてこの仮説を棄却するのである。これこそが、雑多な変動現象の中から帰納的に規則性を見い出そうとするときにとるべき科学的態度である。

 言うまでもなく、これが代表的な主張です。しかし、実際にはある性格的特徴について明らかに血液型との関係を示すようなデータはない、という結論が必ず得られているはず…です。もしも差があれば、それは血液型と性格に関係があるということになる、そういう論理構成になっています。 

 しかし、それにも関わらず、「血液型と性格」に関係があると思う人(=肯定論者)は存在するのです。例えば私です(笑)。そういう人は、「○型の性格は××である」という「信念」(私は「信念」ではなく「事実」だと思っていますが…)や「ステレオタイプ」を持っているはずです。→データはこちら

 論理構成そのものは正しく要約しているはずですから、あなたが肯定・否定のどちらでも異論はないでしょう。

 しかし、この論理は矛盾しているのです!

 もし、あなたが否定論者なら、私のこの主張は絶対否定するに違いありません。いや、安定しているデータは絶対ないのだと。ところが…。 -- H11.6.22

 参考までに、多くの否定論者のページは、

1.統計(≒心理学の性格テスト)を使うことは「無意味」だ
2.統計的に「差はある」。しかし、それは「信念」によるもので本当は性格との関係はない
3.統計的に「差はない」。だから、血液型と性格の関係はない

 のいずれかの主張をしています。この中で、[従来 -- H12.7.14]圧倒的に多いのは3.です。もっとも、1.-3を同時に主張しているケースもあって困るのですが…。(*_*)
 このページでは、3.について検証をしています。 -- H12.1.9

32.gif (286 バイト)論理の矛盾

 では、早速計算してみましょう。○型と○型以外で計算することにします。ところで、血液型による回答率の差は、最大で20%程度です。計算を簡単にするため、「あなたは××ですか?」については20%の差が出ると仮定します。すると、仮に○型の否定論者や○型以外の人を40%の肯定率とすると、○型の肯定論者はそれより20%高い60%になるはずです。結局、下の表のようになります。

「××ですか?」の回答率(%)

××ですか?

○型の
肯定論者

○型の
否定論者
○型以外
はい

60

40

40

いいえ

40

60

60

 では、○型と○型以外の回答率はどうなるでしょうか? ここでは、計算を簡単にするために、肯定論者と否定論者は同数であるとします。○型以外は40%ですが、○型については60%と40%の平均である50%になるはずです(下の表)。

「××ですか?」の回答率(%)

××ですか?

○型の平均

○型以外
はい

50

40

いいえ

50

60

 つまり、○型と○型以外に10%の差が出ることになります。つまり、「信念」や「ステレオタイプ」があれば必ず回答率に差が出ることになります。数字や割合を変えたとしても、基本的に差が出ることには違いありません。あれれ…

 これは最初の仮定と矛盾します!

 では、どこがおかしいのでしょうか?

 「信念」や「ステレオタイプ」があれば必ず回答率に差が出ることになるのですから、最初の仮定がおかしいのです。なぜなら、「『血液型と性格は関係がない』という作業仮説のもとに地道にデータを集め」ると、必ず「ある性格的特徴について明らかに血液型との関係を示すようなデータが安定的に得られ」るのですから…。

 つまり、否定論者の論理は矛盾しているのです!

 これにはピックリ。(@_@) なんでこんな簡単なことに今まで誰も気が付かなかったのでしょうか…。 -- H11.6.22

 なお、具体的なデータに興味がある人は、ぜひこのページの最後まで読んでみてくださいね。(^^)

【追記】否定論者の例

 この論理(?)の例として、渋谷昌三さんの『手にとるように心理学がわかる本』(かんき出版)の132〜133ページから一部引用しておきます。

血液型と性格はどこまで関係があるか 血液型による相性判断や性格判断は信じてもいいのか?

◆血液型性格判断に科学的な根拠はない
 雑誌などの血液型相性判断や性格判断を試してみて、自分に当たっていると感じる人は多いかと思います。でも、本当に血液型で性格は決まるのでしょうか。
 血液型と性格の関係については、心理学でも研究が行なわれています。しかし、その研究を総合すると、血液型による性格判断には、科学的な根拠は何ひとつないといっていいでしょう。
 血液型性格判断の結果と、性格心理学の理論に基づいて作成された性格テスト(たとえば、矢田部ギルフォード性格検査など)の結果との間には、一貫した相関性は認められていません。つまり、血液型性格診断は、性格心理学で科学的に分析された結果とは一致しないことになります。また、医学者や生理学者の間でも、A型やB型の血液型の成分の違いが人間の精神機能に影響を与えるとは理論的に考えにくいという見解が主流となっているようです。

◆血液型性格判断が人気の理由は?
 では、なぜこれほどまでに血液型性格判断を信じている人が多いのでしょうか。心理学の立場から、その原因を探ってみましょう。
 まずひとつには、誰にでも当てはまりやすい傾向が特定されているためです。たとえば、「A型は神経質」といわれますが、B型にもAB型にも神経質に該当すると思う人はたくさんいます。つまり、A型に特別に多い性格的傾向ではなく、一般的に多い性格特性であるために、当てはまる人が多くなるわけです。
 また、自分はB型だから自由奔放に行動するタイプのはずだと思い込んだ人は、それに応じた態度をとるようになることもあります。その行動を見ると、今度は周りの人も「やっぱりB型だからだ」と解釈します。すると、さらにB型の人はその解釈に応じた行動をするようになり、しだいにB型的な性格になる可能性は十分あります。これを心理学では「自己成就予言」といいます。(以下略)

 この本には参考文献として、菊池聡さん他編著『不思議現象  なぜ信じるのか』(北大路書房)が挙げられています。

 ちょっと疑問なのは、「医学者や生理学者の間でも、A型やB型の血液型の成分の違いが人間の精神機能に影響を与えるとは理論的に考えにくいという見解が主流となっているようです」とのことですが、参考文献にはそういう記述があるらしいものはないようです(菊池聡さんは医学者や生理学者ではないので除きます)。根拠が何なのか、ちょっと気になるところです。(?_?)

 なお、この本は心理学の入門書としては適切であると思われることを付記しておきます。 -- H11.8.8

【追記2】

 驚いたことに、この後に出版された渋谷さんの本では、私が指摘した部分が削除されてしまいました!

 追記に引用した本は、平成11年5月に出版されています。ところが、ほぼ1年後の平成12年3月に出版された渋谷昌三さん監修による『よくわかる心理学』(東西社)の224ページでは、

血液型性格分類が流行した理由

 性格の分類……というと真っ先に挙げられるのは「血液型性格分類」でしょう。昭和初期に打ち出された説が原型ともいわれるこの分類法は1970年代にブームになり、現代ではすっかり定着した観があります。
 科学的な根拠は何もないのに これだけ流布(るふ)した理由を心理学的に見ると、一生ついて回る血液型に絶対的・運命的なものを感じてしまうのではないかということが考えられます。占いも同様です。
 しかし、手相をみるにはある程度の専門的な知識が必要ですし、星座が皿もある星占いは、星座ごとの持徴や相性を覚えるのがたいへんです。その点、血液型はだれにでもわかりやすく、タイプが4種類しかないという手軽さがウケたのでしょう。ただし、どのような占いでも、熱心に信じ込めば、「自己成就(成就)予言」(137ページ参照)の効果があり、当たる可能性が高くなるのは確かです。

 まさか、『ABOFAN』を読んだからとも思えませんが、偶然の一致にしてはよくできすぎています。また、「血液型性格判断」が「血液型性格分類」という表現になり、『手にとるように心理学がわかる本』では独立した項目で2ページだったのが1ページ以下に縮小されて、同時に独立した項目から外されてしまいました。『よくわかる心理学』の方がページ数が多いのですから、スペースの都合でないことは確かのようです。何か特別の理由があったのでしょうか? はて?

 実は、他の本でも似たりよったりの状況です。最近になって、「統計的に関係ある」という論文が発表されたとも聞いていませんし、非常に不思議な現象と言うしかありません。

 例えば、

『新・心理学がわかる。』 朝日新聞社 H12.4

心理学がわかるキーワード50
11 血液型性格刊断
 ABO式血液型の4カテゴリーに基づき、〈A型はきちょうめん〉〈O型はおおらか〉のように、それぞれの血液型に特定の性格特性を付与し、他人や自分の性格を理解しようとする血液型性格判断は、日本においてかなり広く普及している。しかし、これらの性格特性と血液型には今のところ、生理学的にも心理学的にも関連が見いだされていない。これだけ流行する背景の一つには、実際に血液型で性格を当てられたり、性格から血液型を当てられたりすることと、両者に関連があるということとは違うことなのにもかかわらず、それが理解されないという点がある。(139ページ)

 実は、6年前の旧版では、この何十倍もの量で血液型と性格の関係に否定的な意見が掲載されています。となると、6年間の間に「何か」があったとしか考えられないのですが…。はて?

 別の例も書いておきます(『現代のエスプリ』 No.384 偏見とステレオタイプの心理学 至文堂 H11.7)

 血液型と性格に関連がないとする考え方は、単なる感情論ではなく、いくつもの理由に基づく「総合的な判断」である。今、本論はその論理を述べる場ではないので簡単に書いておくと、

  1. 過去の論争で決着がすでについており、それを見直しするような新しい証拠はない。
  2. 心理学で利用される性格検査などを用いる限りでは、血液型と性格の関連は認められない。
  3. 性格概念は構成概念であり、好意的に見ても生物学的指標との関連は仮説的なものにすぎない。
  4. 血液型性格判断が新しい偏見を作り出す温床となっている。

 ということである。なお、これらの論点は比較的独立のものであり、お互いに支え合っているものではない。筆者は3の立場に立ちつつ4の立場を思考するものである。(153ページ)

 全く同様の傾向であることがわかります。 -- H12.6.6

 その後の『心理学がわかる』では、血液型の記述が全くなくなってしまいました。  -- H16.3.14

1994年版
血液型の記述は3ページ
(67〜69ページ)
2000年版
血液型の記述は300字
(139ページ)
2003年版
血液型の記述はなし

【追記3】

 参考までに、てんしんちゃんの心理学紹介という某大学のHPも紹介しておきます。

血液型と性格は関係ない」という理由
いくら調べても、「血液型と性格に関連がある」という結果が得られない…

 これは論理的に間違っています。「血液型と性格に関連がある」という結果が得られなくとも「血液型と性格は関係ない」とは言えません。こう書いた人は論理学がわかっているけど否定したいから、筆が滑ってつい書きすぎたのに違いありません。(^^;;

しかし、多くの学者が色々な性格テストを使って調べてみても、血液型によって性格テストの結果に差が出たと言うことはほとんどありませんでした。

 これは明らかに間違いです!
 これまで説明したように、日本人は血液型を信じている人が多いのだから、(関係のあるなしにかかわらず)データを取ると必ず差が出ます。
 たとえば、「A型は神経質」というような有名(?)な特性(=ステレオタイプ)を質問すれば、必ずA型は神経質が多いという結果が出ます。なぜなら、本当にA型は神経質かどうかは別として、そう信じている人が大多数なのですから…。

 さらにおかしいことに、以上と全く矛盾する文章があります。

血液型性格判断を信じることで性格が変わる!?

血液型と性格に関連があるかという調査を10年くらい前から毎年行ったところ、調査開始の頃にはなにも関係が見られなかったのに、年々血液型と性格の関係が強くなっているという結果がでたそうです。

 もう何と言っていいのかわかりません。つまり、(最近は)血液型と性格は関係あるということになります。少なくとも性格テストでは…。直前に「多くの学者が色々な性格テストを使って調べてみても、血液型によって性格テストの結果に差が出たと言うことはほとんどありません」と書いてあるのに…。

 1年以上変更されていないのは実に不思議です。

 ついでに紹介しておくと、別な某大学のTsujimoto LabというHPにも「性格検査との関連が見られない」という記述があります(*_*)。

 -- H13.7.15

12.gif (321 バイト) データによる検証

 そこで、具体的なデータで検証してみることにします。ここでは、日本人では一番多いA型のデータで行きましょう。題して、「本当にA型は神経質か?」です(笑)。

 では、スタート!

佐藤さんの論文

 まずは、佐藤達哉さんの論文、「プラットタイプ・ハラスメント」からです(『現代のエスプリ〜血液型と性格』 No.324 至文堂 H6 なお、元のデータは上瀬由美子さんのもの)。他人から見たA型のイメージとしては、「几帳面」「神経質」「真面目」が多いことがわかります。

表1 各血液型のイメージ(N=197) →A型の回答が多いものだけを抜粋

回答\血液型

A O B AB 合計

几帳面

111 0 0 0 111
神経質 77 1 1 3 80
真面目 54 0 0 3 57

YG性格検査1−大村論文

 他者評定のお次は、当然ながら性格テストです。
 大村政男さんの論文の『VII 血液型と矢田部ギルフォード性格検査(YG検査)』からの抜粋です。YG検査では、ズバリ神経質という特性がありますので、ここだけ集中的に攻めることしますv(^^)。
 なお、被験者は、日本大学文理学部の学生です。

この研究の被験者 単位:人

性別

O型者 A型者 B型者 AB型者 全体
男子 35 53 23 11 122
女子 32 41 28 8 109

YG検査の12尺度のkey answerに対する血液型者別肯定回答数(%) →最高値が赤 →最低値が青

N(神経質)

O

A

B

AB

男子

45.7

53.6

39.1

50.9

女子

43.1

50.2

35.0

45.0

合計

44.1

52.0

37.2

48.1

YG性格検査2−松井論文

 では、松井豊さんの論文(論文1)ではどうでしょうか。神経質のデータだけ抜き出しておきます。

表4 血液型別の性格尺度得点の平均 注1) →最高値が赤 →最低値が青

尺度名

O(182) A(225) B(138) AB(68) 平均値の差
の検定 注2)

神経質

5.47 5.69 5.65 5.66 F=<1

 注1)各尺度得点は1点から11点まで分布し、得点が大きいほどその性質が強いことを表している。

YG性格検査3−長谷川論文

 また、長谷川芳典さんのデータではどうでしょうか(血液型と性格―公開講座受講生が収集したデータに基づく俗説の検討 長崎大学医療技術短期大学部紀要 第1巻 82ページ S63)。ここでも、神経質のところだけを引用します。

#合計については掲載されていないのですが、私がサービスして計算しておきました(^^)。

Table 3 YG性格検査の因子得点平均値 →最高値が赤 →最低値が青

O

A

B

AB

男性(45名)

6.0

8.6

7.3

6.7

女性(84名)

7.9

7.6

4.9

8.4

合計

7.3

7.9

5.8

7.4

 実は、このデータは男女で傾向が違うので、私にはちょっと都合が悪いのです。(^^;; しかし、私の手持ちのYG性格検査のデータはこの3種類ですので、あえて正直に書いておきました(エヘン)。

 もっとも、このデータはサンプル数が少ないので、男女別より合計の方が確からしいということは言えますが…。また、この程度の差なら誤差の範囲内という解釈も可能です。なにしろ、「異常値」を示したAB型女性は5人と一番少なかったのですから…(ちなみに、AB型男性はこれより多くて7人)。
 え? 誰ですか、AB型は屁理屈がうまいなんて言ってるのは…(笑)。

【参考】

 最近また一つデータが増えたので参考までに書いておきます。 -- H13.7.15

YG性格検査4−辻本論文

 最近入手した、辻本さんのデータではどうでしょうか(1996年度大阪市立大学総合教育科目「性格心理学入門」受講生を対象に実施)。ここでも、神経質のところだけを引用します。 -- H13.7.15

Means of Y-G Scale Scores on Each Blood Type →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

N

65

67

56

23

Y-G Scale

10.88

10.85

9.66

9.65

志賀貢さんのデータ

 YG性格検査ではありませんが、医師である志賀貢さんは、その著書『科学的血液型「相性」診断』(光文社 H8.3)の中で、銀行員約7,000人のデータを分析しています(18〜19ページ)。この銀行の人事部長は、血液型が好きだったのでしょうか? はて?

某銀行の男女1万1451人にアンケートを求め、回答のあった7千人余りを集計…質問した32の項目に対して、好きなだけ○印をつけてもらった結果をまとめたものである。それぞれの数字は、血液型別、体型別で○印を付けた人が何パーセントいたかを示している。

 実際のデータは20ページに書かれています。ここでは、血液型の神経質の数字だけ抜粋しておきます。

血液型別・体型別 性格特徴(1) →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

神経質

28.2

36.8

30.2

33.1

 つまり、A型は自己評定でも神経質ということになります。

菅民郎さんのデータ -- H13.9.24

 統計の専門家である菅民郎さんは、その著書『多変量解析の実践』下巻(現代数学社 H5.12)の中で、 『占いを科学する』〜星座・血液型と職業・性格の関係を探る〜と題して、第72回ビジネスショウの来場者約3,900人のデータを分析しています(196〜21 6ページ)。

 実際のデータは204ページに書かれています。ここでは、血液型の神経質の数字だけ抜粋しておきます。

血液型と性格の関係(%) →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

神経質

17

24

15

17

 つまり、A型は他者評定でも神経質ということになります。

おまけ−松井論文2との比較

 おまけとして、大村さんのデータを松井豊さんの論文の論文2と比較してみましょう。同じ条件にするためには、男女の合計で比較すればいいでしょう。結果は…

 →最高値が赤 →最低値が青 太字→逆転項目(値を負にして計算)

N(神経質)

項目

O

A

B

AB

N(神経質)

44.1

52.0

37.2

48.1

9. 人に言われたことを長く気にかけない 26.2 23.6 26.1 25.9

結論

 もはや、わざわざ解説するまでもないでしょう! 他者評定(佐藤論文)、自己評定(志賀貢さんのデータ)、3種類のYG性格検査の結果のいずれもが一致しています!
 あまりにも都合のいい結果なので、ひょっとしてデータの信頼性を疑う人もいるかもしれませんね。しつこいようですが、これらのデータは恣意的に選んだものではありません! 私の手持ちのデータで「神経質」に関係するもの全部です。

#正直、ここまで一致するとはうれしい誤算でした。わ〜い! v(^^)

 これで、心理学者たちの結論は完全に覆されたと言っていいでしょう。また、心理学会ではデータ横断的な分析も行われていないようです。もはや、私にはなんと言っていいのか分かりません。(*_*)

【H16.9.23追記】

 もう一つの再現性があるデータが加わりました。

あなたの行動や思考と対人関係に関するアンケート

 提供元とデータ、そしてプレス発表の説明文は次のとおりです。

 提 供:DIMSDRIVE
 データ:あなたの行動や思考と対人関係に関するアンケート

ネットリサーチのDIMSDRIVE(インターワイヤード株式会社)では、2004年7月28日(水)〜2004年7月31日(火)にかけて「あなたの行動や思考と対人関係に関するアンケート」として、A・B・O・ABの4つの血液型毎のデータによる傾向を見るアンケートを行った。回答者は全国の10代から60代以上の男女4094人(男性:1696人、女性:2398人)。
なお、このアンケートでは回答者に血液型のアンケートであることは特に告知せず、アンケートの設問終了後に血液型を尋ねた。…

 「アンケートの設問終了後に血液型を尋ねた」というのがミソですかね。とにかく、このアンケートは使いでがあります。相性までデータがあるんですから…。とにかくすばらしいですね!

A型の傾向は?

 この、「あなたの行動や思考と対人関係に関するアンケート」では、プレス発表の説明文では次のようになっています。

「あなたの日頃の行動や思考について最も近いものをそれぞれひとつお選びください」の各設問について。
6つの項目の“そう思う”度合いを尋ねたところ、「1.日頃、気分が落ち込んだり動揺しやすい方だ」に対して“かなりそう思う”と回答したのはA型が最も多く14%で、“どちらかと言うとそう思う” を合わせた合計51%もA型が最も多かった。
また、“全くそう思わない” “余りそう思わない”と回答した合計はB型とO型が同数で36%となっている。

「2.将来や先のことについては他人より心配してしまう方だ」に対して“かなりそう思う”と回答したのはA型が最も多く14%で、“どちらかと言うとそう思う” を合わせた合計50%もA型が最も多かった。また、それらの回答が少なかったのはO型であった。
また、“全くそう思わない” “余りそう思わない”の合計はO型が最も多く、36%となっている。

「3.日常で、それほどストレスを感じていない」に対して“かなりそう思う”と回答したのははB型が最も多く7%で、“どちらかと言うとそう思う” を合わせた合計33%もB型が最も多かった。
また、“全くそう思わない” “余りそう思わない”の合計はA型とABが同数で最も多く、50%となっている。

[中略]

極度のストレスや不安に襲われたとき、あなたはどうしますか。あるいはどうすると思いますか」との設問に対し、それぞれの血液型による選択肢毎の割合を調べた結果、“どんな場合でも何とかなると思う”とした回答者が全体的に多く特にAB型は40%、続いてB型39%、O型38%、若干少なめに出ているのがA型で32%となった。
「イチかバチか開き直る」との回答が多めに出たのはA型で21%。 「眠って忘れようとする」との回答はB型で21%と多目に出ている。「寝込んでしまうかもしれない」との回答は他の血液型に対しB型回答者の中での割合は少な目に出ており、10%となった。

 確かに、A型は自己評定で「神経質」のようです。そこで、表にしてみました。

1.日頃、気分が落ち込んだり動揺しやすい方だ →最高値が赤 →最低値が青

No.1

AB

n 1138 1583 876 385

かなりそう思う

13%

14%

12%

12%

どちらかというとそう思う

34%

37%

34%

37%

合計

47%

51%

46%

49%

2.将来や先のことについては他人より心配してしまう方だ →最高値が赤 →最低値が青

No.1

AB

n 1138 1583 876 385

かなりそう思う

11.3%

14%

10.6%

10%

どちらかというとそう思う

32.4%

36%

33.1%

37%

合計

43.7%

50%

43.7%

47%

3.日常で、それほどストレスを感じていない →最高値が赤 →最低値が青

No.1

AB

n 1138 1583 876 385

かなりそう思う

6%

5%

7%

5%

どちらかというとそう思う

25%

24%

26%

24%

合計

31%

29%

33%

29%

4.精神的ダメージがあると体に変調が表れる →最高値が赤 →最低値が青

No.1

AB

n 1138 1583 876 385

かなりそう思う

19%

19%

16%

17%

どちらかというとそう思う

36%

38%

38%

39%

合計

55%

57%

54%

56%

6.日頃、気分が落ち込んだり動揺しやすい方だ →最高値が赤 →最低値が青

No.1

AB

n 1138 1583 876 385

かなりそう思う

22%

21%

22%

21%

どちらかというとそう思う

43%

44%

39%

44%

合計

65%

65%

61%

65%

 やはり、A型が一番「神経質」のようですね。

#なお、5番目は「和菓子・洋菓子など甘いものはよく食べる」なので省略しています(笑)。

能見さんによる解説

 最後に、能見さんによる解説で締めます。ここでは、『新・血液型人間学』から引用しておきます(101〜102ページ  傍点は下線に変更)。

 “神経質”は困った言葉

 神経質という言葉は、古代ギリシャの時代から使い古されてきた言葉である。これこそ絶対、性格用語の本命のように思われている。しかし、改めて吟味して見ると、これまた性格を示す言葉としては、使いものにならないことがわかる。
 つまり、ある状況の下には神経質だとか、ある方面には神経質であるとか、ないとかは言うことができる。だが、全方向に神経質な人は、まず、絶対といっていいほどいない。ある人は着るものに神経質で、別の人は食事に神経質だろう。その違いが、性格を語るのに重要なのである。
 最近聞いたO型のある高級官僚氏は、趣味の音楽鑑賞はうるさく、神経質なくらいと言われていた。その同じ人が、湯たんぽのお湯を平気で煮炊きに使うという。神経質なんてそんなものである。もし病的な神経質で周囲を手こずらせている人がいれば、その人は、周囲の人の感情には、ドンカン、無神経ということになるのだ。
 神経質な人の血液型別の方向を、簡単に列記してみよう。お断りするが、これはあくまで神経質と見られる人の傾向である。
 O型は身体や健康について神経質。病的な潔癖症や高所恐怖症もある。社会の中での他人の目、好意や悪意にも神経質となる。
 A型は周囲の動きや反応、それに対する自分の姿勢に神経質。物事のケジメ、善悪の評価などに潔癖。未来への悲観主義や、仕事などの完全主義傾向も一種の神経質だ。
 B型は自分の気分調整に神経質。行動を制約された状態ではイライラ。過ぎたことにクヨクヨ。事実関係の正誤にもうるさい。
 AB型は、人間関係で神経質となりがち。対人恐怖症も一部にいる。自分の社会的役割りや仕事面の蝿張り保持に神経過敏。経済生活の基盤がガタつくと、度を失い気味。
 以上の例でも判るように、現在、日常で性格を指す言葉として使われているもので厳密には、性格を明示するに足るものは、ほとんどない。大ていは、行動や表現の断片か、せいぜい、前述のタイプに与えられる名称である。正直な性格とかウソツキなどになると、病的な嘘言(きょげん)症を除き、 単に二、三の行動や表現の評価にすぎない。ウソつきは人間共通の性格といったほうが、まだ事実に近い。

 なかなか納得できる説明だと思うのですが、どうでしょうか?

 念のため、ちょっと解説しておきます。一般的に神経質と言った場合はA型です。しかし、あくまでも平均すればの話で、A型がすべての面で神経質なのではありません。また、血液型による差はせいぜい10〜20%ですから、びっくりするような差ではないのです。他の影響もかなりある、と考えてくださいね。(^^) -- H12.7.14

12.gif (321 バイト) データによる検証−B型編

 気をよくしたのでB型に行きます。今度は、「B型がマイペースって本当?」(笑)。

 では、スタート!

佐藤さんの論文

 手始めに、佐藤達哉さんの論文、「プラットタイプ・ハラスメント」からです。確かに、他人からは「マイペース」「わがまま」と思われているようです。

表1 各血液型のイメージ(N=197) →B型の回答が多いものだけを抜粋

回答\血液型

A O B AB 合計
明るい 4 16 38 1 59
マイペース 0 8 33 1 42
個性的 0 2 23 6 31
いい加減 0 0 17 0 17
わがまま 0 2 12 1 15
自己中心的 1 3 11 0 15
楽天的 0 8 10 0 18
面白い 0 2 10 1 13

YG性格検査1−大村論文

 同様に、大村政男さんの論文の『VII 血液型と矢田部ギルフォード性格検査(YG検査)』からの抜粋です。YG検査では、協調性という尺度があります。

YG検査の12尺度のkey answerに対する血液型者別肯定回答数(%) →最高値が赤 →最低値が青

Co(協調性)

O

A

B

AB

男子

35.1

39.4

28.3

37.3

女子

31.3

21.0

17.9

27.5

合計

32.8

30.7

23.4

32.7

YG性格検査2−長谷川論文

 松井豊さんの論文(論文1)には、残念ながら協調性のデータがありませんのでパスします。長谷川芳典さんのデータではどうでしょうか。A型と同様に、合計は私が計算してみました。

Table 3 YG性格検査の因子得点平均値 →最高値が赤 →最低値が青

Co(協調性)

O

A

B

AB

男性(45名)

6.3

7.6

6.5

7.4

女性(84名)

6.4

5.6

4.1

5.5

合計

6.4

6.2

5.0

6.6

 実は、このデータも男女で傾向が違うので、ちょっと都合が悪いのです。(^^;; 合計のところだけ見てくださいね(笑)。

【参考】

 最近また一つデータが増えたので書いておきます。

YG性格検査3−辻本論文

 最近入手した、辻本さんのデータではどうでしょうか(1996年度大阪市立大学総合教育科目「性格心理学入門」受講生を対象に実施)。ここでも、協調性のところだけを引用します。 -- H13.7.15

Means of Y-G Scale Scores on Each Blood Type →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

N

65

67

56

23

Y-G Scale

7.75

8.58

7.66

8.17

志賀貢さんのデータ

 同様に、志賀貢さんのデータも書いておきます。

血液型別・体型別 性格特徴(1) →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

協調性に乏しい

9.0

9.0

11.2

9.4

菅民郎さんのデータ -- H13.9.24

 協調性のデータはないので、比較的関係ありそうなものをピックアップしておきます。

血液型と性格の関係(%) →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

きぶんや

24

24

31

24

気配りのある 22 23 16 20

おまけ−渡邊論文との比較

 おまけとして、邊席席子さんの論文と比較してみましょう。

Table 1 個々の知識問題正答率と調査対象者の血液型との関連

性格特性

全体での正答率
(n=102)
本人の血液型
での正答率
B型特性

マイペース型で、周囲の影響は受けにくい

.402 .640 n=25

結論

 わざわざ解説するまでもないでしょう! ということで、解説は省略します。誤解する人がいるかもしれないので、あえて書いておきます。B型はちょっとぐらいマイペースでも、ざっくばらんで開放的なんです。(^^) -- H12.7.14

12.gif (321 バイト) データによる検証−O型編

 A型、B型とくれば、次はO型の番です。本当に「O型はライバル意識が強い?」(笑)。

佐藤さんの論文

 手始めに、佐藤達哉さんの論文、「プラットタイプ・ハラスメント」からです。不思議なことに、ここにはライバル意識が強いという回答はありません…。あれ?

表1 各血液型のイメージ(N=197) →O型の回答が多いものだけを抜粋

回答\血液型

A O B AB 合計
おおらか 0 90 1 0 91
大ざっぱ 0 25 4 0 29
おっとり 0 16 1 0 17

YG性格検査1−大村論文

 大村政男さんの論文の『VII 血液型と矢田部ギルフォード性格検査(YG検査)』からの抜粋です。YG検査では、「ライバル意識が強い」に当てはまる支配性という尺度があります。

YG検査の12尺度のkey answerに対する血液型者別肯定回答数(%) →最高値が赤 →最低値が青

A(支配性)

O

A

B

AB

男子

34.3

31.7

37.8

36.4

女子

35.6

27.8

28.2

30.0

合計

35.1

29.9

33.3

33.4

YG性格検査2−松井論文

 では、松井豊さんの論文(論文1)ではどうでしょうか。

表4 血液型別の性格尺度得点の平均 →最高値が赤 →最低値が青

尺度名

O(182) A(225) B(138) AB(68)
支配性 4.72 4.64 4.64 4.60

注1)各尺度得点は1点から11点まで分布し、得点が大きいほどその性質が強いことを表している。

YG性格検査3−長谷川論文

 長谷川芳典さんのデータではどうでしょうか。合計は私が計算してみました。

Table 3 YG性格検査の因子得点平均値 →最高値が赤 →最低値が青

A(支配性)

O

A

B

AB

男性(45名)

7.5

11.4

12.2

10.6

女性(84名)

10.6

10.0

12.7

8.6

合計

9.6

10.4

12.5

9.8

 このデータも大村・松井論文とでは傾向が違うようですね…。困ったぞ。:-<

【参考】

 最近また一つデータが増えたので書いておきます。

YG性格検査4−辻本論文

 最近入手した、辻本さんのデータではどうでしょうか(1996年度大阪市立大学総合教育科目「性格心理学入門」受講生を対象に実施)。ここでも、支配性のところだけを引用します。 -- H13.7.15

Means of Y-G Scale Scores on Each Blood Type →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

N

65

67

56

23

Y-G Scale

8.63

7.30

8.70

7.17

志賀貢さんのデータ

 同様に、志賀貢さんのデータも書いておきます。

血液型別・体型別 性格特徴(1) →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

負けず嫌い

28.8

26.4

26.3

23.9

おまけ1−松井論文

 おまけとして、松井豊さんの論文の論文2と比較してみましょう。

項目

O A B AB

3. 先頭に立つのが好き

13.6 12.5 11.6 11.9

おまけ2−大村論文

 大村政男さんの論文の『IV 血液型とType A行動』からの引用です。』からの抜粋です。

 冠状動脈性心臓病を発病しやすい行動パターンとして、有名なType A行動というものがあります。

Table IV-1 Type A行動に関する14個のアイテム

1. 約束した時刻に決して遅れない。
2. 競争意識が非常に旺盛である。
3. 人が話をしているところに口を出して話を取ってしまう。
4. いつも急いでいる(性急である)。
5. 待つべきときに待てない。
6. 目標達成のためには、あらゆる手段を使う。
7. ―度にいくつもの仕事をし、やっているうちに次の仕事を考える。
8. 行動がいつも敏速である。
9. 厳しいダイナミックな生き方をする。
10. 感情を顔や動作に出しがちである。
11. いろいろなことに興味を持つ。
12. 社会的にもつともつと伸びたいと思う。
13. 話し方がエネルギッシュである。
14. 「仕事のやり手」だということを他人に認めてもらいたいと思う。

 被験者は、日本大学文理学部の学生と通信教育部の学生で、Table IV-2には、被験者の血液型別人数が示されています。

Type A行動と血液型との関連 → 一部省略 →最高値が赤 →最低値が青

2. 競争意識が非常に旺盛である。

性別

O型者
183人

A型者
227人

B型者
153人

AB型者
65人

男子

56.8

48.0

46.4

44.6

女子

30.8

37.0

34.1

30.0

合計

56.8

48.0

46.4

44.6

考察

 どうも統一的な結論が得られないようですね。実は、わざわざこういうデータを出してみました(笑)。「神経質」や「マイペース」なのは、周囲の環境とはあまり関係ないでしょう。しかし、「ライバル意識が強い」かどうかは周囲の環境に大きく左右されます。O型は、相手との力が接近しているときには猛烈にライバル意識を燃やしますが、はっきりとした力の差があるときは割とあっさり降参してしまいます。つまり、自分が競争が必要にある環境にあるかどうかで、かなり回答率が違ってくる可能性があるのです。だから、年齢、性別、社会的立場などで回答率が一定しないのかもしれません。本当はどうなのでしょうか? 私はO型じゃないのでなんとも言えませんが(笑)。

 また、YG性格検査に限らず、心理学の性格テストには別の欠点もあります。というのは、質問紙法のほとんどは1つの尺度を計算するのに複数の質問を使っているからです。しかし、同じ尺度の質問でも、血液型によって反対の回答をしている可能性があります。残念ながら、質問が公開されていないのでこれはあくまでも推測ですが、以上のようなデータを見ていると、どうやらそうも言えるようです…。 -- H12.7.14

12.gif (321 バイト) データの再検証−O型&AB型

 気を取り直して、O型とAB型について再検証に挑戦します。O型とA型とは集団や組織への帰属意識が一番強く、AB型は一番弱く、B型はその中間というのものです。

新・血液型人間学1

 能見さんの「新・血液型人間学」からのデータです(P71第18表)。陸上競技の一流選手へのアンケートで国際競技の場合に、「日本のためだ頑張ろう!」という人の比率です。調査時期は不明ですが、昭和50年代でしょう。今だったら、もっと比率は低くなると思いますが…

血液型 人数 比  率
58人 13.8%
73人 13.7%
51人  9.8%
AB 22人  0.0%

 ま、予想どおりというか、O≒A>B>ABの順になっています。AB型は日本への帰属意識は非常に低いようですね。

新・血液型人間学2

 次に、同じく能見さんの「新・血液型人間学」からのデータです(P211第24表)。質問は、「人と一緒にする食事について、おいしく感ずる最高は?」という問いで、「ホ、一人で食べてもウマいものはウマい」と回答した比率です。調査時期は「血液型愛情学」のアンケートの時期とあるので、昭和50年前後でしょう。

血液型 人数 比  率
636人 20.1%
739人 19.6%
600人 23.2%
AB 428人 27.1%

 ま、これも予想どおりというか、O≒A<B<ABの順になっています。

大村論文

 次は、「大学生のデータの分析」からのものです(大村政男  「血の商人」の餌食になるなデタラメぶりは立証された 『朝日ジャーナル』 昭和60年3月8日号 89〜92ページ

O型の特徴といえるものがあるのか(%)

項    目

O型
115人
A型
216人
B型
104人
AB型
45人

5.仲間内では開放的

82.6 75.5 79.8 68.9

 グループへの帰属心が強いという質問ではないのでやや違う傾向(A型がB型より低い)を示しています。しかし、ここでもO型の回答率が一番高く、AB型が一番低くなっています。A型が低いのは、「仲間内」という言葉があるからだと思います。A型は、仲間というよりは抽象的な組織そのものへの帰属心が強いからです。

松井論文

 では、松井豊さんのデータではどうでしょうか?

血液型別にみた血液型予想質問の肯定率(%) →最高値が赤 →最低値が青

項目の内容

O(182) A(225) B(138) AB(68) 最大と
最小の差

9. 人には心を開く方である

54.4 49.3 52.9 47.1 7.3
13. 人とのつきあいに距離をおいている 33.5 40.4 41.3 45.6 12.1
18. 人間関係を大事にし、とくに人の信頼を重視する 84.6 84.9 79.7 80.9 5.2

志賀貢さんのデータ

 同様に、志賀貢さんのデータも書いておきます(前掲書 21ページ)。

血液型別・体型別 性格特徴(2) →最高値が赤 →最低値が青

 

O

A

B

AB

友情重視

20.7 17.1 19.5 15.3
人情味が厚い 29.5

27.0

29.7

24.4

結論

 わざわざ解説するまでもないでしょう! ということで、これまた解説は省略します。 -- H12.7.14

32.gif (286 バイト)エゴグラムと血液型

 ある女性から「エゴグラム」の本(CD−ROM付)を見せてもらいました。私の周りには比較的女性が多いので、こういう本は大いに人気があります(笑)。

 その中で、血液型に批判的なの文章があり、その理由として「エゴグラム」は36種類に分類できるが、「血液型」はたった4種類しかない、だからダメだという結論なのです。いゃぁ、おかしくてつい吹き出してしまいました(失礼!)。

 面白そうなので私もやってみたのですが、残念ながら36種類のパターンのどれにもあてはまりません。AB型のせいでしょうか(笑)。

 不思議なことに、クレッチマーの性格類型は3種類であるが、これは全面的に正しいということになっています。

 3種類と36種類ならいいが、4種類ならダメという理由をぜひ聞きたいものです(苦笑)。 -- H11.7.31

【参考】ある否定論者の意見

菊池聡さん 不可思議現象心理学9 血液型信仰のナゾ−後編 月刊『百科』 平凡社 平成10年3月号 28〜29ページ

 ただ、最近は血液型性格判断を撲滅しようという意識ばかりが先走って、適切でない批判をする人も散見される。よく聞くのは「多様な人の性格が四つになんか分けられるはずがない」という批判である。しかし「何らかの基準によって四つに分ける発想」自体には本質的に問題はないのである。もちろん境界線上であいまいに分類される欠点はあるが、この発想自体は心理学でも類型論という考え方で受け入れられている。


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最終更新日:平成16年3月14日