大村政男さん(現・日本大学名誉教授)の“転向”は、肯定論者の大きな関心を引き起こしました。なぜ肯定論者に“転向”したのか、なぜクロニンジャーのパーソナリティ理論なのか、なぜ学会でなくテレビで発表したのか、そしてなぜ否定論者が無視している(ように見える?)のか、不思議だと思いませんか?
私もいろいろと調べてみましたが、実にディープですねぇ。
なお、このページは結構マニアックですので、読む方はぜひ覚悟のほどを(笑)。
では、スタート! -- H17.2.28
【H20.8.24追記】 私が知る限り、大村さんの“転向”に関する初めての批判が出ました。少なくとも、心理学からの批判はこれだけのようです。 原題は、次のとおりです。
私が知る限り、心理学者で「大村は否定論の代表格であったが,この番組で肯定的結果を報告して関連説に関心のある人々を驚かせた。」と、何らかのコメントをしているのこの論文だけです。また、その後に大論争が巻き起こったという話も聞きませんので、心理学では論争は好まれない、と考えるしかありません。 論争すると、なにか、まずいことでもあるのでしょうか? 【H20.9.6追記】
この論文の最初のページには脚注があります。そこには、「本論文作成に当たり,貴重な助言を戴きました日本大学名誉教授大村政男先生に心より感謝致します。」とあるのですが…。 上の追記に書いた謎は、ほぼ解決しました。 というのは、最近、 「血液型気質相関説」の史的評論III 追悼 能見俊賢・中国における血液型性格判断を中心にしてという論文が発表されたからです。 この論文では、大村政男さんがCloningerのTCI(Temperament and
Character Inventory)で見事に差が出た、とテレビで発表したデータが紹介されています。
ところが、この論文の129人のサンプルでは、テレビで言っていた傾向は現れたものの、統計的に有意ではありませんでした。 (1) A型49人は、苦痛回避(pain avoidance)が高い傾向興味深いことに、この後に次の論文で追試がされています。 TCIとBig5による性格とABO式血液型の関連解析この論文では、TCIの172人のデータでは、統計的に有意な差はありませんでした。 残念ながら、データの紹介がないので、大村さんの論文と傾向が一致しているかどうかは確認できません。 結論として、100〜200人程度のデータでは、TCIで興味深い傾向が現れるものの、統計的に有意な差は出ない、と考えてよさそうです。 これは、私の経験と一致します。 統計的に有意な差を検証するには、やはり最低数百人程度のサンプルが必要なようですね。f(^^;; その他の謎、例えば、大村さんが“転向”したかどうか、また心理学者の反応 etc. は、ほぼ解決しました。v(^^) そのうち整理してポツポツ書いていこうと考えています。 |
皆さんは、クロニンジャーのパーソナリティ理論って聞いたことがありますか? 恥ずかしながら、私はつい最近まで知りませんでした。(^^;;
しかし、私は知らず知らずのうちに6年ほど前に、ホームページ上(血液型と性格に関する理論!?)でこの話題を説明していたようなのです(二重に恥ずかしいですが・苦笑)。念のため、その部分を抜粋しておきます。
結局、ドーパミンと好奇心(novelty seeking)、セロトニンと心配性(harm avoidance)が関係しているようです。となると、ドーパミンがB型物質、セロトニンがA型物質と関係しているとピッタリなのですが…。でも、そんなにうまくいくなら誰も苦労しませんね(笑)。
-- H10.9.19
では、こういう結果を得たのは、一体どういう性格テストだったのでしょうか? 実は、これこそがクロニンジャーのパーソナリティ理論なのです!
以下は、血液型と性格に関する理論!?からです。
【クロニンジャーのパーソナリティ理論について説明した部分】 遺伝子と性格について解説してある本があります。残念ながら英語ですが、内容がとっても面白いので、この本からちょっと引用しておきます(76〜80ページ 太字は私)。脳内物質や遺伝子と性格については、現在では関係が証明されているようです。なお、著者はアメリカの国立がん研究所(というのかな?)の主任研究員だそうです。 Living with Our Genes -- Why They Matter More Than You Think --(1998) by Dean Hamer, et. al.
結論である下線部のみ訳しておきます。何かヘンな日本語ですが、それはご愛嬌ということで(笑)。
結局、ドーパミンと好奇心(novelty seeking)、セロトニンと心配性(harm avoidance)が関係しているようです。となると、ドーパミンがB型物質、セロトニンがA型物質と関係しているとピッタリなのですが…。でも、そんなにうまくいくなら誰も苦労しませんね(笑)。 -- H10.9.19 |
ところで、平成16年10月7日に放映された『スパスパ人間学!』の中で、大村政男さんが使った性格テストはなんだったのでしょう? もう一度チェックしてみましたが、番組中では特に説明はなかったようです。
#理由は不明ですが、時間が足りなかったのでしょうか?
ところで、『週刊朝日』の平成16年12月31日号(発売日は12月21日)132ページ〜133ページに「血液型『性格分け』日本人だけの信仰のなぜ?」という記事があり、大村さんの関係する部分を読んでみたところ…
大村政男さんは、ついこの間、インターネットの血液型サイトで「転向したのか?」と反撃の集中砲火を浴びせられたばかりだ。
その「集中砲火」の契機は、10月7日の『スパスパ人間学』とあります。記事には、番組中で、
大村さんは、アメリカの大脳生理学者のクローニンジャー[注:クロニンジャーの間違いか?]が提唱している人の気質・性格の3つのプロトタイプ「障害回避傾向」「新規性追求」「報酬依存」を尺度にして、血液型との相関がありそうだとコメントしたのだ。
つまり、大村さんはクロニンジャーのパーソナリティ理論を使っているのです!
私は、つい最近これを知って、飛び上がるほど驚きました。(@_@)
#私のホームページを見て思いついたとは考えにくいのですが、それにしても奇妙な一致であることは確かです。
では、『スパスパ人間学』の結果をそのまま紹介しておきましょう。112人の出演者で得られた結果です。
@損害回避傾向
損害回避傾向は、A>O>AB>Bの順で、A型の割合は、損害回避60%、報酬依存30%、新奇追求10%でした。
A新奇追求傾向
新奇追求傾向は、B>O>AB>Aの順で、B型の割合は、新奇追求70%、報酬依存20%、損害回避10%でした。
B報酬依存傾向
報酬依存傾向は、O>A>B>ABの順で、O型の割合は、報酬依存65%、損害回避15%、新奇追求20%でした。
ちなみに、AB型は1つの性格にまとまらなかった、ということだそうです。
#能見さんの指摘とほぼ一致しているとは言うまでもありません。
結論として、A型は損害回避傾向(Harm Avoidance)が高く、B型は新奇性追求傾向(Novelty
Seeking)が高く、O型は報酬依存傾向(Reward Dependence)が高い、ということになります。
クロニンジャーのパーソナリティ理論では、損害回避傾向(A型)とセロトニン、新奇性追求傾向(B型)とドーパミン、報酬依存傾向(O型)とノルエピネフリンとの関係があるとされています。
しつこいようですが、冒頭の私の文章をもう一度書いておきます。
結局、ドーパミンと好奇心(novelty seeking)、セロトニンと心配性(harm avoidance)が関係しているようです。となると、ドーパミンがB型物質、セロトニンがA型物質と関係しているとピッタリなのですが…。でも、そんなにうまくいくなら誰も苦労しませんね(笑)。
-- H10.9.19
大村さんの得た結果と、A型とB型が一致していることがわかると思います。それにしても奇妙な一致ですね。
その後、大村さんはテレビ朝日の番組で再現性をチェックしています。
平成16年12月28日 TBS 19:00〜20:54 ABOAB血液型性格診断のウソ・ホント!本当の自分&相性探し来年こそは開運SP!
血液型の謎を、科学的見地から紹介する知的エンターテインメント。ゲストは大竹まこと、さとう珠緒、城島茂、高田純次、高橋英樹、荒俣宏、相葉雅紀、鈴木史朗ほか。司会・国分太一、川田亜子アナウンサー。
血液型占いが流行している韓国では、ある女子大のモデル学科で血液型別にダイエット授業をしているという。血液型別に相性の良い、悪いはあるのだろうか。アメリカの血液型相性診断の最新研究を伝える。また、幼稚園児や赤ちゃんによる血液型別の実験なども行う。このほか、心理学者も驚いたという、血液型別性格を裏づける新理論を紹介する。
大村さんは、ここでもクロニンジャーのプロトタイプでは明確に差が出たと言っていました。つまり、再現性がある、ということになります。
#現在の心理学では『血液型と性格とは関係がない』というのが定説って、ヘンな説明ですね?
なお、番組のホームページには、このテストが1月14日まで公開されていました。解説は次のとおりです。
[注:現在のホームページはこちらに移転しているようです H17.8.21]
この心理テストはアメリカ・ワシントン大学医学部クロニンジャー教授が作成し、大村政男・日本大学名誉教授が日本人向けに改良したものです。
大村先生がこの番組で18歳〜87歳の男女746名に対して心理テストを行い、血液型との関係を分析したところ、平均値では関係性が認められました。
しかし、個々人を見ればまったく当てはまらない人もいました。あなたはどうですか?よく言われるようにA型だから慎重、B型だから好奇心が強い、O型だから人付き合いが得意と決まっているわけではないのです。
また、現在の心理学では『血液型と性格とは関係がない』というのが定説になっています。ですから、ぜひ遊び感覚で試してみてください。各血液型の血液型傾向の平均値
A B O AB 損害回避傾向(慎重さ) 48.7 27.7 30.7 54 新規性追求傾向(好奇心) 32.4 41.8 31.7 59 報酬依存傾向(人付き合い) 37.2 34.1 54 67.5 《番組ホームページのデータ》
ところで、現在ではクロニンジャーのパーソナリティ理論は改訂されています。気質の部分に限ると、当初はTPQという3因子モデルだったのですが、最近のTCIでは1つ因子が増えて4因子になっているのです。しかし、奇妙なことに、大村さんは当初のままのTPQの3因子モデルを使っています。はて?
また謎が増えてしまいました。(*_*) -- H17.2.28
では、大村さんは、なぜ現在主流のTCI(Temperament and Character Invertory)を使わずに、あえてTPQ(Tridimensional Personality Questionnaire)を選んだのでしょうか。まず、この2つの違いを説明しておきます。
区分 TPQ TCI 発表年 1987 1993 気質尺度 3次元
@Novelity Seeking(新規性追求)《アクセル》
AHarm Avoidance(損害回避)《ブレーキ》
BReward Dependence(報酬依存)《クラッチ》4次元
@〜BはTPQと同じ
CPersistence(固執)性格尺度 規定なし 3次元 日本語版 なし あり
TPQでは、新規性追求がドーパミンに、損害回避がセロトニンに、報酬依存がノルエピネフリン(ノルアドレナリン)に関連づけられて考えられています。つまり、"Living with Our Genes"にあるように、ドーパミンやセロトニンとの関連例が強調されることになります。ただ、ノルエピネフリンについては、遺伝子多型が不明のために、関連はまだ発見されていないようです。
ここで、新規性追求、損害回避、報酬依存について、もう少し詳しく説明しておきましょう。木島伸彦さん(慶応大学教授)の「Cloningerのパーソナリティ理論の基礎」にコンパクトにまとめられているので引用してきます(季刊 精神科診断学 2000年12月号 390ページ)。
「新規性追求」は,行動の触発のシステムとして考えられている。高い新規性追求の行動は,頻回の探索的活動,新奇刺激への接近,あるいは嫌悪刺激からの活動的回避と特徴づけられる。人間の研究では,例えばパーキンソン病の危険性がある個人では,新規性追求の行動をあまりせず,頑固で,禁欲的で,規則正しいが,他の気質に関しては他者と差が見られない(Menzaら,1993)。または,逆にタバコを吸い始める年齢が早かったり,タバコを吸う頻度が高い個人では,新奇性追求の行動がよく見られ,衝動的で,おしゃべり好きで,不規則な行動を示す(Pomerleauら,1992)。これらの研究は,特に快楽行動の刺激的な触発におけるドーパミンの重要性を示しているといえる。
「損害回避」は,行動の抑制に関わり,この特性が高いと不安障害や気分障害(単に単極性障害あるいは気分変調性障害)の危険性が増えるという指摘もされている。損害回避が高い個人は,心配性で,悲観的で,内気で,疲れやすいが,損害回避が低いと,楽天的で,外向的で,危険を好むようになる。また,慢性疲労症候群のある個人のように極端に損害回避が高いと,セロトニンのturnoverが高く(Demitrackら,1992),極端に衝動的で危険を好む個人では,セロトニンのturnoverが低い(Steinら,1993),という研究があることから,行動の抑制にはセロトニンが重要な役割を果たしていると考えられる。
「報酬依存」は,行動の維持に関わり,温かな社交的友好関係,社会的孤立に対する苦痛,社会的契機に対する共鳴や感受性によって,示される。また,人間の研究において,報酬依存の測定値と尿内のノルエピネフリン量Norepinephrine metabolite 3 - methoxy - 4 - hydroxyphenylglycol (MHPG) とに有意な相関がある(Garveyら,1996; Currin,1997)ことから,上記2つの気質と同様にCloningerの理論どおり,報酬依存特性にはノルエピネフリンが重要な働きをしていると考えられる。
ここで、血液型の知識がある人ならとっくにおわかりのように、新規性追求とドーパミンがB型に、損害回避とセロトニンがA型に、報酬依存とノルエピネフリンがO型と関連すると、あまりにもぴったりであることになります。
#え、AB型はどうするんだって? それは…f(^^;;
さらに面白いことに、石浦章一さんの『遺伝子が明かす脳と心のからくり〜東京大学超人気講義録〜』の198〜199ページにはこうあります。
ノベルティシーキング高い人に共通の面白い性質があることもわかっています。みなさんは心の中で自分がノベルティシーキングが高いか低いかなんとなくわかっていますよね。そこで、一般にノベルティシーキングが高い人というのは何でも平等視する傾向があって、エリート嫌いです。また、今までの経験によると、非常に環境問題に関心が深いということも明らかになっています。有意に差があるということは、何か面白いよね。
B型の人は、思わず納得してしまうのではないでしょうか(笑)。
念のため、O型、A型、B型の特徴を再掲しておきます。
【O型の特徴】…O型のページから 男女の気質差は、原則的にはほとんどない。しかし、O型男女は一番性別にこだわる。一見ボーイッシュに見えるO型女性でも、やはり女である意識が強い。これに対して、AB型は、表面的には男らしく、あるいは女らしくしていても、内心は男女の区別は一番薄い。 男女別の意識の強さは、O型の自然性の現れである。しかし、O型気質が自然的というのは、決して原始的ということではない。自然的というのは、すなわち人間的であるということである。A型やB型、AB型となっていくにつれ、少しずつ自然離れ、人間離れしてゆく。 世間的には、O型女性は、しばしば女性らしくないと見られることが多い。それは、男女の気質の自然差が小さく、社会的な差の方が大きいからである。O型は、生きることを、そして、そのために役に立つ行動をまず優先させる。そこから、さまざまのO型の気質傾向が導き出されてくる。 O型の驚くほど強い現実性もそれである。現実性とは、生存するために最も有利な行動を絶えず模索し、プラスとマイナスを素早く見分け、割り切りよく、それを取り入れていくことだ。 この現実性が、行動に現れると、O型の目的指向性となる。実生活の上の目的に集中的に突き進む傾向である。生活と遊離した目的には、O型は、それほど熱意を示さない。生きるために直接必要な目的、たとえば職業や仕事を大きくする目的、異性を求める目的、安全を求める目的、そして特に、集団内において力を求める目的などの場合、その集中力が高まる。 そうした目的が目前にないときは、日なたのネコのような状態となり、長く続けばひどく不安定な気分になったりする。 O型のロマンチックな表現や、そうしたことを好む傾向は、一見現実性と矛盾するようであるが、実は、現実的行動を駆り立てる効果を上げている。O型は、ロマンチストとリアリストの二本立ての性格だが、それは見た目の上だけであり、ロマンチックな思いに行動まで引きずられて、現実性を失うということは少ない。 |
【A型の特徴】…A型のページから A型の基本気質は、O型ほど、はっきり決めにくい。が、社会を意識する敏感さと、安全意識の2つをあげられそうである。 前者は、O型の力関係への敏感さと匹敵する。社会というよりは、"世間"とした方がいいかもしれない。その範囲は個々のA型によって異なる。「旅の恥はかき捨て」は、A型的俚諺で、旅は、A型が世間から抜け出すことになるのである。A型は、2歳児のころから、人目を気にし、世間を意識するようである。 A型は、優等生的社会人が多い。世間に対して、その慣習やルール、常識を尊重し、羽目を外したり、人の注意も引かないように、後ろ指を指されないように努める人が増える。が、逆に、その反動で、世間的なものに反発する人も目立つ。共に、世間意識への敏感さから出ているのである。全体的には、前者が多数を占めるようである。欧米人には、気の強い積極派のA型が多い印象があるが、人種的な差だろうか。 それと、もう一つの完全主義も幼児期にすでに発現する。自分だけではなく、自分の周囲にも完全な姿を要求することから、強い責任感と自立的行動が生まれ、手抜きをしない丹念さ、緻密さ、慎重さなども出てくる。他面、完全さを要求するため、"アラさがしのA"や"口うるささのA"にもなりやすい。 完全主義と勝ち気が結びつき、自分の理屈をどこまでも通そうとするA型は、シンのある理屈っぽい人間と見られやすい。滅多に謝らないA型に、強情頑固の評判が立つ。優しさと頑固、これがA型の二重性の1つであろう。 |
【B型の特徴】…B型のページから 気さくザックバランなと、見かけブアイソと、とっつきにくい両タイプがB型にはある。周囲や世間に合わせる、方式に適った作法や挨拶を身につけるのが苦手なB型は、前者のような挨拶抜きの対人態度を身につけるか、後者のようになるべく引っ込んでいるかの二者択一になる。少しつきあうと、この両タイプとも、人を信じ、差別なく親しむことの早いことがわかる。開放性こそB型の共通性なのである。 B型の一番の基本性は、A型とは逆に、世間や周囲を意識することが最も少ないということか。 周りを意識しないことから、B型流のマイペース行動が出る。しばられ、拘束され、細かな規則に従わされるのを極度にいやがる。興味の強さは、"面白がる"心が豊かであるということ。O型のように損得を考え、A型のように世間的価値を測ったりはしない。興味は、外界に向けられるので、事実性を重んじ、考え方は科学的実用的となる。常識や慣習に引きずられたりはしないので、物わかりがよく、幅広い柔軟な理解力も示す。 B型はジッとしてはいられない。絶えず体を動かしているか、ジッとして見えても、頭の中はめまぐるしく回転している。 気分が敏感に反応すること、相手の事情や考えを主観を交えずに関心を持ち、理解できるので、人情深さがあり、たちまち行動に出たりする。しかし、B型は喜怒哀楽などの感情性は、そう強くはない。感情が起こると抑制なく表現するので、そう思われるだけである。 ついでだが、自分の考えに恐ろしく頑固にしがみつくことがある。この場合は、頑固さを示すB型となる。 |
ここまで読めば、なぜ大村さんがTCIではなくてTPQを選んだのか、皆さんにもおわかりでしょう。TPQは、あまりにも血液型のためにあるようなパーソナリティ理論だからです!
既に日本語版が存在するTCIを使わず、わざわざTPQを日本語化してまで使ったのは、そんな理由に違いありません。
ただ、クロニンジャーのパーソナリティ理論は、行動遺伝学や臨床系の理論です。普通の性格心理学者はほとんど使いません。ここでは、大村さんの慧眼に脱帽するしかありません(マジです!)。それだけではなく、努力と執念(失礼!)もすごいものです。私も、"Living with Our Genes"でさわりは紹介していたのに…。もっとよくCloniger理論を勉強していたら、と非常に残念に思っています。(*_*)
大村さんは、そこまでしても自分のライフワークである血液型を完成させたかったのでしょう、たぶん。
しかし、心理学者の多くは、大村さんの勇気ある発表(?)に対して沈黙を守っているようです。次回はこの辺を調べてみましょう。 -- H17.3.9
大村さんの“転向”が最初にテレビで発表されたのは、平成16年10月7日が最初です。2回目の発表は平成16年12月28日です。これに対して、否定論者の心理学者はどう反応したのでしょうか? いろいろなコメントが出ていて、活発に論争が続いていると思っている人が多いと思いますが、意外や意外、私が知る限り大村さんへの反論は皆無です!(@_@)
要するに全く無視されているわけです。ここで、おかしいじゃないか!と思う人は記憶力のいい人ですね。(^^)
■菊池聡さんの場合(その1) 平成10年2月号の『月刊百科』
例えば、信州大学助教授の菊池聡さんは、平成10年2月号の『月刊百科』でこのように書いています(不思議現象の心理学8 血液型信仰のナゾ−前編 30〜31ページ)。
では、血液型と性格の間に本当に関連はあるのだろうか。専門のトレーニングを受けた心理学研究者の見解は、ほぼ100%一致している。「現在のところ、血液型と人の性格(や相性)の間に、いわゆる血液型論者の言うような信頼性のある関連は見あたらない」。平たく言うと、血液型性格判断は性格研究のプロ集団によって否定されているのである。
大学の先生というのはアタマが固いから、流行りの血液型なんかバカらしくてよく調べもせずに否定しているんじゃないの? と思ったら大きな間違いである(アタマが固い人が結構いることも確かだが)。血液型と性格の関連を本格的に研究した第一人者として知られる日大の大村政男教授[注:当時の所属]も、最初は「血液型によって人間の気質が把握できれば、心理学にとってこんな素晴らしいことはない」と考えていたそうである。ところが実際に調べてみても両者に関連は見い出せなかったのだ。そして80年代後半から90年代にかけて気鋭の心理学者が次々と参入し、粋をこらしたさまざまな性格検査を使って両者の関連を探ったのである。だいたい心理学者なんてのは好奇心のおもむくままに生きている人種だから、こんな面白そうな題材を座視するはずもない。
[中略]
そのようなわけで、心理学者たちがアタマから血液型性格判断を否定しているというのは全くの誤解である。
しかし、このコラムを書いてから6年後には、全く事情が変わってしまいました。なぜなら、「血液型と性格の関連を本格的に研究した第一人者として知られる」大村政男さんが突如“転向”してしまったからです。
■菊池聡さんの場合(その2) 平成17年1月24日号の『AERA』
そういえば、『AERA』の平成17年1月24日号(発売日は1月17日)の16〜19ページに、「B型をいじめるな」として、血液型に否定的ともとれる記事が掲載されています。
この中には菊池さんも登場しますが、直接の取材ではないらしく(?)、著書である『超常現象の心理学』の解説だけが記事になっています。なぜか、大村政男さんは全く登場しません。
菊池聡(きくちさとる)・信州大助教授の『超常現象の心理学』には、血液型と性格の関連づけを信じる心理として、「人は自分の考えに合致する有利な情報を選択的に使用する傾向をもつ」という説が紹介されている。たとえばある人が一緒に出かけると雨が降る「雨男」といったん思い始めると、雨のエピソードが記憶に残り、晴れの日のことは忘れてしまう。
また、人はさまざまな性格特性をあわせもっており、時と場合によって行動や考えが変わる。
「自分勝手な行動もしますが、実は繊細な心も持ち合わせていて……」のように矛盾することを入れておけば、「そうそう」と思い当たる点が出てくる。心理的錯覚が引き起こされるという。
■菊池聡さんの場合(その3) 平成17年2月10日号の『週刊文春』
その後、『週刊文春』の平成17年2月10日号(発売日は2月3日)の46〜48ページに、『「血液型占い」どこまで根拠があるの?』として、血液型の記事が掲載されました。
#文藝春秋の本誌の記事はこちらにあります。
さて、この記事は割と珍しく(?)否定論と肯定論の両論併記となっています。しかも、今までほとんど沈黙していた(血液型と性格で)メジャーな心理学者が総出演(?)しています(大村政男さんだけが、なぜかいません…はて?)。
記事には明確にそう書いてありませんが、「統計的に差がある」ことを無条件に認めていることはあまりにも明らかだと思われます。
何回も紹介した菊池さんは、インタービューに
「…物事は『ない』ことを論理的に証明することは無理で、『血液型と性格の間に関係がない』とは証明できません。だからといって、『血液型で人間関係や相性を判断できる』と結論づけるのは早計です」
と答えているようです。実は、この文章には、(意図的かどうかは知りませんが)トリック(?)があります。なぜなら、菊池さんは、以前にこう書いていたからです(不思議現象の心理学9 血液型信仰のナゾ−後編 28〜29ページ)。
ただ、最近は血液型性格判断を撲滅しようという意識ばかりが先走って、適切でない批判をする人も散見される。…
また「A型なのに、ぜんぜん凡帳面じゃない人はいっぱいいる」というように、血液型性格学に対する反証例を挙げる批判法。これも「身の回りの人が当てはまるから信じる」というのと同じ誤った考え方である。血液型学に限らず、おおよそすべての性格理論は統計的なものであって、集団全体の傾向としてしかとらえられない。たとえば筋肉を使った運動能力は女性よりも男性の方が優れていることに誰も異論はな いと思うが、それでも特定の男性を取り上げれば、平均的な女性より力が弱い人はざらにいるだろう。必要なのは個々の事例ではなく、統計的な事実なのである。
いずれにせよ、血液型性格判断はなぜ虚偽なのか、これは提唱者が言うような性格の差が、現実に信頼できる統計データとして見あたらないという点につきる。血液型性格学への批判は確かに重要だが不適切な批判で満足しているとすれば、それは非論理性という点では相手と同じ穴のムジナになりかねないことに注意しなければなるまい。
いうまでもなく、「血液型で人間関係や相性を判断できる」のは、個々の事例です。菊池さん自身が書いているように、必要なのは個々の事例ではなく、統計的な事実なのです!
では、菊池さん自身は、「統計的に差がある(有意差がある)」と考えているのでしょうか? 記事には明確には書いてないようですが、「統計的に差がある」と判断していることはほぼ確実です。なぜなら、この記事のインタービューでは「統計的な差がない(有意差がない)」とは菊池さんは(彼だけでなく誰も)答えていないからです。もし、血液型と性格に関係がないのなら、初めから「統計的な差がない」と言うに違いありません。しかし、なぜか「『血液型で人間関係や相性を判断できる』と結論づけるのは早計です」と答えています。不思議ですね?
ここで注意しないといけないのは、「統計的に差がある」としても、必ずしも「血液型で人間関係や相性を判断できる」とは言えないことです。
従って、何らかの理由で「統計的に差がある」にしても「血液型と性格に関係がある」とは言わない、というのが最も可能性が高いようです。要するに、菊池さんの主張はこういうことです。
なぜ、1と2の主張を省いてしまったのかは謎です。(@_@)
はっきり書いていないのでなんとも言えませんが、菊池さんは、この時点では大村さんの“転向”を知っていたのかもしれません。なにしろ、彼は自他ともが認めるオタクですから、テレビを見ていないはずがありません(笑)。もっとも、TBSのバラエティはあまり見ないのかな? はて?
■長谷川芳典さんの場合 平成16年12月22日付「じぶん更新日記」
長谷川さんの主催するWeb日記の「じぶん更新日記」には、珍しく大村政男さんの“転向”した番組の内容に触れています。
平成16年12月22日付「じぶん更新日記」
●TBS系
ABOAB血液型性格診断のウソ・ホント!本当の自分&相性探し来年は開運スペシャル
の放送が予定されているという。
[中略]
「番組のみどころ!」には
ホントに血液型と性格に関連性はないの!?
という疑問に答えて、番組ではある心理テストを実施。ゲスト出演者を含め1000人が参加したこのテスト。集計の結果、血液型別に傾向が出たんです。
ということだそうだ。そりゃそうだろう、いろんな番組でこれだけしつこく「A型=几帳面 B型=マイペース」と言われれば、几帳面でないA型者も少しは几帳面になろうと努力するかもしれないし、B型者は「どうせオレはマイペース。やりたいようにやるさ。」と居直るかもしれない。他者への偏見ばかりでなく、自分自身の行動もそれにあてはめてしまう。じっさい、ZAKZAKの12月4日記事には
...思い込みで予言が真実になる『自己成就予言』という現象で、最近10年でA型がより『きちょうめん』になったという研究報告もあります」と菊池助教授。
という引用もあるくらいだ。※太字と[]内は私が追加
しかし、その後は大村政男さんの「お」の字も出てきていないようです。長谷川さんは、どうやら大村政男さんの“転向”は知らないようですね。やはり、テレビはあまり見ないのでしょうか? はて?
■中西大輔さんの場合 平成17年2月10日号の『週刊文春』
広島修道大学人文学部の中西大輔助教授(心理学)が記事中に登場しています。
インタビューでは、こう述べています。
「…人の血液型と性格を実証データだけで調べただけでは、その差が本当に血液型によって生じたかどうかは分かりません。というのは、『疑似相関』や『予言の自己成就』が関係するからです。
前者は本来関係のない事柄が見かけ上、[注:統計的に]関係があるように見えてしまうことで、…後者は、刷り込まれた通り行動することによって、実際にその通りの現象[注:血液型どおりの行動]を引き起こすこと。『A型は几帳面』と言われ続けたために『自分はA型だから几帳面なんだ』と思い込み、結果的に几帳面な行動が増える。…」
記事の内容から判断すると、大村さんの“転向”を知っていて否定しているような気もしなくもありません。しかし、大村政男さんの“転向”については全く書いてないので、本当は知らないのかもしれません。やはり、心理学者というのは、テレビをあまり見ないのでしょうか?
■佐藤達哉さんの場合 平成17年2月23日号の『読売新聞』
生活フォーラム:大手小町では、2月のテーマが「信じる?血液型の性格分類」でした。
結果は、平成17年2月23日の読売新聞本紙に掲載されましたが、ここでは久しぶりに否定論者の佐藤達哉さんがコメントしています。
立命館大学文学部心理学科・佐藤達哉助教授の話
「血液型と性格の関係については、これまで数多くの調査が行われてきた。関連があるように見える場合もあるが、一貫した結果は得られておらず、なぜ血液型が性格を規定するのかという理屈もつかない。科学的根拠はないと言える。複雑な人間関係を単純化したいという思いの表れという側面もあるだろう。大人でも血液型についての話題を不快と感じる人は多く、慎重な態度が求められる」
佐藤さんは、どうやら大村政男さんの“転向”は知らないようですね。やはり、テレビはあまり見ないのでしょうか?
■結局、心理学者はアタマが固い?
結局、「心理学者なんてのは好奇心のおもむくままに生きている人種だから、こんな面白そうな題材を座視するはずもない」というのは、少なくとも現時点では(それほど?)正しくないようです。心理学者はあまりテレビを見ないのでしょうか? それとも、最近の心理学者はアタマが固くなってしまったのでしょうか? あるいは、好奇心をなくしてしまったのでしょうか? 本当はどうなのでしょう? はて?
#学会発表でないから、というのは理由ではありません。なぜなら、能見さんは学会発表なんて全くやってないのに反論続出だからです(苦笑)。
皆さんはどう思いますか?
ところで、もし、心理学者が大村政男さんの“転向”を知っていたとしたら…。次回は、そこらへんを探ってみましょう。 -- H17.3.10
最近の否定論者の代表例として、平成17年7月29日付けの岡山大学の長谷川さんのサイトにある血液型性格判断資料集では、岡山大学文学部紀要 として、批判的思考のための「血液型性格判断」がPDF形式で掲載されています。
ここで興味深いのは、血液型と性格を否定する根拠が事実上消滅してしまったことです(例えば、3ページ2行目の、「相関が無い」ということの積極的な証明にはならない)。ウソのような本当の話です。
また、大村さんのFBI効果の説明自体は残っているものの、ラベリング効果(ラベルのスリ替えの話)はなぜかふれられていません。以前の心理学の「常識」では、大村さんと言えば必ずラベリング効果、と相場が決まっていましたから、全く不思議と言うしかありません。
実は、これらについては、以前から肯定論者からたびたび反論が提出されていたのです。一昔前の否定論者は、ほとんどと言っていいほど大村さんのラベリング効果を否定論の有力な根拠としていました。それほど有名だったのです。しかし、肯定論者がFBI効果の反論を公開してからは、とんとラベリング効果の話を聞かなくなってしまいました。
日本の心理学者は、論争を好まない平和的な人が多いのでしょう…たぶん。
あるいは、少々うがった見方をするならば、否定論者は反論できないから黙ってしまったのかもしれません(本当かな?)。
更に不思議なことに、長谷川さんの論文には、例のTBSの番組についての解説があります。
平成16年12月28日 TBS 19:00〜20:54 ABOAB血液型性格診断のウソ・ホント!本当の自分&相性探し来年こそは開運SP!
この番組は、大村さんが「転向」した象徴的なケースで、血液型による差が心理テストで見事に現れていました。
しかも、長谷川さんの論文中の番組解説にも、
ホントに血液型と性格に関係はないの!?
という疑問に答えて、番組ではある心理テストを実施。ゲスト出演者を含め746人が参加したこのテスト。集計の結果、血液型別に傾向が出たんです。
と大村さんの実験について説明があるのです。
しかし、長谷川さんはこの番組を批判していながら、大村さんの転向には全く触れていないのです。やはり身内だからなのでしょうか?
長谷川さんに限らず、以前からこういうパターンは変わらないようで、戦前の古川竹二氏や、最近の前川輝光さんのケースでも、心理学からの批判はほとんどありませんでした。
#厳密には、古川竹二氏は死後何十年かして批判されましたが、存命中にはほとんど批判はありませんでした。
前川さんのケースで言うと、参考文献としてリストにあるにもかかわらず、本文中に全く記述がないという不思議な研究論文(これは大村さんのケース)もありました。
以上のことから確実に言えるのは、心理学 者は肯定論者の主張を知らない(初めから読む気がない)から批判していない、ということはあり得ないということです。少なくとも、肯定論者の主張はそれなりにチェックしていることは間違いありません。
しかし、不思議なことに、ほとんどの場合、直接的な批判や反論はせずに無視しているようです。
#例外的に、批判がある場合もありますが、それでも肯定論者が示す根拠に対する直接的な批判はほとんどありません。
日本の心理学者は、「和」を尊んで論争を好まない平和的な人が多いのでしょう…たぶん。
#あるいは、否定論者に反論できないから黙っているのかもしれません。
「和」を尊ぶのは日本人としては大事なことです。が、学問的に好ましい状態と言えるのでしょうか? -- H17.8.9
つい最近知ったのですが、大村さんがまたまた“転向”したようです。
何の気なしにTBSのホームページを見ていたら、平成17年6月25日のTBS『元気の源泉』という番組で、こんなのを見つけました(太字は私)。
元気の源泉 平成17年6月25日 23:24〜23:30 vol.11 大村政男『プラモデル』
大村 政男(おおむら まさお)日本大学名誉教授。
心理学者の立場から血液型性格判断に異論を唱え、テレビ等のコメンテーターとしても活躍中。
http://www.tbs.co.jp/genkinogensen...
いつの間にか血液型性格判断に異論を唱えるようになってしまったのでしょうか?
この番組の内容からして、血液型と性格の説明があったとは思えませんが…。
ちなみに、以前の番組『ABOAB血液型性格診断のウソ・ホント!本当の自分&相性探し来年こそは開運SP』のアドレスはこちらです。
http://www.tbs.co.jp/program/ketsuekigata...
大村さんの名前こそ出ていないものの、現時点でも番組の説明では、
ホントに血液型と性格に関連性はないの!?
という疑問に答えて、番組ではある心理テストを実施。ゲスト出演者を含め746人が参加したこのテスト。集計の結果、血液型別に傾向が出たんです。
とあります。もっとも、
ちなみに、心理学上、「血液型と性格に関連性はない!」そうです。
ともありますが、これは冗談としか思えません(笑)。いったい何回“転向”するつもりなのでしょうか?
またまた謎が増えてしまいました。 -- H17.8.22
しばらく気づかなかったのですが、長谷川さんのじぶん更新日記にこんな記述があることを見つけました。
【思ったこと】
_50911(日)[心理]日本心理学会第69回大会(2)血液型性格判断三昧の一日(2)“FBI効果”や“変節”の真相ところで、「血液型」論争界の一部では、最近の大村氏は変節したのではないかという噂が流れている。不躾ながら、ご講演とワークショップの間の時間にこのことについて直接お尋ねしてみたりしたが、「変節」というのはやはり誤解、曲解であったようだ。昨日の日記にも書いたように、大村氏は、当初より、ご自身の専門分野であるパーソナリティ論や気質論と関連づけながら、「血液型と性格」に取り組んでこられた。方法や解釈がデタラメな非科学的俗説、例えば能見父子の俗説は厳しく批判しておられる一方、「血液型と性格」の相関を探究すること自体は研究テーマとして意義があるものと考えておられる。そういう意味では、戦前の古川竹二氏の数々の研究は、再現可能性、反証可能性という点で評価に値する。…
これを読んで、私はまたまたまたまた飛び上がるほど驚きました。つまり、大村さんは「血液型と性格に関係がない」なんてことは主張していないということになります。
言い換えれば、間違っているのは能見さんだけであって、古川説は必ずしも間違っているとはいえない(もちろん、正しいとも言えませんが)ということです。しかし、大村さんはかつて古川説を「偉大な錯覚」と言っていたのですから、どう考えても“転向”したとしか言えません。
同じく古川説を「偉大な錯覚」と言っていた長谷川さんは異議を唱えなかったのでしょうか?
いやぁ、心理学者って本当に気まぐれなんですね。着いて行くのは結構大変なようです。(苦笑) -- H18.1.22
大村政男さんの最新刊である『図解雑学心理学』(ナツメ社 H18.4)では、またまた、“転向”としか思えない記述が目に付きます…。う〜む。
第10章として、(なんと!)血液型性格学が登場しますが、どう考えても“転向”としか思えないのです。
これを“転向”と言わずして何というのでしょうか? さらに驚くべきことに、一部とはいえ、能見さんをほめる記述さえあります。
読者のために、血液型十戒を引用しておきましょう。
- 血液型で、人の性格を、決め付けてはいけない。
- 血液型が、性格のすべてであると思ってはいけない。
- 血液型で善悪を分けたり、人を非難してはならない。
- 血液型で頭の良し悪しをいってはいけない。
- 血液型で、性格は、もう変わらないと早合点してはいけない。
- 血液型は適性適職に対して重要だが、それですべてを決めてはならない。
- 成功や業績は人間の努力の結果、それを血液型で割り引いてはならない。
- 血液型と性格の関係分野を、医者の領分とカン違いしてはいけない。
- 血液型を、占いの一種と思ってはいけない。
- 血液型による違いより、人間どうし共通性がはるかに大きいと思うべきである。
読めばわかるとおり、これは「血液型と性格は関係ある」ということが大前提です。そうでなければ、「非常に優れたアドバイス」と言うはずがありません。つまり、大村さんは、“転向”したことが事実上確定(!)したことになります。いつのまにか、平成16年12月28日にTBSで放送された『ABOAB血液型性格診断のウソ・ホント!本当の自分&相性探し来年こそは開運SP』の主張に戻ってしまったようです。
それなら、もっと早く書いてくれればよかったのに…。(^^) -- H18.6.18
新しいネタが入れば更新があるかもしれません。面白かった人は、次回をお楽しみに!