最近の『ABO
FAN』は、数字が多すぎて、読み物としては面白くないようです。(^^;;
猪瀬直樹さん(AB型)の『日本国の研究』を読んで、数字やデータが多くても、こんな書き方もあるのかと感心しました。そこで、彼とは全く比べものにはなりませんが、なるべく数字が少なくて、読み物としても面白いページを作ることにしました。
そういえば、最近の人は、能見さんのことを知らないようです。彼の本を読んだことがある人なら、すぐわかると思いますが、このHPは、基本的に彼の考えをベースにしています。ところが、彼の著作で、現在でも入手しやすいのは、青春BEST文庫『決定版【血液型】ズバリわかる人間学』ぐらいしかありません。彼の本を読んだ人(最大素数さんのメールなど)にはスーっと頭に入ってくるはずですが、かなりの人はそうではないようです。非常に残念ですが…。
#もちろん、能見さんの本の紹介は、私には荷が重すぎるのですが…。
あらかじめお断りしておきますが、このページを読むよりは、『決定版【血液型】ズバリわかる人間学』を読んだ方がず〜っとわかりやすいのです。今度本屋さんに行った時には、ぜひ文庫本のコーナーに立ち寄ってみてくださいね。(^^)
能見(正比古)さんは、元々放送作家だっただけあって、その親しみやすい独特の文体も魅力の一つです。科学的な考証もしっかりしており、この2つがファンが多い理由でしょう。このページでは、その一部を引用させていただいています。どうもありがとうございます。
まあ、前口上はこのぐらいにして、とにかく始めてみることにしましょう! -- H11.4.4
血液型と性格の関係は、能見正比古・俊賢さんなどの努力によって、日本では人口に膾炙(かいしゃ)するようになりました。いや、古川竹二さんが最初なのだとか、能見さんだけじゃないよ、他の人も数多くいるのではないか?といった疑問もあるでしょうが、血液型「中興の祖」といったら、やはり能見正比古・俊賢さんでしょう。いろいろな本の内容を見るとわかりますが、大なり小なり能見正比古・俊賢さんの影響を受けているといっていいと思います。それだけ、能見さんは天才的だったということですね。残念ながら、外国では「能見さん」はいなかったようです。
以前に、外国の状況をちょっと調べたみたことがあったのですが、アニメやマンガの一昔前の状況とそっくりのようです。欧米ではあまり関心がないようですが(どちらかというと批判的な意見が多い)、アジア(特に東アジアと東南アジア)のような日本に近い地域では、そこそこ知られているようですね。そのうち、初対面のアジアの人がいきなり血液型を聞いてくるということになるかもしれませんね(笑)。
ところで、欧米で流行らない理由は単純です。ちょっと信じられませんが、ほとんどの欧米人は自分の血液型を知らないからです。ですから、ダダモさんなどのサイトを見ても、home
blood test kit
という血液型を調べるキットが10ドルちょっとで売られています。現に、私のところにも、日本では血液型が流行っているぐらいだから、信頼性のあるhome
blood test kit
を紹介してほしい、というメールが何通も来ています。私は、そんなキットは知らないので、毎回「申し訳ありませんが知りません」という返事を書いているのですが。(^^;;
日本人は、ほとんど全員が自分の血液型を知っていますから、全く考えられないことです。
#ところで、アメリカでは、ここ1、2年血液型ダイエットが大人気のようですが、これまた実に不思議な現象です。
ABO式血液型よりも、HLAの方が性格に影響がありそうですが、それでも(日本でも)HLA型人間学が流行らないのと同じことでしょう。それは、日本人でも、自分のHLA型のはほとんど知らないからです。
日本でこれだけ定着したというのは、文化の影響もあると思いますが、戦前に古川説が軍に採用され、日本人全員が血液型を知っているという理由が一番大きいのではないかと思います。戦争中は、空襲警報が鳴ると、血液型と名前を書いた布の胸章を付けて避難した、といったエピソードもありますから(って、私はいったい何歳なんでしょうか…笑)。なぜ古川説が日本で生まれたか、という説明は長くなるのでここでは省略します(松田薫さんの『「血液型と性格」の社会史』などが詳しいです)。 -- H11.4.4
「血液型人間学」という言葉は、皆さんも一度ぐらいは聞いたことがあるかもしれません。この言葉は、能見正比古さんが、その著書『血液型人間学』で初めて使ったものです。血液型で性格がどうの…というのではなく、血液型で人間をトータル的に分析する、という意気込みがヒシヒシと伝わってくるネーミングです。
『血液型人間学』〜あなたを幸せにする性格分析〜 日本中に第1次血液型ブームを巻き起こしたこの本は、昭和48年8月に出版されています。総ページ数は258ページと大して厚くはないのですが、内容は非常に画期的なものでした。 また、マーケティングも秀逸だったと言えるでしょう。斎藤茂太さん、楠本憲吉さん、吉村真理さん、大宅昌さん(大宅壮一さん夫人)など、そうそうたるメンバーが推薦しています。そして、出版社も産経新聞社の関連会社ということですから、その点もかなり用意周到といえるでしょう。 |
その後、『血液型人間学』の改訂版として『新・血液型人間学』が出版されました。ここでは、現在も一般の書店で入手できる、青春BEST文庫『決定版【血液型】ズバリわかる人間学』に基づき、『ABO FAN』流の「血液型人間学」や「血液型と性格」について、いろいろと説明していくことにします。
前書きからです。
前書き…能見正比古さん
人間は、自分や他人の“性格”の知識を求めつづけてきた。それをつかむことで、自分を開発し、有効な人生を選び、円満で快適な人間関係を作り出せる。家庭、職場で、経営や教育で、進路決定、結婚問題で、性格すなわち人間の行動性や思考性の傾向についての知識の需要は、無限である。
だが、自然科学としての人間性の学問は、長い人類史でも、これまで成立しなかった。人間の行動、表現、反応は多様を極め、人々はそれに振り回されて来た観がある。必要なのは、人間性について統一的な説明が可能であり、すぐに役立ち、客観的でもある尺度、分類基準であった。それが血液型だったのである。
生化学的意味では、体質型である血液型を、分類比較の基準とすることで、私たちは今、初めて、客観的で実証性を持つ“人間性の知識”を手にすることができたのである。
本書は、その血液型と人間性の関連のあり方、その事実の証明、人間の行動や思考、表現傾向の血液型ごとの特徴を、実例と数字的データを加え、わかりやすく具体的に述べ、さらに広く、生活や社会、文化現象への影響についても触れている。この分野の基本的入門書ともいえるものである。
血液型と気質との関係は、およそ80年前に気づかれ、現在、多くの人が、それが事実であることを熟知している。当然のことで、血液型による傾向差は、少しまとめて人間を観察すれば、誰の眼にも明らかである。が、見ればわかるというだけでは、見ようとしない人を説得するわけにはいかない。
40余年、私は個人的興味と作家としての必要から、この関係を眺め考えてきた。ここ20年は、積極的にデータ収集にも努めた。
調査分野は百を超え、氏名のわかった血液型資料は十数万、記名されたアンケートの回答も、4万人以上に達している。調査項目に至っては数えきれない。人間の行動傾向について、統一的な目標の下で、これだけの規模の調査は、多分、世界最初である。
集まった統計値の有意差検定の結果は、血液型と人間性の関連につき、極めて大きな有意差を、繰り返し証明した。それは予想以上であり、私自身も何度もショックを受けた。その重要なものは機会あるごとに報告し、一部は本書にも紹介している。断定できることは、今や血液型と人間性との間に、大きな関係の実在することが、一点も疑う余地なく実証されたということである。史上初めて人間の行動に、科学的な基準が与えられたのだ。文庫化に寄せて…能見俊賢さん
本書の原本であると同時に、血液型と人間性をテーマ“統計学による実証”を試みた最初の作品が『血液型人間学』であった。
昭和48年の夏に初版が出てから、数回の改訂ならびに版型を変えながら、既にミリオンセラーとなっている。他の科学分野に比べ、かなり立ち後れている人間のココロと行動の研究に風穴を開けるべく、ABO式血液型を突破口にデータを積み上げ、比較観察を繰り返しながら、実用情報を凝縮した本である。
つまり、血液型人間学の最初に読む本としては非常に適していることになります。『血液型人間学』や『新・血液型人間学』が入手しにくくなってしまった今、初心者が最初に読むにはなかなかオススメです。青春BEST文庫は全国どこでも入手できるようですから、皆さんの近くの書店でも取り扱っているはずです。私も、自宅の近くの書店で入手しました。
残念ながら、私は血液型を人間学として分析するまでの力量も自信もありません。(^^;; ですから、このページでは、「血液型と性格」という言葉で統一しておきます。もっとも、今後とも「血液型人間学」という言葉を使わないということではなく、将来の努力目標として残しておくという意味です…。 -- H11.4.4
「血液型へのおかしな誤解」として、『決定版【血液型】ズバリわかる人間学』に取り上げられている例から引用しておきます(14〜15ページ)。
血液型について一般の方の誤解がかなりある。
第1に血液型は血液だけの型ではないということだ。この現象が最初、血液から発見されたため、そう命名されただけの話で、実際は体の中の体液はもとより、臓器から筋肉などの細胞すべて、爪、歯、骨に至るまで全身に行きわたっている現象なのである。日本の法医学界は、この血液型の鑑定技術が特に進んでいて、髪の毛1本の4センチ分があれば、何型かがわかるという。法医学の第一人者古畑(ふるはた)博士も血液型というより体質型と呼ぶほうが適切という。あるいは生化学型とでもいうほうが当たっているのかもしれない。
第2の誤解は、この血液型については、大体わかっているのだろうと思いこむ人が多いことだ。
「今ごろなぜ、血液型が問題になるの?」
と聞かれることがある。“今ごろ”ではないのである。1901年、ドイツの医学者ラントスタイナーが血液型を発見してから、やっと百年そこそこ、遺伝方式がほぼわかってからでは、70年ちょっと。本質的なことはまるで不明と言っていい。輸血とか親子の鑑別、犯人捜査など応用面が先に開発されたので耳に馴染(なじ)んでしまい、つい既知のことかと錯覚したりする。もっとも、応用技術が先行することは別に血液型に限らない。流体力学がわかる以前から水車は回っていた。
人体内には、意味のないものは何一つないと言ってもいい。これほど全身くまなく分布する血液型現象なら、当然、生命体に対してかなりの役割を果たしているであろうが、その生理学的意味は、まだ全くわかっていない。
血液型といっても、型物質は血液中にしか存在しないわけではないわけです。ちなみに、人間の脳には、血液中の8%程度の型物質が存在します。その中で、全身に存在する血液型は、ABO式とHLAのようです。
この文章には、少々解説が必要でしょう。 まず、古畑博士は、東京(帝国)大学医学部教授だった血液型学の第一人者で、一昔の本には必ず名前が登場するほど有名な人です。彼は「血液型と性格」には否定的だったようですが、その本当の理由は私にはわかりません。 また、最近の研究によると、生物には一見ムダとしか思えないもの(人間の盲腸など)がいくらでも存在します。進化の過程では、こういう現象がよく起こるようです。もちろん、人間も例外ではありません。そして、生物学的意味が分かっている血液型(P型など)も、少数ながら存在します。ただし、ABO式血液型については、現在の時点でも、本当に何のために存在するのかは依然として不明のようです。 |
ここで、少々脱線します。
現象はわかっていても、因果関係が不明というケースはいくらでも存在します。つまり、因果関係が証明されていない→間違っている、とは言えません!
例えば…
ちょっとだけ説明しておきましょう。まず1についてです。
O型の人が胃潰瘍になりやすいことは、統計的には以前からわかっていたのです。しかし、反対派は「統計的にそうだとしても、血液型と胃潰瘍は関係があるとはいえない」とず〜っと主張してきました(「血液型と性格」の否定論者もそう言っていた人がいます)。しかし、つい最近、ある種の胃潰瘍を起こすメカニズムが解明され、やはりO型は胃潰瘍になりやすいことが証明されたのです。つまり、「統計的にそうだとしても、血液型と胃潰瘍は関係があるとはいえない」という説は間違っていたことが証明されてしまったことになります。
若い読者にはわからないかもしれないので、2についても説明しておきましょう。脚気は、その昔「江戸わずらい」ともいわれ、明治になってからも日本軍を悩ました病気です。日清戦争(う〜ん、古い!)の時は、戦闘による犠牲者よりも脚気による犠牲者の方が多かったとも言われています。しかし、陸軍では「統計的そうだとしても、白米食と脚気は関係があるとは言えない」ということで白米食を続けた結果、日露戦争でも莫大な犠牲者を出し続けることになりました。これに対して、海軍では米食を麦食に切り替えて犠牲者を大幅に減らすことができたのです。その後、脚気はビタミンBの欠乏によることが分かり、「白米食と脚気は関係がある」ことが証明されたのです(吉村昭さんの『白い航跡』による)。
「同じ血液型にある共通点と相違点」として、『決定版【血液型】ズバリわかる人間学』に取り上げられている例から引用しておきます(23〜24ページ、傍点は下線に変更)。
テレビのスタジオで、A型の女性評論家に言われたことがある。
「私の家族は全員A型だけど、一人一人、性格は違うわよ」
私はポカンとした。もし同じ血液型の人が同じ性格だったら、4つの血液型で4通りの人間しかいなくなる。人間はトランプではない。そんなバカげたことは、あるはずがないのに、どうしてわかりきったことを、わざわざ言い出すのか?
いや、これは単なる疑問ではない。A型は、こういう性格だと決めつけても、A型にもいろいろ性格の違いがあるじゃないかという抗議なのだ。これに似た言葉は、他にも時たま聞く。
「人間の性格が、4つに分けられるはずがなどない」
それにしてもへンな話である。私は、ある血液型が、ある一通りの性格とは、一度も言ったったことがないのに、この人たちは、私が、そう決めつけているものと、勝手に決めつけているのだ。
これは、この人たちだけを咎(とが)められない。そもそも世間では、人間を決めつけたり、レッテルをはる人々が多い。長男だから、末っ子だから、こうだ。何々県出身だから、何々大学出だから、こんな性格だ、芸術家だから変人だ。裁判官だから物がたい。こういう決めつけ趣味の人にかかっては、血液型であれ何であれ、たちまち決めつけの道具にされる。
それに抵抗する人たちは、また決めつけられてはかなわないと、最初から警戒態勢に入る。
解説は不要でしょうが、ちょっとだけ。このページの、極力数字を使わないという方針には反するのですが…。
私は、能見さんと同じく、血液型による性格の差はせいぜい10から20%である、という立場を採っています。この『ABO FAN』のデータが掲載されているお好きなページを見てください。例えば、血液型と性格の謎を推理するなどがあります。下に一例を示します。
「ルールや慣習や秩序を重視する」と回答した人の比率
血液型 回答者数 比 率 O 29.7% 57.7% A 36.7% 54.7% B 22.5% 50.7% AB 11.1% 41.2% 合計 613人 −
見れば分かるように、一番多いO型と一番少ないAB型の差は、たった(?)の16.5%です。血液型による差というのは、せいぜいこんなものなのです。この差が数十パーセントもあれば、確かに「決めつける」ことは可能でしょう。しかし、高々20%ではそこまではできません(苦笑)。この差は、県民性よりは大きいですが、男女差や年齢よりは小さいのです。また、民族・国民性、文化の差よりも小さいようです。
これでもやはり、「血液型は性格を決めつける」というのなら、私はもう何も言いません…。
気質と性格については、能見さんは次のように使い分けています。
気質は先天的なものです。これに対して、性格は、気質が後天的な形成作用を受けて作られれていくもの、ということです。気質は、そのまま外部からは分かりませんが、外界からの刺激に対してなにかしらの反応をします。この刺激の反復が、気質の反応に一定の傾向を作り、その特徴が「性格」になるというものです。
次は、「多重性格を初めて解明した血液型」として、『決定版【血液型】ズバリわかる人間学』に取り上げられている例から引用しておきます(34〜37ページ 傍点は下線に変更)。
性格が、むき出しのままで行動される場合は少ない。その表面には、タイプと呼ばれる衣(ころも)が装われる。明るいタイプ、暗いタイプ、指導者タイプ、まじめなタイプなどと言われる。
一般には、このタイプと性格が、まるでゴッチャに、取り扱われる。なるほど、これらをキチンと区別できる基準や測定具はない。ただ、タイプは、性格表現の、最後の仕上げの塗装のようなものだ。
−(中略)−
行動のくせや習慣というものも、広い意味のタイプに数えてもいい。部分的にとらえれば、くせ、習慣となり、総合的に見ればタイプとなるが、内容的には、ほぼ同じと見ていい。くせ、習慣は、性格よりは、はるかに修正がきく。
人間の行動を図示して見れば、36ページの図[注:上の図]の同心円状に考えてもいいであろう。一番外側の演技、作戦は、これは本人の意志次第で、かんたんに行動したりやめたりできるものだからだ。中央の気質の点線は、これまで述べてきた通り、本来、性格と対立的に区別すべきものではないからだ。気質のカラーは、性格にも、タイプの表面にも、意図的な行動の中にも、濃淡など程度の差はあっても、あらゆる部分に、にじみ出るのだ。
その“程度の差”を聞かれたことがある。
「血液型が影響するのは、性格の何分の1ぐらいですか?」
それは測定できるものじゃなく、個人差もある。
しかし私は、妥当なところ、4分の1ぐらいと答えた。その人は不満そうに言った。
「たった4分の1しかわからないんじゃ、つまらないですね」
冗談ではない。人間科学は、まだ錬金術(れんきんじゅつ)なみで、未知の部分が、ほとんどである。もし4分の1でも、わかったら大へんなことである。
37ページには、内向性と外向性についての記述があります。
外向性、内向性という言葉は、90年程前、スイスのユングが言い出し、ひところ流行語のようになり、今でも向性検査などの信奉者がいる。だが、これはすっかり古くなった考えで、年齢や職業の変動で向性が大きく変わることは、現代の心理学者たちも認めている。
−(中略)−
外向、内向は何型にもある。現時点で内向か外向かというだけだったら検査分析の要はない。見ればわかる。問題は血液型によって内向外向が、どう変動するかということだ。
中で著しく変わるのはO型である。何というか、他の血液型は自分を維持する防護服を着て歩いているのに、O型は裸で世の中を歩いていて、そのため周囲の条件の変化に、まともに反応する感じなのである。その例の一人に、O型の作家、日本の推理小説の開拓者、江戸川乱歩がいる。
江戸川乱歩は、おばあさん子で、体育がダメで、少年時代は全く内向的だったそうです。ところが、内面では政治家志望(=外向的)だというのだから、少々驚きです。大学卒業後には、20の職業を転々とし、屋台のソバ屋までやり、結局28歳の時に職業作家になります。この時は、徹底した人間嫌い(=内向的)で、昼間も暗い土蔵に閉じこもってローソクの光で執筆していたそうです。あの怪人二十面相や明智小五郎の活躍が、こんな状態で書かれたというのも意外ですね。ところが、40代を過ぎると、戦争中に町内会長や警棒団長として活躍、戦後は探偵作家クラブを結成し、後輩の育成に努めます。彼の人生は、内向・外向が交錯し、一定の傾向はないのではないか、というのが能見さんの結論です。
別の例も書いておきましょう。下の図を見てください。O型は環境にストレートに適応するのに対して、B型のマイペースぶりが目立っています。ただし、実際にそうであるということではなくて、単なる模式図ですので、念のため。(^^;;
同様に、神経質についても書いていますが(39〜40ページ)、ここでは『新・血液型人間学』から引用しておきます(101〜102ページ 傍点は下線に変更)。
“神経質”は困った言葉
神経質という言葉は、古代ギリシャの時代から使い古されてきた言葉である。これこそ絶対、性格用語の本命のように思われている。しかし、改めて吟味して見ると、これまた性格を示す言葉としては、使いものにならないことがわかる。
つまり、ある状況の下には神経質だとか、ある方面には神経質であるとか、ないとかは言うことができる。だが、全方向に神経質な人は、まず、絶対といっていいほどいない。ある人は着るものに神経質で、別の人は食事に神経質だろう。その違いが、性格を語るのに重要なのである。
最近聞いたO型のある高級官僚氏は、趣味の音楽鑑賞はうるさく、神経質なくらいと言われていた。その同じ人が、湯たんぽのお湯を平気で煮炊きに使うという。神経質なんてそんなものである。もし病的な神経質で周囲を手こずらせている人がいれば、その人は、周囲の人の感情には、ドンカン、無神経ということになるのだ。
神経質な人の血液型別の方向を、簡単に列記してみよう。お断りするが、これはあくまで神経質と見られる人の傾向である。
O型は身体や健康について神経質。病的な潔癖症や高所恐怖症もある。社会の中での他人の目、好意や悪意にも神経質となる。
A型は周囲の動きや反応、それに対する自分の姿勢に神経質。物事のケジメ、善悪の評価などに潔癖。未来への悲観主義や、仕事などの完全主義傾向も一種の神経質だ。
B型は自分の気分調整に神経質。行動を制約された状態ではイライラ。過ぎたことにクヨクヨ。事実関係の正誤にもうるさい。
AB型は、人間関係で神経質となりがち。対人恐怖症も一部にいる。自分の社会的役割りや仕事面の蝿張り保持に神経過敏。経済生活の基盤がガタつくと、度を失い気味。
以上の例でも判るように、現在、日常で性格を指す言葉として使われているもので厳密には、性格を明示するに足るものは、ほとんどない。大ていは、行動や表現の断片か、せいぜい、前述のタイプに与えられる名称である。正直な性格とかウソツキなどになると、病的な嘘言(きょげん)症を除き、 単に二、三の行動や表現の評価にすぎない。ウソつきは人間共通の性格といったほうが、まだ事実に近い。
なかなか納得できる説明だと思うのですが、どうでしょうか? 次は、皆さんからのメールからです。なお、この他にも、同様の趣旨のメールをいただいています。
まあまあ(^^)
2.お気に入りのページ
E−MAIL
3.血液型と性格の関係は?
ある
4.メッセージ:
まず、このHPの作者に感心しています。私は能見先生の時代からのファンですが、この膨大なデータ、読むだけでも大変です。努力と情熱は本当にすごいと思います。研究性格は血液型だけで割り切れるほど簡単なものではありません。ある部分はそれで判断できるということです。私はA型ですが、なんだかA型は神経質と決められているようで不愉快です。何に神経質かだけの差があるだけでどの血液型の人も神経質な人はいっぱいいます。よく理解なさっている方なら決め付けたり絶対しないはずです。なまじ、かじっただけの人が「A型だからこうでしょう」とうわべの判断だけでわかったような顔をされると私は頭にきます。決して血液型を否定するわけではないのですが、血液型で判断できる性格は全てではありません。たしかに、血液型を知っていると人間関係で便利なことはあります。そして、何しろ人の性格をあれこれと考えるのは面白い。
No.164と同じく、ご指摘の点は、ほとんどそのとおりです(笑)。
次は、「相性を支配するリード=おもり関係」として、『決定版【血液型】ズバリわかる人間学』に取り上げられている例から引用しておきます(203〜204ページ 傍点は下線に変更)。
よく人から受けて困る質問がある。
「私は、どの血液型と、一番相性がいいですか?」とか「いい相性は、何型と何型ですか?」
などのたぐいである。悪いが、相性に良し悪しはない、と言いつづけて、やはり同じ質問を受けたりする。一種の人間の弱さなのであろう……。
相性というのは、人間関係の気質による組み合わせの特性である。何度も言ったように、相手と自分が何型であれ、血液型による気質の特徴を充分に理解し合えば、結び合い協力できる部分の発見が容易であるし、ぶつかり合う部分を回避することもできる。
いくら努力しても悪い相性というのは、この世にはない。問題は気質や性格に適(かな)った努力をしているかどうかということだ。たとえば、AB型の夫に、O型に対するような努力をしても無駄骨であり、またA型の人が、B型にしかできないような努力を自分に課しても効果はあがらない。
反対に努力しなくても良い相性といったムシのいいものもあるわけはない。神様は公平である。同一の性格がこの世にない以上、何の努力もしなければ、その違いがどこかでぶつかり合う可能性が、いつでもある。努力の中には“性格の理解し合い”ということが当然含まれる。
私が相性を説くときは、その努力の仕方を考えようというのである。
繰り返して言うが、相性には本来、良し悪しはない。相性を良くするも悪くするも、努力しだいである。そして、努力の仕方に、相手と自分の性格を理解し、それに沿った内容の努力が必要なのである。
この文章も、能見さんの考え方が明確に出ています。下線の部分「相性に良し悪しはない」というのは、いかにも彼らしい文章です(笑)。相性を固定的に考えるからよくないのですね。
一度でも能見さんの本を読んだことがある人なら、こんなことは当たり前だと思っていることでしょう。シーラさんも最大素数さんも、絶対にそう感じているはずです。しかし、ここ10年ぐらいの間に、いわゆる「血液型性格判断」の本を読んだ人、そしていわゆる「血液型性格判断」に否定的な人は、初めて聞いたとか、どうもおかしい、と思っているに違いありません。
そういう人には、私に騙されたと思って、1冊でもいいから能見さんの本を読んでみることをオススメします。例えば、ここで紹介している『決定版【血液型】ズバリわかる人間学』です。この本は文庫本ですから、値段も高くありませんし、普通の書店ですぐ入手できるはずです。ざっとでもいいから読んだ上で、いろいろ意見を言っていただければ大変助かります。
#本当に騙された!と怒っても、私は責任を取りません、念のため(笑)。
最近では、「血液型性格判断」という言葉が流行しているようです。どういうわけか、「血液型人間学」や「血液型と性格」とはあまり言いません。そこで、マイクロソフトブックシェルフで「判断」について調べてみることにしましょう。
はん‐だん【判断】
1. ある事物についての考えを決めること。また、法に基づいて判定すること。判定。断定。「善し悪しの判断」
2. 吉凶を見分けること。占い。「姓名判断」
3. (ドイツUrteilの訳語)哲学で断言内容を肯定または否定する精神作用。伝統的論理学で、主語について述語を肯定または否定するはたらき。蓋然的・実然的・必然的の区別がある。また、そういう肯定または否定する対象や内容。
「血液型性格判断」の場合は、普通は2の意味でしょう。なぜなら、1なら心理学でも使うはずだからです。ところが、普通は「心理学性格判断」とは言いませんし、もし私がそう言ったら奇妙に聞こえます。どうもおかしいと思っていたのですが、これで謎が氷解しました。心理学は占いではないからです。
結局、一般的には「血液型人間学」や「血液型と性格」は、「占い」として捉えられていることになります。確かに、この『ABO
FAN』は、一部(いや、大部分?)には「占い」のサイトと思われているようです。
実は、この点については、アクセスが減るかもしれないので、わざと曖昧(あいまい)にしてきました。(^^;; しかし、最近はアクセスも減っていないようなので、声を大にして言っておきます(笑)。
「血液型と性格」は占いではありません!
#ところで、アクセスが減るから…なんていう性格は何型でしょうか?
え? やっぱりAB型?(笑)
#サーチエンジンの分類を変えるとアクセスが減るかもしれないので、今後も変えるつもりはありません(笑)
次に、占いについて調べてみましょう。占いは、元々は未来の予測をするだけで、人間の性格を判断するようなことはなかったという説もあります(H11.4.1付け最大素数さんのメールなど)。
人相・手相、占星術、など、「占い」と称するものはもともと、人の運勢や事柄の予測を扱ったもので、それが「人」そのものを見るようになったのは、そうした「(心理学の知見としての)性格」という概念の浸透による、という説もあります(TV番組での話しなので発信元の確認は不可ですが、わたしは案外正しいのではないかと思っています)。
そこで、手持ちの資料に当たってみました。
●マイクロソフト/小学館 Bookshelf−国語辞典
●マイクロソフト エンカルタ99 平成10年発行
●平凡社 世界大百科事典(CD−ROM版)第2版 ベーシック版 平成10年発行 ●小学館 スーパー・ニッポニカ 日本大百科全書+国語大辞典(CD−ROM版) 平成10年発行
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確かに、調べた限りでは占いと性格は関係ないようです…。そう言えば、能見さんも同じようなことを書いていたような気もしますが、残念ながら見つけることはできませんでした。
しつこいようですが、能見さんも言っているとおり、「血液型と性格」は統計的事実であり、決して占いではありません! 『ABO FAN』では、いわゆる「血液型性格判断」という言葉は使つうもりはありません。よろしくお願いします>ALL
#なぜ「占い」になってしまったのでしょうか? 理由と経過はほぼ解明できましたが、ここに書いても面白くないと思うので省略します。(^^;;
では、いよいろ血液型別の性格特性についてです。まず、能見正比古さんの文章を読んでみることにしましょう(O型は人間は権力志向型なんだって−血液型性格学 別冊宝島6 『性格の本−もうひとりの自分に出会うためのマニュアル』 宝島社 S52.8)。
血液型別につかんだ特徴をあげると、
O型は一般に情緒安定型と見られている。感情の表現は大きい人もあるが、その動揺によって自分や、自分の生活を見失う人は、ごく少ない。ただ、そのO型が追いつめられた状況が、ある限界をこすと、突如、感情は大混乱し、情緒は、不安定どころの騒ぎではなくなるケースが、よくある。
A型は、対照的に見える。元来、昔男性心理性[注:情緒不安定型?]と見られがちなA型は、周囲の動向に敏感である。完全主義でもあるA型は、ふかく、物ごとのプラス面より、マイナス面を、かぞえやすい。従って状況が悪くなるにつれ、過敏なほど動揺も増す。ところが、その悪さが、これまた、ある限界を試すと、O型とは逆に水を打ったように冷静に落ち着いてしまうことが、よくある。一種の開き直り。
B型 気分屋お天気屋の傾向は一番強い。だから、その情緒はたえず波立っているといえる。お調子にも乗れば、すぐガックリきたりもする。かんしゃくも起すし、奥様方の評判では、どうやら一番手も早い。だが、そのくせ周囲の状況には、一番左右されないのである。つまり、波は立つが、波立ち方は、どんな時も、ほぼ一定といえる。
AB型は、複雑な様相を見せる。ひどくクールで冷静な面がある。スポーツ選手のAB型には大へん特徴的に出たりする。その半面、(特に家庭などでは)ひどい気まぐれさを見せ、唐突に泣き笑う姿を見せる。
以上の四つのケースの、どれを情緒安定といい、不安定といったらいいのだろうか。O型は、ある限界点を境に、安定から不安定へ。A型は逆に不安定から安定へ大転換する。B型は部分的に見れば不安定、巨視的に眺めれば安定だ。AB型は安定と不安定の2つの面を使い分けている。
結局、情緒安定とか不安定とかいう表現は、ある局面における、その人の状態を示すだけの話で、性格を全く言い表わすことはできないと考えなければならない。
従来の性格観の大きな誤りは、性格を固定的な言葉で規定できると考えてきたことだ。事実は、性格は状況によって変わるし、時間的にも年齢差でも、大きく変化を見せるものである。もしそれを集約的に表現できるとすれば、1、2の単語で表わすものではなく、関数表現ということになろう。
そうした性格のダイナミックなとらえ方が、科学としての性格学への一歩のアプローチとなる。(下の図は『血液型エッセンス』の41ページから)
血液型気質学入門
人間の性格を、より確実に知ることの効用は、説明するまでもないであろう。
それはまず、自分と社会にフィットさせるための自己管理の誤差を少なくする。自分に最も有利な進路や適性の発見にもつながる。
また自分の客観的な姿を知ることで、人間関係の挫折を防ぐことができる。自分が人に好かれる点、嫌われる点というのは、自分の眼では、容易に見ることができないものだ。
今度は他人を理解することが、無用の争いや摩察を激擦させる。これまで、いかに多くの夫婦が、相手の性格が判らないままに、空しく結ばれ、空しく別れ去って行ったことであろう。
そうした性格に関する客観的なデータが、(あえて言うが)血液型を分類基準として、比較観察することにより、はじめて私たちの手に入りつつあるのである。
性格に関する……といったが、正しくは行動傾向に関するデータであることは前述の通りである。私にしても今は、かずかずの行動の断片を拾い集め、整理し、つなぎ合わせ、有意差を計算し、因果関係を見つける努力をしているにすぎない。さらに裏づけ調査を必要とするものも、おびただしく残っている。この段階で人間の性格が判ったなどとは到底言えない。私はただ、それを判るためのデータのコレクターであり、レポーターと、自分を考えている。
しかし、その中でも、かなり鮮明に浮び上って来た部分はある。百近い分野での血液型分布率。行動傾向や考え方などを尋ねた2万数千人のアンケート調査、それらの多面的な調査や観察で確かめてきた結果である。
ただ、人間の行動は日常面、対人面、社会面と分けるだけでも多岐多彩にわたる。ここで一々紹介するわけにはいかず、個々の行動や表現の特徴は、拙著を参照していただくしかないが、ここでは、その基本的な形を、少し並べてみよう。
→もっと詳しい解説は、各血液型のページへどうぞ!
〔O型の主な特徹〕 ○生きる欲望が強い。バイタリティが盛ん。 |
〔A型の主な特微〕 ○“何かのため”に生きる生き甲斐を求める。 |
〔B型の主な特徴〕 ○マイペースの行動。しばられ、抑制されることを、ことにいやがる。 |
〔AB型の主な特徴〕 ○ドライに見えるほど合理的な考え方。 |
(のみ まさひこ・作家)
これを全部丸暗記しようとすると大変です。能見正比古さんの記憶力は抜群のようですし、自分の体験で得られたものだから、全部の性格特性を記憶するのは割と簡単だったのでしょう。しかし、私のような素人には丸暗記は大変なのです。なにしろ、AB型は丸暗記は嫌いなのですから(笑)。そこで、丸暗記は最小限にして、なるべく体系的に覚えようという試みを紹介します。
【AB型】
まず、自分で一番分かりすいAB型です。AB型の特徴とは何か?
〔AB型の主な特徴〕
○ドライに見えるほど合理的な考え方。
○反面、空想的、非日常的、メルヘンチックな趣味性を持つ。
○情緒の安定した面と、不定気ままな面と、はっきり分れた二面性を合せ持つ。
○人との応待はニコヤカでソツなく、頼まれたらイヤといえぬ親切さ。やや調子よさも。
○反面、人とのつきあいに距離をおく感じ。
○物事に没頭し切らず、やや根気にかける。
○分析、批判力にたけ、イヤミは名人級。
○社会参加に熱心。奉仕の精神に富む。
○偽善を烈しくにくむ。正義派。
○多角経営型。趣味を生かした仕事を望む。
○食いしんぼうは随一。睡眠不足に極端に弱い人が、ほとんどである。
確かにそうです(笑)。また、能見正比古さんの『血液型女性白書』から、血液型別の特徴を要約してみます。
「AB型は天才か○○○○」という迷信はあった。これは、AB型については全くわからないという表白である。もちろん、事実ではない。AB型に常識的社会人は最も多い。
AB型の一番の特徴は、社会参加に忠実で、有能さと強さを持つ第一面と、気まぐれ気ままの突発的感情、非現実的な行動の第二面の二面性である。
その他のAB型の基本部分としては、考え方の合理性をあげたい。これが表面に出すぎると、ドライとも見られる。これは、AB型の何ものにも何ごとにものめり込むことの少ない傾向とタイアップする。AB型は、社会に参加意欲は熱心でも、社会や集団との一体感はない。それが、O型やA型と一線を画するところである。
AB型が、社会に参加したがるのは、安定した生活の確保のためのようだ。AB型は、精神的、経済的ともに安定を何より求める。そして、社会に迎えられやすくするために、自分の外見に一定のイメージを作ることが多い。いわば、OLや学生が、出社、登校の際に、当然のように制服を身にまとう姿にも似る。
イメージはどんなものを選んでもいいわけだが、スムーズな社会参加には、平均して人当たりのソフトさが使われるのも当然である。多くのAB型は、このにこやかで、もの柔らかなイメージを作る。その結果、男性は優しいが男らしさに欠けるとも見られ、いくらか損をし、女性は優しさに加えて淑やかさも見せ、いくらか得をする感じであるが、いずれもイメージだけのことである。
イメージをAB型の二重人格とも見る人もあるが、そうではない。その証拠には、ちょっと親しくなった相手には、AB型は簡単に着用イメージを脱ぐ。
では、なぜこんな特徴が生じるのか? これらの特徴を説明するためには、きまぐれ研究室の性格の二次元モデルがどうやら有効のようです。一部を抜粋しておきます。
血液型の遺伝子ABO式血液型は、皆さんがよく知っているようにA、B、O、ABの4つの(表現)型に分かれています。しかし、遺伝子そのものはA、B、Oの3つしかありません。遺伝して血液型を決定するのはこのうちの2つだけです。AとBはOに対して優勢なのですが、AとBの間には優勢・劣勢の関係はありません。結局、 A、B、O、AB型の4つの血液型の遺伝子型は、A型はAAとAO、B型はBBとBO、O型はOOだけ、AB型はABだけということになります。 A、B、O遺伝子と性格 となると、遺伝子的に考えると、A、B、Oの各遺伝子それぞれが(独立して?)性格に何らかの影響を与えていると思うのが自然です。また、血液型そのものでは、A型とB型、O型とAB型が対立関係にあるので、そういう対立的な性格の差を見つけられれば面白いことになります(実は、こんな感じで論理的に推測したのでは全然ないのですが…)。
この2つのデータから血液型による性格の差を図にしてみました。
お手本になる図は、能見さんが『血液型愛情学』の75ページに書いています(ホットとクール、開放性と閉鎖性、A型性とB型性の3つの軸での分布図)。しかし、今回のものとはちょっと内容が違います。また、実際にはこの2つの軸でなく、能見さんのいうように3次元以上のモデルが必要になると思います。ま、今回はテストバージョンですから…f(^^;; 性格の2次元モデル では、実際の性格をこのモデルを使って説明してみましょう。 |
能見正比古さんも書いていますが、AB型と特徴は人との距離感です。これが他の血液型に比べて極端に強い。そして他の血液型に比べると絶対数も少ないのです。一言で言えば、AB型は多民族国家における「少数民族」のようなものですね。では、こういう「少数民族」であるAB型はどんな性格になるのでしょうか?
私が聞きかじった文化人類学の知識によると、多民族国家では「契約」を重視します。なぜなら、民族によって宗教や生活習慣が全然違うので、(均質である日本社会のような)察しによる相互理解ができないからです。そこで、誰にも共通であるはずの「言葉」による「契約」を重視せざるを得ない。相手の気持ちが分からないので、「言葉」や「契約」が大事なわけです。AB型は人との距離感が強いので、共感できない人情よりは「社会参加」や「奉仕の精神」による行動で対応しようとします。また、AB型が社会的に認められるためには、「有能」で「合理的」でなければなりません。ここらへんは、ユダヤ人の生き方にもちょっと通じるのかもしれません(本当かな?)。で、結局、次のような性格になることになります。
○ドライに見えるほど合理的な考え方。
○人との応待はニコヤカでソツなく、頼まれたらイヤといえぬ親切さ。やや調子よさも。
○反面、人とのつきあいに距離をおく感じ。
○社会参加に熱心。奉仕の精神に富む。
○偽善を烈しくにくむ。正義派。
しかし、次のような性格は説明できません。もっも、これらは「性格」というより「気質」でしょうから、このまま丸暗記するしかないでしょう。
○反面、空想的、非日常的、メルヘンチックな趣味性を持つ。
○情緒の安定した面と、不定気ままな面と、はっきり分れた二面性を合せ持つ。
○物事に没頭し切らず、やや根気にかける。
○多角経営型。趣味を生かした仕事を望む。
○食いしんぼうは随一。睡眠不足に極端に弱い人が、ほとんどである。
これらをまとめると、「二重人格」「イヤミ」「クール」「食いしんぼ」「睡眠不足に弱い」といった感じになります。ところで…
○分析、批判力にたけ、イヤミは名人級。
これは性格か気質か判断が難しいところです。いずれにせよ、特徴の半分程度は統一的に説明できることになります。また、「性格」の部分は、環境(年齢・性別、地域、民族、文化・宗教など)により大幅に変わってくることが推測できますね。ただし、そういったことを調べたデータはないのでなんとも判断できません。
【O型】
次は、AB型と対称的なO型について取り上げてみます。O型は群れで生活している社会的動物=人間の生き方に最も適応しているようです。それも、農民ではなく狩人といったタイプのようです。残念ながら、私自身の身近にO型があまりいないため、あまりうまく説明できません…。自己肯定が強いこと、力の差に敏感なこと、人との距離感のなさ、強いスキンシップなどからO型の性格が生じているようです。
〔O型の主な特徹〕
○生きる欲望が強い。バイタリティが盛ん。
○目的一志向性。目的が決ると直進し、達成力もスバぬける。目的あいまいでズッコケ。
○ロマンチックと、強い現実性の二本立て。
○考え方ストレート・少々単純さも……?
○仲間にはスキンシップな愛を持つ。家族思い。親友には裸の開放性、親分性もある。
○反面、仲間外や未知の人に強い警戒心を持つ。
○人間関係大事にし、特に信頼性を重視。
○感情は、最もアッサリし、あとに尾をひかぬ。
○自己主張、自己表現欲強い。個性的なことを好む。
○専門を深め、専門家になって強いタイプ。
○人生の勝負師。強弱関係を意識する。ただし負けると知るとアキラメが早過ぎる感じ。
O型は、AB型と逆に人や社会との距離感がありません。ですから社会との対応のしかたも違ってきます。AB型がかなり意識して対応しているのに対し、O型は半ば無意識的に対応しているようです。また、O型が社会的ポジションを得ようと野心があるのに対し、AB型は4つの血液型中では一番ありません。非常に対照的と言えます。
ただ、ここで注意しておかなければならないことがあります。人や社会との距離感がないからと言って、O型が一番社交的だとは限らないことです。AB型も、社会で生きていくために意識して社交的であろうとします。ですから、社交的なAB型もいますし、非社交的なO型もいるわけです。そのため、必ずしも気質=性格とは限らないのです。
ところで、犬や狼はO型が多いらしいのですが(未確認)、『世界大百科事典』第2版(日立デジタル平凡社 H10)で犬について調べてみると、
飼われたイヌは飼主に服従し,命令に服するだけでなく進んで外敵を攻撃して飼主を守るが,これは飼主を自分が属する群れの上位者と見ているためである。なかには家人にかみつくイヌもあるが,これは飼いかたが悪いためイヌが群れの中の順位を知りえず,戦って順位を決めようとするのである。オオカミではこの戦いに負けたものは服従のジェスチャーを示し,それで戦いが終わる。だが人間はそのようなしきたりを知らないから,攻撃するイヌと戦い続け,そのためイヌはいっそう激しくかみつく。この戦いをイヌの反逆とみなして主人が無理に戦いをやめさせると,そのイヌはときに無知な主人を欺いて上位者となり,いうことを聞かない〈悪いイヌ〉になってしまう。
このようなイヌの行動の説明は,イヌがきびしい順位制をもつ群れで生活するオオカミから生じたとの推定に基づいている。
ダダモさんによると、
O型 The Hunter -- strong, self-relient, leader
となっています。いずれにせよ、群れによる生活に適応しているという感じがします。では、能見正比古さんの『血液型女性白書』からの私なりの要約です。
男女の気質差は、原則的にはほとんどない。しかし、O型男女は一番性別にこだわる。一見ボーイッシュに見えるO型女性でも、やはり女である意識が強い。これに対して、AB型は、表面的には男らしく、あるいは女らしくしていても、内心は男女の区別は一番薄い。
男女別の意識の強さは、O型の自然性の現れである。しかし、O型気質が自然的というのは、決して原始的ということではない。自然的というのは、すなわち人間的であるということである。A型やB型、AB型となっていくにつれ、少しずつ自然離れ、人間離れしてゆく。
世間的には、O型女性は、しばしば女性らしくないと見られることが多い。それは、男女の気質の自然差が小さく、社会的な差の方が大きいからである。O型は、生きることを、そして、そのために役に立つ行動をまず優先させる。そこから、さまざまのO型の気質傾向が導き出されてくる。
O型の驚くほど強い現実性もそれである。現実性とは、生存するために最も有利な行動を絶えず模索し、プラスとマイナスを素早く見分け、割り切りよく、それを取り入れていくことだ。
この現実性が、行動に現れると、O型の目的指向性となる。実生活の上の目的に集中的に突き進む傾向である。生活と遊離した目的には、O型は、それほど熱意を示さない。生きるために直接必要な目的、たとえば職業や仕事を大きくする目的、異性を求める目的、安全を求める目的、そして特に、集団内において力を求める目的などの場合、その集中力が高まる。
そうした目的が目前にないときは、日なたのネコのような状態となり、長く続けばひどく不安定な気分になったりする。
O型のロマンチックな表現や、そうしたことを好む傾向は、一見現実性と矛盾するようであるが、実は、現実的行動を駆り立てる効果を上げている。O型は、ロマンチストとリアリストの二本立ての性格だが、それは見た目の上だけであり、ロマンチックな思いに行動まで引きずられて、現実性を失うということは少ない。
人との距離感がなく力の差に敏感なO型、人との距離感があり力の差には割と鈍感なAB型。生きることに執着するO型、執着のないAB型。非常に対称的な気質といえると思います。
【A型】
次に、A型に行ってみましょう。A型の特徴は、自分なりのルールを重視(完全主義?)することと安全意識です。A型はAB型と逆に、日本人全体の40%を占めていますから、「少数民族」ではなくて「多数派」です。
〔A型の主な特微〕
○“何かのため”に生きる生き甲斐を求める。
○周囲に細かく気と使い、相手や周囲との間に波風が起るのを、特にきらう。
○感情や欲求は抑制するほう。ソッとした思いやりや察しあいを大切にする。
○ルール、慣習、秩序を重視、極端さを避け、羽目を外さぬ。反面、やや型にはまる。
○筋を通し、ものごとのケジメ、白黒をハッキリつける。シンは一番ガンコで短気。
○縦続的な努力や肉体の苦痛によく耐える。
○一つ一つ段階と踏む慎重さ、緻密さで、物ごとへのとっつきはおそいが、大器晩成派。
○完全主義、未来へは悲観主義。苦労性。
○心の底には思いきってカラを破りたい、現状脱皮の夢がうずまく。
まず、次の骨髄移植と血液型・脳と血液型の内容を読んでみてください。太字(私が変更)に注目してください。
遺伝子と性格遺伝子と性格について解説してある本があります。残念ながら英語ですが、内容がとっても面白いので、この本からちょっと引用しておきます(76〜80ページ)。脳内物質や遺伝子と性格については、現在では関係が証明されているようです。なお、著者はアメリカの国立がん研究所(というのかな?)の主任研究員だそうです。 Living with Our Genes -- Why They Matter More Than You Think --(1998) by Dean Hamer, et. al.
結論である下線部のみ訳しておきます。何かヘンな日本語ですが、それはご愛嬌ということで(笑)。
結局、ドーパミンと好奇心(novelty seeking)、セロトニンと心配性(harm avoidance)が関係しているようです。となると、ドーパミンがB型物質、セロトニンがA型物質と関係しているとピッタリなのですが…。でも、そんなにうまくいくなら誰も苦労しませんね(笑)。 -- H10.9.19 |
つまり、「安全意識」が強いと、心配性、うつ、敵意、悲観主義、疲労感が強くなるのです。これで次の特徴についてはほぼ説明できます。
○周囲に細かく気と使い、相手や周囲との間に波風が起るのを、特にきらう。
○感情や欲求は抑制するほう。ソッとした思いやりや察しあいを大切にする。
○一つ一つ段階と踏む慎重さ、緻密さで、物ごとへのとっつきはおそいが、大器晩成派。
○完全主義、未来へは悲観主義。苦労性。
また、自分なりの(抽象的な)ルールを非常に重視し、そのルールに反するものはなかなか受け付けません。そのルールに当てはまるかどうかでケジメをつけたがります。このルールは具体的なものではなく、抽象的なものである点がA型の特徴です。
○ルール、慣習、秩序を重視、極端さを避け、羽目を外さぬ。反面、やや型にはまる。
○筋を通し、ものごとのケジメ、白黒をハッキリつける。シンは一番ガンコで短気。
残念ながら、次の3つは説明できません。共通点はなんでしょうか? あるいは、「気質」なのでしょうか?
○“何かのため”に生きる生き甲斐を求める。
○縦続的な努力や肉体の苦痛によく耐える。
○心の底には思いきってカラを破りたい、現状脱皮の夢がうずまく。
うまい具合に、A型については特徴のかなりの部分が統一的に説明できることになります。では、能見正比古さんの『血液型女性白書』からの私なりの要約です。
A型の基本気質は、O型ほど、はっきり決めにくい。が、社会を意識する敏感さと、安全意識の2つをあげられそうである。
前者は、O型の力関係への敏感さと匹敵する。社会というよりは、"世間"とした方がいいかもしれない。その範囲は個々のA型によって異なる。「旅の恥はかき捨て」は、A型的俚諺で、旅は、A型が世間から抜け出すことになるのである。A型は、2歳児のころから、人目を気にし、世間を意識するようである。
A型は、優等生的社会人が多い。世間に対して、その慣習やルール、常識を尊重し、羽目を外したり、人の注意も引かないように、後ろ指を指されないように努める人が増える。が、逆に、その反動で、世間的なものに反発する人も目立つ。共に、世間意識への敏感さから出ているのである。全体的には、前者が多数を占めるようである。欧米人には、気の強い積極派のA型が多い印象があるが、人種的な差だろうか。
それと、もう一つの完全主義も幼児期にすでに発現する。自分だけではなく、自分の周囲にも完全な姿を要求することから、強い責任感と自立的行動が生まれ、手抜きをしない丹念さ、緻密さ、慎重さなども出てくる。他面、完全さを要求するため、"アラさがしのA"や"口うるささのA"にもなりやすい。
完全主義と勝ち気が結びつき、自分の理屈をどこまでも通そうとするA型は、シンのある理屈っぽい人間と見られやすい。滅多に謝らないA型に、強情頑固の評判が立つ。優しさと頑固、これがA型の二重性の1つであろう。
また、ダダモさんの記述も書いておきます。
A型 The Cultivator -- settled, cooperative, orderly
お遊びですが、猫の血液型についてです(笑)。猫の血液型 猫は約90%がA型、約10%がAB型、約1%がB型だそうです。犬よりはAB型の比率が高そうだからというわけではありませんが、私は犬よりは猫の方が好きです(笑)。
2.3.4.は、ほとんどA型の特性で、思わず笑ってしまいます(失礼!)。5.の後半もそうですね。また、自分独自の判断基準を持っているそうです。これもA型的です。 |
【B型】
最後にB型です。B型の特徴としては、A型とは逆に好奇心が強いこと、そして警戒心が薄いことです。また、抽象的なルールにこだわったりはしません。セロトニンが多いとこんな性格になるようです。ですから、A型とB型ではセロトニンに反対の影響を与えているのかもしれません。つまり、「安全意識」が弱いと(A型とは逆に)、心配性、うつ、敵意、悲観主義、疲労感が弱くなるのです。B型に人との距離感がないのは、安全意識があまり働かないからかもしれません。
〔B型の主な特徴〕
○マイペースの行動。しばられ、抑制されることを、ことにいやがる。
○柔軟なな考え方、新しいことや、自分と違った相手への理解力に富むアイデア性。
○周囲の影響を最も受けず、また、気にしない。無用心さも一番。
○ブアイソか、ザックバラン型。だが、すぐ心を開く開放性あり。差別なく親しむ。
○涙もろい人情味。が、細かい察しあいは苦手。ロマンチックさはなく、シンは実用的。
○興味は多方面に持ち得るジャーナリスト型。ながら族の名人。コリ性は随一。
○未来に楽観的。すんだことにやや未練っぽい。
○総じて、ものごとにケジメが乏しい。
○仲間外れを気にする疎外感の強さがある。
やっぱりA型とほぼ対称的な性格であることがわかります。では、能見正比古さんの『血液型女性白書』からの私なりの要約です。
気さくザックバランなと、見かけブアイソと、とっつきにくい両タイプがB型にはある。周囲や世間に合わせる、方式に適った作法や挨拶を身につけるのが苦手なB型は、前者のような挨拶抜きの対人態度を身につけるか、後者のようになるべく引っ込んでいるかの二者択一になる。少しつきあうと、この両タイプとも、人を信じ、差別なく親しむことの早いことがわかる。開放性こそB型の共通性なのである。
B型の一番の基本性は、A型とは逆に、世間や周囲を意識することが最も少ないということか。
周りを意識しないことから、B型流のマイペース行動が出る。しばられ、拘束され、細かな規則に従わされるのを極度にいやがる。興味の強さは、"面白がる"心が豊かであるということ。O型のように損得を考え、A型のように世間的価値を測ったりはしない。興味は、外界に向けられるので、事実性を重んじ、考え方は科学的実用的となる。常識や慣習に引きずられたりはしないので、物わかりがよく、幅広い柔軟な理解力も示す。
B型はジッとしてはいられない。絶えず体を動かしているか、ジッとして見えても、頭の中はめまぐるしく回転している。
気分が敏感に反応すること、相手の事情や考えを主観を交えずに関心を持ち、理解できるので、人情深さがあり、たちまち行動に出たりする。しかし、B型は喜怒哀楽などの感情性は、そう強くはない。感情が起こると抑制なく表現するので、そう思われるだけである。
ついでだが、自分の考えに恐ろしく頑固にしがみつくことがある。この場合は、頑固さを示すB型となる。
どうでしたか? これで血液型別の性格特性が少しは分かったでしょうか? -- H11.4.13