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Pencil_and_Paper32.gif (245 バイト) 大きな差?小さな差?

 最近の「血液型と性格」の議論では、差が1パーセント程度(?)といった“小さな関係”まで否定する人は、ほとんどいなくなってしまいました。つまり、ほとんどの人は「肯定論者」か“プチ肯定論者”になってしまったことになります。
 私のように、かつての「全く関係ない」論が全盛の時代を知る人にとっては、まさにアッと驚くような大変化です。それが、私がこのサイトをオープンして10年ぐらいで起こってしまったのですから、時代は変わるものです ねぇ。

 そんな感傷は置いといて…。

 さて、「全否定」と入れ替わって、最近主流になったのは、「小さな差」や「小さな関係」しかないんじゃないの?という反論です。能見さんは、「4分の1ぐらい」の影響はあると 言っていたはずだし、おかしいのじゃないかというわけです。

 しかし、能見(正比古・俊賢)さんは既に天国に行ってしまいました。そこで、能見さんたちに代わって私が答えようというのが、このページの趣旨です。

 では、スタート!

忙しい人のための要約

 時間がなく、忙しい人のために、以下に内容を要約しておきます。

 血液型と性格のパイオニア、能見正比古さんの有名なフレーズで、血液型が影響するのは性格の「4分の1ぐらい」というのがあります。

 実際にデータを調べてみたところ、結構そんなデータってあるんですね。
 で、差が大きい、つまり、能見さんが言う「4分の1ぐらい」の影響があるのは、

1.大村政男さんのデータで、クロニンジャーのパーソナリティ理論(TPQ)を使ったもの
2.女性雑誌のアンケート(笑)

 ただし、これらのデータは追試されていないので、今後の研究に期待したいところです。

 ある程度の差、つまり数パーセント〜10パーセント程度以上(心理学でも認められている、新奇性追求傾向と関係がある遺伝子D4DRと同程度以上)なのは、

3.昔ながらの心理学の性格テスト(笑)

 一番ダメ、つまりほとんど差が出ないのは、

4.最新で[日本を除いて]世界的にポピュラーな心理学の性格テスト(NEO−PI−R)

 冗談のような話ですが、本当なのです。
 もっと詳しく知りたい方は次をどうぞ!

※普通の質問では、効果量(effect size)はせいぜい中程度/r=0.3/d=0.5

はじめに…「大きな差」とは?

 最初に、能見さんの主張を復習してみましょう。

■能見さんは?

 能見正比古さん 『新・血液型人間学』(けいせい出版)

[能見さんのアンケートや調査で]集められた統計値の有意差検定の結果は、血液型と人間性との間の関連性について、きわめて大きな有意性を、繰返し繰返し、浮びあがらせた。…断定できることは、血液型と人間性との間の大きな関係の実在は、一点の疑う余地もなく実証されたのである。(4ページ 傍点は下線に変更)

 次に、それではどの程度の差かというと、

その“程度の差”を聞かれたことがある。
「血液型が影響するのは性格の何分の1」ぐらいですか?
それは測定できるものじゃなく、個人差もある。しかし私は、妥当なところ、4分の1ぐらいと答えた。(98ページ)

 ということでした。能見さんの本を読んでいる人なら、「4分の1ぐらい」は、非常に有名なフレーズですね。

【血液型で性格が「4分の1」判るとは?】

 「4分の1」の詳しい説明は、『血液型人間学』に出ています(66〜67ページ、下線は私)。

 生野菜のO 福神漬のAB
 …私は次のたとえ話をする。
 人間を仮に野菜だとする。八百屋というくらいだから、野菜には八百ぐらいの種類があるのだろう。人間の個性だって、八百ではきかないくらい、沢山の野菜の種類がある。その中でのO型の人はナマ野菜に相当する。ナマだけに個性の差が一番あるのがO型である。
 その野菜を、今、ツケ物にしたと仮定する。ツケものにしても大根、キューリ、ナス、白菜等々、それぞれのの個性はちゃんと残っている。見ても判るし食べても判る。違うのはツケ物という共通性が加わっていることだ。その共通性がA気質なのである。
 B型はおでんでも煮〆(にし)めでもいいから、野菜を煮たとする。A型と同じ考え方で、それぞれの野菜の個性は残りながら、新しく加わった煮物という共通性がB気質というわけだ。
 AB型は煮てツケるからややこしい。さしづめ福神漬。福神漬でもよく見れば、キューリかナタ豆かの区別は、つくのである。

 血液型で違う気質の味
 このたとえで、血液型と気質の関係は、かなり理解していただける。ツケ物にも浅ヅケと深ヅケ?がある。煮物にもアッサリ煮るのと、佃煮などの違いがある。A気質B気質の濃淡も合わせて説明できる。
 では、この野菜の種類、つまり血液型による共通性以外の個性とは何か、という疑問が残る。だが、それが何によって分けられるかは、まだ解明できない問題だ。ABO式以外の血液型も多少は関係しているかもしれない。私は、よく、こう申し上げる。
 「血液型でわかるのは性格のうちの4分の1ですよ」
 人間の性格は、先天的気質と後天的な形成の両者から成る。血液型が関連するのは、先天的な気質の部分だから、まず、半分。その気質は、野菜の個性と、血液型による共通性が、また、半々と見て、合計4分の1という大まかな計算である。  -- H22.10.2追記

■心理学では?

 まぁ、ここまではいいとして…。

 ところが、私が知る限り、心理学では「大きな差」の明確な定義がないのです。ガッカリ。(*_*)

 これはどういうことかというと、私がいくら「大きな差」だと言っても、議論の相手との共通の基準がないのですから、相手からダメと言われれば、それでおしまい、ということです。

#まさか、「小さな差」は認めざるを得ないので、意図的にそう誘導しているというのは考えすぎでしょうが…。f(^^;;

 これでは困るので、私も、何回もの議論で、反論の相手に(心理学などで)「大きな差」はどう定義するのか?としつこく確認したのですが、誰からも明確な答えは返ってきませんでした。要するに、私に(一方的に?)説明責任があるということです。しかし、これはムチャクチャな議論です。

 有名なSF作家、アイザック・アジモフ(Isaac Asimov)の言葉から引用しておきます。

『わが惑星、そは汝のもの』空想自然科学入門 (My Planet, 'Tis of Thee')  山高昭 訳 早川書房

親愛なる読者諸君、科学の発見の中から選り好みをし、私の尊大な気まぐれのままに、あるいは受け入れ、あるいは捨てる自由を認めてもらえるなら、諸君が証明したいことを何でも証明してお目にかけよう

 何が正しいかどうかは、自分(だけ)が判断する、というのでは科学的な議論とは言えません。私は、「大きな差」の定義は、心理学に説明責任(?)があると思っているのですが、相手が認めないのではどうしようもありません。( 汗)

 しょうがないので、別の戦略を考えることにしました。

■超有名論文では?

 そこで、ふと思い出したのが、新奇性追求傾向と関係があるとされている、D4DRという遺伝子です。心理学でも、この遺伝子と新奇性追求傾向は関係があるとされています。それより大きな差があれば問題ないだろうと…。

 実際に文献を調べてみると、意外と差が小さいことがわかります。例えば、1996年の論文のアブストラクトでは、こうあります。

D4DR exon III polymorphism association with personality variation in normals
Biological Psychiatry, Volume 39, Issue 7, 1 April 1996, Page 564
R. P Ebstein, Y. Osher, R. H. Belmaker

D4DR exon III polymorphism association with personality variation in normals

Abstract
Normal personality factors show a considerable heritable component. Cloninger hypothesized that the dopamine neurotransmitter system underlies the Novelty Seeking factor on the Tridimensional Personality Questionnaire. The dopamine receptor D4 (DRD4) gene is preferentially expressed in the limbic system, and binds clozapine with higher affinity than do D2 or other dopamine receptors. The third exon of DRD4, which codes for the putative third intracytoplasmic loop of the receptor, is unusually polymorphic; the number of 48 bp repeats in this region affects dopamine and clozapine binding. In 124 subjects we found an association between the 7-repeat allele and higher Novelty Seeking Scores. This result has since been replicated. Subjects with the 7-repeat allele of DRD4 have increased novelty seeking scores compared to subjects with 4-repeat allele. Similar results are obtained if the analysis is done by genotype comparing 4,4 subjects (N = 70) with 4,7 subjects (N = 29). Novelty seeking is about 40% heritable in twin studies, and the association with DRD4 explains 4% of the total variance or about 10% of the heritable variance. While this is a relatively small effect, quantitative trait loci (QTL's) each of small effect may offer a more heuristic and replicable approach to the understanding of genetics of personality and mental disorder than the search for a single major gene.

 結論として、全体の分散の4%、つまり遺伝的要因の10%程度しか説明できないようですね。そのため、"relatively small effect"とあります。念のため、他の文献を調べても、ほぼ似たり寄ったりで、極端な例だと「差がない」というケースも少なくありません。まさに、血液型と同じ状態と言っていいでしょう。(笑)

#ただし、血液型と違うのは、“タブー”がないせいか、頻繁に追試されていることです…。

 これで「差がある」といえるなら、血液型は文句なく「差がある」と言っていいことになりますね。
 少し自信が出てきました。v(^^)

心理学者のデータは?〔その1〕

 ということで、血液型が性格に与える影響はどのぐらいなのか、実際のデータで調べてみることにしましょう。
 念のため、能見さんではなく、心理学者のデータを使います。

 ここでは、心理学者の研究報告で「ルールや慣習や秩序を重視する」と回答した人の比率で考えることにします

 最初にデータ*1を示しておきます。

血液型 回答者数 比  率
29.7% 57.7%
36.7% 54.7%
22.5% 50.7%
AB 11.1% 41.2%
合計  613人   −

 ほぼ予想どおり、O≒A>B>ABの順になっています。

 普通は、ここで分散分析をして相関係数を計算するのですが、「はい」「いいえ」だけの質問では分散分析はできません。そこで、普通は次のようにして相関係数に相当する「ユールのQ」を計算します。

 

は い

いいえ

×型

□型

 ここで、ユールのQ=(a×d−b×c)/(a×d+b×c)となります。

 では、実際にB型とAB型以外に分けて、ユールのQの値を計算してみることにしましょう。

AB型とAB型以外の2×2分割表

 

は い

いいえ

AB型

40 28

AB型以外

251

298

 ユールのQ=(40×298−28×251)/(40×298+28×251)=0.258

 まぁ、相関係数が0.258というと、確かにそれほど強い相関とは言えません。ついでに、決定係数に相当する予測力を計算してみると、7%程度(ユールのQの2乗)になるので、これまたそれほど大きいとは言えません。

 が、好奇心に影響を与える遺伝子のD4DRと同程度ですから、決して「小さな差」ではないと思うんですが?
 なお、能見さんの結果も、データを見ると10〜20%の差ですから、だいたいこんなものです。

 ただ、このデータは、AB型とそれ以外の血液型を比較しているため、実感より差が小さく出ているような感じがします。現実に、わたしたちが差を感じる場合は、一番差が大きいAB型とO型を比較しているはずですよね? そこで、AB型とO型だけ取り出して、ユールのQを計算してみましょう。

AB型とO型の2×2分割表

 

は い

いいえ

AB型

40 28

O型

77

105

 ユールのQ=(40×105−28×77)/(40×28+28×77)=0.322

 相関係数が0.322ということは、強い関係と弱い関係のちょうど中間といったところでしょうか。決定係数に相当する予測力を計算してみると、10%程度 となりますから、与える影響は遺伝子全体の「4分の1」程度になります。

 ひょっとして、このような血液型同士の比較のし方が、実感とデータが違ってしまう原因なのかもしれませんね。

*1 詫摩武俊・松井豊 S60 血液型ステレオタイプについて 東京都立大学人文学報 第172巻 15〜30ページ 詳しくはこちら

心理学者のデータは?〔その2〕

 分散分析をするために、心理学のデータを探したら、なんと、その1と同じ文献で利用できるものがありました!
 本当にラッキーですね。v(^^)

■性格検査のデータ

 この血液型別性格検査のデータ、つまり分散分析が可能なデータの説明を引用しておきます(18ページ)。

具体的には、以下の9尺度が選ばれた。EPPS(エドワーズ個人選好検査)より、親和(affiliation)欲求、追従(defence)欲求、秩序(order)欲求の3尺度。矢田部ギルフォード性格検査(成人版)より、回帰性傾向(C)、神経質(N)、のんきさ(衝動性、R)、愛想の悪いこと(攻撃性、AG)、社会的外向性(S)、支配性(A)の6尺度。 [後略]

 その結果が表4に示されています(19ページ)。

表4 血液型別の性格尺度得点の平均 注1) →最高値が赤 →最低値が青

尺度名

O(182) A(225) B(138) AB(68) 平均値の差
の検定 注2)

親和欲求

7.26
(1.99)
7.27
(2.20)
7.07
(2.07)
7.46
(2.29)
F<1

追従欲求

6.55
(2.52)
5.88
(2.48)
6.06
(2.51)
6.38
(2.74)
F=2.68

秩序欲求

7.16
(2.66)
7.48
(2.46)
6.96
(2.84)
7.28
(2.70)
F=1.14

回帰性傾向

5.16
(2.46)
5.11
(2.56)
5.68
(2.60)
5.74
(2.26)
F=2.33

神経質

5.47
(2.79)
5.69
(2.88)
5.65
(2.80)
5.66
(2.40)
F<1

衝動性(のんきさ)

5.25
(2.78)
5.23
(2.64)
5.78
(2.51)
5.66
(2.83)
F=1.67
攻撃性(愛想の悪いこと) 5.48
(2.13)
5.41
(2.31)
5.51
(2.37)
5.53
(2.11)
F<1
社会的外向性 7.04
(2.72)
7.16
(2.61)
7.05
(2.46)
7.60
(2.66)
F<1
支配性 4.72
(2.96)
4.64
(2.93)
4.64
(2.99)
4.60
(3.11)
F<1

 注1)各尺度得点は1点から11点まで分布し、得点が大きいほどその性質が強いことを表している。
 注2)F値の自由度はいずれも、(3,166)である。p<0.05 p<0.10

 注意しないといけないのは、執筆者は血液型と性格に否定的ということです。ですから、こう結論づけています(19〜20ページ)

血液型別にみた性格尺度得点の平均値と、平均の差の検定の結果を表4に示した。9尺度のうち平均の差が有意であったのは、追従要求だけであった。この追従要求も、最高(O型6.55)と最低(A型5.88)との差は0.67と僅かである。

■計算結果は?

 では、実際に計算してみましょう。
 表4のデータがあれば、分散分析は簡単です。というのは、

F値=(血液型間の分散÷自由度1[=3])÷(血液型内の分散÷自由度2[=166])
全分散=血液型間の分散+血液型内の分散

 だからです。従って、血液型による分散が全分散に占める比率は、次のようにして計算できます。

血液型による分散が全分散に占める比率=F値÷[3÷(166+3)]

 計算結果を次に示します。

表4を改変 血液型による分散が全分散に占める比率

尺度名

比率

親和欲求

 <2%

追従欲求

 4.8%

秩序欲求

 2.0%

回帰性傾向

 4.1%

神経質

 <2%

衝動性(のんきさ)

 3.0%
攻撃性(愛想の悪いこと)  <2%
社会的外向性  <2%
支配性  <2%

 血液型による影響は、その1とほぼ同じで、数パーセントであることがわかります。
 残念ながら、
それほど大きい差とは言えないようですね。(^^;;
 もっとも、〔その 1〕で書いたように、最も差のある血液型同士で比較すると、もう少し大きな差になるかもしれません。

 ちなみに、相関係数は、この平方根になりますから、せいぜい0.2といったところです。

心理学者のデータは?〔その3〕

 実は、心理学者のデータで、バッチリ差が出ているものがあったのです!
 これも紹介しておきましょう。

 それは、大村政男さんのデータで、クロニンジャーのパーソナリティ理論(TPQ*1)を使ったものです。これらの内容は、平成16年10月7日の『スパスパ人間学!』と、平成16年12月28日 の『ABOAB血液型性格診断のウソ・ホント!本当の自分&相性探し来年こそは開運SP!』で放映されました。ここでは、わかりやすい後者のデータを引用しておきます。

各血液型の血液型傾向の平均値

回答\血液型 A O B AB
損害回避傾向(慎重さ) 48.7 27.7 30.7 54.0
新規性追求傾向(好奇心) 32.4 41.8 31.7 59.0
報酬依存傾向(人付き合い) 37.2 34.1 54 67.5

《番組ホームページのデータ》

 慎重なA型、好奇心旺盛なB型、人間関係に気を遣うO型と、それぞれ血液型別の傾向がよく現れているといっていいでしょう。

 ただ、不思議なことに、この実験の追試は行われていませんし、データも明らかにされていません。心理学者からの批判も、私が知る限りたった1件だけ*3です。

 さて、その2で説明したように、血液型による差が5パーセント程度なら、全分散に占める血液型の比率は5パーセント程度です。分散の大きさは、差の2乗に比例しますから、この研究のように30%以上の差が見られる場合は、全分散に占める血液型の比率は、かなり大きくなることが予想されます。
 残念ながら、この研究では分散の値は公開されていませんが、その2から考えると、血液型が全分散の20〜30%程度以上に影響しているのは、まず間違いないでしょう。

 能見さんのいう「4分の1ぐらい」の影響があると考えてもよさそうです。

*1 TPQでは、新規性追求がドーパミンに、損害回避がセロトニンに、報酬依存がノルエピネフリン(ノルアドレナリン)に関連づけられて考えられています
*2 当初発表されたTPQの3因子モデルが改訂され、最近はTCIの4因子モデルが使われています
*3 上村 晃弘、サトウ タツヤさん 疑似性格理論としての血液型性格関連説の多様性 日本パーソナリティ心理学会 パーソナリティ研究 Vol. 15 (2006) , No. 1 (2006) pp.33-47

『血液型スポーツ学』のデータ

 心理学者以外に、かなり大きな差が出ているデータもあります。
 その1つは、スポーツのデータです。
 ここでは、40年ほど前になりますが、能見正比古さんの『血液型スポーツ学』〈陸上競技編〉から紹介しておきます(191〜192ページ)。
 このデータは、私が知っている限り最も大きな差が出ているものです。

  スポーツ選手のコーチに、意欲を出させる基本方針を尋ねたもので、場合によって違うからマルが付けられないという文句も出たのですが、あえて白黒を付けてもらうと方針で回答してもらったものです。が一番多く、は一番少ない比率です。

質  問

O型(12) A型(29) B型(13) AB型(6)
イ) おだててやる気を出させる 66.7% 48.3% 38.5% 16.7%
ロ) 愛のムチをあてて発奮させる 33.3% 51.7% 61.5% 83.3%

()内は人数

  O型はおだてがきくし、逆におだてるのも抜群です。O型のおだては、単なるおだでではなく、相手に対する好意や愛情に基づくもので、だから相手も真剣に努力するということでしょう。A型は、優しさもあるのですが、B型はおだては効きますが、相手をおだてるとなると下手なようです。AB型にはおだてはききません。AB型は一般的にはソフトムードですが、職場で上司になると突然厳しくなったりするのはよくあるようです。

  ここでは、一番差が出ているO型とAB型だけをピックアップし、相関係数に相当するユールのQを計算してみると、0.818と驚くほど大きい値になります。また、決定係数に相当する値(ユールのQの2乗)は 66.9%ですから、これまた相当の影響力があることになります。χ2検定をしてみても、危険率4.3%で有意になります。v(^^)

 もっとも、 現在でもこの結果があてはまるかどうかはなんともいえません。また、全ての血液型で計算すると人数が少ないせいもあるのか、危険率5%では有意ではありません。が、それにしても、驚くほど差が出ているデータであることには違いありませんね。 -- H26.8.10追加

女性雑誌のデータ

 このほかに、心理学者以外に、かなり大きな差が出ているデータもあります。
 それは女性雑誌のアンケート*1です。

 各血液型50人に聞いたアンケートで、下の表は「YES」と答えた比率です。が一番多く、は一番少ない比率です。

質  問

O型 A型 B型 AB型
Q1 一目ボレしたことがある 68% 72%
恋愛体質
50%
友達からね!
70%
Q2 浮気をしたことがある 36%
ギャンブルできない
56%
意外とやります
38% 36%
面倒はイヤ
Q3 浮気されたことがある 48%
ダメ男好き
28% 22%
そんなことさせません
26%
Q4 彼のメールを見たことがある 46% 66%
嫉妬深い…
52% 34%
干渉しません
Q5 人の彼を奪ったことがある 12% 24% 18% 10%
人のことは興味ナシ

 各血液型の特徴が出ていて、なかなか面白いですね。A型は一目惚れが多いとか、AB型はあまり他人に干渉しないとか…。

  試しに、一番差が出ているQ4のO型とAB型だけをピックアップし、相関係数に相当するユールのQを計算してみると、0.581とかなり大きい値になります。また、決定係数に相当する値(ユールのQの2乗)は33.7%ですから、やはり相当の影響力があることになります。χ2検定をしてみても、危険率1.4%で有意になります。v(^^)

 もっとも、このアンケートは、残念なことに調査方法が明記されていないので、信頼性についてはなんとも言えません…。

 仮に、このデータが正しいとすると、「感情を伴った印象語や評価語」では血液型の差が大きくなるという好例ですから、実に興味深いデータということになるのですが…。

*1 ノンノ 平成20年5月20日号 ●恋愛×血液型・最強コラボスペシャル 恋グセが怖いほど分かる! 「恋愛血液型」大全 詳しくはこちら

【参 考】
 実は、もっと差があるのは、恋人に浮気を許容するかという質問です。(笑)
 テレビ・雑誌でやっていた、女性タレントに聞いたケースでは、O型はほぼOK、A型とAB型は完全拒否という結果が得られています。もっとも、各血液型ごと数人と、極端にサンプル数が少ないので、あくまで参考に程度にしてくださいね。

おまけ

 最近流行の、ビッグファイブ理論に基づいた性格検査、例えばNEO−PI−Rでは差が出ていません。 具体例は韓国台湾の研究をどうぞ!

 理由よくわかりませんが、次のようなことが考えられます。 ⇒詳しくは新常識!?&入門の性格検査の問題点をどうぞ!

まとめ

 能見(正比古)さんは、血液型は「4分の1ぐらい」の影響はあると言っています。
 ただし、本当にこんなに影響があるとすると、心理学のデータで明確に差が出るはずです。
 逆に、回答率で1パーセント程度のごく小さな差だとすると、70パーセント以上の人々が血液型と性格に「関係がある」と感じるはずがありません。

 私が思うに、真理はその中間にあるのではないでしょうか?

 つまり、普通の質問では、回答率の差は10〜20%、相関係数は0.2〜0.3程度(全分散に対する比率=決定係数は数パーセント〜10パーセント)でD4DRと同じ かそれ以上ということです。しかし、限られた質問なら、回答率の差はもっと大きくなる可能性がある(?)と思います。

 だから、能見(正比古)さんが言う「4分の1ぐらい」の影響も、まんざらウソとも言えないのではないでしょうか?

 最後に、能見正比古さん『新・血液型人間学』(けいせい出版)からもう一度引用しておきます。

「血液型が影響するのは性格の何分の1」ぐらいですか?
それは測定できるものじゃなく、個人差もある。しかし私は、妥当なところ、4分の1ぐらいと答えた。

 皆さんはどう思いますか?

【H21.12.20&23追記】

 「あてはまらない」〜「あてはまらない」と5段階で回答する調査でも、同じような差[効果量(effect size)は中程度/r=0.3/d=0.5]が出ているようです。v(^^)
 詳しくは、山岡重行さん野上康子さんの論文を読んでみてくださいね。


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最終更新日:平成20年9月14日[9月21日一部変更 平成26年8月10日追加]