平和と基本的人権を守ろう!仲間たちの連絡会

 No97-8             webへいき連              2023年 4月

民主主義が危うい。統一地方選、改めて自民の底力、支配の源泉を知る
軍拡は破綻する。歴史に学び、平和外交の道筋を国民的議論のテーマに

非武装中立論の表紙

       <シリーズ> 「非武装中立」のリアル 24

◆統一地方選の前半戦が終わった。注目の大阪、維新の全国展開。「維新が各地で新たに議席を獲得」「大阪市議選 で初の過半数獲得」「大阪府議選でも過半数を維持」の結果と報。懲りない府民、市民。コロナ禍では全国最悪の医療危 機にあったはずだが、維新の政策、政治姿勢は糾弾の対象とはならなかった。自民別動隊がさらに国政でも伸長、改憲勢 力が勢いづく。公明との対立、緊張が増すが、本質は与党内対立でしかない。公明の再野党化、平和勢力への復帰が望ま れるが、所詮、宗教政党は体制維持装置でしかないか。立民の力次第でもあるが。

◆自民の底力、他を圧倒する運動と組織力を証明する前半戦でもあった。身近な地域、生活の場での自民の地方議員 の多さを改めて思い知らされる。働く者、年金生活者の生活を圧迫、窮乏化に拍車をかける物価高騰。その失政も、自民 党政治も問題にはされなかった。ウクライナも台湾有事も、北のミサイル乱射も、全てが体制維持、強化に作用したかの よう。オリンピック、ワールドカップ、WBCも大谷の活躍も。まさにブルジョアマスコミの連日の節操なき、スポーツ 美化、国威発揚報道が、岸田内閣支持率回復に貢献し、国の将来、平和、勤労者の生活の深刻な問うべき課題、社会の対 立・緊張を覆い隠した。君が代と日の丸が浸透する。

◆自治会(町内会)活動、曲がり角…の記事。活動の担い手がいない。活動が継承できない。地域コミュニティーが崩 壊。地方議会では、議員のなり手もいない。定数を超えない無投票で決まる議員。民主主義が危うい。半面、地域、生活 の場での地方議員の活動と組織が、巨大与党、自民党の力の源泉。反自民の活動と組織を凌駕する。後半戦も、結果は目 に見えているか。

◆春闘は、かつて国民春闘として闘われた。今や、管制春闘。連合は死に体。資本と自民の手の中で、連合の存在感 はますます軽く、霞む。大政翼賛化が進む。職場・生産点での、働く者の春闘。賃金闘争、権利闘争の再構築が改めて問 われている。かつて、多くの青年労働者が平和友好祭に結集し、交流した。統一地方選をも闘った。どこで道を逸れたの か、間違ったのか、振り返りたい。地方選の後半戦では、身近にいる信頼できる議員の当選に精いっぱい努めたい。

◆ロシアによるウクライナ侵攻も一年が経過。終わりが見えない。世間の関心も、マスコミの報道も萎む。戦火は防 げなかったのか。戦火を招いたのは誰か。日々犠牲となるウクライナとロシアの人々、生活。即時停戦・交渉を望む声、 呼び掛けは依然聞こえてこない。米従属を強いられるヨーロッパ、疲弊する経済に政治の不安定化。思いのほか、持ちこ たえるロシアの軍事、経済。国連決議も無力。高まる緊張・対立をコントロールする場、機関がない。事態の陰の首謀者 とも思える米国も一枚岩ではない。米・中を睨みながら、米完全従属に舵を切ったかのような岸田。軍拡、防衛政策の大 転換、原発再稼働と新増設に、好機とばかりにロシア侵攻を利用する。米韓の軍事連携再強化。恫喝され危機感を深める 北朝鮮との関係改善、東アジアの緊張緩和など岸田の眼中にない。多くの国民が、煽られ唆され、これを支持する。

◆バイアスのかかった戦況報道。勧善懲悪のストーリー。正義の米が、ゼレンスキーを助け、ロを懲らしめる…。 米・英情報を垂れ流す、日本のマスコミ。御用学者にエージェントもどきの有識者、スポークスマン…。防衛省・防衛研 究所は、確固たる地位を確立。認知され、市民権を得た。中国の気球、中国国内監視用のものが米国上空に迷い込んだと の説もあるが。「スパイ大国は米国だろうと」との指摘に、口を濁すいつもの有識者、専門家。さらなる追及に、目的が 違うと米の行為は正当化。これを軽信する多くの視聴者、国民。政党や労組幹部も。終戦間際まで続いた米軍の全国主要 都市爆撃。これこそ無差別大量殺戮だ。米軍駐留政策など、改めて振り返りたい。米帝の正体は、今も何も変わっていな い。

◆この一年、ウクライナ・ロシア侵攻から多くを知り、学び、新たな課題に気付き、これまでを振り返る契機となっ た。日本にいる我々にとっても、戦争は過去のものではない。盛んに煽られ、誇大に歪められているが、非常に卑近な、 すぐ隣にあるものだ。中ロの圧力は、そもそも米英の圧力から始まった。その中で、ソ連邦の崩壊がある。70半ばまで 生きて、改めて太平洋に散った二十歳に満たない多くの命を思う。英産業革命の時代、当時の労働者の平均余命は30歳 だった…とか。もう一度、歴史を知り、これまで学んだことを整理してみたい。(4月10日、映像の世紀「満州帝国」 を見た…NHK)

◆「台湾有事」、石垣島の陸自駐屯地の開設と12式地対艦ミサイル(SSM)の配備…など次号で。「軍拡競争は 最終的には衝突するか、破綻せざるを得ない」「米中など他国の対立に加わるのではなく、具体的な平和外交の道筋を考 える必要がある」と訴える有識者、専門家の声に耳を傾けたい。

 以下、今後の参考に…

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■春闘は資本と労働者の関係を知る、明らかにする闘い。
 かつて、賃金とは何かを学習した。賃金というものに表現される人と人の関係、賃金を支払う資本家と支払われる労働 者との関係、賃金に表現されている社会関係を闘いの中で学んだ。賃金を知ることで、労働者は自分が何であり、資本主 義社会の中でどんな位置を占めているかを理解できる。さて、連合春闘の内実は。

■反ファシズムの民主主義闘争の高揚を。
 戦前ドイツのブリュニング内閣、戦前日本の岡田、広田、林、近衛内閣の時代を想起したい。ファシズム政治体制は、 会制民主主義の枠組みのもとで、議会が軽視され、行政府が優位に立つ状況を媒介にして成立。憲法と平和を守る、議会 制民主主義を守る運動と組織の最大限の結集、統一が大切。その中心的担い手は労働組合です。私たちが、労働三権を行 使するという、あたり前の労働運動をやり抜くことが、反ファシズムの民主主義闘争を高揚させる基点です。改めて確認、 現状を検証したい。

■資本家階級の政治支配 (=ブルジョア独裁)の二つの形態。労働組合と労働者政党。
 ①一つは… 資本主義社会、必然的に発生する労働運動、階級闘争。労働組合、労働者政党を存立させ、これを体制内 化した存在にすることで、資本主義体制の安定化を図る方式です。この間接的な支配方式が、資本主義社会にとり正常な 政治支配形態と言われています。
 ②もう一つは、労働組合や労働者政党そのものを否定、体制の安定を図る方式。労働運動の高揚、政治闘争化、労働者 政党の躍進に、危機感を持つ資本家階級は運動、組織を弾圧し、ブルジョア独裁の体制をつくります。
 さて、改めて日本の労働運動、政治闘争、対する資本の支配の現状、今後は。

※乱文乱筆 謝
<続>    
       2023年4月11日 北条 恒  


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