平和と基本的人権を守ろう!仲間たちの連絡会

No97-6              webへいき連              2023年 4月

労働組合の再構築は、夢のまた夢か?

 久しぶりに現代日本の労働組合に対する強烈な批判的意見文を拝読しました。(№96)

 私は思います。“新しい戦前ではないですか”と言い放った有名人がおります。現代の日本は、表面上民主主義を 謳歌しているように見えますが、人間を・国民をあたかも消耗品の如く戦場に送りこんだ昭和20年8月15日前までの 大日本帝国時代に逆戻り可能な社会情勢が出来あがっていると言えるのではないでしょうか。
 これほど不景気なのに、これほど貧富の差が拡大しているのに、これほど労働者内部が差別されている(正社員と派遣 労働者)のに、組織されている労働組合は、権力者側に団結して闘いを挑むどころか、懇願に近い態度しかとれていませ ん。

 民主主義を最も尊重し実行したのは、戦後結成された総評など労働組合であろう。
 敗戦後の荒廃した日本社会の復興の為に必死になって働き、生活できる賃金を求め、米を求め、ストライキを果敢に断 行し、大衆行動の先頭に立って闘い抜きました。
 総評時代の組合の指導者は、或いは組合員の多くは、戦争にかりだされ生死の境を経験してきました。消耗品扱いの非 人間的社会を知ったればこそ、民主主義を大切にしようという気持ちを持ち、民主主義の基本である主権在民の行使こそ が労働者・国民大衆の力を養成することだと・・・確信したのではないでしょうか。
 昭和も50年を過ぎると、経済構造もすっかり出来上がり、権力側の体制確立と相まって、国民生活も安定向上してホ ッと一息時代に入りました。左右対立してお互い切磋琢磨しあった総評や同盟その他の組合を統合して労働戦線の統一・ 現在の連合が結成されました。
 しかし、こと志に反して連合は階級闘争を忘却し、以来今日まで40年間、日本労働組合はスト権を放棄した如く、国 民大衆も「ストライキ」とか「階級闘争」などという「過激な」日本語は忌み嫌われる風潮が定着してしまいました。

 かかる現代状況の中で、「新しい戦前では」という如く日本国再建に猛進している権力に対し、連合に結集してい る労働者は闘うことはできるのか。40数年余、ストライキ・階級闘争を忘れた労働者・国民大衆に何ができるのか。何 もできないで「アレヨ・アレヨ」とみている間に、日本は、米国などの思いのままに軍事路線を走りだすのでは。
 労働組合の再構築は、もはややろうとしても身動きできない社会情勢が確立してしまったのか?!  労働組合の再構 築は夢のまた夢か!!

3月8日   雪ノ下枕石

日本国憲法に赤信号が点滅

 安保関連3文書改定の閣議決定、そしてGDP2%に向けた防衛予算大幅増と「丁寧な説明」も国会議論もなく、 いま日本は「戦争できる国」へとまっしぐらに突き進んでいる。
 岸田首相は、ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の相次ぐミサイル発射を受けての国民の危機感を背景に「安全保障環境 は大きく変わった。いまや米軍に依存せずに、自ら守る努力が不可欠だ」と言うが、どんなに誤魔化しても、政府は憲法 解釈を変えたことは疑う余地はない。
 岸田首相が「専守防衛」の論拠とするのは、1956年(昭和31年)の政府見解である。鳩山一郎首相の「座して自 滅を待つべしというのが憲法の趣旨だとは、どうしても考えられない」この文言を異常なほどクローズアップし、この後 に続く「他に手段がない場合」説明は「国連の援助もなし、また日米安全保障条約もないというような、他に全く援助の 手段がない」憲法上解釈の設例のくだりはサラッと流すだけだ。さらに1959年(昭和34年)伊能防衛庁長官は「平 生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような武器を持っていることは、憲法の趣旨とするところではな い」この時点で日本政府の姿勢は他国領域を攻撃するようなことはしない、また攻撃を目的とする兵器はもたず、他国に 脅威を与えることもない「専守防衛」であった。
 岸田首相は、現状にそぐわないとばかりそれすら切り捨てたと言える。岸田が公言していることは、憲法9条の規範 (恒久平和主義)が無きに等しい。政府自ら憲法違反を犯している。
 当然、憲法審査会でも問題提起・議論はなかったであろう。憲法審査会とは、99条に基づいてチェックする機関であ る。改憲のための機関ではない。小西洋之参院議員発言の「毎週開催は憲法のことなんか考えないサルがやること」、そ んな気分にさせる審査会になっているんでしょう。オフレコからの集中砲火とは小西の脇が甘かったが。マスコミにも気 をつけろ!
現行憲法と自民党草案の比較  単に憲法論議を避けただけの問題ではなく、憲法の理念「国民の生命と財産を守る」の根本が崩れることになる。国民 の子々孫々の将来を考えた時、近視眼的な発想で明日にも世界大戦が起きるような喧伝な”空気の拡がりを感じるが?国 民を惑わしてどうする。平和な日常が続くことの条件は、国民は為政者に憲法を守らす権利を行使することではないか。
 『憲法99条【憲法尊重擁護の義務】天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官、その他の公務員は、この憲法を 尊重し擁護する義務を負う』
 今や憲法9条をないがしろにして、専守防衛さえも死語にしょうとしている岸田政権は許されない。憲法9条に赤信号 が点滅している。
 「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を原則とし、「すべての人々が個人として尊重されるために、最高法 規として国家権力を制限し、人権保障などをはかる」を理念とする日本国憲法に赤信号が点滅している。

2023年4月5日  人ハ生年