3.飛行訓練

いよいよ実機訓練の開始です。 さあ、コックピットに乗り込んでください。
飛行前にコクピットで最低限、次のチェックしてください。
お気に入りの飛行機は選択できましたか?
コクピットから周囲は確認できますか?
エルロン、エレベータ、フラップ、スロットは正しく動作しますか?

3.1.タキシング

<タキシング訓練は大切です!>
タキシングとは
a.飛行場内を格納庫(空港ゲート)から離陸地点に向かう場合。
b.着陸後、格納庫(空港ゲート)に向かう場合。
c.離陸時の直進走行する場合。
などをいいます。
「タキシング」が満足に出来ないと離陸もできません。地味ですがしっかり練習してください。


飛行機のタキシングで方向を操縦するのはラダーを使います。
ラダー ペダルを持っている場合、実際の飛行機と同じようにフットワークで操作します。
ラダー一体型のジョイスティックを使用している場合にはスティックを捻ることで操作します。
説明はラダーペダルがあることを前提としています。
ラダーはFig-3.1.1のようにペダルを踏み方向を変えます。

写真 操作の基本
飛行機の機首を右に向けたい場合は右ペダルを踏込み、左に向けたい場合は左ペダルを踏込ます。
操作量(踏込量)は徐々(控えめ)に踏込ようにすることがコツです。
最初はラダー操作の反応が遅いため踏みすぎてしまいます。
カウンターを当てることなり蛇行してしまいますので注意してください。
ラダー操作感は選択した飛行機によっても違います。
どうしてもなじまない場合はラダーの感度を調整しましょう。
ほとんどのソフトで調整ができます。
  

Fig-3.1.1


訓練項目 定置方向転換
目的・訓練方法 技術向上のコツ 教習単位
目的
着陸後の滑走路での方向転換など最小半径で回転させたい時に行います。
  • 機体が動き始めたらスロットルを絞ろう。
  • 定針儀で必ず「現在位置」、「目標位置」を確認しよう。
  • 慣れたら回転スピードを変えて練習しよう。
90〜180°
左右50回

練習時間
2時間 以上
訓練手順
  1. パーキングブレーキを解除
  2. スロットルはアイドリング状態で、回転する方向のフット ブレーキを掛けます。
  3. 回転方向へラダーを目一杯踏込み保持します。
  4. 徐々にスロットルを上げ機体が回転を始めたら若干スロットルを戻し回転スピードを調整します。
  5. 「目標方向」の少し手前でスロットルをアイドリング状態に戻します。
  6. 目標到達までにラダーも徐々に戻し「目標方向」で定位置になるよう操作します。
  7. 定位置で両方のペダルのフットブレーキを掛けます。
fig-3.1.2
訓練項目 微速方向転換
目的・訓練方法 技術向上のコツ 教習単位
目的
離陸時の駐機場から滑走路までの走行練習。
着陸後の滑走路から駐機場までの走行練習。
  • ラダー操作時は速度が落ちるのでスロットルを少し上げましょう
  • タキシング速度は5〜10kt程度です。
  • ラダーワークとスロットルワークを同時に出来るまで練習してください。
  • なるべくカウンタを当てないよう注意してください。
90〜180°
左右50回
練習時間
4時間以上
訓練手順
  1. パーキングブレーキを解除
  2. スロットルを徐々に上げ5kt(約10km/h)まで直進で速度をあげます。
    一定速となったところで「目標方向」にラダー ペダルを徐々に踏込でいきます。
  3. 「目標方向」の少し手前でラダーを徐々に戻します。
  4. 「目標方向」でピタリ止まるように練習しましょう。
fig-3.1.3



訓練項目 高速直進
目的・訓練方法 技術向上のコツ 教習単位
目的
高速走行 滑走路端から端までを離陸寸前の速度で滑走ます。高速で直進走行の安定、離陸断念時の急停止を出来るようにします。
  • 使うのはスロットとラダーだけです。
  • フラップはフルアップの状態で保持、操作は行いません。
  • 単発のレシプロ機では螺旋後流*1のためラダーを当てる必要があります。
  • 滑走路は2000m以上の空港で行ってください。
100往復
練習時間
8時間
以上
訓練手順
  1. パーキングブレーキを解除
  2. スロットルを徐々に上げ指示対気速度90kt(約165km/h)*2まで直進で速度をあげます。
  3. 搭乗機のセンターが滑走路の中心線を通るようにラダーで調整します。
  4. 滑走路の残り500m程度でスロットルを戻しブレーキングを行い十分速度落としてください。
  5. 滑走路端で停止させ、180°定置方向転換を行います。
  6. 真直ぐに滑走できるまで繰り返します
fig-3.1.5
*1 螺旋後流とは単発レシプロ機において、プロペラが作る螺旋状の気流が自機の垂直尾翼に当たりヨー運動が発生し左右どちらか(プロペラの回転方向によって違う)振られる現象です。
*2 訓練速度は離陸速度の80%が目安です。
離陸速度は各航空機によって違うので調べてください。
フラップは使ってはいけません、揚力は抑えてください。