初心者のためのフライトシミュレータ入門学校
COMPUTER PILOT ACADEMIY
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5.オプション講座
計器飛行の基本は、標識のない空を目的地まで間違わないように飛んで行くためには、航法が必要です。
今まで学んできた飛行訓練は航法で言うと、有視界飛行で「建物」、「川」、「山」、など「目標物」を見つけて記憶し飛行することです
。 この航法では、「天候の悪い日」、「夜間」、「大海原」を飛行することができません。(これを「地分航法」といいます。)
そこで、「航法装置」と「計器」を使って周囲の様子がわからなくても、目的地まで飛行することを可能にしたのです。
何やら難しそうですが、原理原則は簡単です。これらを理解していただければ、大型旅客機での長距離飛行も夢ではありません。
<ローカルエリアナビゲーション>
「ローカルエリア」とは空港付近で見通し距離(水平線までの距離)以内で高精度の計器誘導が出来る範囲をいいます。
「ローカルエリア ナビゲーション」には3種類のトラッキングがあります。
@VOR局トラッキング
AILS局トラッキング
B進入角指示灯(VASIS又はPAPI)トラッキング
<無方向性無線標識>
<超短波全方向式無線標識と距離測定装置>
計器飛行の基本は、標識のない空を目的地まで間違わないように飛んで行くためには、航法が必要です。
今まで学んできた飛行訓練は航法で言うと、有視界飛行で「建物」、「川」、「山」、など「目標物」を見つけて記憶し飛行することです
。 この航法では、「天候の悪い日」、「夜間」、「大海原」を飛行することができません。(これを「地分航法」といいます。)
そこで、「航法装置」と「計器」を使って周囲の様子がわからなくても、目的地まで飛行することを可能にしたのです。
何やら難しそうですが、原理原則は簡単です。これらを理解していただければ、大型旅客機での長距離飛行も夢ではありません。
5.1. 航法の種類
<磁気方位(コンパス)による航行>
fig-5.1のように、「離陸する方向」と「目的地の方向」を決めます。 次に、目的地を航行する予定速度を決め、到着時間を割り出します。 あとは、航空機のコンパスだけを頼りに障害物のない高度まで上昇して目的に向います。(これを「推測航法」といいます) 「復路」は、「往路」の逆(180°反転方向)で飛行します。 しかし、実際は風の影響(横風、追い風、向かい風)とコンパスの誤差(周囲の金属の影響を受ける。)などの障害があります。 したがって、相当な近距離であることと「地文航法」を併用しなければ使い物にはなりません。 目的地に着いても滑走路が見えないと着陸できません。 したがって、航法としてはバックアップ的用途でしか使用出来ないのですが必ず覚えてください。 緊急時、その必要性がわかる筈です。 |
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fig-5.1 | |
<電波航法ナビゲーションによる航行>
電波航法は「飛行機の計器」と「地上の援助施設」を使って目的地辿っていくシステムをいいます。
<慣性航法装置(INS)>
原理は、ジャイロと加速度計で「方角」と「加速度」を検出し、コンピュータで積分することで移動した距離がわかります。
最初に現在位置を入力すれば、悪天候や電波妨害の影響を受けず、「位置」と「速度」を常に計算して把握できます。
しかし、長い距離を移動すると誤差が累積されて大きくなるという欠点があります。
現在の航法は「フライト・マネジメント・システム(FMS)」を使って「慣性航法装置(INS)」と「航法援助装置(navigation aid system)」を併用して飛行しています。
<全地球測位システム(GPS)>
「GPS」は衛星を利用した精密衛星航法システムです。
地球を周回する4個以上の衛星を選択し、信号を受信し三次元で位置を知ることができます。
GPSの利用により航空機は離陸から着陸まで単一の航法援助装置で飛行できます。
<エリア航法の「航法援助装置(navigation aid system)」>
エリア航法には「ワイド エリアナビゲーション」と「ローカル エリアナビゲーション」の二つの捉え方があります。
5.2.航法援助装置
<ワイドエリア ナビゲーション>
その名のとおり広い(遠い)エリアをカバーするための航法装置です。 範囲にして100NM〜200NM(185Km〜370Km程度)の距離をカバーします。 このナビゲーションには2種類の目的地への進め方があります。 @NDB(無指向性無線標識)トラッキング AVOR(超短波全方向式無線標識)トラッキング (ローカルエリアでも使います。) |
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fig-5.2 |
<ローカルエリアナビゲーション>
「ローカルエリア」とは空港付近で見通し距離(水平線までの距離)以内で高精度の計器誘導が出来る範囲をいいます。
「ローカルエリア ナビゲーション」には3種類のトラッキングがあります。
@VOR局トラッキング
AILS局トラッキング
B進入角指示灯(VASIS又はPAPI)トラッキング
5.3.ワイドエリアナビゲーションの解説
<無方向性無線標識>
もっともポピュラーな長距離計器航法で、飛行機の「自動方向探知器(ADF)」と、地上援助施設で「無方向性無線標識(NDB)」を使って目的地まで飛行します。 | |
fig-5.3.1 ADFゲージ |
自動方向探知器 (ADF) |
NDBの電波がどの方向から来るのかを360度で表示します。 あらかじめ、目的のNDBの周波数をセットして、離陸後、ADFゲージの示す方向に機首方位を誘導していきます。 |
無方向性無線標識 (NDB) |
周波数帯200〜400KHzのを使います。超短波全方向式無線標識(VOR)に比べて精度は低いが有効範囲は100〜200NMと長距離をカバーできます。 目的地に到達(通過)すると、ゲージの指針が180°反転するのでNDBビーコン付近を通過したことがわかります。 しかし、国内ではNDB局は次第の減少しており、これからローカルエリアナビゲーションで紹介する超短波全方向式無線標識(VOR)の中継が電波航法の主流になっています。 |
<超短波全方向式無線標識と距離測定装置>
特に空港近くのVOR局にはDME局が併設されています。 これは空港に近づくためVOR局までの距離を教え正確なナビゲーションを援助してくれます。
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fig-5.3.2 VORゲージ (オムニベアリング計OBI:Omni) |
超短波全方向式無線標識 (VOR) |
VHF Omuni-Directional redio Rengeといい、現在もっとも多く使われている航法援助施設。 108〜118Mz帯の周波数を使用します。有効使用範囲は見通し(水平線まで)距離 |
距離測定装置 (DME) |
局と航空機の相互の距離を測定する装置です。 「地上側のトランスポンダ(transponder)」と「航空機側のインタロゲータ(interrogator)」が一対で作動します。 航空機ではこの二つの電波の時間差を測定して距離を求めます。 通常はVORと併設され,方位と距離を求められるようになっている。 また、目的地到達地点でのDMEの距離表示は”0”(ゼロ)にはなりません。 これは、飛行機の高度があるためでDME局と航空機の高度差が表示されます。 遠ざかるに連れてまた距離が増えていきます。 |
5.4.ローカルエリアナビゲーションの説明
fig-5.4のように、空港近郊に近づくと地上援助施設から発信する電波を使い着陸滑走路の方向へ誘導させます。 誘導内容は、「ファイナルアプローチの方向」と「グライドスロープ高度」を誘導します。 |
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fig-5.4.1 ローカルエリアナビゲーション |
超短波全方向式無線標識 (VOR) | 最終の目的地の局です。 (支援方法はワイドエリア ナビゲーションと共通です。) |
距離測定装置 (DME) | 空港までの距離を示します。 この受信から降下しファイナルアプローチまでの高度を検討します。 (DMEがない場合は、アプローチマップでの推測航法となります) (支援方法はワイドエリア ナビゲーションと共通です。) |
計器着陸装置 (ILS) | ファイナルアプローチの誘導をしてくれます。 ファイナルアプローチに入った航空機に対して「指向性電波」を発信し、滑走路への進入コースを指示する装置です。 装置は以下のように構成されています。
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精密進入経路指示灯 (PAPI) |
ILSがない場合(または、ILSとの併用)は、滑走路脇に誘導表示灯を取付け、この表示灯を頼りに降下・着陸を試みます。 進入角を表示灯で指示する装置で、グライドパスの高さを目視で確認できます。 fig-5.4のように横に4列の表示灯が並び「赤 2灯」と「白 2灯」でグライドスロープ上を降下の誘導をしています。 赤4灯は低すぎ、白4灯は高すぎです。 インナーマーカ(ミドルマーカの場合もある)で、オール赤またはオール白であれば着陸やり直し(ゴーアラウンド)です。 |
*1「進入マーカ」の種類 | |
アウターマーカ(青) |
指定高度(ファイナルアプローチ直前の高度)でグライドスロープ開始点をいいます。 「ILS誘導」ファイナルアプローチの開始です。 |
ミドルマーカ(橙) | このマーカは着地決心点より+200フィートにあります。 自動着陸装置がついている空港では、カテゴリ(CAT*2)によって定められています。 天候条件(滑走路が見えない場合)によってゴーアラウンドまたは着陸中止となります。 |
インナーマーカ(白) | 着地決心点です、この点を越えてゴーアラウンドは出来ません。 何が何でも着陸しなければなりません。 |
*2 カテゴリー(CAT)の説明 | |
悪天候でも安全確実に着陸できることを目的とした自動着陸装置が設置されている空港が増えています。 国際民間航空機関(ICAO)では「全天候着陸装置(all weather landing system)」の開発を段階的に推進していくため5つのカテゴリー(fig-5.4.2)を設定しています。 |
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fig-5.4.2 |