1.入 学 準 備
乗りたい飛行機に合わせたフライトシミュレータを構築しよう!
ここでは志願するパイロットのジャンルを決定しそれに合ったシミュレーションソフトと周辺機器を含むハードを選定するお手伝いをします。
あなたが初心者であれば、小型のレシプロ飛行機が含まれるソフトを選定することをお勧めします。
小型レシプロ機での地道な練習が、挫折も少なく上達の近道になると思います。
あなたが、めざすパイロットのジャンルによって用意するハードウエア(ジョイステックなどの周辺機器)も変わってきます。
無駄な投資にならないように、あなたに合った将来のビジョンを考えてください。

1.1.準備1(ソフト編)


<目指すパイロットのタイプ>
ジャンル 用 途 代表的機種 タイプ
民間機 プライベート レシプロ セスナ
ジェット リアジェット
旅客機 レシプロ YS11
ジェット B747
軍用機 戦闘機 レシプロ ゼロ戦 C−1
ジェット F16ファルコン C−2
爆撃機 レシプロ B17
ジェット B52
Fig-1.1.1
 


<タイプ別推奨ソフトウエアの紹介>
タイプ パイロットの条件 推奨ソフト
気軽に観光気分浸れる自家用機のパイロットです。
誰でも本アカデミーの基本訓練を積むだけで十分楽しめます。
自分の住んでいるところ、海外都市、夜間飛行と上空でしか眺められない光景を楽しみましょう。
プライベートパイロットです。
シーナリが充実して綺麗なソフトを選びましょう。
ソフトはMicrosoft Flight Simulator で、はじめることを推奨します。
Airlineのパイロットです。
基本訓練以外に航法と計器飛行をしっかり学ぶ必要があります。
機長は乗員の安全を最優先に考えた行動パターンをとらなければならないため、操作において間違いを防止するチェックの姿勢が必要です。
又、飛行計画を十分練り目的地へ向かう事が必要です。
緻密な性格が適性でしょう。
特にAirlineシミュレータでは長い航行時間の使い方を飽きることなく楽しめるように考えてください。
本格的にAirlineシミュレータを楽しみたい方は、現在では実機に近い周辺機器の品揃えも豊富にあり、本物志向のシミュレータを構築できます。
しかし、投資費用も相当覚悟してください。
将来的に本格的シミュレータを構築したいなら、Microsoft Flight Simulator のような、
a.互換性あるハードが充実していること。
b.アドオンシーナリが充実していること。
これら条件が必須です。
軍用機(爆撃機)については、レシプロ機についてはMicrosoft Flight Simulator で基礎訓練後、当ソフトの双発のレシプロ機(ビーチクラフトなど)で練習し、第二次世界大戦シムを購入することを推奨します。
また、ジェット爆撃機についてのソフトはあまり充実していないため非常に少なく「日本語版」は殆どありません。
大型ジェット爆撃機に乗れるのはミッションなし(爆撃が出来ない)でX-Plenぐらいでしょう。
C−1 レシプロ戦闘機のパイロットです。
レシプロ戦闘機のパイロットの必要条件は
a.機を自由に操れる操縦技術
 (バトルターン、着艦など)
b.正確な射撃技術
 (敵を一撃で撃墜することが理想)
c.敵の機動を読取る冷静な分析と判断
が最低限必要です。かつ、ベテランになるためには練度も必要です。
大胆にて繊細さと勇気をもったリーダシップが適性として要求されるでしょう。
選定するソフトは基本的に第二次世界大戦を舞台としたCombat simulator です。
ここで紹介するのはarcade mode のようなシューティングゲームではなく、実機の戦闘をシミュレーションすることを念頭にソフトを選定します。
推奨する代表的なソフトは"IL-2 1946"または"Combat Flight Simulator 3 "です。
C−2 ジェット戦闘機のパイロットです。
レシプロ戦闘機パイロットの要素に加えアビオニクスを理解し、操作できなければなりません。
かなり複雑で高いレベルが要求されます。
上達錬度もかなりの時間と根気が必要となりますが軍用フライトシミュレータの真骨頂でしょう。
やはりお勧めはFALCON 4.0 ALLIED FORCEです。
実機を忠実に模擬した本格派です。
やはり・・・シューティングゲームがいいというあなた、PS2とかX-BOXで楽しまれるほうが投資的に賢明かと思います。
Fig-1.1.2

<本校での基本訓練とする推奨ソフトウェア>
Microsoft flight simulatorX
あなたが初心者ならば、軍用機でドッグファイト、攻撃ミッションなどすぐにやりたい気持ちはわかりますが、Flight Simulator Xで基本訓練を実施してください、急がば回れです。
また、このソフトはアドオンも充実しておりシーナリもミッションも各社からぞくぞく販売されています。
Microsoft flight simulatorXは日本語版が充実していますから、初心者にもわかりやすいと思います。
しかし、あなたが初歩からどうしても軍用シミュレータから始めたい、なるべく早くミッションに参加したいとのことであれば "Microsoft Combat Flight Simulator" と"UBISOFT IL2 1946 "を推奨します。
これらのソフトは世界のレシプロ軍用機ファンを魅了し第二次世界大戦のコンバット シミュレータでは最高水準にあります。
初心者でもこのWEBで基本操縦を訓練したらすぐにでもミッションのトライができるでしょう。
60年前の実機体験が安価にできるのですから本物志向の方にとっては非常に魅力的です。
しかし、リアルモードでの操作、射撃は非常に難しく訓練と経験が必要です。

1.2.準備2(ハード編)

<専用コクピットを作ろう!>
目指すパイロットが決まったところで、自分の航空機(PCシミュレータ)を製作しなければなりません。
本編では、パソコンと周辺機器を選定し”MYコックピット”を構築することを目的とします。
PC simulatorの無い方、性能アップが必要な方、それぞれの性能と趣味に応じた投資費用が必要となります。
自分の楽しみ方(趣味のレベル、投資対効果、スペース)を考えてMYコクピットの製作をしましょう。
特にパソコンの性能は、市販のでも最低スペックが満足されていれば問題ありません。
しかし、趣味として本格的にお考えの方は、好みのパーツを集め「フライトシミュレータ専用のパソコン」を自作することを推奨します。
ご参考になるかわかりませんが、私の自作シミュレータの写真で構成、概略予算を説明します。

 製作に当たってはアングル枠で安価でコンパクト化を重視しているので見た目はよくありませんが、ご参考になればと思います。 製作費は現状で約300,000円(最低限必要品費用230,000円程度)になります。1998年に初号機は当時で約100,000円でした。
 今はPCは5代目となります。HOTAScougarは高かったですが抜群の耐久性のおかげで10年目となります。
 ラダーは当初HOTAScougar一緒に買ったThrustMaster社製のエリートラダーペダル(現在も使用可能)でしたがFootBrakeが
 ないのでSaitek社製に変えました。個人的にはエリートラダーペダルが頑強で好きです。現在、エリートをブレーキ付に改造でき  ないか検討中です。
 【内 訳】  
 アングル材等 10,000円*
 メインLCD(21") 12,000円*
 サブLCD(19") 8000円
 ヨーク&スロット(Saitek社) 25,000円*
 HOTAScougar(Thrustmaster製) 50,000円
 TrackIR3Pro(NaturalPoint社) 15,000円
 Pro Flight Rudder Pedal PZ35(Saitek社) 20,000円*
 Inspire 5.1ch(creative社) 12,000円*
 Falcon PC-KM5(自作) 100,000円*
 椅子折りたたみ(?) 800円*
 OS、SWその他50,000円*
 左の写真はジョイスティックタイプでセッティングした様子、右はヨークで接続した様子です。HOTASCougarはスティックの取外しが
 できるので双方常時接続状態で切り替えることができます。
 ヨークとジョイスッテックでは操作感相当違うので慣れが必要ですので最初はどちらよく乗る飛行機のタイプで練習すると上達も早い
 でしょう。
 心臓部のCPU部ですが、この諸元は次のとおりです。これもシンプルを目指し一切不要なものを削除しています。
 昨年、FalconPCMK−4から5にフルモデルチェンジしました。ちなみにCPU、Mother、メモリーは2年周期、グラフィックボード1年
 周期、電源は3年周期、筐体5から7年周期での投資となっています。
 【諸元】
 マザーボード:Asrock B75 Pro3 LGA1155 (CHIP B75)
 メモリー:16GB (DDR3 11600)
 CPU:Intel Core i5-3540(3.2GHz)
 HDD:1TB(SATA2 7200rpm)
 グラフィックボード:GeforceGTX550Ti(DDR5 1GB)EVGA製 O.C.を検討でしたらEVGA製かELSA製を推奨します。
 電源:650W Enermax製
 筐体:大型ATX 作業しやすい大きいものを推奨します。また、グラボは高性能は大型が多いので小さいのは注意が必要です。
 サウンドボード:5.1CH(オンボード),クリエイティブ製が壊れてしまい、これから購入予定。
 OS:WINDOWS 7Pro(64Bitt)

<パソコンの性能>
フライトシミュレータ ソフトは、空力計算、テクスチャ表示などCPU、メモリの負担(特に高品質で表示させると)が非常に大きくなります。
パソコンの選定は、Fig-1.2.1の”推奨性能”以上を購入、製作をして頂ければトラブル・制限事項も少なくて済むと思います。
現在PCをお持ちの方はFig-1.2.1の”最低性能”が満足されていても、既にインストールされているアプリケーションソフトの常駐メモリが多いと、シミュレータ ソフトが滑らかに動作しない場合があります。
特にウイルスチェックソフトがインストールされているとメモリを消費されますので、メモリ増設を検討してください。

a. パソコンの性能スペックの確認は、
「コントロールパネル」→「パフォーマンスとメンテナンス」→「コンピュータの基本的情報を表示する」→「全般」を選択していくと、CPUの速度、メモリ容量が表示されますのでメモしてください。
また、あなたのPCにグラフィックボードが付いている場合は、
「コンピュータの基本的情報を表示する」→「ハードウエア」→「デバイスマネージャ」→「ディスプレイアダプタ」でGPU(グラフィック用CPUのこと)の種類、メモリ容量の確認ができます。
GPU性能も重要なのでメモしておきましょう。
b. フライトシミュレータ用のパソコンはノートパソコンでは下記の理由により不向きです。
CPU性能に限界がある
メモリ容量の増設に制限がある。メモリのコストも高い
内臓グラフィックボードでは性能に限界がある。
液晶表示(LCD)に大きさの制限があり、自由に選べない
携帯型ノートパソコンには数多くの周辺機器の接続するUSBが準備されていない。

したがって、デスクトップパソコンで構築されるよう強く推奨します。

性能項目 最低限性能 推奨性能 推奨コメント
CPU本体 CPUクロック ダブルコア*1
2GHz以上
クアッドコア*1
2GHz以上
インテル又はAMD製のものを選択
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メモリ容量 4GB以上 16GB以上 OSが32bitでは4Gがシステム上最大となります。
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HD容量 128MB以上 500MB以上 お使いのOS及びアプリケーション量で判断してください。
光ディスク装置 DVD/CD-R*2 
40倍速
DVD/CD-RW*2 40倍速 インストール要する時間(倍速)は早い方がいいです。
グラフィックボード メモリ1GB
(DDR3)以上
メモリ2GB
(DDR5)以上
GeforceとRadeonがあります。
ゲーム対応ではGeForceタイプがトラブルが少ないようです。
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サウンドボード MotherBoard内臓5.1chサラウンド 専用サウンドボード soundBraster互換*4を必ず選びましょう。
メモリカード
アダプタ
特に必要はなし マルチアダプタ
推奨
古いフライトシムなどをする場合にFDが必要になる場合がある。
電 源 400W以上 600W以上 電源はパソコンの安定性に非常に重要です。
12Vで400W以上容量があるものを選びましょう。
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マザーボード機能*6 PCI EX x16 1スロット以上 2スロット グラフィックボード取付け用です。
ILS(ClossFire)機能*6は2スロット必要。
また、SSDをPCI EXで接続する場合も2スロット必要です。
PCI 2スロット以上 2スロット以上 サウンドボード用と増設デバイスの予備です。
USB 6スロット以上 8スロット以上 使用するスロットは
操縦系 2〜3スロット
プリンタ 1スロット
データ授受 1スロット
バックアップ 2スロット
を用意しましょう。
LAN 100Mbps有線
またはWifi
100Mbps有線
またはWifi
ネット対戦などをお考えの方は、ルータから直接接続としましょう。
(HUBのブランチはしない)
BIOS 特に配慮は不要 特に配慮は不要
OS Windows 7 Windows 7 OSを32bitから64bitに変更する場合はハードウェアのドライバーが対応していることを必ず確認してください。 特にコントローラなど使えなくなります。
Windows 8 Windows 8
周辺装置 ディスプレイ 最低17“は必要 21“以上を推奨
キーボード USB or PS2 USB or PS2
マウス USB又はPS2 USB or PS2
スピーカ 2.1CH
ステレオ
5.1Ch
ドルビーサラウンド
設置スペースが許容できれば、是非”5.1Chドルビーサラウンド”で臨場感を体感しましょう。
お勧めはこちらから
Fig-1.2.1

*1: CPUのコア(プロセッサ)の数量をシングルとかマルチとかの呼び方をしています。 現在ではマルチコアが殆ど主流です、新規製作であれば迷わずマルチコアを選択しましょう。 (名称にx2とかx4とでプロセッサ数が表示されています。)
*2: Rはリードオンリ(読込みだけ)、RWはリード、ライト(読書き)の記号です。
通常であればインストールだけでいいのでRでいいですが、プログラムのパッチ、データなどの保存、バックアップが出来るようにRWをお勧めします。 新しいパソコンであれば殆どRWだと思いますが。
*3: DirectXはマイクロソフト社の画像処理ソフトで最新バージョンはOSがWinXPで9.0、Win7で11.0が最新バージョンです。
OpenGLもSGI社の画像処理ソフトで4.0が最新バージョンです。
このソフトは基本的にアプリケーションインストール時自動的にインストールされますし設定などは意識する必要はありませんが、常に最新バージョンであることを確認しておきましょう。
*4: SoundBlasterはCreitive社で開発された音響ソフトです。
シミュレータを含めたゲームの殆どはこのSoundBlaster互換対応となっていますので、SoundBoard選定のときは互換であるかどうかチェックをしましょう。
*5: ILS機能とは、グラフィックボードを2枚同時に使用して画像処理速度を上げる方法です。
AMD社CPUの方式とIntel社CPUの方式と2種類あります。
メリットは
・ミドル・ロークラスのボードでハイクラス並みの処理速度を出せる。
デメリットは、
・同じ性能(メーカも)のものを揃える必要がある。
・消費電力がハイクラスより大きくなる場合がある。
・速度は2倍にはならない。(各アプリケーションで確認が必要)
アドバイスとしては、
グラフィックボード単体の性能は近年非常に向上しています。
フライトシミュレータへの適用と考えるとミドルクラス1枚で十分と思います。
*6: マザーボード選択のポイント
マザーボードの選択する場合の基本は、CPUの選択です。AMDかIntelか、どちらを選ぶかです。
現在は、どちらもマルチCPUの技術向上で我々素人には甲乙付けられません。
したがってマザーボードの選択は、
・ATXを選定すること。
・PCIExが2スロットあること。
・HDはシリアルATA2対応であること。
・USBは2.0以上のバージョンであること。
・メモリーは8GB以上をサポートしていること。
確認してください。

<フライトシミュレータ制御機器>
制御機器の品揃えも機能、価格においていろいろ出回っていますが、安定性があってコスト的にもリーズナブルな機器を選定してみました。
選定ポイントとしては最低限 エルロン、ピッチ、ラダー、スロットルの4要素がそろうことを基本としてください。
リアルな臨場感を出すために 操縦桿は、戦闘機(レシプロ、ジェット)はジョイステックタイプを選定してください。
小型プライベート機、旅客機、爆撃機はヨークタイプを選定してください。

必要制御機器 仕様・適用 指向レベル
簡易 推奨 本格
マルチジョイステイック エルロン、エレベータ、ラダー、スロットルの基本機能がジョイスッテックにすべて搭載されているものです。
安価でシミュレータが始められます。
また、フライトシミュレータ以外のゲームにも使えるものもあるので、ゲームをされるかたならこの辺を考えて購入されたらいいと思います。
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ヨーク型操縦桿 エルロン、エレベータ、スロットルがセットになっています。
操縦桿がヨーク型(セスナ、旅客機、爆撃機で主に用いられているタイプ)をしているのが特徴です。
特にAタイプ、Bタイプのパイロットを目指す方にお勧めです。
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ジョイスティック型操縦桿 エルロン、エレベータ、スロットルがセットになっています。
操縦桿がジョイスティック型をしているのが特徴です。
(戦闘機、一部旅客機で主に用いられているタイプ)
Cタイプのパイロットにお勧めです。
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ラダー 垂直尾翼を操作する装置で通常足で操作します。
フライトシミュレータには是非とも揃えたい周辺装置です。
また、飛行機操縦の技術が格段に向上し、臨場感も高まります。
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ヘッドトラッキング装置 ゲーム上で自分の視点を自由に動かす装置で、赤外線で頭の動きを検出しそれに画面が追従する装置です。
操縦桿に付いているHATスイッチで切り替える方式よりも自由に見渡せます。使い始めると視認性のよさがわかるでしょう。
また、フライトシミュレータ以外のゲームにも使用できます。
但し、ソフトによって使用制限があるので確認が必要です。
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その他周辺機器 マイクロソフト フライトシミュレータ用の周辺機器が豊富です。
無線NAV、オートパイロット装置、など本格志向のための周辺機器です。
購入の際には、ソフトバージョン、適用範囲、など十分にチェックしてください。
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                                  fig-2.4