初心者のためのフライトシミュレータ入門学校
COMPUTER PILOT ACADEMIY
|
|
空を飛ぶための基礎知識を養おう!
講義と聞いて退屈してませんか?
我々の目的は、リアルな、フライト シミュレータを駆使し優秀な”COMPUTER PILOT”になることです。
シューティング ゲームを楽しむことではありません。
ですから、この基本知識は非常に大切です。必ず覚えてください。
2.1.「操縦」と「機動 」
車の運転は2軸(XY軸)ですから、実際の操作としてはハンドルを左右にハンドルを切る動作のみとなります。
しかし、飛行機の場合高さ(Z軸)という軸が加わり3軸(XYZ軸)となりますから方向の操作が煩雑となります。
車が「ハンドル」一つで姿勢(左、右、直進)を決められますが飛行機では「エルロン」、「エレベータ」、「ラダー」の3軸を動かして上下、左右、直進を行います。
fig-2.1 |
前後の操作(エレベータを上下に動かす)を「ピッチ操作」といい、上昇、下降は「ピッチ操作」だけで出来ます。
左右の操作(エルロンを上下に動かす*1)をロール(バンク)操作といいます。
操縦桿を左右に操作した方向に機体の水平中心線を軸にして回転します。(エルロン操作だけでは、車のように方向を変えられません)
また、操縦席の足元(ラダー一体の操縦桿をお持ちの方は捻る方向)に方向舵(ラダー)がついています。
左右どちらかを踏むことによってヨー(スキッド、滑り)を操作し機体の垂直中心線を軸に向きを変えます。
(これは飛行機特有ですがヨーの調整は旋回の滑り補正、横風の補正などに使います)
まとめますと、飛行機はエルロン、ラダー、エレベータを使いロール、ピッチ、ヨーを常に制御(操作)して直線飛行、上昇、下降、旋回します。
車はハンドルを廻すだけで方向転換(旋回)しますが、航空機はエルロン、ラダー、エレベータを組合せて操作しなければ方向転換(旋回)できません。ここをよく覚えておいてください。
また、3要素の「操作」と「機動」が一体化するまで繰り返し練習してください。
飛行技術の上達力が非常に高まります。
余談ですが、ロールを90°したときはラダーとエレベータの役割が入れ替わります。
*1: | 実際のエルロンの動きは操縦桿の倒した主翼のエルロンは上がり逆側の主翼のエルロンは下がるという相反する動きをします。 回転(ロール)方向は操縦桿を倒した側への回転(ロール)となります。 |
2.2.飛ぶための計器
飛行機はジェット旅客機に代表されるように計器が沢山あります。 素人には何がどうなっていいるのかさっぱりわかりません。
とても飛行機の運行、マネージメント、なんか無理と思われます。 事実、ジェットパイロットは当然これを理解し操作できなければなりません。
しかし「 Computer Pilot」として飛行するための最低限の計器となると話は違います。
この章では、飛ぶために見る必要のある最低限の計器について説明します。
その重要なポイントは方向、姿勢、高度、速度の四要素です。
この四要素を常にチェック、マネージメントできれば「優秀なCOMPUTER PILOT」としての基本が身に付くでしょう。
新鋭飛行機には、レーダ、GPSといった電子計測器がついていますので使用方法さえわかれば(これが難儀ではあるが・・・)、より精密に、かつ自動的に操縦してもらえます。
しかし、本校では「飛行の基本操作」、「飛行の原理」を理解するため、あえてアナログ計器で勉強します。
(セスナ、第二次世界大戦の戦闘機なら十分飛行できます)
<方向を知る:方向指示計(羅針儀/定針儀)>
この計器は今飛行機がどの方向へ飛んでいるのか知る重要な計器です。見方、読み方をしっかり覚えてください。(現在の飛行機ではGPSが主流です)
方向指示計(Heading Indicator)
方向指示計(通称:コンパス)は0〜360°(degree)で方向を示します。
(単位は万国共通)
(この例は真ん中の航空機のシンボルが固定されており羅針盤が回る仕組みです)
「東は90°」「西は270°」「南は180°」「北は0°(360°)」
離陸の際、必ず滑走路の「ランウエイ」方向と「ターニングポイント」での方向とポイント間の巡航時間は必ずメモする癖をつけてください。
その逆をたどれば必ず帰還できます。
fig-2.2.1 方向指示計 (Heading Indicator) |
また、別な位置の呼び方として飛行方向を時計の12:00とおいてfig-2.2.2のように四方を時計の時間に見立てて呼ぶことがあります。
これは戦闘機の搭乗員が敵機の位置をすばやく僚機に伝える方法とされました。
「4時に敵機!」というと、進行方向の右後方から敵機が近づいていることを示します。
fig-2.2.2 |
<姿勢を知る:人工水平儀と旋回計>
この表示器は飛行機が地面に対しての姿勢を知ることができます。
姿勢指示計(Attetude Indicator)
「人工水平儀」とも言われ白い真ん中のW字が飛行機を示し、その水平線から上下色を変え上空と地面を示しています。
この表示が現在の姿勢に合わせて傾きます。
常にこの姿勢をチェックしながら操縦します。
この計器を見ながら姿勢を保てるようになると外を見なくても操縦できるようになるでしょう。
雲の中、夜間飛行時は強い味方となります。
fig-2.2.3 姿勢指示計 (Attetude Indicator) |
旋回釣合計(Turn Coordinator)
文字通り飛行機が旋回するときに見る計器です。
飛行機は旋回するときに必ず旋回方向へロールしバンク角を取ります。
そのバンク角と速度の調和が取れていないときスリップ(内滑り)またはスキッド(外滑り)が発生します。
その時チューブ内の黒い丸が右(R)又は左(L)方向に移動します。
これで調和旋回していないことを知ります。
この滑りは旋回中失速をもたらす可能性があるため監視、修正が必要です。
修正はラダーで行います。
fig-2.2.4 旋回釣合計 (Turn Coordinator) |
<高度を知る:高度計>
高度計で気をつけなければならないのは、海抜からの高度だということです。 したがって、着陸時は空港の海抜高度を考慮する必要があります。
(レーダを搭載した航空機は実際の大地までの距離も計測できます。)
高度計(Altin Indicator)
fig-2.2.5のようなアナログ気圧高度計の場合右回りで上昇、左回りで下降となります。短い針が1回転で1000ft単位で高度を表示し、長い針はその1/10(100ft) となります。
単位はft(フィート)で表します。
1ft=0.3m(約1/3です)
例 高度9900ft=3000m(0.3掛ける)
2000m=6600ft(3.3掛ける)
fig-2.2.5 高度計 (Altin Indicator) |
<速度を知る:対気速度計>
飛行機は空中を飛んでいるため自機の周りを流れる空気の速度で表示します。
自動車のように地面を走る速さではありません。
飛行機は常に風がないと飛べないこと、上昇、降下があるため対地速度ではあてにできません。
対気速度計(Airspeed Meter)
通常ピトー管を使いその差圧で速度測定する原理です。
高度(大気圧)によって誤差が出るので調整が必要です。
単位は現在kt(ノット)で統一されています。
fig-2.2.5 対気速度計 (Airspeed Meter) |
注意
計器の「形状」、「機能」、「表示方法」は各航空機の機種、年代によって全く変わります。
自分の選定機種についてあらかじめ詳しく調べておいてください。
2.3.参考資料
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
2.4.練習機の選定について
練習機を選定する場合のポイントは、 単発機(レシプロ)機を推奨します。いきなりジェット機を操縦したい気持ちもわかりますが、最初は易しく操縦できるレシプロ航空機を選ぶべきです。
何故なら
・計器類がシンプルであること(必要最小限)。
・飛行速度が遅いので機動が実感できること。
代表的なソフトの練習機を推奨します。
民間機系の訓練機体は「 Microsoft Flight Simuretoer X」又は「X-Plan」から選ばれることを推奨します。
航空機の機種では「 セスナ 172スカイホーク(米国)」 がお勧めです。
コンバット系からシミュレータから始めるのであれば「 UBISoft IL2 1946」又は「Micorosoft Combat Flight Simuretoer 3」から訓練機体を推奨です。
どれも 第二次世界大戦のレシプロ機体の中からの選定となりますが、スッピトファイア(英国)は安定性があり空では乗りやすい機体です。
但し、60年前の飛行機とは言え、スピードも馬力もセスナの3倍以上のモンスターです。覚悟して乗ってください。t