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【マイ設定】 各国部門

■リュトリザ(1) 遍織(あまねしき)様投稿【フリー】

部族連合
 リュトリザはひとつのまとまった国ではなく、12の部族が合わさった部族連合国です。国土の半分が砂漠という自然の厳しい土地柄であり、もともと遊牧民であるため、部族間で遊牧地をめぐって熾烈な争いが繰り広げられてきた歴史があります。表向き連合国として統一されたあとでも、部族間で軽い衝突が絶えない状況です。ですが、国全土を巻き込むような大きな戦乱はここ十数年来起きておらず、比較的平和といえます。

部族会議
 12の部族の族長は年に二度、首都ノエリサートに集い、会議を行います。普段は部族毎にそれぞれの領地を統治していますが、リュトリザ全体としての問題や重要な方針などはここで意思決定されます。また、部族間の争いも議会の召集により調停されます。(族長の他にそれぞれの部族からノエリサートに常駐する議員がいるかもしれません)

バノセン議長
 リュトリザの実質的な指導者として、バノセン議長がいます。ノエリサートの首長であり、議会の議長という立場ですが、どこの部族にも属しておらず、出自も謎に包まれています(噂では捨て子であり、本人にも確かなことはわからないらしい)。
 彼の名が歴史に登場するのは、リュトリザ国内でなく、遠くエスラディアの地においてでした。リュトリザの滅ぼされた部族の末裔や、自分と同じようなどこの部族にも属さない者たちを率いて、傭兵団を組織したバノセンは、エスラディアやリオニアでの戦争において武名をあげたのです。名のある傭兵団として諸国を巡り、大金を稼いだあと、事実上引退して傭兵団は解散します。(その後の数年の沈黙の間、バノセンはウェルルシアに滞在していたと言われる)。その頃、リュトリザでは部族間の緊張が高まり、全国的な戦乱が始まろうとしていました。おそらく部族のひとつが、伝説の傭兵団を率いていたバノセンを自陣に引き込もうと、ウェルルシアを訪ねたのでしょう。結果的に、バノセンは傭兵団を再結成し故郷に帰還します。ただ、どの部族にも味方しませんでした。むろん傭兵団の強力な武力の裏付けもあったのでしょうが、話し合いによって和解するよう各部族を説得したのです。そして、12部族会議が制定され、バノセンは議長として傭兵団とともにノエリサートに議会をおいたのです。当然、12部族はバノセンと傭兵団を恐れています。彼らが本気を出せば、リュトリザを武力で統一することも可能だったからです。いくつかの部族が協力すれば、バノセンを倒すことは可能ですが、長年争い合っているために各部族は力を結集できないのです。

ノエリサートの歴史
 ノエリサートには、かつてリュトリザを統一した王国の首都がありました。しかし、部族間の争いによって、王族は殺され、ノエリサートは廃墟と化しました。風化した遺跡となっていたこの都にバノセンは議会を置き、新たに復興させました。
 ところで、バノセンの側近にタディラットという青年がいます。高齢のバノセンの後継者と見られています。しかし、彼は年齢からして傭兵団に所属していた者ではありません。バノセンが傭兵団を解散し、リュトリザに戻るまでの間、つまりウェルルシアで知り合った者――まことしやかな噂によれば、かつてリュトリザを統一していた王族は根絶やしにされたのではなく、実はウェルルシアに亡命して生き残っており、タディラットはその末裔だというのです。バノセンはそのうち彼を王としてリュトリザを統一するのではないか、と恐れる部族もあるといいます。議会に縛られ、今までのように自由に武力で他部族を侵略することができず、表向き和平を結ばなければければならないことに対して不満を持つ部族は少なくなく、バノセンが老いて力を失うのを期に暗殺を企てているという噂もあります。

周辺諸国
 隣接するリオニアやウェルルシアなどと国交があります。基本的には、議会のバノセンが中心となっていますが、他国は部族の長をそれぞれの領地の国の長として遇し、個々に交易を行う方が有益であることを心得ており、部族それぞれが違った対応をしています。議会の方針として、和平的な交流をしていますが、国境付近の部族はリオニアやウェルルシアが侵略してくるのではないかと恐れており、半ば属国のような態度で大国の機嫌をとろうとする部族や、過度に警戒して他国人を警戒する部族もあります。また、リュトリザを内側から突き崩そうと他国が密かに手を回しており、すでに他国に寝返っているのではないかと、部族同士疑心暗鬼になっていることもあるかもしれません。

宗教
 天空神ミアを信仰すると同時に、邪神ウルスを畏怖しています。


■リュトリザ(2) 蒼山れい様投稿【フリー】


【〈水溢るる楽土〉エトワ=リタ】
 リュトリザ連邦北部から東部にかけて広がる平原。中央部の湖沼群と東部に接するグレマール湖の中間に位置し、豊かな水源と温暖な気候に恵まれたレーテス沿岸最大の穀倉地帯。『エトワ=リタ』はリュトリザの古語で『青い大地』を意味し、古代から水と緑に溢れた沃地であったことを物語っている。春には翡翠色、秋には黄金に輝き渡る美しい田園の風景は、吟遊詩人によって〈水溢るる楽土〉と数多の抒情詩に描かれた。
 数多くの部族が点在した古代のリュトリザ、特に南部の砂漠地方では長きに渡って部族間での抗争が続いていたが、エトワ=リタ地方では早くに統一国家(俗に旧王国と呼ばれる)が生まれた。限られたオアシスをめぐって争いが絶えず、少数部族がひしめき合っていた砂漠地方とは異なり、エトワ=リタ地方には部族数が少なく、潤沢な資源を有していたことが各部族を融和の道に導いたのだと考えられる。
 また、リュトリザに古くからある格言に『砂漠に生まれた男が振るうは剣、沃地に生まれた男が振るうは鍬』というものがある(『砂漠に生まれるのは戦士、沃地に生まれるのは農夫』ともいう)。砂漠で暮らす部族の多くが狩猟と遊牧を生業とする好戦的な人々であるのに対し、エトワ=リタ地方の各部族は農耕や定住地での牧畜によって安定的な暮らしと温厚な気質を形成した。こうした生活環境や気質の違いも一因ではないかとされる。
 旧王国はゆるやかな繁栄と平和を謳歌していたが、やがて砂漠地方で生まれた新たな統一国家(こちらは新王国と呼ばれる)に攻め滅ぼされてしまう。新王国は湖沼群にほど近いノエリサートに首都を置き、一時の栄華を極めるが、増えすぎた部族を束ねきることができず百年余りで瓦解した。以後のリュトリザは未曽有の乱世を迎え、十二の大部族が同盟を結んだ末に『リュトリザ連邦』が生まれるのは数百年以上のちのことである。