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【テルミア・ストーリーズ+】設定資料集 〜勇者の伝説〜
テルミア大陸には、いにしえの勇者の伝説があります。
勇者の物語は、国や地方によってさまざまに語り伝えられていますが、リオニアの正史では、彼は、天空神ミアの使いである翼ある獅子・聖獣リオノスと共に戦ってリオニア国の礎を築いたと伝えられています。
リオニアの国名も、この、『翼獅子(よくじし)リオノス』に由来します。
リオニアでは、この勇者は異世界からの来訪者だったと伝えられており、しかも王家の始祖であることになっているので、この国では、『異世界から来た』という自己紹介が比較的通用しやすく、異世界からの来訪者が受け入れられやすい素地があるでしょう(他国では、たぶん、そうはいかないでしょう)。
また、おおやけには勇者は男性で、この地の女性を娶って王家の始祖になったと言われていますが、民間の伝承の中には、勇者が実は女性であったという説や、勇者本人ではなくその仲間が異世界人であったのだという説、さらに、勇者とその仲間が恋人同士でもあったという説もあります。
勇者の名は、一般には伝えられていません。
その名は神聖なものであるゆえに秘されていたのだという説、実は名乗ったが、この地の言葉では無かったので周囲の人が発音できずに仮の名で呼ばれていたとか、同じ理由で文字に残せなかったために真の名は忘れられてしまったのだという説があります。
もしかすると、どこかの古い写本の中に、勇者の本名がひっそりと書き残されていたりするかもしれません。
翼獅子についても、国や地方によって、姿はほぼ同じように伝えられていますが、翼の獅子、有翼覇獣など、様々な名で呼ばれています。
リオニアでは、リオノスというのが勇者と共に戦った個体の名前ということになっていますが、翼獅子という種族全体をリオノスと呼ぶ国もあります。
また、リオニアの伝説では、リオノスはモフオンという名の息子を伴っていたと言われています。
モフオンは小型の翼獅子で、リオノスの息子であるという説の他に、『リオノス』族とはまた別の翼獅子の種族名だという説もあります。聖獣であるリオノスの先触れの役割をする精霊だという説も、モフオンが成長して、あるいは多数合体してリオノスに変化するという伝説もあります。
いずれの伝説においても、モフオンは、ふわふわと愛らしい、小さな羽のある仔獅子のような姿で描かれます。
リオノスは、気高く美しい黄金の雄獅子の姿をしており、巨大な翼の色は白とも黄金とも言われます。体躯は巨大で逞しく、勇者を軽々と背に乗せて自在に空を翔けたと言われています。
この、リオノスまたはモフオンを、物語の中に必ず登場させてください。
伝説の勇者とリオノスの冒険そのものを描いてもいいし、そういう古い伝説がある国での平和な日常を描いてもいいです。
本物のリオノスを出してもいいし、たとえば通りがかった町の広場に勇者とリオノスの銅像が立っていたり、リオノスの絵の載った本、リオノスの紋章のついた旗や盾といった小道具を背景にちらっと出すだけでも、買い物のシーンでリオノスの図柄の硬貨を使うだけでも構いません。
また、必ずしも、『翼獅子』『リオノス』『モフオン』等の名称を出さなくても、読者には描写からそれと分かってニヤリとできるような形もありです。
ある世界では伝説上の動物であるリオノスやモフオンが、普通にそこらで飼われているパラレルワールドを描いても構いません。(奈良公園の鹿やお稲荷様の狐のように(笑)、伝説の中で『神の使い』であることと実在する動物であることは普通に両立可能かと)