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28.gif (298 バイト)大村政男さんの論文

 大村政男さん(現・日本大学名誉教授)の論文です。彼の論文はすでにかなり引用していますが、このページで紹介するのは、日本大学の研究紀要からです。なお、大村さんは血液型と性格の関係に否定的ですので、念のため。 -- H10.5.31

02.gif (288 バイト)論文1

 原題: 大村政男 1993 「血液型気質相関説」と「血液型人間学」の心理学的研究II 研究紀要,46,115-155.

Green_Ball9.gif (257 バイト) 血液型とType A行動

 次からは、『IV 血液型とType A行動』からの引用です。

 目的と方法 ストレス社会に生きなければならない人間の行動パターンが、性格にも重要な累積的影響を与えることはよく知られている。この研究の目的は、冠状動脈性心臓病(Coronary Heart Disease, CHD)を発病しやすい行動パターンを意味するType A行動が血液型と関連しているかどうかを検証してみようとするものである。
 Type A行動の特徴は、Table IV-1に掲げた14個のアイテムを見ればいちおう理解されると思うが、橋本宰の解説を付加しておこうと思う。
 a. 極端ともいえる精力的活動性:Type A者は、つねに「より少ない時間でより多くの仕事を!」というモットォを掲げている。この努力は休むことなく、しかも過度に続けられる。それは期限の有無とも関係しないのである。Type B者は期限が迫るにつれて仕事量を増加させるが、Type A者はつねに、なのである。Type A者は体力の限界に近い状態で活動を続けながら、疲労や不安を訴えることが少ない。 それらは妨害要因として抑圧されているのかもしれない。このことは、自分の体力を過信する結果となり、CHDを予防するうえで危険なメカニズムといえる。
 b. 時間的切迫感:「より少ない時間でより多くの仕事を!」という過度の活動性は、Type A者に慢性的な時間的切迫感を生み出す。性急な行動はかれらの代表的な行動になってくる。
 c. 攻撃性:性急な行動は、Type A者にしばしば欲求不満を起こさせ、苛立ちや攻撃反応を引き出す準備状態を醸成する。特に、他人から仕事を妨害されたり、批判的な評価を受けるとかれらは猛然と反撃してくる。
 d. エネルギッシュな話し方:いままで述べた3つの基本的な特徴は、ある意味でType A者の話し方に最もよく集約されている。大きな声、強いイントネーション、早い口調、そして断定的でエネルギッシュな演説調の話し方のスタイルは、Type A者に顕著に認められるところである。
 Type A行動をCHDに結びつける過程には、多くの生物的要因と生理的メカニズムが関与するものと考えられるが、この行動がもたらす過度の交感神経の興奮と副腎髄質ホノレモン、特にノルエピネフリンがこの過程を媒介する重要な役割を担っているものと推測され、いっそうの追究が望まれるところである。それでは、血液型とはどうであろうか。
 この研究で使われたType A行動に関するアイテムはTable IV-1に載せたとおりである。
 被験者は、これら14個のアイテムにyes-noの2件法で回答していくことになる。得点は0点から14点に分布するが、ここでは14個のアイテムごとの肯定回答を、血液型別に検討していくことにする。
 Type A行動の診断については、これだけのアイテムではもちろん不適当で、さらに多くのアイテムを必要する。がんらい、質問紙、あるいは問診表はアイテムが多くなくては効果がない。しかし、ここでは14個のアイテムに依存することにしよう。

Table IV-1 Type A行動に関する14個のアイテム

1. 約束した時刻に決して遅れない。
2. 競争意識が非常に旺盛である。
3. 人が話をしているところに口を出して話を取ってしまう。
4. いつも急いでいる(性急である)。
5. 待つべきときに待てない。
6. 目標達成のためには、あらゆる手段を使う。
7. ―度にいくつもの仕事をし、やっているうちに次の仕事を考える。
8. 行動がいつも敏速である。
9. 厳しいダイナミックな生き方をする。
10. 感情を顔や動作に出しがちである。
11. いろいろなことに興味を持つ。
12. 社会的にもつともつと伸びたいと思う。
13. 話し方がエネルギッシュである。
14. 「仕事のやり手」だということを他人に認めてもらいたいと思う。

 被験者は、日本大学文理学部の学生と通信教育部の学生である。Table IV-2には、被験者の血液型別人数が示されている。

Table IV-2 この研究の被験者 単位:人

性別

O型者 A型者 B型者 AB型者 全体
男子 183 227 153 65 628
女子 52 73 44 20 189

 結果 すでに触れているように、ここではTable IV-1掲げられた14個のアイテムについての各血液型者の肯定回答をまとめていくことにする。

Table IV-3 Type A行動と血液型との関連(男子) → 一部省略

アイ
テム

O型者
183人

A型者
227人

B型者
153人

AB型者
65人

1

57.9

45.4

51.0

49.2

2

56.8

48.0

46.4

44.6

3

20.2

15.9

13.1

13.8

4

23.0

25.6

21.6

27.7

5

23.5

20.3

19.0

16.9

6

44.8

44.5

41.8

36.9

7

33.9

31.3

32.7

24.6

8

39.3

41.0

43.1

40.0

9

25.1

19.8

23.5

16.9

10

43.7

39.2

43.8

53.8

11

92.9

89.4

87.6

84.6

12

95.6

87.7

90.2

81.5

13

30.6

35.7

31.4

32.3

14

64.5

63.0

56.9

60.0

 Table IV-3は、男子におけるType A行動と血液型との関連を示したものである。84対の比較のうち、 有意な差を表わしていたのはわずかに6対にすぎない。すなわち、アイテム1(O>A)、アイテム10(A<AB)、アイテム11(O>AB)、アイテム12(O>A、O>B、O>AB)である。O型者の優位が見られるが、O型者が関与する42対の比較のうち、わずか5対にすぎないのである。しかも、Table IV-4の女子のデータにおいてはこれらがほとんど逆転してしまっている。

Table IV-4 Type A行動と血液型との関連(女子) → 一部省略

アイ
テム

O型者
52人

A型者
73人

B型者
44人

AB型者
20人

1

30.8

45.2

36.4

25.0

2

30.8

37.0

34.1

30.0

3

19.2

19.2

11.4

30.0

4

9.6

30.1

22.7

30.0

5

15.4

16.4

13.6

20.0

6

34.6

27.4

31.8

35.0

7

38.5

24.7

34.1

40.0

8

40.4

31.5

29.5

40.0

9

13.5

11.0

20.5

10.0

10

36.5

31.5

45.5

35.0

11

84.6

75.3

97.7

80.0

12

82.7

86.3

90.9

95.0

13

30.8

24.7

34.1

25.0

14

59.6

58.9

70.5

75.0

 Table IV-4を見ると、84対の比較のうち、有意な差を表わしていたのはわずか5対にすぎない。すなわち、アイテム4(O<A、O<AB)、アイテム11(O<B、A<B、B>AB)である。ここでもO型者が関与しているのが目にとまるが、これも42対の比較のうち、わずか3対で、しかもO型者の肯定反応が他の血液型者よりも優れて低位になってしまっている。
 これはどうしたことだろうか。

Green_Ball9.gif (257 バイト) 私の解釈

 なるほどですね。しかし、次の表を見てください。

Table IV-3を一部変更 Type A行動と血液型との関連(男子)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

N

183

227

153

65

-

-

-

1

57.9

45.4

51.0

49.2

8.7

5.6

12.5

2

56.8

48.0

46.4

44.6

12.2

1.6

12.2

3

20.2

15.9

13.1

13.8

6.4

2.8

7.1

4

23.0

25.6

21.6

27.7

4.7

4

6.1

5

23.5

20.3

19.0

16.9

6.6

1.3

6.6

6

44.8

44.5

41.8

36.9

7.9

2.7

7.9

7

33.9

31.3

32.7

24.6

9.3

1.4

9.3

8

39.3

41.0

43.1

40.0

0.7

2.1

3.8

9

25.1

19.8

23.5

16.9

8.2

3.7

8.2

10

43.7

39.2

43.8

53.8

10.1

4.6

14.6

11

92.9

89.4

87.6

84.6

8.3

1.8

8.3

12

95.6

87.7

90.2

81.5

14.1

2.5

14.1

13

30.6

35.7

31.4

32.3

1.7

4.3

5.1

14

64.5

63.0

56.9

60.0

4.5

6.1

7.6

-

-

-

-

103.4

44.5

123.4

Table IV-3を一部変更 Type A行動と血液型との関連(女子)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

N

52

73

44

20

-

-

-

1

30.8

45.2

36.4

25.0

5.8

8.8

20.2

2

30.8

37.0

34.1

30.0

0.8

2.9

7.0

3

19.2

19.2

11.4

30.0

10.8

7.8

18.6

4

9.6

30.1

22.7

30.0

20.4

7.4

20.5

5

15.4

16.4

13.6

20.0

4.6

2.8

6.4

6

34.6

27.4

31.8

35.0

0.4

4.4

7.6

7

38.5

24.7

34.1

40.0

1.5

9.4

15.3

8

40.4

31.5

29.5

40.0

0.4

2

10.9

9

13.5

11.0

20.5

10.0

3.5

9.5

10.5

10

36.5

31.5

45.5

35.0

1.5

14

14.0

11

84.6

75.3

97.7

80.0

4.6

22.4

22.4

12

82.7

86.3

90.9

95.0

12.3

4.6

12.3

13

30.8

24.7

34.1

25.0

5.8

9.4

9.4

14

59.6

58.9

70.5

75.0

15.4

11.6

16.1

- - - -

87.8

117.0

191.2

Table IV-3/4を一部変更 Type A行動と血液型との関連(合計)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

N

235

300

197

85

-

-

-

1

51.9

45.4

47.6

43.6

1.2

0.7

8.3

2

51.0

45.5

43.6

41.2

2.7

3.4

9.8

3

20.0

16.7

12.7

17.5

4.4

5.2

7.3

4

20.0

26.6

21.9

28.2

3.2

0.0

8.2

5

21.7

19.4

17.8

17.6

3.8

0.9

4.1

6

42.5

40.5

39.5

36.5

1.9

0.6

6.1

7

34.9

29.8

33.0

28.2

5.2

1.3

6.8

8

39.5

38.8

40.0

40.0

2.1

11.4

1.2

9

22.5

17.8

22.8

15.3

6.9

5.7

7.5

10

42.1

37.4

44.2

49.5

10.9

0.4

12.0

11

91.1

86.1

89.9

83.5

7.7

1.4

7.5

12

92.7

87.4

90.4

84.6

4.0

1.7

8.1

13

30.6

33.2

32.0

30.6

5.4

4.7

2.5

14

63.4

62.1

60.0

63.5

7.4

0.7

3.4

- - - -

66.8

38.2

92.9

 大村さんの説明は正しいのです。ただ、サンプル数が少ないので有意差が出るデータはごく一部だということだけです。別におかしな結果ではありません。
 また、最大と最小の差の合計を見てみるとわかりますが、男子が123.4、女子が191.2、平均が92.9となっています(太字)。どういうわけか、男子と女子とを合計すると差が小さくなるようです。これは、サンプル数の違いからデータのバラツキ(誤差)が少なくなったとも考えられます。そこで、サンプル数の違いを考慮して合計の計算をしてみると、104.7となります。ということは、バラツキが減った以上に差が小さくなったことになりますね。はて?
 そこで、私の仮説を思い出してみてください。え、覚えていないって? では、再度書いておきましょう。

1.回答者が均質でないといけない(つまり、同じ大学の大学生なんかがいちばんいい)
2.回答者総数が数百人以上でないといけない(できれば千人以上で血液型別の人数が同じならなおよい)
3.能見さんの本の血液型別の特徴を質問項目にすること(一般の性格テストではダメ)
4.能見さんの本の血液型別特徴と回答結果は必ずしも一致しない(とにかく差が出ればよい)

 つまり、男子と女子とでは、血液型による回答の傾向が違うのです。ですから、回答者を均質にしないと差が出にくくなるのということですね。こんなに簡単に実証できるとは…私自身も驚いています。(^^) →詳しくはこちら

Green_Ball9.gif (257 バイト) 血液型と情意徴標検査

 今度は、『V 血液型と情意徴標検査』からの引用です。

 目的と方法 成田勝郎と鰭崎轍によって作成された「心情質検査」は、別名を「情意徴標検査」といっている。この検査は問診法なのであるが、ここでは集団的に実施し、血液型との関連を求めていこうと思う。
 この研究で用いられた情意徴標検査は、次の14徴標を問診、あるいは検査によって明らかにしようとするものである。

@ 抑うつ性:極度に沈んだ感情が持続する。
A 無力性:心身のはたらきに対し不十全感が非常に強い。
B 過感性:周囲の動きを自分に関係づける感情が非常に強い。
C 強迫性:考えや感情が強く固着して離れなくなってしまう。
D 自己不確実:自分のすることに確実感が失われている。
E 内閉性:他人との心的な交流意識が失われている。
F 粘着性:なにかやりはじめると意欲の方向が変わらなくなってしまう。
G 意志欠如:他からのはたらきかけによって意欲の方向がたやすく変わってしまう。
H 即行性:なにかしようという意欲がたちどころに発動してしまう.
I 不安定性:意欲がさまざまな方向につねに揺れ動いている。
J 気分易変性:気分の安定性が失われている。
K 自己顕示:実際以上に自分を表わそうとする感情が非常に強い。
L 爆発性:怒りの感情が短絡的に激しく発散する。
M 爽快性:はなはだしく浮いた気分がいつも持続している。

 これらの14徴標については、それぞれ5段階のレベルにわたるアイテムが用意されていて、被験者はそれらのうちから自分に適合したアイテムを1つだけ選ぶことになる。「内閉性」という徴標を例にしてそのアイテムを明らかにしておこう。

 内閉性:打ちとけあう相手がなくても、なんともないか。

イ いつに限らず打ちとけあう相手がないと、どうしてもものたりない。
ロ 打ちとけあう相手がなくても、時によってはものたりなくない。
ハ 打ちとけあう相手がなくても別にものたりなくない。いつも自分は自分だけの気持でいてなんともない。  、
二 打ちとけあう相手などないほうがいい。いつも自分は自分だけの気持でいて、人と打ちとけあう気にはどうしてもなれない。
ホ 人と打ちとけあうということなど思ってみたこともないし、人の仲間入りなどしたこともない。

 これら5段階のアイテムのうち、イは反対徴標、ロは普通徴標、ハは固有徴標、二は偏埼徴標、ホは異常徴標と呼ばれる。この研究では、被験者が固有徴標以上(ハ・ニ・ホ)のレベルで回答している徴標を調べ、血液型と対応させることにする。ハの固有徴標とはその人の個性的な傾向で、二はその偏向を示し、ホはさらにその逸脱を表わすものである。しかし、集団的な実施では、すべてを個性的な傾向として処理したほうがいいと思う。
 被験者は、日本大学文理学部と通信教育部の学生である。Table V-1には、被験者の血液型別人数が示されている。

Table V-1 この研究の被験者 単位:人

性別

O型者 A型者 B型者 AB型者 全体
男子 183 227 156 65 631
女子 52 76 44 20 192

 結果 ここでは、14徴標におけるハ・ニ・ホの出現率をまとめてみようと思う。Table V-2には男子における14徴標と血液型との関連が、Table V-3には女子におけるそれがまとめられている。

Table V-2 14徴標(ハ・ニ・ホ)の血液型者別出現率(男子) → 一部省略

アイ
テム

O型者
183人

A型者
227人

B型者
156人

AB型者
65人

1

10.9

13.2

11.5

13.8

2

11.5

11.9

6.4

10.8

3

18.0

20.3

14.1

27.7

4

26.2

22.9

23.1

30.8

5

33.3

29.1

23.7

40.0

6

9.3

9.7

7.7

10.8

7

24.0

21.6

23.7

21.5

8

33.9

31.7

42.9

36.9

9

37.2

34.4

40.4

30.8

10

13.7

16.7

16.7

23.1

11

38.8

43.2

41.7

50.8

12

55.7

56.4

55.1

64.6

13

18.0

18.1

18.6

16.9

14

44.8

46.3

43.6

38.5

 Table V-2(男子)を見ると、過敏性ではB<AB、自己不確実ではB<AB、意志欠如ではA<Bが有意の差になっている。次に、Table V-3(女子)を見ると、抑うつ生ではO>A、過敏性ではA>AB、自己不確実ではO<B・A<B・B>AB、内閉性ではO>A、不安性ではO<AB、爆発性ではA<B・B>ABが有意の差になっている。B型の女子の自己不確実が他の血液型者よりも優れて目立っているだけである。血液型性格診断の信奉者でも、このような結果に積極的な意味づけを行なうことはとてもできないであろう。

Table V-3 14徴標(ハ・ニ・ホ)の血液型者別出現率(女子) → 一部省略

アイ
テム

O型者
52人

A型者
76人

B型者
44人

AB型者
20人

1

30.8

15.8

18.2

15.0

2

25.0

23.7

27.3

15.0

3

23.1

31.6

29.5

10.0

4

21.2

30.3

29.5

20.0

5

30.8

32.9

54.5

25.0

6

13.5

2.6

6.8

0.0

7

34.6

26.3

25.0

20.0

8

30.8

28.9

40.9

30.0

9

38.5

40.8

45.5

30.0

10

3.8

13.2

11.4

20.0

11

36.5

39.5

38.6

30.0

12

73.1

65.8

77.3

60.0

13

25.0

13.2

31.8

5.0

14

46.2

32.9

38.6

35.0

Green_Ball9.gif (257 バイト) 私の解釈

 なるほどですね。しかし、次の表を見てください。

Table IV-2を一部変更 14徴標(ハ・ニ・ホ)の血液型者別出現率(男子)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

N

183

227

156

65

- -

-

1

10.9

13.2

11.5

13.8

2.9

1.7

2.9

2

11.5

11.9

6.4

10.8

0.7

5.5

5.5

3

18.0

20.3

14.1

27.7

9.7

6.2

13.6

4

26.2

22.9

23.1

30.8

4.6

0.2

7.9

5

33.3

29.1

23.7

40.0

6.7

5.4

16.3

6

9.3

9.7

7.7

10.8

1.5

2.0

3.1

7

24.0

21.6

23.7

21.5

2.5

2.1

2.5

8

33.9

31.7

42.9

36.9

3

11.2

11.2

9

37.2

34.4

40.4

30.8

6.4

6.0

9.6

10

13.7

16.7

16.7

23.1

9.4

0.0

9.4

11

38.8

43.2

41.7

50.8

12

1.5

12.0

12

55.7

56.4

55.1

64.6

8.9

1.3

9.5

13

18.0

18.1

18.6

16.9

1.1

0.5

1.7

14

44.8

46.3

43.6

38.5

6.3

2.7

7.8

-

-

-

-

75.7

46.3

113.0

Table V-3を一部変更 14徴標(ハ・ニ・ホ)の血液型者別出現率(女子)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

N

52

76

44

20

-

-

-

1

30.8

15.8

18.2

15.0

15.8

2.4

15.8

2

25.0

23.7

27.3

15.0

10

3.6

12.3

3

23.1

31.6

29.5

10.0

13.1

2.1

21.6

4

21.2

30.3

29.5

20.0

1.2

0.8

10.3

5

30.8

32.9

54.5

25.0

5.8

21.6

29.5

6

13.5

2.6

6.8

0.0

13.5

4.2

13.5

7

34.6

26.3

25.0

20.0

14.6

1.3

14.6

8

30.8

28.9

40.9

30.0

0.8

12

12.0

9

38.5

40.8

45.5

30.0

8.5

4.7

15.5

10

3.8

13.2

11.4

20.0

16.2

1.8

16.2

11

36.5

39.5

38.6

30.0

6.5

0.9

9.5

12

73.1

65.8

77.3

60.0

13.1

11.5

17.3

13

25.0

13.2

31.8

5.0

20

18.6

26.8

14

46.2

32.9

38.6

35.0

11.2

5.7

13.3

-

-

-

-

150.3

91.2

228.2

Table V-2/3を一部変更 14徴標(ハ・ニ・ホ)の血液型者別出現率(合計)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

N

235

303

200

85

-

-

-

1

15.3

13.8

13.1

14.1

1.2

0.7

2.2

2

14.5

14.7

11.3

11.8

2.7

3.4

3.4

3

19.1

22.9

17.7

23.6

4.4

5.2

5.9

4

25.1

24.6

24.6

28.3

3.2

0.0

3.7

5

32.7

30.0

30.9

36.5

3.8

0.9

6.5

6

10.2

8.0

7.5

8.3

1.9

0.6

2.7

7

26.3

22.7

24.0

21.2

5.2

1.3

5.2

8

33.2

31.0

42.4

35.3

2.1

11.4

11.4

9

37.5

35.9

41.6

30.6

6.9

5.7

11.0

10

11.5

15.9

15.5

22.4

10.9

0.4

10.9

11

38.3

42.3

41.0

45.9

7.7

1.4

7.7

12

59.6

58.6

60.3

63.5

4.0

1.7

4.9

13

19.5

17.0

21.7

14.1

5.4

4.7

7.6

14

45.1

43.2

42.4

37.7

7.4

0.7

7.4

-

-

-

-

66.8

38.2

90.4

 これまた大村さんの説明は正しいのです。ただ、サンプル数が少ないので有意差が出るデータはごく一部だということだけです。別におかしな結果ではありません。
 また、最大と最小の差の合計を見てみるとわかりますが、男子が113.0、女子が228.2、平均が90.4となっています(太字)。これも、男子と女子とを合計すると差が小さくなるようです。サンプル数の違いからデータのバラツキ(誤差)が少なくなったと仮定して合計の計算をしてみると、101.7となります。ということは、やはりバラツキが減った以上に差が小さくなったことになりますね。
 私の仮説を再度書いておきましょう。

1.回答者が均質でないといけない(つまり、同じ大学の大学生なんかがいちばんいい)
2.回答者総数が数百人以上でないといけない(できれば千人以上で血液型別の人数が同じならなおよい)
3.能見さんの本の血液型別の特徴を質問項目にすること(一般の性格テストではダメ)
4.能見さんの本の血液型別特徴と回答結果は必ずしも一致しない(とにかく差が出ればよい)

 またまた、男子と女子とでは、血液型による回答の傾向が違うようです。2回同じ結果が出たのですから間違いないのでしょう…たぶん。(^^;;

Green_Ball9.gif (257 バイト) 血液型と矢田部ギルフォード性格検査(YG検査)

 今度は、『VII 血液型と矢田部ギルフォード性格検査(YG検査)』からの引用です。測定できる全12尺度について各10項目(ですから全部で120問)のテストを行っています。下の表は、一部のデータだけ引用して、OvsAB、AvsB、最大-最小を計算し追加してあります。なお、被験者は、日本大学文理学部の学生です。

この研究の被験者 単位:人

性別

O型者 A型者 B型者 AB型者 全体
男子 35 53 23 11 122
女子 32 41 28 8 109

YG検査の12尺度のkey answerに対する血液型者別肯定回答数(男子:%)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

D(抑うつ性)

52.0

53.8

45.2

42.7

9.3

8.6

11.1

C(回帰性)

41.4

52.5

35.2

39.1

2.3

17.3

17.3

I(劣等感)

35.7

46.0

33.0

40.0

4.3

13

13.0

N(神経質)

45.7

53.6

39.1

50.9

5.2

14.5

14.5

O(主観性)

40.9

42.1

30.4

45.5

4.6

11.7

15.1

Co(協調性)

35.1

39.4

28.3

37.3

2.2

11.1

11.1

Ag(攻撃性)

45.4

43.8

44.3

48.2

2.8

0.5

4.4

G(活動性)

38.0

27.9

38.3

41.8

3.8

10.4

13.9

R(衝動性)

48.6

42.3

45.2

41.8

6.8

2.9

6.8

T(思考的外向)

29.1

28.7

40.4

40.0

10.9

11.7

11.7

A(支配性)

34.3

31.7

37.8

36.4

2.1

6.1

6.1

S(社会的外向)

45.4

47.2

51.7

60.9

15.5

4.5

15.5

- - - -

69.8

112.3

140.5

YG検査の12尺度のkey answerに対する血液型者別肯定回答数(女子:%)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

D(抑うつ性)

47.2

60.7

36.8

52.5

5.3

23.9

23.9

C(回帰性)

44.4

47.8

35.0

35.0

9.4

12.8

12.8

I(劣等感)

40.3

44.6

31.4

51.3

11

13.2

19.9

N(神経質)

43.1

50.2

35.0

45.0

1.9

15.2

15.2

O(主観性)

39.4

42.7

35.4

26.3

13.1

7.3

16.4

Co(協調性)

31.3

21.0

17.9

27.5

3.8

3.1

13.4

Ag(攻撃性)

36.9

42.7

39.6

37.5

0.6

3.1

5.8

G(活動性)

33.4

31.2

42.5

26.3

7.1

11.3

16.2

R(衝動性)

49.7

44.1

41.1

26.3

23.4

3

23.4

T(思考的外向)

40.9

31.2

31.4

33.8

7.1

0.2

9.7

A(支配性)

35.6

27.8

28.2

30.0

5.6

0.4

7.8

S(社会的外向)

55.0

50.7

48.6

46.3

8.7

2.13

8.7

-

-

-

-

97.0

95.6

173.2

YG検査の12尺度のkey answerに対する血液型者別肯定回答数(合計:%)

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

max.-min.

D(抑うつ性)

49.1

57.1

41.2

47.3

1.8

15.8

15.8

C(回帰性)

43.2

50.3

35.1

37.2

6.0

15.2

15.2

I(劣等感)

38.4

45.3

32.2

45.3

6.9

13.1

13.1

N(神経質)

44.1

52.0

37.2

48.1

4.0

14.8

14.8

O(主観性)

40.0

42.4

32.8

36.4

3.6

9.6

9.6

Co(協調性)

32.8

30.7

23.4

32.7

0.2

7.3

9.4

Ag(攻撃性)

40.3

43.3

42.1

43.2

2.8

1.2

3.0

G(活動性)

35.3

29.5

40.3

34.5

0.8

10.8

10.8

R(衝動性)

49.3

43.1

43.3

34.5

14.8

0.1

14.8

T(思考的外向)

36.2

29.9

36.2

37.1

0.9

6.3

7.2

A(支配性)

35.1

29.9

33.3

33.4

1.7

3.4

5.2

S(社会的外向)

51.1

48.9

50.2

54.0

2.9

1.4

5.1

-

-

-

-

46.3

99.1

124.1

Green_Ball9.gif (257 バイト) YG性格検査−松井論文1との比較

 まず、このデータを松井豊さんの論文の論文1と比較してみましょう。同じ条件にするために、松井さんの男女比で大村さんのデータの男女の加重平均を計算してみました(計)。結果は…

共通の6尺度の比較 →最高値が赤 →最低値が青

C

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

大村・男

41.4

52.5

35.2

39.1

2.3

17.3

大村・女

44.4

47.8

35.0

35.0

9.4

12.8

大村・計

42.5

50.7

35.1

37.5

5.0

15.6

松井 5.16 5.11 5.68 5.74

0.58

0.57

N

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

大村・男

45.7

53.6

39.1

50.9

5.2

14.5

大村・女

43.1

50.2

35.0

45.0

1.9

15.2

大村・計

44.7

52.3

37.5

48.6

3.9

14.8

松井 5.47 5.69 5.65 5.66

0.19

0.04

R

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

大村・男

48.6

42.3

45.2

41.8

6.8

2.9

大村・女

49.7

44.1

41.1

26.3

23.4

3.0

大村・計

49.0

43.0

43.6

35.9

13.2

0.6

松井 5.25 5.23 5.78 5.66

0.41

0.55

Ag

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

大村・男

45.4

43.8

44.3

48.2

2.8

0.5

大村・女

36.9

42.7

39.6

37.5

0.6

3.1

大村・計

42.1

43.4

42.5

44.1

2.0

0.9

松井 5.48 5.41 5.51 5.53

0.05

0.10

S

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

大村・男

45.4

47.2

51.7

60.9

15.5

4.5

大村・女

55.0

50.7

48.6

46.3

8.7

2.1

大村・計

49.1

48.5

50.5

55.3

6.2

2.0

松井 7.04 7.16 7.05 7.60

0.56

0.11

A

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

大村・男

34.3

31.7

37.8

36.4

2.1

6.1

大村・女

35.6

27.8

28.2

30.0

5.6

0.4

大村・計

34.8

30.2

34.1

33.9

0.9

3.9

松井 4.72 4.64 4.64 4.60

0.12

0.00

合計

O

A

B

AB

OvsAB

AvsB

大村・男

- - - -

34.7

45.8

大村・女

- - - -

49.6

36.6

大村・計

- - - -

31.2

37.7

松井 - - - -

1.91

1.37

 N、Ag、Aの3つがほぼ同じ傾向を示しているようね。しかし、他はかなりバラついているようですね。これは困った…。
 実は、(うまい具合に?)この2つのデータは完全には同じ条件ではないのです。例えば、回答の選択方法は、大村さんは該当するかどうかの2者択一なのに対して、松井さんは「どちらともいえない」も加えた3者択一です。また、質問項目の数も、大村さんは1尺度に10項目なのに対して、松井さんは5項目です。更に、大村さんはサンプル数がやや少ない(200人強)ということもあり、こういう条件を考慮するとまずまず一致していると考えていいと思うのですが…。どうでしょう?甘いかな?(^^;;

 あれ?と気が付く人がいるかもしれないので、ちょっと書いておきましょう。YG性格検査も男女の平均を取ったら差が少なくなるのだろうかと? 実は、試算してみたのですが、確かに少なくはなります。しかし、バラツキ(誤差)の計算の方法をどうやっていいのかわかりませんので分析はあきらめました。(^^;; 誰か分かる人がいたら、ぜひ教えてください!

 いずれにせよ、データを分析すると、ほとんどデータは偶然では生じていいるのではなく、ちゃんとした説明が付けられることがわかります。あ〜、よかった(笑)。

Green_Ball9.gif (257 バイト) YG性格検査−松井論文2との比較

 次に、このデータを松井豊さんの論文の論文2と比較してみましょう。同じ条件にするためには、男女の合計で比較すればいいでしょう。結果は…

 →最高値が赤 →最低値が青 太字→逆転項目(値を負にして計計算)

D(抑うつ性) A型が高いのは一致しています

項目

O

A

B

AB

D(抑うつ性)

49.1

57.1

41.2

47.3

5 気晴らしの仕方を知らない

14.0 13.1 13.0 13.8

11 くよくよ心配する

30.8 33.9 32.2 31.9
44.8 47.0 45.2 45.7

C(回帰性) A型が高いのは一致しています

項目

O

A

B

AB

C(回帰性)

43.2

50.3

35.1

37.2

16. よくほろりとする

36.0 35.4 34.7 35.9
17. 気がかわりやすい 19.3 18.8 21.7 21.8
-55.3 -54.2 -69.8 -73.1

I(劣等感) 該当なし

項目

O

A

B

AB

I(劣等感)

38.4

45.3

32.2

45.3

N(神経質) A型が神経質なのは一致しています

項目

O

A

B

AB

N(神経質)

44.1

52.0

37.2

48.1

9. 人に言われたことを長く気にかけない 26.2 23.6 26.1 25.9

O(主観性) B型が主観的なのは一致しています

項目

O

A

B

AB

O(客観性)

40.0

42.4

32.8

36.4

12 空想にふける 25.9 25.9 27.3 25.7

Co(協調性) ぴったり一致しています

項目

O

A

B

AB

Co(非協調性)

32.8

30.7

23.4

32.7

24 人を訪問するのにてぶらではかっこうが悪い

37.9 36.9 36.8 36.9

G(活動性) 該当なし?

項目

O

A

B

AB

G(活動性)

35.3

29.5

40.3

34.5

R(衝動性) 該当なし?

項目

O

A

B

AB

R(衝動性)

49.3

43.1

43.3

34.5

T(思考的外向) A型が低いのは一致しています

項目

O

A

B

AB

T(思考的外向)

36.2

29.9

36.2

37.1

2. 目標を決めて努力する

27.6 28.2 25.5 29.1

4. 物事にこだわらない

38.3 33.0 39.3 36.9
15. 何かをする時は準備して慎重にやる 30.6 32.0 27.7 31.1

18. あきらめがよい

26.5 25.2 26.3 27.4

19. しんぼう強い

33.1 33.5 32.0 31.9

21. 引っ込み思案

22.3 23.4 23.5 23.2
51.0 44.3 54.9 53.6

A(支配性) O型が高いのは一致しています

項目

O

A

B

AB

A(支配性)

35.1

29.9

33.3

33.4

3 先頭に立つのが好き 13.6 12.5 11.6 11.9

S(社会的外向) A型が低いのは一致しています

項目

O

A

B

AB

S(社会的外向)

51.1

48.9

50.2

54.0

1. 誰とでも気軽につきあう

42.4 40.9 41.8 42.8

10. 友達は多い

38.5 36.3 36.4 36.7
14. 家にお客を呼びパーティするのが好き 16.4 16.5 16.3 16.8

13. 人づきあいが苦手

20.7 20.8 20.1 22.0

23. 話をするよりだまって考え込む

16.1 16.5 14.9 15.4
60.5 56.4 59.5 58.9

 残念ながら、全部一致するものはなかなかありません。これは、大村さんのデータのサンプル数が少ないことと、私の質問項目の分類がいいかげんだからだと思いますが…。ただ、だいたいの傾向は一致しますね。(^^;;

Green_Ball9.gif (257 バイト) YG性格検査の弱点?

 今までの計算の結果、面白いことがわかりました。YG性格検査は、もともとの回答の選択方法は「はい」「いいえ」「どちらともいえない」の3者択一です。データを見るとわかりますが、松井さんのデータは3者択一なので、O対ABの差がA対Bより大きくなっています。しかし、大村さんのデータでは2者択一なので、O対ABの差はA対Bより小さくなっています。どうもこれは偶然ではないようです。というのは、YG性格検査からの質問項目だと思われるJNN Data Bankのデータ(大村さんと同じ2者択一で、項目数も12尺度のちょうど2倍の24項目です)でも全く同じ傾向を示しているからです(松井豊さんの論文の論文2と坂元章さんの論文を参照)。つまり、2者択一だと(どういうわけか?)O対ABの差が減るのです。これは、A型がけじめをはっきりつけ、B型がそうでないからかもしれません。O型とAB型はその中間ですからね。残念ながら、詳細なデータの分析ができない(質問項目が公開されていない)ので単なる推測ですが…。

Green_Ball9.gif (257 バイト) 性格テストの欠点?

 実は、YG性格検査に限らず、心理学の性格テストには別の欠点もあります。というのは、質問紙法のほとんどは1つの尺度を計算するのに複数の質問を使っているからです。しかし、同じ尺度の質問でも、血液型によって反対の回答をしている可能性があります。残念ながら、質問が公開されていないのでこれはあくまでも推測ですが、データを見ていると確実にそう言えます。というのは、性格テストでは10%以上の差が出ている尺度がほとんどないからです。普通は、うまく質問を選んでやれば10〜20%の差なんて簡単に出ますからね。ですから、能見さんの言っているとおり、性格テストは血液型による性格の差を分析するのには向いていないのです。なるほど…。

02.gif (288 バイト)論文2

 原題: 大村政男 1989 血液型気質相関説の批判的研究 研究紀要,38,53-77.

 次は、『C 血液型と恋愛』からの引用です。

C 血液型と恋愛
 血液型と恋愛、血液型と相性、血液型と結婚、このような分野は若い女性たちのプレイグランドである。能見俊賢はその著「血液型恋愛学」で、約500人のサンプルについて行なった調査結果を紹介している。彼はそこで「サンプルが十分とはいいきれない。厳密に科学的な態度で重むなら、この程度のサンプル数でなにか結論を引き出すのは無理ということは承知している」と述べている。500人内外のサンプルでもかまわないのであるが、約500人という人数の提示には困惑する。能見正比古はかつて血液型と「食事の仕方」、「精神的疲れのいやし方」、「寝つきの良さ悪さ」などで驚嘆に価する歪みのあるデータを使って結論を出している。サンプルの血液型分布が日本人における分布と大幅にずれているのである。

Table 32 「あなたは他人からどんな女性に見られたいですか」についての解答

血液型

O

A

B

AB

調査者

能見

大村

能見

大村

能見

大村

能見

大村

N

?

139

?

209

?

106

?

41

1.かわいい女

36.8

27.3

43.1

22.0

40.7

34.9

44.3

24.4

2.思いやりのある女

29.2

42.5

30.1

47.9

28.0

38.8

26.2

53.7

3.知的な女

6.9

9.4

9.2

9.6

11.9

9.4

11.5

2.4

4.個性的な女

13.9

11.5

9.2

12.9

6.8

6.6

9.8

12.2

5.セクシーな女

3.5

0.7

0.7

1.9

1.7

0.9

1.6

0.0

6.自立した女

1.4

3.6

2.6

1.9

0.9

2.8

4.9

2.4

7.楽しい女

8.3

5.0

5.2

3.8

10.2

6.6

1.6

4.9

合計(%)

100.0

100.0

100.1

100.0

100.2

100.0

99.9

100.0

 ここに紹介されているデータは、その提示の仕方に問題があってこれ以上の追究はできないが、20歳前後の若い女性たちに同じアンケートをして、その所説の安定性を確かめることはできる。Table 32は、「あなたは他人からどんな女性に見られたいですか」という質問に対する回答のまとめである。能見は「かわいい女」に注目し、「AB型、A型が多く、O型がかなり少ない。AB型女性特有の“童女願望”がよく出ているといえそうだ。O型は“かわいい女”を敢えて避けたという感じがする。“かわいさ”がどうせ主流なら、自分はわが道を行く、という心意気だ。他の血液型に比べ、突出して多いのが“個性的な女”だというのだから、見事なものではないか」といっている。古川も、古川を模倣した能見も、客観的事実をいかに主観的枠組に詰め込む厳め込むかに狂奔した。「こうである(存在)」というより「こうでなければならない(当為)」が先行するのである。Table 32に掲げられているわたくしのデータのうち、「かわいい女」志向のA型者(46人、22.0%)とB型者(37人、34.9%)には有意差が見られるが、他の部分においてはなんらの有意差も見られていない。女性の恋愛行動についての過敏性を利用して妄説を撒布するのは罪悪といえるだろう。

 私は初めて能見さんと同じデータでの反論を見ました! う〜ん、探すのに随分長くかかったものです。残念ながら、この手の反論にはお手上げです。こんな反論が増えてくると困るなぁ(苦笑)。
 このデータは非常に都合が悪いのですが、大村さんに敬意を表して敢えて掲載しました。


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最終更新日:平成10年5月31日

E-mail: abofan@js2.so-net.ne.jp