非行政書士行為 1


 行政書士でない者が、行政書士業務を行うことを「非行政書士行為」といいます。
 違反すると行政書士法の罰則規程により罰せられる事になります。

 司法書士による非行政書士行為 1


 現在の司法書士は、不動産の権利登記のみを独占とする為、司法代書人として代書人(行政書士)から独立しました。
 弁護士との裁判で不動産の権利登記は我々の専権業務だと言っていたのはこれが理由です。
 司法書士は、不動産の権利登記を業とする職業です。
  ※ 商業登記と裁判所提出書類については、後述します。

 司法書士による行政書士法違反の実態をここに記します。
 尚、本コラムに書いた事は私が直接見た事実であり、証拠も入手しています。

 事例1) 司法書士による内容証明郵便の作成


 権利義務・事実証明に関する書類の作成は行政書士の業務です。

 内容証明郵便の作成は司法書士の業務ではありません。
 司法書士の先生方のサイトで内容証明郵便の紹介・依頼誘致をしているものを見かけますが、これは明らかな行政書士法(及び弁護士法)違反です。
 もし行政書士登録をしているのであればその旨表示すべきです。

 司法書士が、司法書士名で「通知人・通告人司法書士」等と名乗り、内容証明郵便を作成している証拠の写しが手元にありますが、良くこんな事ができるなと呆れてしまいます。
 仕事が無いのでしょうか・・・

 この原因として考えられるのは、近年の司法書士法改正でしょう。
 誤った解釈をしている司法書士が非常に多いのです。

 司法書士は内容証明郵便の作成を業とすることは出来ません。

 司法書士が誤って解釈している司法書士法を記述します。
 大変失礼な話ですが、国語を勉強していれば理解できます。

 司法書士法 第3条
 6.簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。
 7.民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は仲裁事件の手続若しくは裁判外の和解について代理すること。

 簡易裁判所で手続き又は140万円以内の紛争仲裁・裁判外和解が出来るとなったのであり、権利義務・事実証明に関する書類の作成が出来るようになったのではありません。

 そもそも「裁判所に提出する書類の作成」という一文が法改正の名残で残っていただけで、簡易裁判所の手続・仲裁・和解が出来るようになっただけなのです。
 (司法代書人法制定時は、弁護士〈旧代言人〉が裁判書類の作成をしていた事が容易に推測でき、司法代書人は専ら1日で終わる不動産権利登記を行っていた事が分かります。訴状作成は司法代書人で訴訟代理人は弁護士、という事は考えられません。)

 司法書士が内容証明郵便の作成が可能であるとするならば、140万円以下の訴訟手続きの対象となった紛争について、仲裁・和解の手続きをする場合です。
 紛争というのは法律事件のことであり、法律事件というのは裁判沙汰(訴訟手続き)ということです。
 紛争に発展していない段階では、認定司法書士は内容証明郵便の作成をすることは出来ません。

 行政書士は権利義務に関する書類の作成ができます。
 目的の価格に制限はありません。
 行政書士は、依頼人の権利(損害賠償請求)を内容証明郵便などの書面で相手に伝える事ができます。
  ※仲裁・和解交渉はできません。

 私の手元にある内容証明の写しは、目的の価格が不明であり、当事者同士の意見の食い違いも無い状態です。むしろ受取人は好意的でした。紛争ではありません。

 内容証明郵便のご依頼は行政書士にお任せ下さい。

 


 小林のコラムに関するご意見・ご感想は、「はじめに」をよくご覧の上、メール又は信書にてお願いします。