行政書士法
第1条(目的)
この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて、国民の利便に資することを目的とする。
第1条の2(業務)
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
2 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。
第1条の3
行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
1.前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続について代理すること。
2.前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
3.前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。
附 則 (昭和五五年四月三〇日法律第二九号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、昭和五十五年九月一日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行の際現に行政書士会に入会している行政書士である者は、当分の間、この法律による改正後の行政書士法第一条の二第二項の規定にかかわらず、他人の依頼を受け報酬を得て、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項第一号及び第二号に掲げる事務を業とすることができる。
3 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成一五年七月三〇日法律第一三一号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年八月一日から施行する。ただし、附則第五条の規定は、公布の日から施行する。
(行政書士法人の業務の特例)
第二条 行政書士法の一部を改正する法律(昭和五十五年法律第二十九号)附則第二項の規定により社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項第一号及び第二号に掲げる事務を業とすることができる行政書士をその社員とする行政書士法人は、当該事務を業とすることができる。
以上が行政書士法の業務部分です。
附則の部分は、これから登録しようとする方には関係ありませんが、周辺知識として紹介しました。
社会保険労務士法
第二条(社会保険労務士の業務)
社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。
一 別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、再審査請求書その他の書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識できない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)をいう。以下同じ。)を作成すること。
一の二 (略)
一の三 (略)
一の四 (略)
二 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く。)を作成すること。
別表第一 (第二条関係)
(略)別表第一は、一〜三十三まで、53の法律(二十は二十から二十の二十一まで)が列挙されています。
昭和五十五年八月までに行政書士となっていれば、あるいはその行政書士を含めた行政書士法人は、上記法令の業務を行うことができます。
元々行政書士が行ってきた業務の内、社会保険に関することを分離して取り扱うことになり、社会保険労務士法が制定されました。
これまで社会保険に関する手続きを行ってきた行政書士は当然にその業務を行うことが自然である為、この条文があります。
税理士法
第51条の2(行政書士等が行う税務書類の作成)
行政書士又は行政書士法人は、それぞれ行政書士又は行政書士法人の名称を用いて、他人の求めに応じ、ゴルフ場利用税、自動車税、軽自動車税、自動車取得税、事業所税その他政令で定める租税に関し税務書類の作成を業として行うことができる。
税理士法施行令
14条の2
法51条の2に規定する政令で定める租税は、石油ガス税、不動産取得税、道府県たばこ税(都たばこ税を含む。)、市町村たばこ税(特別区たばこ税を含む。)、特別土地保有税及び入湯税とする。
税理士法
第2条(税理士の業務)
税理士は、他人の求めに応じ、租税
(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税
(地方税法(昭和25年法律第226号)第13条の3第4項に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、
法定外目的税(同項に規定する法定外目的税をいう。)
その他の政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、
次に掲げる事務を行うことを業とする。
税理士法施行令
第1条(税理士業務の対象としない租税)
税理士法(以下「法」という。)第2条第1項に規定する政令で定める租税は、印紙税、登録免許税、自動車重量税、電源開発促進税、関税、とん税、特別とん税及び狩猟税並びに法定外普通税(法第2条第1項に規定する法定外普通税をいい、地方税法(昭和25年法律第226号)第1条第2項において準用する同法第4条第3項若しくは第5条第3項の規定又は同法第734条第5項の規定によつて課する普通税を含む。)及び法定外目的税(法第2条第1項に規定する法定外目的税をいい、地方税法第1条第2項において準用する同法第4条第6項若しくは第5条第7項の規定又は同法第735条第2項の規定によつて課する目的税を含む。)とする。
行政書士が行政書士の名称を用いて申告できる税を、税理士法51条の2及び施行令14条の2で規定しています。
これは自動車に関する税を例にすれば理解しやすいでしょう。
自動車の手続きをして、自動車税の申告だけ税理士に依頼しても不都合極まりありません。
行政書士の方が適切な場合の典型的な例で、自動車関係の業務をする行政書士であれば皆が経験ある業務といえます。
税理士法2条及び施行令1条の税については、税理士業務の対象としていない租税を規定したものです。
参考までに紹介しました。
行政書士が携わることは殆ど無い租税だと思います。強いて言えば自動車重量税位でしょうか。
海のある都道府県であれば20トン未満の船舶に関する手続きでトン税などの申告があるのでしょう。
海事代理士法
第一条 (業務)
海事代理士は、他人の委託により、別表第一に定める行政機関に対し、別表第二に定める法令の規定に基づく申請、届出、登記その他の手続をし、及びこれらの手続に関し書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)の作成をすることを業とする。
附 則 (平成一六年六月二日法律第七一号) 抄
第一条(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第十九条(海事代理士法の一部改正に伴う経過措置)
行政書士は、当分の間、前条の規定による改正後の海事代理士法(以下「新海事代理士法」という。)第十七条第一項本文の規定にかかわらず、他人の委託により、業として新海事代理士法第一条に規定する行為(新海事代理士法別表第二第三号の二若しくは第五号の三に掲げる法律又はこれらに基づく命令の規定に基づく手続に係る行為に限る。)を行うことができる。
別表第二 (第一条関係)
一〜三 (略)
三の二 船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)
四〜五の二 (略)
五の三 内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)
内航海運業法及び船員職業安定法に基づく手続は行政書士の独占業務だったのですが、海事代理士法改正で海事代理士も業とすることができるようになり、行政書士との共管業務となったことを示すものです。
逆に、小型船舶登録法の創設によって、総トン数20トン未満の小型船舶についての手続きと書類の作成は行政書士の独占業務となったようです。(総務省・国土交通省照会回答)
海がないので実感がないのが本音です。
(※ ウィキペディア等の情報参考にしました。)