平和と基本的人権を守ろう!仲間たちの連絡会

 No98-7             webへいき連              2023年 5月

核廃絶へ無力・無策のG7サミット。緊張・対立を継続、高める働き
「台湾有事」、米中直接戦争の非リアル。短絡的軍拡でなく平和外交を

非武装中立論の表紙     

<シリーズ> 「非武装中立」のリアル 25 

◆G7サミットが始まった。債務上限問題で出席が危ぶまれた米バイデンの被爆地・広島の初訪問も叶い、何とか格 好はついた。「核廃絶の機運」を高める…と見栄を切る岸田もホットひと息か。中ロを排除、中ロへの軍事的、政治的対 抗を目的とする国際連携に何が期待できるのか。地元、「広島」を利用した、壮大な国際政治ショーに、莫大な税金が費 やされ捨てられる。米中両属、北方領土問題解決・対ロ関係重視の安倍戦略を否定した岸田には、核も、平和と安定も二 の次、三の次か。内閣支持率と解散総選挙の行方が全てか。入管もLGBTもどこかに消えて、世界の安定と平和、ウクライ ナの平和的解決、働く者と高齢者の生活の安定もさらに遠のく。

◆ウクライナの今後、有識者、専門家、防衛省の見立ても歯切れ悪く、曖昧に。一気呵成の反転攻勢で軍事的な結着 がつくはずだが、さて現実は。中国の中国・中央アジアサミットの開催。G7牽制の動き。NATOの東京事務所開設、 露骨な中国包囲戦略、アジア進出。好戦的で緊張を高める動きの連鎖、一方に与する軍事・経済同盟、誰が「世界の安定 と平和」を真に願い、構築するのか。米国覇権の衰退、米国経済の破綻と運命を共にするかのような岸田路線。仏マクロ ンのように、米国従属を拒否、見直す戦略もあるはずだが。与党化し資本にすり寄る連合中央。護憲の闘いも反戦・平和 の大衆運動にも背を向ける。何のため、誰のためのナショナルセンターか。今や勝共の一翼…は言い過ぎか。春闘はもは や、資本の論理に守られた資本の手の中での季節的イベントの様相。総資本のための経済政策の一つ。わが立民も反自民 のスタンスに立ち切れない。軍拡反対、一方に与する軍事同盟強化反対、短絡的な軍事による安全でなく外交の積み上げ を…の声は小さく、自信なさげ。台湾有事、北の脅威を持ち出されれば、勢いを失う。避けて通りたい。

◆ゼレンスキー大統領が広島に。サミット参加…の英国からの報(最終調整中)。誰が仕組んだのか過剰なる演出に、 広島の政治的利用。マスコミは大騒ぎ、大歓迎だ。「広島からの核廃絶」はますます霞み、ウクライナの平和的解決は遠 のくばかり。招待されたグローバルサウスの代表たちも、騙し討ちにあったようなもの。中ロと連携する反米、非米側諸 国の政治、経済、資源を巡る結束は一段と強まり、米英側との溝は深まるばかり。世界の分断が進む中、今やG20の存 在、役割の方が現実的で重みがある。そもそも、広島がなぜ被爆したか、なぜ戦争に至ったのかを振り返ってこその被爆 地・広島での開催である。米・日帝の対立、米国による原爆投下の戦争行為、無差別大量殺戮を不問に付したままでは、 核兵器廃絶と不戦の誓いの新たな起点とはなり得ない。マスコミのヨイショ報道は醜悪に過ぎる。

◆「台湾有事」、米中戦争は不可避との短絡的分析を大前提とする安全保障と国防の論議、政策。次のような見方が ある。……国連安保理常任理事国(P5)間に直接的な戦争はない…が国際的、歴史的な不文律、不文法と言われている。 今や米国覇権は衰退、崩壊が進む。中国が積極的に覇権をかけ米国を攻撃する理由はない。待てば良い。仮に米国がけし かけても台湾の側から中国を攻撃することはしない。自滅するだけだ。米国の支援も当てにはならない。対中経済関係は 依然重視され、台湾のための中国との国交断絶など考えてもいない。中国は台湾の政治状況を見ながら、譲歩を待つこと もできる。台湾の経済、領土の破壊は望まない、得策ではない。直接的にも、間接的にも米中の戦争は起きない……。戦 争勃発でなく、前段の緊張関係が長期に続くことを望む・意図する勢力はある。必ずしも、戦争を、直接の米中衝突を望 んでいるわけではない。米中激突には、飛躍があり、捏造がある。「代理戦争」はあっても、ウクライナで米国はロシア と直接に「戦争」しているわけではない。

◆「軍拡競争は最終的には衝突するか、破綻せざるを得ない」「米中など他国の対立に加わるのではなく、具体的な 平和外交の道筋を考える必要がある」と訴える有識者、専門家の声に耳を傾けながら、歴史を振り返り、現実を見極めな がら安全保障の論議を深め、広めたい。ウクライナ戦争の今後、台湾有事…に注目し、短絡的で情緒的な論議を廃し、戒 め、平和外交の力に確信を持ち、その実現と平和外交を担う主体の形成に努めたい。

※以下、今後の論議、学習の参考に、ご笑覧あれ。

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■春闘は資本と労働者の関係を知る、明らかにする闘い。
 かつて、賃金とは何かを学習した。賃金というものに表現される人と人の関係、賃金を支払う資本家と支払われる労働 者との関係、賃金に表現されている社会関係を闘いの中で学んだ。賃金を知ることで、労働者は自分が何であり、資本主 義社会の中でどんな位置を占めているかを理解できる。さて、連合春闘の内実は。
■反ファシズムの民主主義闘争の高揚を。
 戦前ドイツのブリュニング内閣、戦前日本の岡田、広田、林、近衛内閣の時代を想起したい。ファシズム政治体制は、 議会制民主主義の枠組みのもとで、議会が軽視され、行政府が優位に立つ状況を媒介にして成立。憲法と平和を守る、議 会制民主主義を守る運動と組織の最大限の結集、統一が大切。その中心的担い手は労働組合です。私たちが、労働三権を 行使するという、あたり前の労働運動をやり抜くことが、反ファシズムの民主主義闘争を高揚させる基点です。改めて確 認、現状を検証したい。
■資本家階級の政治支配 (=ブルジョア独裁)の二つの形態。労働組合と労働者政党。
 ①一つは… 資本主義社会、必然的に発生する労働運動、階級闘争。労働組合、労働者政党を存立させ、これを体制内 化した存在にすることで、資本主義体制の安定化を図る方式です。この間接的な支配方式が、資本主義社会にとり正常な 政治支配形態と言われています。
 ②もう一つは、労働組合や労働者政党そのものを否定、体制の安定を図る方式。労働運動の高揚、政治闘争化、労働者 政党の躍進に、危機感を持つ資本家階級は運動、組織を弾圧し、ブルジョア独裁の体制をつくります。
 さて、改めて日本の労働運動、政治闘争、対する資本の支配の現状、今後は。

※乱文乱筆 謝
<続>    
       2023年5月19日 北条 恒  


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