No98-4 webへいき連 2023年 5月
これで良いのか NTT春闘
みんなで春闘総括を語り合おう!
多くの大企業労組が「満額回答」で妥結し「インフレ手当」を獲得しているなかで、NTT春闘はひときわ異常だ った。主要会社の正社員でわずかに3300円の「賃金改善」。これは「2%要求(6400円程度)」の半分にすぎな い。しかもベースアップ(基準内賃金)分たったの700円だ。もっとひどいのは、グループ全社員に対象に要求した1 0万円の「生活防衛の措置(一時金)だ。だが、会社側の「ゼロ回答」を組合本部は受け入れてしまったのだ。
〔情報労連・通建連合のコムシス10万円・エクシオ7万円、KDDIは社員12万円(有契約社員は13万円+α) を引き出し、赤字体質に苦しんでいる郵政グループでさえ7万円の一時金を回答した。〕
このような結果に終わったNTT労組春闘をどう考えたら良いのか? 7月の全国大会に向けて、組合の総括論議が開 始される。私たちは、この論議に積極的に参加し、自分たちの思いや意見を表明し、総括に反映させていく必要があると 思う。
妥結に際し、組合本部は「厳しい結果」「組合員の期待感を損ねる結果」と認めつつも、「中期的生計の安定につなが る賃金改善」「社会的役割を一定程度果たした」と肯定的に評価した。本部が「成果」として強調しているのは、①過去 9年間と比較して最高水準の引き上げ②すべての雇用形態における賃金改善、ということである。しかし、これが「成 果」と胸を張って言えるだろうか。
「過去最高水準」と言っても、これまでがあまりに低水準だったからではないのか。「昨年を上回る」と言っても、昨 年の2200円をたった1100円上回っただけなのだ。いずれにしても、実質賃金の切り下げにしかならない超低額妥 結に変わりないのだ。こんな弁明はあまりにも惨めではないか。
また「すべての雇用形態における賃金改善」と言うけれど、限定正社員や60歳超再雇用社員、そして契約社員など多 くの労働者は、「成果手当の改善」であったり、半期ごとの「職務手当の改善」にすぎず、ベースアップはゼロである。 これでは、一番苦しい生活を余儀なくされている非正規労働者の「底上げ」には到底なりはしない。
組合本部は、「精いっぱいの到達点」「この先いかなる闘争戦術を行使しても、これ以上の前進は見込めない」とスト 権を行使しなかった理由を述べる。しかし、このような考えでは会社側が許容する範囲内での妥結・結果にしかならない のではないか。交渉で打開できないのであれば、「要求貫徹」のためスト権をも行使して闘う、これが戦術行使の当然の あり方ではないか。会社側の理不尽回答に対しては、これに抗議し・組合員の団結した力で賃上げをかちとる、これが春 闘の本来の姿ではないのか。
私たちは、NTT春闘の敗北を直視し、どうしたら春闘を立て直せるのかを真剣に考えていく必要がある。それぞれの 職場で春闘総括をめぐって語り合い、声をあげていこう!
4月25日 Bee
原発過酷事故拡大の危機と核開発
収束目途たたず 40年廃炉ロードマップは完全破綻
福島第一原発は、メルトダウンによって生じた核燃料デブリ800トンの内1グラムの回収も頓挫、様々な方策も 大失敗、過酷事故収束のメドもたたず、被害が拡大する危機に陥っている。4月14日、東京電力は、原子力規制委員会の有識者会合で、「福島第一原発1号機の原子炉圧力容器を支える鉄筋コ ンクリート製土台内側壁面が鉄筋むき出しになっている」と明らかにした。さらに、「土台内側の壁のコンクリートが全 周にわたって損傷し、床面から高さ約1メートルの部分がなくなり、鉄筋がむき出しになっている」と説明した。大きな 地震で、圧力容器が沈降・傾きの危機、原発建屋、使用済み核燃料プールの落下など、破局的危機に直面している。具体 的に見てみよう。
①、2022年3月、マグニチュード7・4の地震で1号機の冷却水の水位低下、注水量を 増やして対応、亀裂が 拡大して汚染水が直接海に漏れでる高濃度汚染水が増大した。
②、原発事故当時、1号機と2号機を結ぶベントで使用した配管の撤去工事の大失敗、応急 処置で多くの原発労働 者が被爆した。さらに、被曝作業が増やされる原発労働者の危機。
③、大震災・過酷原発事故から12年が経過し経年劣化が各所で進んでいる。特に、氷土遮水壁はボロボロで汚染水が 直接海にダダ漏れ状態になっている。
④、政府・東電は、貯まった処理水=汚染水を放出すると言うが、実際には収束出来ない間、長期間、これが数十年、 数百年海に放出され続ける。現在、政府の「40年廃炉ロードマ ップ」は完全破綻し展望もない。
岸田政権の原発推進・核開発の危険性
岸田政権は、福島原発事故で故郷を追われ放射線障害に苦しむ何万人もの被災民の犠牲を隠蔽し「復興」を装って 被災民を帰還させいる。さらに、「処理水」と称して汚染水を海水で薄めて海洋放出、漁業関係者の反対の声を無視し強 行しようとしている。
岸田政権は、政府の軍事・経済安全保障政策と一体的なものとして原子力政策を大転換した。今国会で束ね法案として 提出したGX(グリーントランスフォーメーション)法案は、①廃炉原発のリプレース=新増設、②原発運転期間の60 年を超える運転延長、③利益を生まない事業、住民対策・再処理・核廃棄物処理などの事業を国が前面に立って莫大な税 金(資金)を投入して実施する。
さらに、岸田政権は核燃料サイクル、プルトニュウムの活用を打ちだした。軍事大国化する中国・北朝鮮の核ミサイル に対抗し、潜在的核武装開発能力=実際に核武装に転化できる「プルトニュウム取り出し」に執念をもって乗り出した。 あろうことか「福島の被災地を復興拠点」と称し、復興支援の美名のもと核開発拠点を構築しようとしているのだ。
19日から始まるG7広島サミット、岸田首相は「平和の誓いの象徴である広島で」「核なき世界」を発信したいと語 っていると言う。敵基地先制攻撃=反撃能力に核兵器を位置づけ、核開発に前のめりになっている輩がである。
器禁止の(使用・持つことも)国連条約に被爆国としてに 反対した口で!。
5月15日 音楽寺の鐘を鳴らせ