<菊(キク)と牡丹(ボタン)>
日本の花火の代表と言える割物花火(ワリモノハナビ)です。割物というのは打上げられた花火が上空で炸裂し、玉柄を粉々に破って星(ホシ)を飛ばすことで、丸く開くものを言います。花火を形作る一つ一つの光の粒は、この星が燃えることで様々な色に光っているのです。。花火が開く際に、写真では分かりづらいですが、流れ星の様に尾を引くものを「菊」と呼び、尾を引かないものを「牡丹」と呼びます。大きさによっても5号玉(直径15cm弱)や尺玉(直径30cm弱)など、色々なものがあります。花火の中にもう一回り小さな円を描く、芯入(シンイリ)や、芯が2重の八重芯(ヤエシン)、3重になった三重芯(ミエシン)というものもあります。 (左)10号
昇曲導付八重芯変化菊(2005.10.1土浦全国花火競技大会) (右)10号
昇り銀流八重芯変化牡丹残円(2005.10.1土浦全国花火競技大会)
<冠菊(カムロギク)>
菊花火が開いて、星が尾を引き、地上すれすれまで垂れ下がるものを、冠(カムロ)と言います。昔は女の子のおかっぱ頭を"カムロ"と言ったのが語源のようです。スケールが大きく花火大会でもひときわ歓声が大きい花火です。2尺玉や3尺玉の大玉では、製造上の都合やその特徴を生かした結果、多めの傾向になります。 三尺 緑小花入り錦冠菊(2005.8.13境利根川花火大会)
<千輪菊(センリンギク)>
花火が打ちあがり上空で炸裂した後、一瞬遅れて無数の小花が咲き乱れます。形や色によっても様々なものがあり、椰子芯(ヤシシン)が入っているものもあります。
(左)20号
彩色千輪錦残輪(2004.9.4本庄花火大会)
(右)椰子芯入り千輪菊(2005.9.10片貝祭り奉納煙火)
<型物(カタモノ)>
蝶やハートマーク、スマイルやドラえもんなど、色々な形を夜空に描くものです。面に広がる花火であるため、見る角度によって正しく見えたり見えなかったりします。
「レッサーパンダ・星空に立つ!」(2005.10.1土浦全国花火競技大会)
<ポカ物(ポカモノ)>
ちょうどクス球が開くように、上空でポカッと割れた玉から星がこぼれ落ちる花火の事をいいます。花火大会の定番の「柳(ヤナギ)」などがその代表です。
柳星のスターマイン(2005.7.20真岡市花火大会)
<スターマイン>
仕掛花火(シカケハナビ)に分類されるもので、大小数百の花火を組み合わせて一つのテーマを構成します。数十秒から数分に渡り、花火が連発される打上方法はとても豪華で、まさに花火大会の花形です。音楽にあわせて緩急をつけたものもあります。 超特大スターマイン(2005.7.31小山の花火) 水中スターマイン「kiss
of fire」(2005.9.3諏訪湖新作花火)
<枠仕掛け(ワクジカケ)>
蚊取り線香のCMでおなじみの花火です。格子枠に花火を取付け、文字や広告を描きます。大抵、消え口がそろわず醜くなるために、裏打ちと言って頃合を見計らってスターマインが上がります。
ようこそ土浦へ(2005.10.1土浦全国花火競技大会)
<ナイヤガラ>
花火大会のフィナーレではお馴染みの仕掛花火です。ランスと呼ばれる噴出花火をロープに取り付け、それをクレーンなどで吊ったものです。吊り方によって富士山になったり、横に長いもので2Km程もある大掛かりなものもあります。やはり大抵の場合、消え口のタイミングでスターマインが裏打ちされます。
(左)宇津峰山と超特大スターマイン、(右)ナイヤガラ(2004.8.20釈迦堂川全国花火大会)
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