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Photoshop基礎講座
グラフィックソフトの最高峰を簡単お手軽に使ってみよう!

 レタッチの基礎

 本来「レタッチ」というのは、写真の汚れや傷などを手作業で直す事を
 指す言葉でしたが、最近では写真を修正する作業全体を指す言葉として
 使われる事が多いようです。

 例えばフィルムやプリントに傷があったとか、スキャンする時に
 ホコリがついていたとか、そういった原因によって画像に汚れが
 映り込んでしまう事例が結構あります。
 特にプリントからのスキャンではゴミの映り込みが極めて顕著で
 僅かなものでも盛大に目立ちます。
 また、荒れた画像をある程度まで修復する用途にも応用が効きます。

 そんな画像を直す為の基礎について、今回は解説してみようと思います。

 今回の素材はこれ!
 写真日記でも使った品川界隈の画像です。
 今回は意図的にゴミを入れてJPEGで保存。
 画面を荒れ気味にしてあります。

 
 画像の特性を読む

 例によって、画像データをざっと見回して必要な工程を割り出します。
 何となく空がノイズっぽいとか、これは明らかにゴミだとか、大雑把に
 区別を付けて行きます。
 連続階調の上にゴミとノイズが一緒に乗っている場合はゴミを除去してから
 ノイズを消し、それぞれ別個に処理する必要があります。

 ゴミを消す

 ゴミを簡単に除去するには、スタンプツールを使います。
 このツールは狭い範囲を部分的に複製するツールで、
 画像の質感を損なう事なくゴミを隠す事ができます。
 その他にも画像の貼り合わせ・合成等で威力を発揮します。

 初心者だとペイントツールで色を拾いながら云々、などと
 考えがちですが、写真には階調と質感があり、これを
 ペイントツールだけで修正して自然な仕上がりを目指すのは 
 非常に困難です。
 

 基本的なコツとして、ゴミがある部分と同じ質感・同じ明るさの部分を
 探して複製を行うこと。これが成功の秘訣です。
 あまり大きな範囲を一度に複製するとバレてしまいますので、小さく細かく
 複製を繰り返して自然な仕上がりを目指しましょう。

 Option+クリックでコピー元を指定、クリックでコピー。
 ブラシの大きさを変えればコピー範囲も変わります。
 まずは沢山使って慣れる事が上達の早道です。
 慣れれば、画像の階調を読んだり明暗の境目にあるゴミを消したり
 かなり高度な処理もできるようになります。

 ゴミを消した後の画像はこちら。


 ノイズを消す

 画像データにはJPEG圧縮が掛かっています。
 つまり、JPEG圧縮の欠点であるブロックノイズが空一面に乗ってます。
 空のゴミを除去したらお馴染みの範囲指定で空を切り抜いて
 ここにぼかし処理を行ってノイズを消します。
 ノイズ除去と平滑化を同時に行うには普通のぼかしではなく、
 ガウスぼかしを使います。
 効果が細かく加減できると同時に、比較的自然な仕上がりが得られます。

 ここで注意したい点は、ガウスぼかしの特性。
 この処理は選択範囲の外側のデータを拾う癖があります。
 対象物より2〜3pixelほどの余白を残して範囲を決めておくか、範囲を決めた後に
 「選択範囲」→「選択範囲を反転」→「選択範囲を変更」→「拡張...」の順序で
 選択範囲を拡げます。

 大体この程度の設定を目安に目分量で決めます。
 強く掛けると不自然になるので、ノイズが消えるギリギリを
 狙って下さい。
 余白にノイズが残った時はツールパレットから
 ぼかしツールを選んで手作業で直します。


 更に選択範囲を反転させ、今度は
 アンシャープマスクを掛けて
 画像の鮮鋭度を強調します。
 
 設定値はこのぐらいを目安に。


 完成するとこんな感じの画像になります。
 まあまあ見られるレベルにまで復元できました。