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まえがき 準備するもの/基礎知識 範囲指定の基礎 色調補正1 色調補正2 引き算の処理 レベル補正とヒストグラム レタッチの基礎

Photoshop基礎講座
グラフィックソフトの最高峰を簡単お手軽に使ってみよう!

 写真の補正にはカラーバランスと明るさ・コントラスト、これだけ使えれば
 無難に見られる画質に仕上がりますが、その前にもう一つ処理を行う事で更に
 完成度が高まります。
 最近我が家で使われている写真の大半は、この処理によって最適化されたものです。

 レベル補正とヒストグラム

 実用性が高く、補正の効果も大きいのに、その意味が分かりにくいために
 使う人の少ない補正。それがレベル補正。
 特にスキャナーから取り込んだ写真原稿、特に露出が偏ったフィルムの補正に威力を発揮し、
 画像データが持つ元々の特性を引き出す事ができます。

 レベル補正の扱いにくさの原因は、このグラフ。

 

 これが何を意味していて、何をすれば最適な画質になるのかよく分からない。
 だからなかなか使ってもらえないのです。

 他のサイトでは詳しい解説が何十行にも渡って書かれていますが、正直言って
 そんな説明など無くてもよろしい。
 大事なのはそれぞれを直感的に理解して操作出来ることです。

 ここではそれぞれが何を示しているのか、何をすれば良いのか簡単に御説明します。
 あとは自分で試せばおのずと理解できるでしょう。


 今回の素材はこれ!

  

 雰囲気はいい感じなのですが、ちょっと露出が足りないので白っぽくなっています。
 今回はこの画像を素材にしましょう。

 

 グラフの拡大図を見ると、山のある領域と山のない領域があります。
 (便宜上、山のない領域に赤い色を付けています)

 赤い色の部分は画面上で使われていない領域で、左右のスライダーをこの境目に
 合わせる事でほぼ適切な画質へ補正できます。
 もし山の境目に合わせた時に変な色になるときは、補正量を増減して対処しましょう。
 プレビュー表示を見ながら仕上がりを加減できるので、色々試して自分なりの方法を
 考えてみるのもいいかも知れません。

 補正できる項目は、RGB、赤、緑、青の4項目。
 画像の状態によって以下のいずれかの方法を選びます。

 (1) RGBだけ補正
 (2) 赤緑青の3色を個別に補正
 (3) RGB+赤緑青、全部を補正


 なお、特定の色に偏った画像の場合や3色個別に補正すると不自然になった場合は
 RGBの1項目だけで補正を掛けると良いでしょう。
 大幅に画像を加工するのでなければ、真ん中のスライダーは動かさない方がいいでしょう。

 上記の(3)の処理を行った後の画像がこれ。
 元々の雰囲気を保ったまま、色調やコントラストが改善できているのが分かるでしょう。

 

 なお、レベル補正の後、「明るさ・コントラスト」と「カラーバランス」を併用して
 微調整を行えば、更に効率良く画面を引き締める事ができます。
 大事なのはスキャン後の最初の処理にレベル補正を行うこと。ここがポイントです。

 注意すべきこと

 他の補正にも言える事ですが、レベル補正は基本的に「引き算」の処理になります。
 階調を絞ってコントラストを出すのに有効ですが、もともとコントラストの高い
 画像を引き延ばして階調を引き出す作業には向いていません。
 スキャンの際には多少コントラストを弱めて階調を出し、レベル補正で改めて
 目的の色調へ追い込むように作業しましょう。

 唯一難点があるとすれば、この補正は主に写真を修正するのに使うもので
 アニメっぽい画像とか夜景・夕景のようにカラーバランスが偏った画像、
 極端に露出が過不足した画像の補正には向いていません。
 この補正を掛けた後、色調がおかしい場合は「カラーバランス」を使って補正をすると
 大抵のものは直しが効きます。お試し下さい。
 あと、古いデジカメで撮影した画像には補正が効かない場合がありますので、この場合は
 「トーンカーブ」や「色相・彩度」を使って補正を掛けて下さい。

 以上の点にさえ気をつければ、幅広いシーンで望み通りの補正が行えるでしょう。