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まえがき 準備するもの/基礎知識 範囲指定の基礎 色調補正1 色調補正2 引き算の処理 レベル補正とヒストグラム レタッチの基礎

Photoshop基礎講座
グラフィックソフトの最高峰を簡単お手軽に使ってみよう!

 引き算の処理

 今回は技法ではなく、画像処理についての考え方をレクチャーします。
 それほど仕事が早い訳ではない我が家が何故迅速な画像処理が可能なのか
 これを読むと大体分かります。

 そんなに難しい話ではないので、気楽に読み飛ばしてくれても構いませんが
 比較的重要な内容ですので時々読んでみるといいかも知れません。


 後戻りの出来ない工程

 今のようにヒストリー機能やレイヤー機能が搭載される前からPhotoshopを
 使っている方には説明の必要もない事なのですが、綺麗な絵を作ろうとすればするほど
 操作に制約が出てきて、無駄な処理を減らすのに頭を使います。

 何かフィルターを掛ければ、確実に画質は悪くなります。
 見栄えを良くするのにシャープネスを強調すれば絵が荒れますし、それをごまかすのに
 ぼかしを掛ければ細部の質感は確実に失われてしまいます。
 最初からコントラストを強調して取り込むと、後で補正を掛けても階調を出すのは
 不可能ですし、暗過ぎる原稿や明る過ぎる原稿を直すにしても、補正には限界があります。

 いい作品を作るには、原稿を取り込む(もしくは撮影する)段階からトータルに
 考える必要があります。
 画像のゴミ取りを考える前にまずスキャナーの掃除をするとか、フィルムのゴミを飛ばして
 おくとか、あるいは撮影する時にホワイトバランスをきちんと設定するとか、そういう
 地味な下ごしらえが大事なのです。
 ゴミ取りが面倒な僕は、スキャナーの脇に必ずレンズブロアーとメガネ拭きを置いています。


 「加工する」のではなく「完成形を削り出す」

 彫刻では最終的なイメージがまずあって、それを目標に形を絞り込んで行きます。
 これを画像処理に当てはめるのです。

 高い画質と小さな容量。
 この矛盾する二つの要素を満たす為には、処理工程全体を一つの作業として考える必要があります。
 最終工程から逆算して、必要な処理を最小限に絞り、各処理を一度で済ませなくてはなりません。

 こう書くといかにも面倒に見えますが、早い話が「少ない労力で美味しい思いをしよう」って事だと
 思っていただければやる気も出るかと思います(笑)

 イメージが湧きにくい人は、一度作業工程図を書いてみるといいでしょう。
 スキャンして、明るさやコントラストを補正して、色を合わせて‥‥‥といった具合に。
 そこから無駄を省いて行くと、より短い時間で作業ができる事が分かりますし、何処に問題が
 あるのかも良く分かるはずです。

 例えば、640x480の画像を用意するとして、リサイズやトリミングなどを含めると
 スキャンする時はせいぜい縦横2倍の大きさがあれば大抵の用が済んでしまいます。
 工程を短縮しようとしてスキャンの時にサイズを合わせ、明るさや階調を補正している人も
 いるようですが、これではかえって手間が掛かります。
 補正するのは色調だけにしておいた方が無難でしょう。

 スキャンの時、コントラストを若干落として階調を出して、明るさは常識的な値に合わせて
 最後の細かい補正はPhotoshop側で行う。これがいちばん確実で簡単です。
 色の表示に関しても、スキャナ側の動作とPhotoshop側ではその動作が異なります。
 最終的にファイルを生成する側で微調整するのが成功のコツです。

 
 「切り抜く」のではなく「はめ込む」

 あらかじめ表示するサイズが決まっている場合、そのサイズに合わせてトリミングを
 しなくてはなりません。

 例えば、茶房で標準サイズとして使われる300x450ピクセルの枠があったとして、手元に
 ある画像データのサイズが1280x1024ピクセルだったとします。
 サイズも縦横比も違いますから、元画像のどの部分を切るか、どんな縮小率で表示するかで
 頭を使う必要があります。

 簡単な方法として、「新規」で300x450の枠を用意し、元画像の解像度を横幅だけ450に
 設定し(この時縦横比が連動するよう指定します)元画像を新規の枠へドラッグします。
 左右に余白が出ないよう位置を決めたら、縦の表示位置を調整して完成です。
 細かい調整が面倒なら、横幅を460あたりに設定して、左右の微調整ができるように
 しておくのもいいでしょう。
 多少縮小率が変わりますが、作業の効率は格段に良くなります。

 最近はヒストリー機能が標準装備になって、多少間違っても後戻りが効きますから
 実際に何度かやってみると理解が早いと思います。