心理学者の間違い探し


ABO FAN


 どうも心理学者の本には間違いが多いようです。このページでは、最近出版された本で、明らかに間違っていると思われる部分を公開することにします。残念ながら、ごく初歩的な間違いもかなりの数が見受けられるようです。

#正直、あまりにも多くてガッカリです。心理学の信頼が下がるだけでいいことはないと思うんですが…。(*_*)

 今までは、そののうち直るだろうと思ってあえて実名を公開したりすることはしなかったのですが、私の期待に反して全く改善されないので方針を変えることにしました。もちろん、今後の状況によってはまた方針を変えることはありえますので、どうかご了承ください。>ALL m(._.)m

 初歩的な間違いがゼロになることを希望しつつ…。
 ちょっと調べればいいだけなのですから…。

 では、本当に間違っているかどうか、皆さんも一緒に考えてみてください。(^^;; -- H16.2.23

Red_Ball12.gif (916 バイト)渋谷昌三さん 図解雑学深層心理 ナツメ社 H17.1 1,300円+税

 70〜71ページの「心理テストについて」という項目でごく短く取り上げられています。

根拠のない血液型別性格

血液型別性格には、科学的な根拠がない。しかし、多くの人に当てはまる表現をすることによって、多くの人が納得しやすくなる。逆に自分はA型だからこういう行動をする傾向にあると、自己の解釈によって行動することもある。これを自己成就予言というが、いわば、性格を測る便利なスケールとして受け入れられているのだろう。

 前回の渋谷昌三さん(監修)の本ではどうだったのでしょうか?

 ということで、血液型の部分だけを示しておきます。

Red_Ball12.gif (916 バイト)渋谷昌三さん監修 面白いほどよくわかる心理学〜微妙な心の動きが支配する感情と性格の謎を読み解く〜 H16.3  日本文芸社1,300円+税

 この本は、82ページから85ページの4ページにわたって血液型と性格の関係について書いてあります。

 ズバリ、血液型性格判断に科学的根拠ナシ

 血液型と性格の関係については、心理学でも研究が行われ、その信憑性において論じられています。しかし、さまざまな研究成果を総合しても、血液型による性格判断には科学的な根拠は何もありませんでした。
 その一例を挙げれば、矢田部ギルフォード性格検査などの、性格心理学の理論に基づいて作成された性格テストの結果と、血液型性格判断との間には、一貫した相関性が認められませんでした。つまり、血液型性格判断と科学的に分析された性格テストの結果とは一致しなかったことになります。また、医学者や生理学者の間でも、A型やB型など血液型の成分の違いが人間の精神機能に影響を与えるとは、理論的には考えられないという見方が主流となっているようです。

 すぐに気が付くのは、2ページ丸々あった記述が極端に短くなってしまっただけでなく、独立した項目でさえなくなってしまったことです。BPOがわざわざ血液型番組を批判しているにも関わらず(いや、そうだからこそ?)血液型を否定する重要度が減ってしまったのでしょうか?

 さて、「科学的な根拠」の意味がよく分からないのですが、どうやら性格テストによる差がないということのようです。ということで、今回の主張は3つに分けられることなります。

  1. 血液型別性格には、科学的な根拠がない(=性格テストによる差がない)
  2. 多くの人に当てはまる表現をすることによって、多くの人が納得しやすくなる(=バーナム効果)
  3. 自分はA型だからこういう行動をする傾向にあると、自己の解釈によって行動することもある(=自己成就予言)

 しかし、この3つが同時に成り立つはずがありません!

 なぜなら、1が成り立つ(性格テストによる差がない)のであれば、3ではA型らしい行動を取る(=A型らしい性格になる)はずがありません。もし1と3が同時に成り立つとすると、性格テストはA型らしい行動や性格を検出できない(?)ことになってしまうからです。

 また、2が成り立つ(バーナム効果がある)のであれば、3の「A型だから」という内容は別の血液型と(実質的には)同じことになりますから、「自己の解釈」はしようがありません。

 ということで、この文章は不思議というしかないのですが…。記述が極端に短くなった点もあわせて、全く不思議というしかありません。

 皆さんはどう思いますか? -- H17.2.13

Red_Ball12.gif (916 バイト)和田秀樹さん <疑う力>の週刊術 PHP新書 H16.9 700円+税

 まあ、よくここまでズバズバ書けたとものだと感心してしまいました。

○74〜75ページ

 人間はいったんスキーマをつくると、そこからなかなか抜け出せなくなる。わかりやすい言葉で言えば、思いこみが強くなりすぎると、認知の仕方が変わってしまうということだ。
 身近な例で言えば、血液型信仰もそれに該当するだろう。たとえば、「A型人間は、まじめで几帳面だ」と思いこんでいる人が、片付けのできないズボラなA型の人に出会うと、「あの人は片付けは苦手かも知れないが、待ち合わせ時間には正確だ。やっぱりA型だ」と、スキーマとの不一致情報は切り捨てられ、スキーマと一致する情報にだけスポットライトが当てられる。…思いこみの強い人は、「A型人間は、まじめで几帳面だ」という説自体が間違っているのかもしれないという疑いを持たなくなってしまうのである。

 確かに「血液型信仰」までなってしまった人は困りますが、これはかなり少数でしょう。でも、なぜ「血液型と性格」の話にならないのでしょうか?

○48〜49ページ

 私の実感としては、文系型人間と言われる人たちの方が、偉い学者の言うことや、有名な学説の熱心な信者になってしまう傾向があるように思う。
 心理学で言えば、フロイトの信者、ユングの信者、経済学で言えば、ケインズの信者、フリードマンの信者など、学派が分かれてしまう。文系的な説得術では、偉い学者の名前を挙げて、「誰々が何々と言っていました」というふうに根拠となる人名や学説を引き合いに出すと、比較的簡単に相手は説得されてしまう。

 まさにこれが日本の心理学者の問題だといっていいでしょう。能見さんが在野の研究者であること自体が問題のような発言はいくらでもありますし…。和田さんによると、心理学は訓古学的で権威主義的なのでしょうか?

○168〜169ページ

 「心理学を使うと人の心がわかる」と思っている人がいるが、心理学を過信するのは禁物だ。心理学こそ、最も疑ってみなければならない学問の一つだ。
 極端な言い方かもしれないが、私は、少なくとも日本で現在通用している心理学はほとんどあてにならないとさえ思っている。経済学ですら、ケインズの理論以降新しい理論がかなりでてきているのに、心理学の世界ではいまだに100年前のフロイトの理論が金科玉条のように持ち出されたりする。100年前の理論が現代の人たちの心理にあてはまるかどうか、検証がほとんどなされていないことが問題だと思うのである。検証されていない理論を現代人に当てはめて考えることには、やはり疑問を持たざるを得ない。
 しかも、心理学の理論のほとんどは、アメリカやドイツで実験された結果であって、それが日本人に当てはまるという保証はどこにもないのだ。文化的にも宗教的にも異なる日本人には、当てはまらない可能性も少なくないと思う。
 にもかかわらず、「フロイトはこう言っている」、「ユングはこう言っている」と言って、日本人の心をフロイト理論やユングの理論で解釈しようとする。そこに、最も疑うべき要素があると言っていいだろう。日本人に当てはまるかどうかを検証しないで、「フロイトは……」、「ユングは……」と言って人の心を解釈しようとするのは、けっして科学であるとは言えない。もはや宗教としか言えないだろう。

 まさしくそのとおりです! 血液型も、日本だけで外国にはないから間違いだ、というような反論が多くなされてきました。さすがに最近は、韓国・台湾・中国でも血液型に興味があることが知られてきたので、こういう反論はなんとなく消滅してしまったようです。
 実は、韓国・台湾・中国の文献を読んでみるとわかりますが、そのほとんどは日本からの輸出のようなのです。例えば、

第4話ではミニョンがユジンの血液型を尋ねるシーンが出てきますが、血液型や星座を使っての性格占いは日本から伝わったもの。
(NHK 冬のソナタホームページから。「占い」というのが気になります…笑)

 日本だけだったら間違いだが、輸出されれば(たとえ内容は変わらなくても?)正しいと認める(?)というのでは、和田さんじゃありませんが、はたして学問と言えるのでしょうか? -- H16.9.8

Red_Ball12.gif (916 バイト)永井良昭さん 人の社会性とは何か〜社会心理学からの接近 ミネルヴァ書房 H15.7 2,600円+税

 173ページにこうあります。

 血液型性格関連説は今や、新奇な情報というよりも、魚が水の中にしか生きられないという知識と同様に、単なる事実を示すかのような情報になっている可能性もある。
 ここで検討しようとすることは、血液型と“気質”あるいは“性格”が関係する説がもっともかどうかということではない。古川学説(古川 ,1927)とその現代版(能見,1971)と言われるものの復活(大村,1989)の背景を考察することである。

 実に不思議な本です。確かに、「もっともかどうか」の検討はないようです。松田薫さんの『「血液型と性格」の社会史』が引用文献だからかもしれません。前川輝光さんの『血液型と性格』が文献リストにないのも不思議です。はて? -- H16.9.8

Red_Ball12.gif (916 バイト)尾見康博・新藤聡彦さん【編著】 私たちを知る心理学の視点 H16.4 勁草書房 2,415円(税込)

 編者である尾見さんは、以前に「血液型と性格」を否定する意見を公開していましたが、今回はなぜか尾見さんではなく酒井厚さん(山梨大学教育人間科学部・専任講師)が書いています(95ページ)。

現代心理学がこのような方法から導き出した結論は、今のところ「世間で思われているような血液型と性格との関連は支持できない」というものである。3000人以上もの人を対象とした大規模なアンケートを4回も行った結果がそうであるのだから、まず間違いはないといえるだろう。(2)

 (2)の引用文献は、

松井豊 1994 分析手法からみた「血液型性格学」 詫摩武俊・佐藤達哉(編) 現代のエスプリ 血液型と性格 至文堂,324,114−120頁

とありますが、実はこれはおかしいのです。なぜなら、同じ『現代のエスプリ』には、これと全く逆の結果が掲載されているからです。

池田謙一 1994 自己成就する偏見としての血液型ステレオタイプ 139−145頁

 144ページには、松井さん坂元さんの論文の紹介があり、こう結論づけています。

個々の血液型性格が全国のランダム・サンプリングで一貫して存在しているかどうかについて、松井は見事に否定的な知見を見いだしたが、山崎・坂元は次のように、それが変化し始めているという示唆を得た。

 サンプル数は、松井さんより坂元さんの方が3倍も大きいのですから、普通は坂元さんが得られた結果、つまり「世間で思われているような血液型と性格との関連は支持できる」ということになります。なにしろ、3000人以上もの人を対象とした大規模なアンケートを11回も行った結果がそうであるのだから、まず間違いはないといえるだろう、ということになります(厳密に言うと、データに差があることはわかっても、それが「認知の歪み」なのか「自己成就による性格の変化」なのかは不明ですが)。

 酒井さんが、意図的(?)に坂元さんを無視しているのか、それとも単なる不注意で池田さんの執筆した分を読み落としたのかわかりませんが、いずれにせよ研究者としては好ましい態度であるとは言えないと思うのですが。  -- H16.8.2

Red_Ball12.gif (916 バイト)奈良信夫さん 一滴の血液で体はここまで分かる H16.2 日本放送出版協会 714円(税込)

 奈良さんは、心理学者ではなく医師ですが、あえて取り上げることにしました。

 157ページから159ページにかけて、いわゆる「血液型性格判断」への批判があります。
 残念ながら、この部分だけは間違いが多いようです。たとえば、

 とありますが、いずれも科学的に正しいとは言えません。理由はこれまでにさんざん書いたので省略します。
 さらに、

 という問題点もあります。どうも、「アプリオリに血液型性格判断」を否定する、という目的を持って書かれた部分のようで残念です。 -- H16.7.19

Red_Ball12.gif (916 バイト)矢田部達郎さん 心理学序説 S20.9 創元社 600円

 実は、心理学では古川説はしぶとく生き残っていました。ちょっと信じられないのですが、これは事実です!

 では、順を追って調べていきましょう。

 確かに、昭和7年(長崎)と昭和8年(岡山)での日本法医学会で古川説は実質的に否定された、と考えていいと思います。ただし、これはあくまでも「法医学」の見解です。心理学ではどうなのでしょうか?

 賛成派の千葉胤成(たねなり)さん、田中秀雄さん、浅田一さんは「改訂第二版『血液型と性格』の社会史」によると、最後まで自説は曲げなかったようです。極めつけは、有名なYG性格検査を考案した矢田部達郎さんです。彼の著書「心理学序説」(創元社 S25)では、

古川氏の如きは血液型と気質型との間に高度の対応があると主張したが、今日ではこの考えに賛成する人は少ない。但し、気質は経験によって変形されることが多く、かかる変形を度外視することができれば、或はそれらと気質の間に極めて大雑把な対応を認めることができるかも知れない。(30ページ 文章は現代文に変更)

血液型と気質の関係については古川竹二氏の研究以来多くの研究が発表されたが、大体の印象は無関係というところに落ち着いたように見える。但し近頃著者の娘等が京都鴨き(「シ」+「斤」)高校女生徒千名について検査したところ、自己判断も他人判断もともに無相関であることを示したが、自己判断に於て就学前、小学校前期、小学校後期、女学校前期、女学校後期と異なる生活時期につき5判断をなさしめ、5期を通じて最も多く判定した気質を有意気質と名づけて整理したところ、僅かではあるが正の相関(φ=0.178)が認められた。人員が千人に上るのでこの相関は全く無相関ではないと思われる。気質評価などの改良によって未来に於ては或はもっとはっきりした資料が得られないとは限らない。(268〜269ページ 下線は私 文章は現代文に変更)

 私はこれを読んで大笑いしてしまいました(失礼!)。心理学者以外の人が言うのならともかく、心理学者自身がこう言っているのです!

 同様に、賛成派の心理学者の意見としては、観察者や被験者にはそれなりの能力が必要だから、未経験の人がやって当たらなくとも不思議ではないというものがあります。血液型は客観的に結果が出るが、性格や気質を測定する方法は、まだまだ未熟なので、きちんとした結果が出ないのではないかというものです。要するに、心理学の方法論が悪いのが問題だということです。(^^;;

 これで議論はゼロに戻ったことになります。なにしろ、日本で一番ポピュラーな性格テストを考案した心理学者自身が言っていることなのですから…。血液型と性格(気質)の関係は、心理学の方法論に問題があるので、あるともないとも断定できません。明確な関係はまだ発見されていませんが、将来に関係が見つかる可能性もあるので全く否定するのは早いですよ、ということです。

 つまり、心理学者自身の見解では、血液型は肯定されていると言えなくとも、明確に否定されたとは言えないことになります! -- H16.3.14

【H16.3.16追記】

 その後、昭和43年に発行された佐藤幸治さんの『人格心理学』(東京創元新社)でも、血液型と性格についての記述があることを発見しました。この本は、初版が昭和26年に出版され、第6版が昭和43年に発行されています。
 能見さんの『血液型でわかる相性』が出版されて日本中に大ブームを巻き起こしたのは昭和46年ですから、その直前まで心理学でも血液型と性格の相関の可能性を示している本があったとは驚きです。(@_@)

 関係部分を引用しておきます(281〜282ページ 文章は現代文に変更)。

 血液型と気質については我国の古川竹二氏(1932)がA、B、Oの3つの血液型に対し、第32表[省略]の如き気質特性を配当したのであったが、他の多くの心理学者の追試はその否定に傾いている。たゞ最近、矢田部達郎氏(1950)が注意しているのは、高校生女生徒千名についての検査で、自己判断も他人判断も共に無相関であるのに対し、自己判断においては就学前、小学校前期、後期、女学校前期、後期の5期について別々に判断させ、5期を通じて最も多く判定した気質を優位気質として整理したところ、僅かではあるが、正の相関(φ=0.187)[0.178の間違いか?]が認められたという結果である。

 もっとも、能見さんの『血液型でわかる相性』が発表された昭和46年以後に、多くの心理学者が血液型の研究を始めたという事実はないようです。ちょっと不思議な感じがしますね。

Red_Ball12.gif (916 バイト)渋谷昌三さん監修 面白いほどよくわかる心理学〜微妙な心の動きが支配する感情と性格の謎を読み解く〜 H16.3  日本文芸社1,300円+税

 この本は、82ページから85ページの4ページにわたって血液型と性格の関係について書いてあります。

 ズバリ、血液型性格判断に科学的根拠ナシ

 血液型と性格の関係については、心理学でも研究が行われ、その信憑性において論じられています。しかし、さまざまな研究成果を総合しても、血液型による性格判断には科学的な根拠は何もありませんでした。
 その一例を挙げれば、矢田部ギルフォード性格検査などの、性格心理学の理論に基づいて作成された性格テストの結果と、血液型性格判断との間には、一貫した相関性が認められませんでした。つまり、血液型性格判断と科学的に分析された性格テストの結果とは一致しなかったことになります。また、医学者や生理学者の間でも、A型やB型など血液型の成分の違いが人間の精神機能に影響を与えるとは、理論的には考えられないという見方が主流となっているようです。

 しかし、残念ながら、この説明はかなりの部分が間違いと思われます。
 矢田部ギルフォード性格検査の考案者である矢田部さん自身が書いているように、将来的には「気質評価などの改良によって未来に於ては或はもっとはっきりした資料が得られないとは限らない。」からです。また、一貫した関係はいくつかの研究で認められいます。
 そして、「探検!ホムンクルス」によると、最近は血液型の成分の違いが人間の精神機能に影響を与える、という研究結果が得られているとのことです。
 なぜ、このような単純な事実誤認が多いのでしょうか? はて?  -- H16.3.14

Red_Ball12.gif (916 バイト)厳島行雄さんほか編 ベーシック心理学 H15.4 啓明出版 2,400円+税

 この本には、143〜144ページにかけてトピックス8−1として「血液型で性格は理解できるか」というコラムがあります。内容は、(最近の心理学の本では珍しい?)大村さんの研究内容の紹介です。FBI効果の説明もありますが、FBI効果はバーナム効果と同じなのかという疑問への回答はないようです…。  -- H16.3.14

Red_Ball12.gif (916 バイト)大坊郁夫さん編著 わたし そして われわれ ミレニアムバージョン H16.1 北大路書房 2,500円+税

 この本は、初版が1988年(昭和63年)に出版され、Ver.2が1993年(平成5年)に、第3版であるミレニアムバージョンが2004年(平成16年)に出版されています。

 読んでビックリしました! なんと、私と同じことを考えているからです!!

 ほとんどのデータ(一部のバイアスがかかったものを除く)を見ても、日本人の70%程度は血液型と性格に関係があると思っています。そう思っている人の多くは、「×型は○○な性格」と感じているはずです。もちろん、「×型は○○な性格」はかなりの部分一致しています。そうじゃないと、血液型の話が盛り上がりませんから当然ですよね(笑)。

 つまり、本当に血液型と性格に関係があろうがなかろうが、データを取れば必ず血液型と性格には関係ある結果が得られる…はずです。

 それでは、この本の93ページのコラムを読んでみましょう。正確を期すため、コラム全体を引用します(このコラムは、北星学園大学社会福祉学部教授の今川民雄さんが執筆されたようです)。

 <パーソナリティ研究とステレオタイプな認知>
 欧米では,生年月日による星座とパーソナリティ間の結びつきについて広く信じられているようです。そのことが,パーソナリティの判断について歪みをもたらしてしまうことを示したアイゼンクの研究を取り上げてみましょう。彼は被験者に,12の特性(12の星座が示すとされる代表的なパーソナリティ特性)を自分にあてはまる順に3つ選ばせました。その後で,12の特性が星占いの星座のパーソナリティを表わしていることを知らせ,自分の星座にあてはまると思うものを3つ選ばせました。この時最初の選択が星占いによる予想と一致した被験者を「星占いの知識あり群」,3つとも一致しなかった群を「知識なし群」,残りを「ボーダー群」としました。この3つの群が自分のパーソナリティの選択で,星占いの予想と一致したかどうかを示したのが表1です。

表1 星占い知識の有無と自己の性格の評価
Eysenck, H. J. & Nias, D. K.B. 1982 Astrology: Science or Superstition?. Maurice Temple Smith.を一部改変

  第1回目
の評価
偶 然 第3回目
の評価
知識のないグループ(50名) 3 4.2 9
ポーダライン・グループ(26名) 2 2.2 10
知識のあるグループ(46名) 7 3.8 29

 この表は,自分自身の性格評価が星座の待徴に合った人々の数をグループ別に示している。第1列は,自己記述の第1選択として星座特徴を選んだ人の数を示している。右側の列は第1回目,第2回目,第3回目のいずれかで選択したものを含む人の数を示す。中央の列は偶然により第1回目の選択をしたと思われる人の数を示す(選択される性格特性は12あるので,標本12名に対して1名の割合となる)。
 「知識なし群」は,自分のパーソナリティの判断で,星占いの予想とは全く一致していないが,「知識あり群」は,星占いの予想と偶然以上に一致した判断をしてしまうことがわかります。
 日本ではABO式血液型とパーソナリティとの結びつきが広く信じられていますが,そのことが自分のパーソナリティの判断に歪んだ結果をもたらす可能性が予想されます。また,いったん信念ができあがると,それに一致する情報にのみ注意が向くことで,その信念(血液型ステレオタイプ)が変化しづらいことも明らかにされています。
 この事実は,自己判断に基づくパーソナリティの研究が抱える困難さについて示しています。

 要するにこういうことです。
 本当に星占い性格に関係があろうがなかろうが、欧米の一般の人(=星占いを信じている人と信じていない人の両方を合わせたグループ)のデータを取れば必ず星占いと性格には関係ある結果が得られることになります。日本人の血液型も同じことだと…。

 これで、私の主張と同じ心理学者が初めて現れたことになります! やった! 

 念のため、旧版もチェックしてみました。初版(1988年)の77ページとVer.2(1993年)にこんな内容のコラムが掲載されていました。こちらも、正確を期すためにコラム全体を引用します。

<血液型とパーソナリティ>
 近年,血液型とパーソナリティの関係を取り上げることがちょっとしたプームとなり,これに類する題名の本や雑誌の記事がたくさん見受けられるようになりました。手元にあるそういった本の1 冊をみると,血液型は人問のパーソナリティを比較し観測する最大の手がかりであるとして,さまざまなデータから,ABO式の血液型とそのパーソナリティ特徴が示されています。このような記事の影響は,私たちの日常生活にもかなり入り込んでいて,「あの人は凡帳面だと思ったら,やっばりA型だった」とか,「私はB型だから好奇心が強くて」などといった会話が交わされることがあります。
 血液型には,よく知られているABO式やRh式の他にも多くの種類がありますが,この血液型という知識はまだ比較的新しいものであって,1901年にランドスタィナー博士によって,今日でいうABO式が発見されたのが最初です。
医学の領域では,血液型と疾患との関係に関心をもっ研究者がおり,A型とO型との比較ではA型に虚血性心疾患が多い,などの報告がなされているようです。
 心理学の領域からみた血液型とパーソナリティとの関係はどのようなものでしょうか。“Psychological Abstract”という,毎年各国で発表された心理学関係の論文を網羅している雑誌で‘Blood Groups’という項目を調べてみると,ABO式血液型と,精神病の診断名や心理検査の結果との対応などについて,毎年2〜3の報告がなされていますが,それぞれの特性と血液型との統計的有意な関係は見出されなかったというものがほとんどです。
 大村政男は,特定の血液型に多いとされるそれぞれの性格特徴が,実は誰にでもみられるものであることを統計的に示しました。たいていの人がもっているような,パーソナリティ特徴を示して,これがA 型だとか,これがB型だとかいわれると,なるほど確かにそれが自分にもあてはまるために,そのラべルづけが正しいような気がすることがあります。大村は,この点について,安易に血液型とパーソナリティの問題を考えることのないよう鋭い警告を発しているといえます。
 先にあげたように,心理的あるいはパーソナリティ特徴と血液型との間に関係があるとする研究報告もけっして皆無ではなく,今後の研究が待たれるところです。しかし,その場合にはあくまでも客観的で科学的なアプローチがとられる必要がありますし,その報告を受け取る側も安易な思い込みを避けて,慎重であることが要求されます。さもなければ,血液型とパーソナリティの問題は,いつまでたっても迷信の域を出ず,真の解明は行なわれないままとなるでしょう。

 つまり、「それぞれの特性と血液型との統計的有意な関係は見出されなかった」という主張や、大村政男さんの「特定の血液型に多いとされるそれぞれの性格特徴が,実は誰にでもみられるものであることを統計的に示しました。」という主張は第3版ではきれいさっぱり削除されてしまいました。要するに否定されたことになります。いゃあ、実にうれしいですね。(^^)

 ただ、気になったのは、主張が180度変わった理由です。血液型に関すると思われる参考書は、ミニレアムバージョンでは、

上瀬由美子 2002 ステレオタイプの社会心理学──偏見の解消に向けて<セレクション社会心理学21> サイエンス社

 のようですが、初版とVer.2では明確なものが見あたりません。ミニレアムバージョンに示されている『ステレオタイプの社会心理学』を調べてみたところ、43ページから50ページに血液型ステレオタイプの説明がありました。そこでは、ここで松井豊さんの研究を紹介し、このように書かれています(43ページ 太字は私)。

性格を尋ねた24の質問項目(たとえば「先頭に立つのがすき」)の肯定率と血液型との関連を検討した結果、いずれの項目についても血液型による一貫した差は見られませんでした。この点から松井は、ABO式血液型と性格の関連性を否定しています。この他にも血液型と性格の妥当性を検討するいくつかの研究が心理学者によって行われていますが、多くは血液型と性格の関連を見出せないものとなっています。

 これでは、「それぞれの特性と血液型との統計的有意な関係は見出されなかった」という文章を削除する根拠にはなりえません。不思議というしかありません。
 実は、上瀬さんの『ステレオタイプの社会心理学』には、「それぞれの特性と血液型との統計的有意な関係は見出されなかった」という主張を否定する坂元さんの研究が引用文献のリストに存在します(この研究は松井さんのものよりサンプルが多いので、明確に差が出ているのですからABO式血液型と性格の関連性を肯定することになります)。しかし、それなら大坊さんはこちらを参考書とするはずです。もっとも、大坊さんのミレニアムバージョンでは「参考書」と書かれているので、坂元さんの研究は「参考書」ではなく「参考文献」だからリストに含めなかったとも考えられなくはないですが、本当のところはどうなのかわかりません。

 あるいは、もっと別の理由も考えられます。それは、一般書、心理学以外の専門書、新聞や雑誌の記事、テレビ・ラジオ・ホームページなど、『ステレオタイプの社会心理学』以外の参考文献があったということです。どちらかというと、こちらの方が可能性は高そうです。

 いずれにせよ、本当のところはわかないので、この本の主張が180度変わった理由は謎のままです。誰か教えてくれないですかねぇ…。

 余談ですが、大坊さんも上瀬さんも、血液型と性格の関係を示す研究が皆無ではないことを述べています。

大坊さん 偶然以上に一致した判断をしてしまう
上瀬さん 血液型と性格の妥当性を検討するいくつかの研究が心理学者によって行われていますが、多くは血液型と性格の関連を見出せない[=いくつか見出されている]

 従って、いずれにせよ「それぞれの特性と血液型との統計的有意な関係は見出されなかった」というの従来の心理学者(=否定論者)の主張は、現在では心理学者自身によって否定されつつあると考えていいでしょう。

 だんだんいい方向に進んでいるようで、実に喜ばしい限りです。(^O^)  -- H16.2.23

Red_Ball12.gif (916 バイト)上瀬由美子さん ステレオタイプの社会心理学 H14.2 サイエンス社 1,300円+税

 上の大坊郁夫さん編著『わたし そして われわれ』の続きです。

 上瀬由美子さんの『ステレオタイプの社会心理学』を調べてみたところ、43ページから50ページに血液型ステレオタイプの説明がありました。そこでは、ここで松井豊さんの論文を紹介し、このように書かれています(43ページ 太字は私)。

性格を尋ねた24の質問項目(たとえば「先頭に立つのがすき」)の肯定率と血液型との関連を検討した結果、いずれの項目についても血液型による一貫した差は見られませんでした。この点から松井は、ABO式血液型と性格の関連性を否定しています。この他にも血液型と性格の妥当性を検討するいくつかの研究が心理学者によって行われていますが、多くは血液型と性格の関連を見出せないものとなっています。

上瀬由美子 2002 ステレオタイプの社会心理学──偏見の解消に向けて<セレクション社会心理学21> サイエンス社

 この『ステレオタイプの社会心理学』には、「それぞれの特性と血液型との統計的有意な関係は見出されなかった」という主張を否定する坂元さんの論文が引用文献のリストに存在します(この研究は松井さんのものよりサンプルが多いので、明確に差が出ているのですから、松井さんの論理が変わらないとすれば、ABO式血液型と性格の関連性を肯定することになります)。

 そして、170ページには、

 著作の機会を与えて下さいました編集委員の安藤清志先生、松井豊先生に心から感謝を申し上げたいと思います。とくに松井豊先生には、私が院生時代に行った血液型ステレオタイプの研究からご指導賜り、本書についても貴重なご示唆と励ましをいただきました。

 とありますから、前述の43ページの記述は松井さんの「示唆」があることはほぼ確実です。編集委員なら必ず執筆者の原稿を査読し、必要であれば修正の指示を出すのは当然です。ましてや、「貴重なご示唆」とまで書いてあるなら、170ページの記述は松井さんの意見そのものと考える方が自然でしょう。 -- H16.2.23

Red_Ball12.gif (916 バイト)松井豊さん他著 性格心理学への招待[改訂版] H15.10 サイエンス社 2,100円+税

 もっとも、『ステレオタイプの社会心理学』は松井さん自身の文章ではないのではないか、という反論もあるかと思います。そこで、つい最近出版された(平成15年10月)松井さんの本『性格心理学への招待』[改訂版]をチェックしてみました。

 この本には、松井さん自身による松井豊さんの論文の紹介があり、上瀬さんの『ステレオタイプの社会心理学』と同様「回答者をきちんと選んだ調査結果によれば、血液型と性格には一貫した関連は見られないのである」とあります(63〜64ページ)。

松井(1991)は、全国13歳から59歳の男女を無作為抽出した調査データベース(JNNデータバンク)の調査結果を再解析し、血液型と性格の関連を分析した。分析対象となったのは、1980年、’82年、’86年、’88年の各3,000人前後の回答で、24種の性格項目への肯定率を比較した。その結果、4年度を通じて(統計的に有意な)差がみられたのは、1項目のみであった。その1項目も年度によってB型の肯定率が高かったり、O型の肯定率が高かったりして、結果が一貫していなかった。回答者をきちんと選んだ調査結果によれば、血液型と性格には一貫した関連は見られないのである。

 この本は最近出版されたのですから、松井さんが坂元章さんの論文のことを知らないとは非常に考えにくいのです。実は、松井さんが知っていることは明らかです(根拠を示すことは簡単ですが、プライバシーの侵害にもなりかねないので、ここでは非公開とします)。つまり、反論が一言も書いていないということは、無視しているのではないか、と推測することもできます。

 もちろん、上瀬さんも同じです。上瀬さんで不思議なのは、前述のように坂元さんの論文が引用文献のリストに存在することです。しかし、「血液型と性格には一貫した関連は見られた」という結論を引用するどころか、『ステレオタイプの社会心理学』のどこにも引用したような形跡はありません。それなら、初めから引用文献に含める必要はないはずなのですが…。はて? -- H16.2.23

Red_Ball12.gif (916 バイト)尾形佳晃さん よくわかる心理学【心の謎に迫る】 H15.3 池田書店 930円+税

 この本は入門書です。項目ごとに見開きの読み切り形式になっていて、とても読みやすく編集してあります。

 186〜187ページでは、「血液型と性格のホント」という項目があり、血液型と性格について取り上げています。しかし、残念ながら、この本には明らかな間違いがあります。それは、「現在までどの研究も血液型と性格の関係を見出すことはできていません」というくだりです。

 基本的な間違いだと思うんですが…。なぜ確認をしないのでしょうか?? -- H16.2.23

Red_Ball12.gif (916 バイト)深堀元文さん編著 図解でわかる心理学のすべて H15.4 日本実業出版社 1,500円+税

 この本も入門書で、 項目ごとに見開きの読み切り形式なので読みやすいです。

 108〜109ページには、「血液型による性格判断」という項目があり「心理学で使われている性格テストと血液型性格判断のそれぞれの結果には、一貫した相関性は認められていません」とあります。この部分は妥当な記述とは言えないでしょう。

 また、「血液型学的にも、血液型と性格を結びつける物質の存在は明らかになっていません」とのことですが、そもそも心理学の性格類型と遺伝子などを結びつける物質の存在が(ほとんど)明らかになっていないのですから、血液型にだけそれを求めるのはフェアとはいえないでしょう。それなら、性格テストはほとんど信用できないことになってしまいます…。

 なお、この本では血液型は1911年に発見されたと書いてありますが、誤植でしょうか? はて? -- H16.2.23

Red_Ball12.gif (916 バイト)松田英子さん 図解心理学が見る見るわかる H15. サンマーク出版 H15.1 1,600円+税

 この本も入門書で、 項目ごとに見開きの読み切り形式となっています。

 82〜83ページに「血液型と性格を結びつけるのは日本独自の現象」という項目があります。この本の記述は概ね妥当なのですが、1つ間違いがあります。それは、「血液型による性格判断はあくまでも日本だけのブームで、海外の研究では、ABO式血液型と性格は全く関係ないとされています」という部分です。

 『ネイチャー』の論文キャッテルの研究は全く知らないで解説を書いていることになります。ちょっと信じられません。(*_*) -- H16.2.23

Red_Ball12.gif (916 バイト)教養の心理学を考える会編 素朴な心のサイエンス 北大路書房 H15.10 2,500円+税

 この本の106ページには、「(1)血液型で大まかに性格が分けられる?」という項目で、松井豊さんの論文が取り上げられ、「一貫した結果ではありませんでした」と紹介しています。しかし、その直後に「このほかにも多くの研究が行われましたが、血液型と性格の関連性を示す結果は得られていません」とあります。この部分は今まで書いたように明らかに間違いです。 -- H16.2.23

Red_Ball12.gif (916 バイト)本間寛さん監修 最新・心理学序説 金子書房 H14.4 2,800円+税

 この本は出版社でわかるとおり学術書です。トピック19に尾見康博さんの「血液型と性格」というコラムがあります(126ページ)。
 しかし、残念ながら、血液型と性格に関しては必ずしも正しいとはいえないようです。

 ABO式の血液型と性格に関連があるという説は、日本社会で広く知られているが、心理学や隣接諸科学では全般的に否定されている。否定される理由はさまざまであり、多くの理論的、実証的研究がこの説を否定しているが、以下ではそのうちの一部を簡単に紹介することにしたい。

 この部分は、これまでに書いたとおり正しいとはいえません。また、

 一つには、血液型は基本的に生涯普遍のものであるから、もしも関連があるならば、性格も不変のものでなければならないということである。しかし、トピック18でもふれたとおり、性格を不変のものと考えるのは難しい。

 この記述も、かなり疑問が残ります。なぜなら、性格が不変でないなら、心理学の性格テストはほとんど無意味になるからです。例えば、日本でポピュラーなYG性格検査は、A(平均型)、B(不安定積極型)、C(安定消極型)、D(安定積極型)、 E(不安定消極型)の5類型に性格を分類します。ある状況ではA、別な状況ではB、また別なときにはC…ではこのテストは成り立ちません(詳しくはこちら)。

 しかし、血液型人間学では性格は不変なものとはしていません。例えば、ここでは能見正比古さんの『新・血液型人間学』から引用しておきます(101〜102ページ  傍点は下線に変更)。 -- H16.2.23

 “神経質”は困った言葉

 神経質という言葉は、古代ギリシャの時代から使い古されてきた言葉である。これこそ絶対、性格用語の本命のように思われている。しかし、改めて吟味して見ると、これまた性格を示す言葉としては、使いものにならないことがわかる。
 つまり、ある状況の下には神経質だとか、ある方面には神経質であるとか、ないとかは言うことができる。だが、全方向に神経質な人は、まず、絶対といっていいほどいない。ある人は着るものに神経質で、別の人は食事に神経質だろう。その違いが、性格を語るのに重要なのである。
 最近聞いたO型のある高級官僚氏は、趣味の音楽鑑賞はうるさく、神経質なくらいと言われていた。その同じ人が、湯たんぽのお湯を平気で煮炊きに使うという。神経質なんてそんなものである。もし病的な神経質で周囲を手こずらせている人がいれば、その人は、周囲の人の感情には、ドンカン、無神経ということになるのだ。
 神経質な人の血液型別の方向を、簡単に列記してみよう。お断りするが、これはあくまで神経質と見られる人の傾向である。
 O型は身体や健康について神経質。病的な潔癖症や高所恐怖症もある。社会の中での他人の目、好意や悪意にも神経質となる。
 A型は周囲の動きや反応、それに対する自分の姿勢に神経質。物事のケジメ、善悪の評価などに潔癖。未来への悲観主義や、仕事などの完全主義傾向も一種の神経質だ。
 B型は自分の気分調整に神経質。行動を制約された状態ではイライラ。過ぎたことにクヨクヨ。事実関係の正誤にもうるさい。
 AB型は、人間関係で神経質となりがち。対人恐怖症も一部にいる。自分の社会的役割りや仕事面の蝿張り保持に神経過敏。経済生活の基盤がガタつくと、度を失い気味。
 以上の例でも判るように、現在、日常で性格を指す言葉として使われているもので厳密には、性格を明示するに足るものは、ほとんどない。大ていは、行動や表現の断片か、せいぜい、前述のタイプに与えられる名称である。正直な性格とかウソツキなどになると、病的な嘘言(きょげん)症を除き、 単に二、三の行動や表現の評価にすぎない。ウソつきは人間共通の性格といったほうが、まだ事実に近い。

Red_Ball12.gif (916 バイト)新版 心理学がわかる。 アエラムック H15.5 朝日新聞社 1,300円+税

 アエラムックの「心理学がわかる」シリーズとしては、1994(平成6)年版、2000(平成12)年版に続くで3冊目です。
 血液型に否定的な記述は、1994年版では3ページもあったのですが、2000年版ではたったの300字に縮小され、そして今回の2003年版では全くなくなってしまったようです! おかしい、と思って何回も読み直したのですが、やはり全く見つけることができませんでした。
 執筆陣が大幅に変わったわけでもないようなので、執筆者グループ、あるいは編集者が血液型を書く必要がない(あるいは書いてはマズい?)と判断したとしか考えようがありません。

 本当はどうなのでしょうか?? はて?  -- H16.2.23

1994年版
血液型の記述は3ページ
(67〜69ページ)
2000年版
血液型の記述は300字
(139ページ)
2003年版
血液型の記述はなし

 例えば、2000年版の『新・心理学がわかる。』には、次のようにあります。 -- H16.3.14

心理学がわかるキーワード50
11 血液型性格刊断
 ABO式血液型の4カテゴリーに基づき、〈A型はきちょうめん〉〈O型はおおらか〉のように、それぞれの血液型に特定の性格特性を付与し、他人や自分の性格を理解しようとする血液型性格判断は、日本においてかなり広く普及している。しかし、これらの性格特性と血液型には今のところ、生理学的にも心理学的にも関連が見いだされていない。これだけ流行する背景の一つには、実際に血液型で性格を当てられたり、性格から血液型を当てられたりすることと、両者に関連があるということとは違うことなのにもかかわらず、それが理解されないという点がある。(139ページ)

 この記述は不適当だったということなのでしょうか? はて?


ホームページへ


最終更新日:平成17年2月13日