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理事長挨拶

足立原理事長 東海道新幹線の開通、東京オリンピックの開催、等で日本列島中が沸き立っていたような1960年代、都市の高度経済成長の活気が満ちる一方、農林業の衰退とともに過疎化が進行する農山村が目立ち始めました。

その時代背景と社会状況下で世襲的な農家農民型の農林業を脱し、人間社会の存続に不可欠な“農“の機能の一端を担い続けていこうとする同志たちが、廃村となっていた富山県上新川郡大山町小原(平成の大合併により現在・富山市小原)への道を登りました。

1967年春のことです...

それまでの常識や手法にもとづく思考や施策のワクにとらわれず開かれた営農体の確立をはかろうと「農業開発技術者協会」という任意団体を結成し、自分たちの思いを形に移す実践を開始するためでした。

小原にその活動の拠点を求めたのは「一つの社会」「一つの文化」「一つの価値」が死んだ廃村を、新たな多くの可能性の宝庫と捉えたからです。

事実そうでした。農業開発技術者協会の活動を“幹”に、次々と“枝”が芽吹きました。土から遠ざかることを高度で高尚とする現代文明状況へ一石を投じようと、土に直結した生存条件と生活価値の探求をめざす「人と土の大学」を1970(昭和45)年に小原で開学。これが一因となって哲学者・山崎正一教授から東京大学退官の際の退職金を寄託され、それを基金に、地道な少壮研究者の奨学顕彰のための「山崎賞」を1973(昭和48)年に創設。1974(昭和49)年には、造林地への除草剤空中散布に反対して「草刈り十字軍」運動を起こし、1979(昭和54)年には、田村三郎東京大学名誉教授が主宰する中国農業現代化研究会のプロジェクトに加わり、米の増産事業をきっかけに「湖南省への農林業技術協力」を開始。等々、廃村・小原への道を登って実践を開始した1967年当時には予想もしていなかったさまざまな形と内容の事業活動を展開し、手ごたえある“文明批評の実践”としていずれも途切れることなく今日まで継続しています。

これらの活動は多くの人たちの協力があってこそ継続してこられたことは言うまでもありませんが、活動を推進する原動力となり、活動を展開する基軸となってきたのは、「コトを起こす者は地位もないところに地位をつくり、責任もないところに責任を生じさせる」ということを示した個人的な努力です。

その多岐にわたる活動の各面での実績は着実に積み重ねられ、廃村・小原への道を登ってから間もなく40年になろうとしています。

それとともに実践活動と事業の展開と継続は個人的努力の限界を超えつつあります。そこで、その経緯を注視してきた有志たちとの協議を重ね、それらの実践活動と事業が内包する公益性と今日的意義の重要性から、その永続性をはかるため法人化を意図し、このNPO法人設立の構想に至りました。

*我々の名称は、一連の活動と事業を貫く“農”の哲理と、人それぞれの生き方の“道”を求める実践の精神に由来するものです。
*写真は2005年11月3日「草刈り十字軍」運動が富山県功労表彰受賞。表彰状と記念の盾を手に。

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2010年10月27日

「足立原貫からのお知らせ」

いつか来ると思っていた"その日"
ついに来ました・・・・・・"その日"

とてもつらい報告をしなければなりません.

2004年(平成16年)9月24日の豪雨による大きな土砂崩れで小原への道が決壊し,通常の往来が出来なくなってしまってから6年が経ちます.

私たちの実践の歴史を刻み,みんなの思い出がいっぱい詰まっているあの「おはら」のあの家屋が,荒廃してゆきました.

その間,森幸英君が,通行止めになっている道を危険を冒して幾度も登り,あの家屋の補修に知力を盡くれました.
しかし,その献身的な努力も,時に猛威をふるう自然の力を止めることはできず,
一昨年秋に,森幸英君が小泉昭則君の協力を得て敢行した大屋根の大補修工事を最後に,私たちの誰も小原へ行けなくなりました.
その間,荒廃は進み昨年の暮れから今春にかけての大雪もあってのことでしょう.

やっと小原へ通行できるようになった今夏,足立原と野口が登ったところ,あの大屋根の一部が抜けかかっていました.

どうにかできないか,なんとかならないか・・・

いろいろな思いが錯綜して考え続けました.
夏の終わり「人と土の大学」,「草刈り十字軍」の活動をよく知っている友人の建築のプロが,小原の偵察に行きメールをくれました.
「もう,私どもの手に負えないところまできています」

・・・・・・.

たまらなく無念,悲しい知らせでした.
でも感傷ににひたって佇んでいられません.

今年の冬は越せないかもしれない・・・・・・

雪が来るまでに,出来るだけの"始末"をしよう.

そのことを"みんなに"知らせよう・・・・・・

 

あの家屋が崩壊し,つぶれて朽ち果てやがて土に還っていくのはまだまだ行く年も先のことでしょう.

今のうちに,その姿形を
みんなの目の奥に焼き付けてもらいたい
そう願って,苦しい決断をしました.

「雪が来る前に"小原の仲間"の集いを開催しよう」

農業開発技術者協会・農道館として次の日程が決まっています
10月24日(日) 小原からの引き上げる資材の運搬
11月20日(土) 山崎賞授賞式

そこで,"集い"を11月21日(日)に開催しようと企んでいます.

このお知らせを書きながらつぶやきつつけたのは山崎正一先生が折々に,おっしゃっておられた重い一言でした.

「この世のものは,みんな有限なんだよ」

 

握手!!

足立原 貫

 

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