研究室

次ページ

何と大げさな部屋名、実は私たちが飛ばしている間に、色々経験した事などで、参考になる事
逆にどうしたらよいか迷っている事などを収録しています。
結果が有る程度出ている事には、どの様にしたか、その結果どうなったかを書いておきます。
皆さんが、困っている事があったら、ご連絡下さい、芝生の仲間も解決に参加します。

ケント紙の無駄ない利用法
 紙飛行機を製作していると、部品取りの関係でケント紙の無駄が多くなります。
 特に高価なAGケント紙などは、B4変形判のため非常に無駄が出来ます(大方の方が使用している
 プリンターは、殆どがA4サイズの為)。
 省資源とふところを痛めない為に、私のしている方法をお知らせします。

 まず準備した図面(部品配置は適当でよい)を、普通紙A4にプリントします。
 必要な部品を取れる最小限(少し余裕をつけて)のサイズで、ケント紙を切ります。
 切り出したケント紙片を、先ほどのA4普通紙の印刷した部分に重ねて、セロテープ等で仮止めします
 仮止めした用紙をプリンターに入れてプリントする。
 最近のプリンターは、非常に位置精度が良くて、殆ど1mm以下のズレでプリント出来ます。

 この方法をすると、非常に無駄なく用紙が利用できます、なお残りの用紙には必ずロール方向を
 矢印などで示して置きましょう(消せるように鉛筆で)。
 この方法の更に良い点は、製作ミスをした時に、必要な部品だけをプリントできる事です。
 ビンボー人の苦肉の策ですが、お金持ちの貴方も省資源の為に是非ご利用を。 

 

ギザギザ主翼について
 昨今、一部の紙飛行機愛好者の間で、ギザシステムと呼ばれる方法が流行している。
流行の元は北海道の同好の氏で、本田 康さんがこの方式で競技会に優勝した事がキッカケ
本田さんは、日経サイエンスの記事「鯨の翼で飛べ」に着目して始められた。
記事によると、鯨の鰭の前方にある突起による効果は、揚力で8%増、空気抵抗は32%減
しかも、迎角が40%アップしても失速を起こさないと言う。
ギザギザの形状など、要素は色々あるので、一概にこれで良しと簡単には行かないだろうが、
新し物好きの私の好奇心をくすぐるには充分、さっそく挑戦してみた。
一般的な形状と比較する為に、翼面積、重量などすべてを全く同じ仕様で、一般翼とギザ翼を
製作して、比較テストしてみた。(写真参考)

結果: 室内手投げ試験では、目高さからの水平飛行で、明らかにギザ翼の方が距離で30%
以上伸びる、簡単な計算で、一般翼が滑空比11m ギザ翼が15m強でした。
試験に使った機体は、もともと垂直上昇型でデザインしたものなので、これ等を広場で垂直上昇
で比較してみたが、垂直上昇を可能にするために、滑空比を抑えなければならず、それゆえか
ギザ翼の効果は、手投げ試験ほどには現れなかった。
また、調整が要領を得ず、ギザの方は試行錯誤で、ギザの一つ一つの状態まで影響して、まだ
充分な結果を出せない。 主にハンドランチの愛好家が、このシステムに多いのも、その辺の
事情かも知れない。
引き続き挑戦して、何時の日かギザ翼で垂直上昇を完成させようと思っている。
興味のある方は、挑戦してみてください。参考までに本田さんのURLは:
 http://aeroboy.dip.jp/index.html  です。

中空ハイキャンパー翼のテスト
 
通常、紙飛行機の主翼は、一枚の板状の主翼に「へ」の字型のキャンパーを付けます。
 工作が簡単な事と、修正が容易な事がその主な理由です。
 一方、ハンドランチ機などでは、より効率の良い、翼型断面になるような細工をして居ります。
 欲張りかもしれませんが、垂直上昇にも使える、同様な翼型断面(クラークYに近い形)を軽量に
 作る事を試してみました、翼の上面と下面は一枚の紙で形成して、中は空洞になりますから、
 翼厚の割には軽量に仕上がります。
 
 ただし、充分注意して工作しないと、よじれが出ます。一旦よじれが出ますと、従来の翼の様に
 簡単に修正はできません(まったく出来ないと言っても過言ではありません)。
 現在テスト中で、効果を総合的に説明できませんが、明らかに揚坑比は向上します。
 ゴムカタパルトによる発進では、発進直後の速度の速いときに、主翼の揚力が非常に大きくなり
 必然的に機首上げ状態から宙返り状態に入りやすいのが欠点です。
 これをどの様に抑えるかが、今後の課題になります。
 皆さんにもテストして頂いて、何か良い対策が有るか研究してみてもらいたく、試験途中ですが
 あえて図面を公開します。
 PDF形式の図面ですが、工作の要領を説明します。
 図面をプリントアウトして、正確に外形実線上を切り抜いてください、破線は折り線になります。
 上面になる側に、中心を翼幅方向に描かれた実線部分が最大になるように、キャンパーを付けます
 正確に折り曲げると、後縁部分が一致しますと、2.5mmのキャンパーがつきます。
 後縁の合わせ部分を、瞬間ボンドで接合します。
 この時、翼の下面に、よじれを出さない様に注意してください、充分乾燥したら、必要な上半角を
 付けます。 上面中心に隙間が出ますから、細い紙片で塞いでください。
 胴体、尾翼はお好みで工夫してご使用下さい。

 

最近のレポート

重心位置の決め方

主翼の形状
 翼型と言いますが、これは正しくは翼の断面形状の事です、ここで言う形状は翼の平面形状を言う。
 矩形翼、楕円翼、テーパー翼などが有ります。また翼の胴体に取り付けられる形から後退翼などが、
 有ります。 それぞれ長所短所があり、目的に応じて使われています。
 その変遷は、構造的な作りやすさや、飛行機の速度の変化に大きく影響していますが、紙飛行機等
 では、滑空速度の遅い物ですから、平面形状による差はあまり気にしなくても大丈夫です。
 しかし、僅かながら形状の違いによる飛び方の違いはあります。
 詳しくは別の説明を見て下さい。  詳細説明を見る

垂直上昇型の尾翼の改良

ご存知のホワイトウィング530は垂直上昇に向いている、あの特徴ある尾翼によって、垂直上昇を
可能にしている、後退角を持った尾翼の双垂直尾翼がカタパルト発射の高速時に風圧で、
尾翼エレベーター部分を押し下げ、機首上げを抑えている事によって垂直上昇を可能にしている。
しかし、それ故に中々尾翼の調整が難しい、僅かな違いで滑空性能に驚くほど差がでる。
もちろん、紙の問題もあって、同じ形状でも紙の厚さ、腰の強さで変化が大きい。

そこで、この効果をもっとアクティブに出来ないかと考えたのが、写真の様に切り込みを入れる
この形式の尾翼を、考案した仲間の名前を取って「ガミ型尾翼」(仮称)と呼ぶ事にした。
最初は少し少なめに切り込み、機体に合った条件になるように切り込みを増して行くと良い結果が
得られる。
良くなった点は 極めて直線的な垂直上昇を可能にした。 多少風の強い日など向かい風になった
飛行条件で機首上げを抑える効果もある。
基本調整では、水平手投げで最大滑空距離になるように調整すれば良いから、垂直上昇の為に
滑空比を犠牲にする必要が無い。
逆に悪い点は 飛行回数が多くなると、紙の弾性が弱くなってくる、特に何かの弾みで墜落した場合
切り込み端面で曲がりを生じる。

岩淵式尾翼
 円形芝生の仲間、岩淵さんが考案した尾翼。 特に垂直上昇に向いているが、一般に使用できる。
 紙飛行機を調整する時、尾翼の調整が非常に多く、しかも、これが又大変厄介で、微妙に飛行性能に影響する。
 尾翼全体をベンディングするのは、ほんの僅かで大きな変化が起きて、中々ベストコンディションに出来ない。
 部分的にエレベーターを作る(一般の飛行機尾翼の様に)と左右のバランスを取るのが難しくなる。
 そこで、中心部分に後方に少し飛び出し部を設けてエレベーターに使う。
 この方法だと、大変細かな調整が比較的簡単に出来、左右バランスも崩れない。簡単だが優れた発想。
 格納庫の「飛燕改造」「バタフライー3」何れも岩淵機の尾翼を参照して、試みてください。

この部分が弱い

改良尾翼の様子

三角紙胴体の製作
 
ジャパンカップや木村杯などの競技機を計画するときは、通常作っているヒノキ材による胴体は、
 競技機規定により参加できない。条件は全て紙製である必要があります。
 紙製の胴体は、ホワイトウィング機の様に、数枚の紙を重ねて作る方法が一番簡単ですが、意外に
 重量が必要で同じ強度を保てる紙胴は、ヒノキ材による場合より重くなる。
 結果的に、ヒノキ胴で改良してきた機種も充分な結果を出せない場合が多い。
 そこで、中空の四角。三角、丸胴などが考えられる。 試験的に三角胴を計画して製作して見た。
 重量的には、ほぼヒノキ2X5(断面)材とほぼ同等な物が作れて、強度も充分保てる。
 しかし、実際に試験飛行をしてみると、発射直後の高速飛行時に色々な問題が出て来た。
 
 改良をして、完全では無いが、まずまずの結果が得られたので、参考までに詳細と製作手順を
 公開します。 格納庫に図面収録してある飛燕の諸元をそのままに胴体を紙にしたが、結果は
 ヒノキ胴で得られた、飛燕の性能と同等或いは少し良くなっています。
 皆様も何か良い方法がありましたら、教えてください。
           詳細説明を見る。