当研究室では、超伝導単一光子検出器(SNSPD, SSPD)、超伝導トランジスタ(nTron)、ナノストリップ高分子質量分析器(SSID)、ジョセフソン電圧標準など、様々な電子デバイスを外部研究機関と協力して開発しています。 作製法はどのデバイスも類似しており、ここでは代表例として超伝導単一光子検出器開発の概要を示します。

  1. デバイス設計
  2. ・有限差分時間領域(FDTD)法によりデバイス内部の電界分布をシミュレーションし、高性能が得られるデバイス構造を検討します。
    ・CADソフトでデバイス図面を作成します。



  3. 薄膜成長
  4. ・Siウエハを切断、洗浄、熱酸化して薄膜成長用基板を作製します。
    ・スパッタ薄膜成長装置、MBE薄膜成長装置などを用いて、超伝導薄膜を成長します。
    ・X線回折、抵抗率測定により薄膜の特性を評価します。



  5. 微細加工1
  6. ・フォトリソグラフィ、ドライエッチングなどによって、ミクロン幅の細線に微細加工します。
    ・フォトリソグラフィ、金蒸着などによって、電極部分を作製します。


  7. 微細加工2
  8. ・さらに微細なナノ加工が必要な場合は、修士学生が北大ナノテクの装置を利用して、nmサイズの微細加工を行います。
    ・ダイシングによって各チップに切断します。



  9. 特性評価
  10. ・ホルダに取り付け、顕微鏡下で光ファイバと集光位置を合わせます。
    ・試料を冷却し、I-V特性などデバイスの電気伝導特性を測定します。
    ・光ファイバを通してレーザ光を照射し、量子効率、暗計数率、ジッタなど光デバイス特性を測定します。






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