厳島神社は釧路市米町一丁目知人岬台地に位置しております。 この附近一帯は江戸時代にクスリ会所・クスリ泊といわれた釧路市発祥の地でありました。
当神社は以前には南大通七丁目の釧路を見下ろす高台に在りましたが、境内が狭くなり明治二十四年二月に現在地に移転しました。
境内に接する米町公園は、太平洋を見下ろす高台にあり、眼下には釧路港があり漁船の出入りも盛んです。 又、公園内には石川啄木歌碑などもあり、遠景には雄阿寒岳・雌阿寒岳が眺まれ、厳島神社と共に歴史を刻んできました。
古くより、厳島神社は釧路市民の守り神さまとして仰がれてきました。
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■ご由緒
本神社は釧路が来開草業の頃、漁場請負人佐野孫右ェ門が漁場の安全と大漁祈願の為、安芸の厳島神社の御分霊を勧請奉祀したのが起源と伝えられています。
文化二年には佐野孫右ェ門が再び請負人となり、旧真砂町高台の土人達がカムイシュマ(神岩の意)と呼び、木幣を立てて祀っていた土地四百坪に神殿を造営、以来累年豊漁が続き住民も年を逐って増加し、遂に神社を四週して一部落を形成するに至り、住民自ら産土神と崇仰するようになったのです。
これは安政四年に函館奉行の命により全道踏破した松浦武四郎の「久摺日記」に明記される処です。
明治二十四年二月十日、現在地に本殿拝殿を造営して御遷座、同年五月郷社に、大正二年五月に縣社に昇格いたしました。
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■御祭神
市杵島姫命(いつきしまひめのみこと)
安芸の宮島で有名な厳島神社の祭神です。弁財天・弁天さまとも親しまれています。
阿寒大神
雄阿寒岳・雌阿寒岳を霊峰とする山神さまで、アイヌの神ともされています。
稲荷大神
農業と商売繁盛の神様です。
金比羅大神
金刀比羅宮の分御霊で海上安全、大漁満足の神さまです。
秋葉大神
静岡県秋葉山本宮秋葉神社の御分霊で、緒厄緒病を祓い、厄除け開運、家内安全商売繁盛の神さまです。
海津見大神
海上安全、大漁満足の神さまです。
猿田彦大神
國ツ神の一つで道祖神、また俳優(わぎおき)の神さまです。
いずれもクスリ場所時代から明治初期に釧路に移住し、街造りに励んだ先人が国元や職業の関わりからお祀りし、今日に至ったものです。
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