NPO法人 パン工房カウベル

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公益財団法人JKA 2019年度公益事業振興補助事業
(オートレース公益資金による補助事業/福祉車両の整備)
「事業の概要と予想される実施効果等に関する報告」

1 補助事業の概要

(1)事業の目的

 厚生労働省は2018年、障がいのある人が全国で約936万6000人に上るとの推計を公表しました。これは全人口の約7.4%にあたり、前回(2013年)より約149万人増えたことになります。

 一方、障がいのある人の自立と社会参加を巡っては、依然として一般就労には困難を伴い、就労が叶わずに在宅で過ごす人も少なくありません。そうした人たちを支援する就労支援等の福祉サービス事業所も増えており、その点では支援体制の整備が進んでいると捉えることもできます。しかし、事業所の立地条件は、財政上あるいは近隣への配慮などの事情から交通の利便性が伴わないことも多く、通所手段の確保が常に課題となります。ましてや、利用を希望する人の多くは、一人で外出することに不安や困難を伴う何らかの事情を抱えています。この問題に対して、事業所の送迎サービスで対応するには、新たな車両の導入と人的補充を必要とするため、簡単なことではありません。しかし、今現在も社会参加の機会を見失っている人がたくさんいることも見逃せません。

 この様な現状を踏まえ、一人でも多くの人が社会に関わり、生き甲斐を見出せるようにするために、各事業所が少なくとも定員を満たすまでは受け入れ可能な送迎体制を整備することは、より質の高いサービスを提供するという事業者に課せられた使命にも繋がります。

 今回の事業は福祉サービス事業者としての使命のもと、通所手段の確保という観点から福祉車両を整備して支援体制の充実を図るものです。障がいのある人が社会に参加し、地域の人達との交流を深める契機を提供し続け、更にこの活動を通して地元地域にも何らかの貢献ができればと考えております。


(2)実施内容

実施した内容は、送迎用福祉車両の配備です。定員10名のワゴン車を導入して送迎体制の整備を図りました。


 これまで予想を上回る利用者数の増加と送迎ルートの拡散、ならびに障がいの程度に応じた個別送迎による対応、そして利用者の大半が送迎を必要とする現状から、送迎体制の再整備が急務となっていました。今回の事業はこの再整備に重点が置かれたもので、既に新規受け入れ可能枠の拡大、新たな送迎ルートの設定などに役立てています。

 また、従来よりも輸送能力が上がり、スタッフの配置や送迎に要する時間にゆとりが生まれたことで職務環境の改善が見られ、運行時の安全性向上にも役立ちました。


2 予想される事業実施効果

 障がいのある人の中でもとりわけ、日中も在宅で過ごしている人たちが社会に関わる機会が増えることで、本人のみならずその保護者に支援が及ぶことが期待されます。
ご家族をはじめとする保護者の皆さんの中には、日中も在宅で過ごす身内の世話が負担になっている人や、自身の高齢化によりいつかは十分な世話が出来なくなるのではと不安を感じている人、あるいは既に高齢に差し掛かって不安が現実になっている人もいます。

 本事業の実施により、これまで社会との関わりが持てずに過ごしてきた方が一人でも多く社会に関わることができれば、不安や負担を抱えている保護者のお役に立つことになると予想されます。


3 印刷物等

 今回実施された事業については、当法人が発行する広報紙「パン工房カウベル通信」35号に掲載されます。今後、掲載された記事はこちらでも紹介させていただきますので、是非ご覧ください。