村上法律事務所〜相模原の弁護士〜
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 債 務 整 理


1 解決方法

  •   弁護士が関与して法人ではなく個人の借金問題を解決する方法としては,@任意整理,A民事再生,B破産の3種類があります。手続きの概要を以下にお示しします。
      いずれの手続きにおいても,弁護士が初めにする仕事は,債権者に対して受任通知を発送し,債務者(依頼者)に対する取立てを止めさせることです。弁護士に依頼するメリットは,法律的に多額の債務から解放されるというだけでなく,債権者からの取立てを早期に止めることにもあります。
  •  @任意整理,A民事再生,B破産・免責のどの手続きにより解決するかに関しては,依頼者の負債,資産,収入などをお聞きした上で決めていきます。
  •   なお,司法書士も一定の範囲で債務整理に関する業務を受任することができますが,経済的利益が140万円を超える事件の代理人を受任できない,訴訟対応の必要が生じたときに簡易裁判所以外の裁判所においては訴訟代理人になることができない,破産・民事再生においては書類を作成するのみで代理人として申立てをすることができないなどの点において弁護士とは差異があります。


  @ 任意整理

  •  任意整理は,裁判所を利用せずに債権者との間で負債の減額と分割弁済,場合により払いすぎたお金(過払い金)の返還の交渉をする手続きです。
  •  利息制限法の定める金利を超えた利息で取引した消費者金融業者の負債については,取引期間が長ければ長いほど,また,返済がまじめであればまじめであるほど負債が減り,場合により払い過ぎたお金(過払い金)が返ってくる場合もあります。
     過払い金については,債権者が減額を要求し,他方債務者(依頼者)も早期解決を優先してこれに応じることが多いため,計算上の過払い金額の90%程度の返還を受けることで債権者と訴訟外で和解するケースが多数です。計算上の過払い金額の100%プラス遅延利息の支払いの要求を貫くときは,場合により訴訟提起が必要となり,解決までに若干の費用と時間を要します。
  •  任意整理は,分割であるにせよ貸金業者等に支払いをすることが前提となるので,支払能力がない場合には,手続きを進められません。(但し,例外的に多額の過払い金があり,返還を受けた過払い金により返済できる場合には支払能力は必要ありません。)


  A 民事再生(小規模個人再生・給与所得者等再生,いわゆる「個人再生」)

  •  いわゆる個人再生は,裁判所を利用した手続きで,負債額が5000万円以内である場合にこれを減額し(負債総額が100万円未満の場合は減額なし,100万円以上500万円未満の場合は100万円に減額,500万円以上1500万円未満の場合は5分の1に減額,1500万円以上3000万円未満の場合は300万円に減額,3000万円以上5000万円以下の場合には10分の1に減額します。但し,所有資産価額以上あるいは給与所得者等再生の場合には可処分所得2年分以上といった最低弁済額に関する法律上の規制があります。),これを原則として3年間で弁済することにより,それ以外の部分についての免責を受けるための手続きです(但し,一部,法律上減免の対象とすることのできない債務があります。)。
     民事再生のメリットの1つは,免責不許可事由があるために破産・免責手続きによっても免責を受けられない場合にも再生計画に基づく弁済をすれば残りについて免責を受けられることですが,最大のメリットは,抵当権等の設定された住宅ローンがある場合に,住宅ローンを支払い続けることにより住宅を保持できることにあります。


  B 破産・免責

  •  破産は,民事再生と同様に裁判所を利用する手続きで,一定額以上の資産をすべて債権者に配当して清算する代わりに,負債についても免責許可を受けることにより,すべてないものとする手続きです。(但し,一部,法律上免責にならない債務があります。)
     選挙権がなくなるのではないか,就職に困難が生じるのではないかといったことを心配される方もいますが,基本的に社会生活上の制約はないものと考えていただいて大丈夫です。(職業に関しては,法律による制限がある場合あるいは各企業が独自の制限を設けている場合がありますが,極めて例外的です。)



2 弁護士費用

当事務所では,弁護士費用の分割支払いは受け付けておりません。

横浜弁護士会総合法律相談センターでの相談から受任に至った場合には,横浜弁護士会の採用する定型契約書に記載された条件で契約しますので,下記は適用になりません。

○法律相談料

  • 個人の債務務整理(任意整理,民事再生,破産・免責)に関わる法律相談は,本ホームページをご覧いただいた方の初回法律相談に限り,無料です。相談を予約されるときに本ホームページをご覧いただいたことをお話し下さい。
  • 法律相談の結果,受任に至る場合には,進める手続きに応じて,下記の弁護士費用が必要になります。


 @債務整理  着手金+報酬

  • 着手金
  •  1社 3万5000円(消費税込み)
  • 報 酬 
  •  債権者ごとに計算します。
     過払い金がある債権者に関して,実際に債権者から返還を受けた金額の25%プラス消費税を報酬とします。
     減額はできたもののなお負債が残る債権者に関しては,報酬をいただきません。つまり,過払い金の生じた債権者が1社もない場合には,着手金限りで報酬は発生しないシステムです。
     なお,計算上の過払い金額の100%プラス遅延利息の支払いを求めて訴訟を提起する場合には,返還を受けた金額の25%プラス消費税の他に裁判費用として6万3000円(消費税込み)を報酬とし,裁判所に納付する印紙代,郵便切手代(過払い金額が50万円であれば1万1400円程度,100万円であれば1万6400円程度です。)は別途依頼者の負担とします。    
【任意整理の着手金・報酬算定例】
債権者2社
債権者の主張する債権額(A社:50万円,B社:20万円,C社:10万円)
債務整理による解決額(A社:交渉により減額した10万円を分割弁済する。B社:交渉により10万円の過払い金の返還を受ける。C社:交渉で解決せず,訴訟手続きを経て20万円の返還を受ける。つまり,依頼者としては,3社合わせて80万円の負債があったところ,逆に差し引き20万円の現金を取得できたという場合。)
    着手金 債権者3社なので,35,000×3=105,000(円)
    報 酬   A社分 10万円の債務が残ったため,報酬なし。0(円)
          B社分 減額できた20万円の部分については,報酬なし。0(円)
               返還を受けた過払い金10万円について,その25%+消費税。
                  100,000×0.25×1.05=26,250(円)
          C社分 減額できた10万円の部分については,報酬なし。0(円)
               訴訟手続きを経て過払い金の返還を受けた20万円について,
               裁判費用63,000(円)及び過払い金20万円の25%+消費税
               63,000+200,000×0.25×1.05=115,000(円)
          3社の報酬合計 141,750(円)
    依頼者の負担額  着手金105,000+報酬141,750=246,750(円)
     (別に,訴訟手続きに際して裁判所に納付した印紙代,切手代は依頼者負担。)
       

 A民事再生  手数料

  •  住宅ローンを含めて10社まで35万円(消費税別,申立て時に裁判所に納める官報広告費用相当額の予納金,印紙代,切手代を含みます。)
     11社以上の場合,10社から1社増えるごとに1万5000円(消費税別)を加算した金額とします。
  •  住宅ローンについて,既に滞納が発生しているために銀行等とリスケジューリング(返済計画の組み直し)の交渉が必要になる場合には,1金融機関につき10万円(消費税別)を加算します。


 B破産・免責  手数料

  •  10社まで25万円(消費税別,申立て時に裁判所に納める官報広告費用相当額の予納金,印紙代,切手代を含みます。)
     11社以上の場合,10社から1社増えるごとに1万円(消費税別)を加算した金額とします。
     なお,債権者に配当する資産がある場合,資産の存在が疑われる場合,法人の代表者が法人と同時に破産を申し立てる場合,免責不許可事由の存否や免責の可否を調査する必要がある場合,裁判所は破産管財人を選任してこれらの業務を行わせます。破産管財人が選任される場合,最低でも20万円を予納金として裁判所(破産管財人)に納付しなければなりません。その予納金は,上記手数料とは別に依頼者の負担となります。