叡山流ご詠歌

天台宗のご詠歌(ごえいか)は「叡山流」といい、信仰団体としての「叡山講福聚教会」があります。叡山とは比叡山の叡山で、講とは神仏の信者の団体のことです。

ご詠歌とは、やまとことばで仏・菩薩・各祖師などを讃えた讃歌のことで、各霊場札所のご詠歌は広く一般にも知られるところです。
ご詠歌は大きく分けて、詠歌と和讃に分けられます。

詠歌…詠歌は仏教の教えを五・七・五・七・七の和歌としたものに、ふしをつけたものであります。和歌は中世の頃から陀羅尼(呪文)と同じ呪力を持つものとして考えられてきました。
和讃…和讃は五七調あるいは七五調の詞に曲をつけたものをいいます。和讃の「和」には、漢文のものを和文にするという意味があるほか、皆で一緒にという意味合いがあります。お坊さんと檀家さんが一緒に仏さまを讃え、お唱えできるところに文字通り「和讃」の良さがあるといえるでしょう。
広い意味で両者を併せてご詠歌といいます。

福聚教会は終戦後の昭和二十五年、正式に発足しました。叡山流の各曲は、邦楽の起源といわれる「天台声明」の旋律を基にしています。多くの人々を惹きつけるその美しい調べと、学ぶほどに気付かされる深奥さが最大の特長です。
お経は聞くだけでもご利益があるといわれます。他方、詠歌和讃の功徳は、自らお唱えしてこそ享受できるとされます。これは、仏さまや伝教大師、先徳を讃えるご詠歌の歌詞を真摯に唱え歌うことによってはじめて、その教えと自分とが一体化した境地に達し得るからだと思われます。

※観音寺では、毎月1回ご詠歌のお稽古をしており、現在講員さんを募集しております。
 ご興味のある方は、観音寺(044-911-7599)までご連絡下さい。

 比叡山佛道讃仰和讃