平和と基本的人権を守ろう!仲間たちの連絡会

 No92-5             webへいき連              2022年10月

「非武装中立」担う強力な主体の形成。職場で、地域で
終わりのないウクライナ。誰のため、何のため?の戦争か

非武装中立論の表紙

       <シリーズ> 「非武装中立」のリアル ⑳

 昨今、どこを見ても「非武装中立」のリアリティーを否定する材料ばかり…に思えます。今こそ、9条を護り、安全保障政策の確 立と平和外交の推進に邁進する時ですが。現状は、その前段のふがいない状況にあります。

◆「非武装中立」の追求と実現には、平和憲法を護持した上に、一定の政治勢力、大衆的運動の高揚が大前提です。この点、主体の 状況はお寒い限り。勤労者、多くの年金生活者の代表として期待される政党は、依然として、原発、消費税、憲法改正への態度、基本政 策を明確に出来ず、野党第一党の座も揺らいでいます。さらに労働団体。かつて、反合・反マル生闘争、国民春闘、スト権奪還スト、原 水禁、安保・沖縄闘争を闘い、貴重な教訓を得たはずですが、その存在感は薄く、ますます軽く。反共思想を叩き込まれた大幹部は反自 民の結集と闘いを阻み、勝共連合の一翼を担う…は言い過ぎでしょうか。国際的にも低水準の賃金、ますます顕著になる窮乏化に無責任、 無力、無政策のままで良いはずはないのですが。反戦・平和、生活を守る労働者の組織として、その存在意義と今後を改めて問う、歴史 的な総括が必要ではないかとの思いを強くしています。
◆「非武装中立」の政策の有効性の検証、政策実現による問題解決の道筋を明確にするためにも現状の認識、国際情勢の分析をきちっと 進めなければなりません。先の見えないロシアによるウクライナ侵攻、急迫を言われる台湾有事、日常的に語られる中国、北朝鮮の脅威 などの問題の本質を把握する上では、関連する歴史を振り返り、改めて知り、学び直す必要など痛切に感じます。二つの世界大戦、国連 の誕生、東西対立、ソ連崩壊・冷戦終結…の世界史、近現代史の流れの中で、事の意義を捉える作業が必要です。
◆ゼレンスキーの全領土奪還宣言とバイデンの引き続きの軍事支援表明。ロシア・プーチンも国家動員で応じ、撤退の気はない。終わり が見えない。即時停戦、支援停止と停戦協議の開始は本当に不可能なのか。身の丈に応じた、国力に応じた戦争…ではない、傀儡政権に よる際限のない代理戦争。クリミア大橋爆破への報復、ウクライナのインフラ設備などへの大規模空爆。繰り返される原発攻撃はどちら の仕業か…。英米とEUは固く結束しているのか…。経済的打撃を被るEU諸国内の右派政党の台頭。戦争激化が招く、世界大戦、核戦 争の予測や懸念。プーチンは核兵器を使う、核戦争になる…と米マスコミが危機を喧伝し、扇動している。英国国防省も加わった情報戦。 情報そのものの真偽、信憑性、情報源の確認も重要だ。プーチンの思惑と利益のためだけの戦争か、各国の覇権争い、国際資本の動きな ど十分に吟味、改めて誰が、何のために…、事実をしっかり確認する必要があるでしょう。
◆台湾有事はもっと身近に、分かりやすく問題を提起することになるでしょう。さて、2023統一地方選挙の日程が決まりました。こ こでの主体の状況はより危ういものです。反自民の、勤労者・年金生活者を代表する政治勢力の脆弱さは、中央以上に深刻で無展望のま まです。野党と称し、全国展開を狙う自民補完勢力、別動隊の画策にも注目し、警戒しなければなりません。職場同様、地域でも、生活 を守り、護憲と反戦・平和の大衆運動の回復が強く求められるところです。職場を離れた今、年金生活者も身近な日々の生活の場で、何 をなすべきか、何が出来るのか…これを機に、しっかり問いたいと思います。                    <続>

       2022年10月17日  北条 恒

  *  北條さんの問題提起「非武装中立のリアル」いつもありがとうございます。       次回の連絡会では、「何をなすべきか、何が出来るのか」について、北条さんに問題提
     起してもらいみんなで考えていきたいと思います。
                           (編集委員会)


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