≪総務省推計≫
4月18日、日本の人口減少に関する「日経新聞」の記事です。
2011年10月1日時点の定住外国人を含む総人口 1億2779万9千人
この1年間で25万9千人の人口が減少し、そのうち外国人の国外への転出が5万1千人とのことでした。
「今回の人口の急激な落ち込みは出生率の低下、高齢化に加え、震災と原発事故による日本からの人口流出が重なったことが主因である」と記述されてあり、また「人口の減少を放置すれば国力の低下を招きかねない。個人消費や設備投資などの需要が減るだけでなく、労働供給量という供給の面からも経済成長を制約する」と記事は警告していて、その対策の一つとして「技能の高い外国人労働者をどのように受け入れていくか議論を深める必要がある」とまとめてありました。
≪本題です≫
平成24年5月7日から「高度人材に対するポイント制による優遇制度の導入」の運用が開始されます。
「高度人材ポイント制」は、優秀な海外の人材の受け入れを促進するための政策です。
どのような制度かを簡単に説明すると、外国人の「学歴」、「職歴」、「年収」などの項目ごとにポイントを設け、ポイントの合計が一定の点数に達した外国人を「高度人材外国人」と認定して優遇措置を行うというものです。
≪優遇装置の内容とは≫
1. 複合的な在留活動の容認
2.在留期間「5年」を付与
3.在留歴に係る永住許可要件の緩和
4.入国・在留手続の優先処理
5.配偶者の就労
6.親の帯同
7.高度人材の雇用される家事使用人の帯同
≫ 優遇措置の詳細についてはこちら ≫≫≫ (入国管理局資料)
≪ポイント評価で70点以上獲得≫
申請人ご本人の希望に応じ、高度人材外国人の活動内容を @学術研究活動 A高度専門・技術活動 B経営・管理活動 の3つに分類し、それぞれの活動の特性に応じて「学歴」、「職歴」、「年収」、「研究実績」などの項目ごとにポイントを設定し、評価を実施します。ポイント評価の結果70点以上獲得した方を高度人材外国人と認定されます。
≫ ポイント評価の詳細についてはこちら ≫≫≫ (入国管理局資料)
≪高度人材外国人に認められるためには≫
−パターンその1−
これから入国しようとする外国人は「在留資格認定証明書交付申請」と同時に自己採点した「ポイント計算書」とその疎明資料を提出し審査の結果、認められた場合はポイントの合計点や高度人材としての活動累計が付記された「在留資格認定証明書」が交付されます。
日本で交付された在留資格認定証明書を外国にいる申請人(外国人)に送付し、在外公館に査証(ビザ)申請し、発給されれば、在留資格認定証明書とパスポート(査証)を所持し、入国(上陸)となります。
−パターンその2−
現に就労資格で在留している外国人については、高度人材としての在留資格「特定活動」への変更申請を行い、ポイント計算の結果合格点に達した場合は、在留資格変更許可を受けることが可能です。
≪あとがき≫
不法滞在や外国人犯罪などの諸問題を抱える反面、労働者の確保も必要である本国において、この時期にポイント制の導入です。平成21年に公布された入管法の大改正の施行が待たれる今、一つの目玉的な政策といえます。
≪余談・入管法改正≫
ちなみに、入管法大改正のポイントですが、現行、外国人を「入管法」と「外国人登録法」の2つの法律で二元管理しています。改正後は「外国人登録法」を廃止して「入管法」による一元管理となり、これまで居住地の市区町村長が発行していた「外国人登録カード」は、法務大臣は発行する「在留カード」に移行されます。
新しい「在留カード」はICチップによって多くの情報を一元的に管理することができます。入国してからの履歴が全てチップにインプットされているので、入国管理局担当官は「在留カード」を機械に通すだけで、その外国人の情報が一目瞭然になります。
今回の改正法は、最長5年の在留期間など一部緩和された部分もありますが、管理体制はより厳格になるといえます。