『回復!スパスパ人間学』の不思議


ABO FAN


Red_Ball12.gif (916 バイト)平成16年10月7日に放映された『超スパスパ人間学!』の内容について [H16.10.7作成 10.10-11修正] 

 あなたは、平成16年10月7日に放送された『超スパスパ人間学!』を見ましたか?

 この番組では、心理学者で否定論者の第一人者である大村政男さんが「血液型と性格は関係ある!」と断言していたのです! しかもにこやかに…。

 最初は信じられませんでした。多くの読者も同感でしょう!

 普通なら、これでメデタシメデタシとなるはずです。しかし、この問題は思ったよりはず〜っと奥が深いようです。

平成16年10月7日に放映された『超スパスパ人間学!』の内容

 前回の平成13年4月5日に放映された『回復!スパスパ人間学』とは正反対の結論になっていました。それは…

■血液型と運動

 番組では、血液型別に運動が続かない理由を解明するという目的で、瞬発力運動(ダンベル運動)、持久力運動(自転車マシン)によるストレスの調査を行いました。運動中の脳波を血液型別に測定したところ、次の結果が得られたそうです。

  瞬発力運動 持久力運動
A型 ストレス ストレス
B型 ストレス ストレス
AB型 人により違う 人により違う
O型 ストレス ストレス

 随分違うものですね。

■血液型別心理テスト

 大村政男さんによると、人間には3つの性格傾向@損害回避傾向A新奇追求傾向B報酬依存傾向があり、血液型別に調べてみたそうです。

#あれ、ビックファイブじゃなかったの、なんてツッコミを入れてはいけません(笑)

 では、血液型で違いは出たのでしょうか?

 大村さんの答えは、「見事に分かれましたよ!面白いですよコレ!!」 ← テロップそのままです、ウソではありません!

 私は思わず自分の目と耳を疑いました。(@_@)

 結果をそのまま紹介すると、

@損害回避傾向

 損害回避傾向は、A>O>AB>Bの順でく、A型の割合は、損害回避60%、報酬依存30%、新奇追求10%でした。

A新奇追求傾向

 新奇追求傾向は、B>O>AB>Aの順で、B型の割合は、新奇追求70%、報酬依存20%、損害回避10%でした。

B報酬依存傾向

 報酬依存傾向は、O>A>B>ABの順で、O型の割合は、報酬依存65%、損害回避15%、新奇追求20%でした。

 ちなみに、AB型は1つの性格にまとまらなかった、ということだそうです(笑)。私は、クール傾向や合理性傾向ならAB型が一番だと思うんですが…。

#能見さんの指摘とほぼ一致しているとは言うまでもありません。

■メール(その1)

 あまりにも唐突な「転向」なので、正直呆然としています。

 知り合いからは、番組を見て早速こんな内容のメールが届きました。

大村氏は、いつの間に「転向」したのですか? まあ、転向したこと自体は喜ばしいことですが、かつて彼が罵倒した人たちに対する謝罪などはあったのでしょうか?
事情を知らないので断言はできませんが、もし、そのことに対して何も説明がなかったとすれば、その厚顔無恥ぶりはとても許すことはできません。
ついでに言えば、司会の森本氏も、かつて血液型人間学を激烈に糾弾した一人であるはずです。
あまりに驚いたのでメール差し上げましたが、SHOZOさんはこの間の事情をご存知だったでしょうか?

 ということですが、私も事情は全くわかりません。今になって思うと、青少年委員会報告[現在は消えているようです…]が出たときがTBSの転換点だったのかもしれません。この報告書を読む限り、TBSは明らかに肯定派に「転向」したようです。

TBSの青少年委員会報告が消えてしまったようなので、ここに要旨を書いておきます。

番組名「能力探検!ホムクル!!ABOAB血液型性格診断のウソ・ホント! 本当の自分&相性のすべてがわかるスペシャル」

<「青少年委員会」からの要請要旨>

視聴者から下記のような意見が多く青少年委員会に寄せられました。
つきましては、これらの意見に対する貴局の見解をお知らせください。

<視聴者の意見要旨>

○「人は血液型により性格がちがう」「血液型による相性はある」「血液型により人の行動パターンは違う」・・・などと学者が出演して「血液型が人格を決定する」と断定したかのごとき内容の放送だった。私は教育関係者。子ども達が占いや血液型診断を信じ、いかに影響を受けやすいかを知っている。事実、佐世保の小6同級生殺害の加害者のホームページにも血液型、占いなどに関する書き込みがあったというではないか。従ってこのような放送内容は青少年への悪影響が極めて大きいと思う。放送関係者は青少年への影響という点をもっと真剣に考えて番組作りをすべきだ。(女性 20代 福岡)
[以下省略]

<TBSの回答要旨>

 (1)血液型と性格の関連から短所や欠点を指摘する事によって差別につながるという御意見と、(2)血液型性格診断は科学的根拠がないのにもかかわらず、あたかも確固たる事実のように放送するのは問題である、という意見に大別されます。

(特定の血液型への差別について)
 この問題に関してTBSに寄せられた抗議の大半はB型の人からでした。具体的には「B型に対して何故あんなにひどいコメントや偏見ばかりの結果を出したのですか」「B型だけが悪く言われる意味がわかりません」などという内容で、深く反省致しております。
 その後放送されたTBSのレギュラー番組「脳力探検クイズ!ホムクル」の血液型コーナーでは、差別に繋がりかねない表現をカットするとともに、どの血液型についてもその長所を強調するかたちで扱いました。更に「個人差があります」というスーパーテロップを出来るだけ多く挿入しました。 

(血液型性格診断の科学的側面について)
 科学的な仮説は常に変わり続けるという事、又説明できない現象も非常に多くあります。
 私たちは2001年に放送した『スパスパ人間学!貴方の知らない本当の性格・好かれる理由・嫌われる理由スペシャル』の中では、血液型診断については、「基本的に否定する」立場にたって取り扱いました。
 しかし、その後免疫学の分野を中心に、免疫力と血液型の関連、免疫と性格の関連が指摘されて始めています。
 これらの結果を基礎にして今回の番組を構成したわけですが、番組作りの編集段階で、性格付けを強調しすぎてしまい、余りにもステレオタイプ化させてしまったという点について反省致しております。この反省をもとに、これ以降に放送された「脳力探険クイズ!ホムクル」では、「仮説です」というスーパーテロップを出し、「…と言われています」「…かもしれません」など絶対的なものという印象を与えないように致しました。
 私たちも性格は環境など後天的なものによって形づくられる要素が大きく、血液型のみによって決定されるという立場にはたっておりません。特に心理学の分野では血液型と性格の関連は否定されているという事は十分に認識致しております。

 今後は、家族全員で楽しめるより、良い番組作りを慎重に進めていく所存でおります。

■メール(その2)

 その後、こんなメールも届きました。

大村氏が本当は何を考えているか、少し考えてみたんですが、可能性としては、

  1. 本当は今回の結果もステレオタイプ効果で、いまだに気質とは関係ないと思っているが、番組の都合上そうは言わず妥協している。
  2. あまりに否定派に不利な証拠が出すぎたので、こっそり転向したが、過去のいきさつを知る人はそれほどいないだろうと思って、頬かむりでやりすごそうとしている。

のどっちかしかありえないと思うんですよね。そして、どっちにしろ、研究者としても、人間としても、不誠実な態度としか言いようがないですよね。こんなんだったら、あくまで関係ないと言い続ける方が、まだしもまともな人間でしょう。
さっきは溜飲が下がったと書きましたけど、そういう意味では、なおさらムカつくところもあるんですよね。

 実は、第3の可能性もあります。それは、もともと肯定論者だった(!)ということです。

 大村さんの本や、彼の若手(中堅?)同志の本を読むとわかりますが、彼らは血液型に異常(?)なまでの興味を持っていのです。
 今考えると、「隠れキリシタン」ならぬ「隠れ能見ファン」の可能性も大いにあり得ます。
 若手(中堅?)同志の人なんかは、血液型グッズを集めまくっていただけではなく、驚くべき事に能見正比古さんの墓にお参りまでしているのです。更に驚くべきことに、大学では血液型の話題で盛り上がっているそうです(本人が書いているのだから本当です!?)。

 なぜここまで屈折するのかは、正直謎です。

 他に、こんなメールも届きました。

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.937 男性の王様は裸だ!さんから H16.10.8 1:39

1.面白いですか?

 まあまあ(^^)

2.お気に入りのページ

というか、すごいね、量が。
並々ならぬ熱意を感じる。

3.血液型と性格の関係は?

どちらともいえない

4.メッセージ:

ABOFANさんは、大村氏が肯定論者に「転向」した事で大喜びのようだが(私は番組を見ていないので真偽の程は定かではないが)、とりあえずは『おめでとう』かな?
そんなABOFANさんに嬉しいチクリ情報をお送りする。
ちょっと長いが、ABOFAN批判や血液型批判ではないので(ちょっとはあるかも?)安心して読んで欲しい。

基本的に私は懐疑派だが、懐疑派ゆえに『肯定』のみならず、『否定』の意見も懐疑する。そして、大村氏はその懐疑にどうもひっかかるような事をしでかしているのだ。

血液型性格判断批判の大御所とも言われる大村政男氏であるが、数年前の第68回応用心理学会で『血液型性格学は信頼できるか(第18報)』と銘打って「ソープランドの女性と血液型」という研究を発表していた(第1〜17報はどんなんかいな?と思ったけど、まだ調べていない)。

昭和8年、鳴海顕という医者が私娼の血液型を調べた研究の現代版という位置付けであるが、ここで大村氏は鳴海氏のサンプリングのまずさを問題視している。そこで、大村氏は改めて現代で再検証した。方法は、『風俗誌』のソープ嬢紹介から血液型を調べるものだ。ただし、結果としては統計を取って特徴的な差が無いと結論付けている。

結果として『血液型性格判断に否定的』だが、私は正直このデータの取り方はどうなんだ?と思う。
年齢・スリーサイズ詐称OK、最悪別な女性の写真を使いまわしも無いとは言えないこの業界、風俗誌に掲載されている血液型データは信用できるのだろうか?安易すぎやしないか??
場合によっては店長や編集者が適当に決めている可能性も無きにしもあらずのデータ(となるとステレオタイプが働きやすい)を堂々と使うのはいかがなものか。

このやり方だと、『誰かか適当に決めたのではなく、きちんと正しいデータが掲載されている』事を類推する必要があるが、それがある程度判断できるのは日本人母集団と分布が近似した時ぐらいである。となると、もしもこの実験で差が見られたら(肯定的な結果)、本当にソープ嬢の血液型分布に差が有るのか、店長や編集者が「ソープ嬢らしい血液型」と思っているものに偏りがあるのかわけがわからなくなってしまったはずだ。

これは、もし「差がある結果(肯定的)」が出た場合、サンプリングの妥当性の不備(『血液型とソープ嬢の性格の関連性』以外の要因の影響を排除していない)が当然指摘されてしまう、つまるところ「差が無い(否定的)」時だけそのデータに意味があるという、「否定派」に都合が良い(ここ読み違えないでね)アンフェアなやり方だ。
(ABOFANさんの統計を見てると、統計の使用方法/解釈方法の理解が未熟な所が多々見受けられるが、私の言う大村氏の問題点はご理解いただけているだろうか?)

さらに末尾ではこう語っている。私はもう呆れた。以下引用
『私娼は“売られた”者、ソープ嬢は“志願者”だから、そもそも昭和の初期の私娼と現代のソープ嬢は性格を全く異にするのかもしれない』
....それを言ってしまえば、鳴海氏の研究との比較としての研究を行う意味がまるで無いじゃぁないか(そういう事を言い出すなら最初からやるな!)。少なくとも、そう言うなら、その時代による性格の違いとやらを客観的に示すべきであろう(少なくとも学会誌なんだから)。

そもそも、『ソープ嬢は“志願者”』と、まるで彼女ら全員が好きでその業界に身を投じているかのように根拠無く断ずる言い草ははっきりいって、彼女らに対するいわれなき侮辱だ(これは、単に大村氏の想像でしかないだろう)。というより、『昔の女性は運命に翻弄されつつ頑張っていたが、今の若い奴らはチャラチャラしとる』とのオヤジのボヤキにすぎないのじゃぁないか。

大村氏の妄想によるいわれなき攻撃は止まない。以下引用
『彼女たちは収益でブランド品を買い、海外旅行を計画し、幸せな結婚も考えている。源氏名にも、小泉今日子、篠ひろ子、中森明菜、南野陽子、松田聖子、宮崎美子などが並んでいる。タレント本人にとっては迷惑な話であるが、ほとんど似ていないソープ嬢本人にとっては一種の空想の逃避かもしれない(彼女と遊んでいる若い男性にとっても・・・)』

どう見ても、ここに大村氏のソープ嬢を嘲笑するスタンスがありありと見える。というか、そんな彼女達の意識を、それこそまともなサンプリングで調査でもしたのだろうか。単なる自分の愛読書のオヤジ実話系雑誌の刷り込みじゃぁないのか?
そもそも、ブランド品や海外旅行の話はいいとして『幸せな結婚も考えている』という言い草は何たる事か?ソープ嬢という職業の女性は『幸せな結婚』を考える事すら許されないとでも言いたいのか?大村氏の「ソープ嬢“なんて”やってる女が、まともに幸せな結婚をするのは許されない」という偏見がありありだ。

さらには、彼女らを嘲笑するのに飽き足らず、『彼女と遊んでいる若い男性』までもそのような”空想に逃避する人種”に含めようとしている。ここまで来ると、ホントに単なる年寄り愚痴だ(というか、むしろソープを利用する人は金はあるけど女にモテナイ中年以上の人の方じゃないのか...おっと、これは私の思い込みか?)。まぁ、少なくとも、若い男性の方が積極的にソープを利用しているという話は聞いた事が無い(というか、篠ひろ子やら宮崎美子やらは若い女性や若い男性が好む名前でしょうかね)。

一番問題にしたいのは、大村氏がソープ嬢を軽蔑しているとかそういうことよりも、そんな個人的感覚に過ぎないものを、学会の発表の“要旨”に偉そうに書き記している事だ。つまり、研究者としての資質の問題である。
もう、そーゆー話は飲み屋でやってくれ。

そしてこれが、要旨のしめくくりだ
『血液型と性格(特に気質)との関係は無い―とわれわれは結論付けているが、それを覆すデータもいくつか存在している。鳴海顕のデータも(懐疑を挟めばきりがないが)その代表的なものである。今後、この面における研究は「ない・あるの迷路」から容易に抜け出せないと思う。根本的な問題は心理学者ではない人によって解かれるかも・・・・』

良かったね肯定派さん。大村氏は数年前からすでに『否定派』ではなく、「容認派」に変わっているぞ。

しかし、もう脱力だ。大村氏は”一応”学者であり、「ない・あるの迷路」から抜け出させるよう努力すべき人間のはずなのに、それをはなから放棄してるかのような言い分だ。
じゃぁ、あんたがこの研究をしている目的はナンナンダ。

この要旨を見て私は大村氏に対する見方が変わった。
どこかの心理学者が能見氏の事を「血の商人」と評していたが、大村氏もまた「血の商人」だ。「血液型」というネタで食っていこうとする点では同じで、科学性よりもキャッチーさで適当な研究を敢行して発表してしまうところも同じだ。
FBI効果のABOFANさんの指摘も結構妥当だと思う。大村氏は既存の心理の法則にキャッチーなラベルを貼って再提出したにすぎない。

今まで、”血液型性格学否定派の心理学者”を批判する”血液型性格学肯定派の素人”を見て、『おいおい、科学的の何たるかも理解してない奴が何言っているんだ』と思っていたが、この大村氏の要旨を見て、「こいつは、そんな素人とどっこいどっこいだ」と思ってしまった。
ABOFANさん!ある意味大村氏に負けていないぞ!!

氏は確かに大御所だが、大御所すぎて誰も止められないまま暴走しているのだろうか?
メディアにまで露出しているのは何かの戦略か?否定派だと儲からない事に気付いて転向か?このままほっとくと、きっと金儲けに『心理学者が認める信用できる血液型性格診断』本出すぞきっと。

まぁ、ABOFANさんも、さんざん『おかしい、間違っている』と酷評してきた人が、肯定論者に「転向」したら掌を返すように大歓迎で喜ぶのは変じゃないかい?。
『お前はバカだ』と言われたら、『あいつは何も分かっていない』と批判し、その人が『お前は利巧だ』と言ったとたん、『あいつは物分りがよい』と喜ぶご都合主義の愚か者と変わりなくなっちゃうぞ。

しかし、「血液型と性格」論争は一気に終結に向かうのだろうか?
彼の研究者としてのスタンスを見てると、大村氏が味方に付くことが『肯定派』の科学性獲得への道におけるメリットになるとはどうも思えない...。
まずは、大村氏が信用に値する人物かを見極めてからでも、喜ぶのは遅くないだろう。

...うーん、こんなこと言ってると、ABOFANさんに「大村氏が『肯定派』にまわったから批判しているんだ」なんて下衆な勘ぐりいれられそうだけど、大村氏への私の疑惑は数年前から。この事を誰かに言いたくてしょうがなかったのだ。今日昨日じゃ書けないぞこんな文章。
ABOFANさんのHPで大村発言の記載を見て、渡りに船とばかりに言わせていただいたわけだ。
ABOFANさん側にとっても、氏の転向の傾向が見受けられる研究の紹介ということで、全くの無益ではないだろう。

追伸:
このメールに対し、ABOFANさんが新規のお仲間として大村氏を擁護するのか、かつての敵として大村氏を批判するのか、ちょっと楽しみである。

貴重な情報をありがとうございます。

> 大村氏が肯定論者に「転向」した事で大喜びのようだが

唖然としている、というのが実感です(笑)。
しかも、そんなことは「心理学関係者は全部知っている」というウワサもあるそうです(確認はしてませんので真偽は不明です)。

#こうなると、「血液型ベルリンの壁」でしょうか?

> ABOFANさんが新規のお仲間として大村氏を擁護するのか、かつての敵として大村氏を批判するのか、

もし、まともな研究が進むなら、このHPは閉鎖するつもりです。それが目的で開設したんですから…。

#当分は様子を見ることになると思いますけど。

> このままほっとくと、きっと金儲けに『心理学者が認める信用できる血液型性格診断』本出すぞきっと。

複数の出版社が、「心理学者が認める信用できる血液型性格診断」本を考えているようなので、まんざら冗談とは言えないかもしれません。

【追記】

 「このHPは閉鎖するつもり」だと書いたら、反響(誤解?)がいくつかあったので、補足しておきます。

 閉鎖するのは、きちんとした研究が増えてきて、社会一般にこのHPが不要と思えるようになったら、という条件付きです(最初からそのつもりでしたので…)。ですから、すぐに閉鎖することはありませんし、研究が私が納得する方向で進まないのであれば、しばらくはそのままになると思います。

Red_Ball12.gif (916 バイト)No.939 最大素数さんから H16.10.10 0:29

4.メッセージ:

すっかり御無沙汰してしまいました。

さて、昨夜のTBS『超スパスパ人間学!』です!
いやいやいやいや!!大村センセご登場の段になり、なんか久々に聞かされるなあFBI効果、
と極々自然にシラケかけたわたしは本当に実にきれいにカウンター・パンチを喰らってしまいました。

「なんだなんだなんだなんだ」いやあ実を言うといまだに信じられません。
「はあぁっ?ええーっ?んん?んん?んぐぐぐ?・・・?」

どうも最近各局TV番組で血液型と性格についての肯定的な取り上げが目立つような気がしていたのですが、
心理学会的には既に「GO」サインが出ていたってことなのでしょうか。

いやあこんなにビックリしたのはホント久しぶりです。

いやぁ、私も飛び上がるほど驚きました。(@_@)

 彼は、熱烈な「隠れ能見ファン」という説もあるそうですし(心理学会では「公然の秘密」だとか?)、全く世の中わかりませんねぇ。

Red_Ball12.gif (916 バイト)匿名希望さんから H16.10.10 13:20

 王様は裸だ!さんのメールを読んで、少し思うことがあったので書かせていた
だきます。

 これはたぶんSHOZOさんもそうだと思うのですが、大村氏の言っていることが
論理的でも科学的でもない、ということは、今さら言われなくても、氏の最初の
批判本を読んだときからわかっていたことですよね。

 ただ、それはあくまで能力の問題であって、能力がないということは必ずしも
道徳的な罪ではない。また、自分が誤っていると信ずる対象を専門家として批判
するということも、(詐欺師呼ばわりが批判の方法として適切かどうかはさてお
き)道徳的な罪とはいえない。

 ただ、その能力のなさによる誤った認識が、やや行き過ぎた正義感と結びつい
ているところに問題である(どっかの大統領みたいですが)のであって、そうい
う意味では同情できるところもある、というのが私のこれまでの認識でした。

 ところが、今回の突然の転向によって、その前提が突然崩れ去ってしまったか
ら私は怒っているわけで、その怒りは、あくまで彼の人間性に対する怒りであり、
そんな相手に対して一応専門家としての敬意を表してきた自分に対する怒りなの
であって、別に彼が肯定したからといって、こちらの自信が増すわけでもなんで
もないわけです。

 そもそも、私が能見氏に同情的になったのは、大村氏を代表とする「科学的な」
批判が、かっこう非論理的・非科学的であるのに、それを無理やり押し通そうと
するところに、アカデミズムの権威の横暴みたいなものを感じたからです。

 だから、極端に言えば、血液型と性格に絶対に関係があるに違いない、とそれ
ほど固く信じているわけでもなくて、有効な反証があればいつでも自説を引っ込
める用意はあるんですよね。

 ところが、いつまでたっても決定的な反証は出ず、学界の権威でやりこめよう
としたり、変な挙証責任論とかに逃げたりなんてことばっかりしているからイラ
イラしているわけで。

 だから、今さら、心理学者からお墨付きをいただいたって、めでたしめでたし
という気分になどなろうはずがないし、むしろ、今程度の論証のレベルで、「心
理学者お墨付きの血液型の本」が出たり、あるいは、心理学者のお墨付きがある
んだから、血液型を入学や就職の判断基準に使ってもいいんだなんていう話になっ
たら、私は断固反対するかもしれません。

 結局、世の中には、地震の60年周期説とか、コンドラチェフの波動とか、今す
ぐには正しいとか間違っているとか確定しがたい説、あるいは、現象としては明
らかにそうなっているけれども、メカニズムまではわからない現象はいっぱいあ
るのであって、そういうものとの距離のとり方の問題だと思うのです。

(今思えば、ウェーゲナーの大陸移動説なんかだって、後からプレートテクトニ
クス理論が発見されたからよかったものの、そうでなければただのコジツケにす
ぎないと思われてた可能性もありますよね。もちろん、コペルニクスとかだって、
そういう要素がゼロとは言えないわけで。すくなくとも、彼が生きていた時点で、
天動説と地動説のどちらが正しいとは断定できなかったはず。)

 もちろん、盲信して社会的に重要な意思決定の判断基準にするのは問題ですが、
だからといって、そういう意見を主張することまで抹殺してしまっては、科学の
進歩を阻害することになる。だからこそ、専門家にはもっとバランス感覚のある
態度をとって欲しいと思うのです。

 ぼくの想像では、おそらくSHOZOさんも、別に大村氏の発言にそれほど権威が
あると思っているわけではなくて、ただ、自称専門家のいい加減さを示すことに
よって、専門家の権威に弱い人たちを揺さぶろうとしているのだと思うのです。
(違ってたらごめんなさい)

 SHOZOさんが紹介しているメールなんかを見ても、自分では自覚していないの
でしょうが、心理学者=専門家、能見さん、SHOZOさん=素人、みたいなステレ
オタイプに明らかに影響されている人が多いですものね(血液型ステレオタイプ
より、こっちの方がよっぽど問題かも(^^))。

 だから、SHOZOさんの書くことは屁理屈だ、とは言うけれど、具体的にどこが
屁理屈かは示すことができなかったりする。結局、そういう人たちは、自分の先
入観に十分自覚的でないなのだと思います。そういう意味では、今回の事件は、
やはりパブリックオピニオンに一石を投じることになるのかも知れません。

 長文失礼。。。

いやぁ、さすがによくわかっていらっしゃる。(^^)

 基本認識は同じですが、ちょっと違うところもあるので補足しておきます。

> だから、極端に言えば、血液型と性格に絶対に関係があるに違いない、とそれ
>ほど固く信じているわけでもなくて、有効な反証があればいつでも自説を引っ込
>める用意はあるんですよね。

 私は、多くのデータを見て「血液型と性格に絶対に関係があるに違いない」と固く信じています(笑)。しかし、それをひっくり返すようやデータや理論が提出されたら、不本意でも自説を引っ込めるか、沈黙せざるを得ないでしょう。(^^;;

> ところが、いつまでたっても決定的な反証は出ず、学界の権威でやりこめよう
>としたり、変な挙証責任論とかに逃げたりなんてことばっかりしているからイラ
>イラしているわけで。

 いやぁ、全く同感です。しかし、もう一度よく考えてみると、従来の心理学的な枠組みだけでは、血液型のデータと観察のギャップをうまく説明できないんですよね。それならそうと(仲間内だけでなく部外者にも)正直に言えばいいのに、「学界の権威」が大事(?)なのか、妙な理屈をこねくり回しているから私も反感を持つんです。更に問題なのは、彼らは(仲間内では?日常生活では?)「○型は××な性格」というようなことを平気で言っているらしいんですね。王様は裸だ!さんからのメールも、(間接的にですが)どうやらそれを裏付けているようです。

 自分で「非科学的」「差別的」とあれだけ主張していることを、仲間内だけでは認めたり使ったりする。しかし、部外者が同じことをするのは「学界の権威」が大事(?)なのか、認めない。あまつさえ、アカデミズムの名で批判する。これらの人は、従来の性格心理学が本当に正しいのかどうか(血液型での検証に耐えられるのかどうか)研究したり、血液型も説明できる世界初の画期的な理論の構築に努力する、なんてことはどうでもいいのでしょうか? 科学より「学界の権威」や「自分の給料」だけが大事なんでしょう、という批判にはどう答えるつもりなのでしょう?

#まさか、欧米にお手本がないから無理だ、なんては言わないでしょう。(笑)

 もちろん、「学界の権威」や「自分の給料」も大事です。私も決して否定はしません。心理学者だって人間ですからね。しかし、こんな態度は、少なくとも科学者と自称する人が取るべきものではないと思います…。

 ここで、外国(特に欧米)の科学者の多くは「非科学的」な(キリスト教などの)宗教の熱心な信者じゃないか、といった反論があるかもしれません。しかし、彼らは「科学」と「宗教」の間で非常に厳しい内面の葛藤を経ているわけですし、そのことを(あえて)オープンにしています。同じだというなら、(今からでも遅くはありませんから)「○型は××な性格」というようなことを一般の人が言うのは(少なくとも仲間内なら)一向に構わない、差別なんかじゃ絶対ない、と声を大にして主張するべきです。もちろん、マスメディアや一般の人に向けてです。違うのでしょうか?

 こんなことだから、「いやあこんなにビックリしたのはホント久しぶりです」とか「いつの間に『転向』したのですか?」といった内容のメールが私宛に来てしまうのです!

#ひょっとして、我々よりもっと面白くないのは、「真実」(?)を知った否定論者や、心理学を信用してきた人なんでしょうか?

 まさに、「素人」の毎日新聞がディスクローズした「発掘捏造」と二重写しになってきますね。

 以上のことが正しいとすると、大村さんは「心理学者が認める信用できる血液型性格診断」本を出版するつもりなのでしょう。

 ここまで書いてきて、だんだん考えがまとまってきたので、別のコーナーでもう少し詳しく検証しようと思います。

→続きはこちら

Red_Ball12.gif (916 バイト)平成13年4月5日に放映された『回復!スパスパ人間学』の内容について

 この番組ではズバリ「性格」がテーマとなっています。性格といえば、性格心理学者ということで、この番組の常連である大村政男さん、ゲストとして尾見康博さん(心理学者−山梨大学助教授)、中原英臣さん(医学博士)の3人が出演しています。

 番組の内容は、若い女性を中心とした50人の肯定(YES)派の市民が、これらの否定(NO)派の専門家3人と対決するというものです。この中には、「ABOクラブ」という怪しげな団体も混じっています(笑)。市民対専門家という構図が目玉だったようですね。

#以前に聞いたときはメインコーナーということだったのですが、何らかの事情で縮小されてしまったようです。(^^;;

 では、番組の内容です。

 最初の街かどインタビューでは、なんと100人中85人が「血液型性格判断を信じて」いました。こんなに高い肯定率は見たことがありません。

#この「血液型性格判断を信じて」という言葉には非常に抵抗がありますが、まあいいか…。

 次に、江戸川大学の上瀬由美子助教授(社会心理学)が「血液型で性格を判断することは問題」、茨城大学の伊藤哲司助教授(社会心理学)が「心理学界では血液型と性格の関連を議論することは有り得ない」「なぜこんな根拠のない事が広く信じられているのか研究している」とビデオでコメントが入ります。

#ちなみに、「心理学界では血液型と性格の関連を議論することは有り得ない」というのは間違いです!

 ゲストは、NO派が和田アキ子(O型)、伊集院光(O型)、加藤晴彦(O型)、渡辺正行(A型)の4人、YES派が斉藤慶子(A型)、坂下千里子(B型)、岡本夏生(B型)の3人です[敬称略]。

 仕切るのは、森本毅郎さん(A型)、小島慶子アナウンサー(B型)、そして司会の爆笑問題です。

#ちなみに、森本さんもNO派です。

 最初に、YES派のビデオが流れます。能見俊賢さんのビデオ出演から始まり、戦後の首相、ホームランバッターをはじめとして、血液型のデータが流れますが、NO派はデタラメと言います。

 例えば、通算本塁打200本以上の現役選手の血液型の血液型を見ると、日本人平均とほとんど変わらないという訳です。

通算本塁打200本以上の現役選手の血液型(%)

 

O

A

B

AB

比率(%)

33.3

33.3

22.2

11.1

日本人平均

30.7

38.1

21.8

9.4

 そして、YES派の意見として、「統計がどうであれ、血液型による違いが実感としてある」という結論になります(オイオイ…(^^;;)。

 しかし、これはおかしいなぁ…??? なんか、無理にこういう結論にしたような気がします。

 というのは、「通算本塁打数ベスト10」と「通算本塁打200本以上の現役選手」では条件が違うからです。極論を言うと、「通算本塁打1本以上の現役選手」なら間違いなく全員(?)があてはまる訳だから、日本人の平均と(ほぼ)一致しますよね。となると、やはり「通算本塁打数ベスト10」では統計的に意味がある(=有意)であることを認めたことになります。
 なぜなら、「通算本塁打数ベスト10」が統計的に有意でないなら、はじめからそう言うはずだからです。しかし、言えないなら、「基準の取り方がおかしい」「通算本塁打200本以上の現役選手の血液型(なら有意ではない)」と反論するしかなくなります。他の条件も同じです。

【H13.8.12追記】

 念のため、番組からのデータを示しておきます。なお、データの再チェックはしてませんのでご容赦を。

順位 選手氏名 本塁打数 血液型
王 貞治 868
野村克也 657
門田博光 567
山本浩二 536
落合博光 510
張本 勲 504
衣笠祥雄 504
大杉勝男 486
田淵幸一 474
10 土井正博 465

#もっと詳しいデータはこちら

 そこで、O型+B型 VS A型+AB型でχ2値を計算してみると、
 (9−5.25)^2/5.25+(1−4.75)^2/4.75≒5.64
 ですから、危険率2%で有意になります。

 気分を変えて、A型+AB型が10人中1人以下である確率を計算してみましょう。これはご存じのとおり2項分布ですから、その確率は
 (1−0.475)^10+10×(1−0.475)^9×0.475≒0.016
 これまた、2%以下の確率になります。

 ただし、4つの血液型で危険率を計算しても有意にはなりません。(^^;; その理由は、「検定力」「タイプ2エラー」「χ2検定の特性」というキーワードがあれば、簡単に説明できます。が、聞いても面白くないでしょうからここでは省略します…。

 さて、ホームラン王獲得回数については、能見さんの『【血液型】おもしろ読本』にデータがあったので、最新のデータを追加したものを書いておきます。

●プロ野球ホームラン王の血液型…H10.2現在の表に私がデータを追加

O型(48) A型(12) B型(32) AB型(5)
中島 治康2
大下  弘3
青田  昇5
藤村富美男3
別当  薫1
杉山  悟1
王  貞治15
大杉 勝男2
土井 正博1
落合 博満5
大島 康徳1
秋山 幸二1
大豊 泰昭1
デストラーデ3
ペタジーニ1
松井 秀喜2
中村 紀洋1
川上 哲治2
小鶴  誠1
佐藤 孝夫1
山内 和弘2
田淵 幸一1
宇野  勝1
江藤  智2
山崎 武司1
ホージー 1
松木謙治郎1
中西  太5
野村 克也9
長嶋 茂雄2
森   徹1
中田 昌宏1
長池 徳二3
山本 浩二4
掛布 雅之3
門田 博光3
鶴岡 一人1
町田 行彦1
ノ ー ス2
小久保裕紀1

不明者
 戦後14
 戦前9

 ここで、獲得回数別にもう少し詳しく分析してみたのが次の表です。

プロ野球ホームラン王の獲得回数別血液型

区  分

O型 A型 B型 AB型 χ2値 危険率
1回以上 17人 9人 10人 4人 4.57 <0.25
2回以上 9人 3人 7人 1人 6.14 <0.25
3回以上 6人

−   

6人

11.53 <0.01
延人数(回数) 48回 12回 32回 5回 35.43 <0.001

 見ればわかるとおり、獲得回数が増えるほどO型やB型の比率が高くなり、χ2値が大きく(=危険率が小さく)なっていることがわかります。

 結論として、番組で言っているとおり、「本塁打ベスト10」ではかなりの差があるが、「通算本塁打200本以上の現役選手の血液型の血液型を見ると、日本人平均とほとんど変わらない」ということになります。少なくとも、「デタラメ」ではないでしょう…。

 となると、NO派は結構無理をしているようですね。(^^;;

 ここで、NO派による「血液型と性格は関係ない!!証明イベント」が行われます。

NO派による「血液型と性格は関係ない!!証明イベント」の4つの選択子

  • 無愛想だが、すぐ心を開く
  • 気分のゆれが大きい
  • 未来には楽観的、済んだことには未練
  • 仲間はずれを気にする
  • ロマンチックな面と現実的な面
  • 仲間以外には強い警戒心を持つ
  • 感情があとに残らない
  • 自己主張、自己表現力が強い
  • 使命感に生きる
  • 感情や欲求は抑制する方
  • 筋を通し物事のけじめをつける
  • 完全主義
  • 調整役(パイプ役)に合っている
  • 人との交際に一定の距離を置く
  • やや根気にかける
  • 偽善を憎む正義派

 この4つのうち、自分に当てはまるプラカードのところへ移動します。結果は、正解者がゲスト7人(に森本毅郎さん)を含んで58人中(たった!)16人でした。このため、イベント後はYES派は50人中23人に減ってしまいました(涙)。NO派の心理学者は、ここで「血液型の特徴は誰にでも少しずつ当てはまるもの」と主張します。

 ところが、この選択子の設定にはトリックがあります。本当は能見さんと話し合って選んでもらえばよかったのです。NO派が選んだのではあまり信用する訳にはいきません。というのは、このような自己評定の場合は、差があまり出ない質問があるからです。また、差が出たとしてもたかだか10〜20%ですから、全員正解とは絶対になりません(苦笑)。そういう意味では、錯覚をうまく使ったイベントと言えます。

 YES派の大部分は、「統計がどうであれ、血液型による違いが実感としてある」と思っていますから、こういうイベントは、その実感を覆すだけに効果的と言えます。

#もっとも私は別です。

 さすがに心理学者というところでしょうか。(^^;;

 では、YES派にとってうまくやるにはどうするか。少々ズルいのですが、自己評定で圧倒的に肯定率を持つ項目を持ってくればいいのです。例えば、

各血液型のイメージ(N=197)

回答\血液型

A O B AB 合計

几帳面

111 0 0 0 111
神経質 77 1 1 3 80
真面目 54 0 0 3 57
おおらか 0 90 1 0 91
大ざっぱ 0 25 4 0 29
おっとり 0 16 1 0 17
明るい 4 16 38 1 59
マイペース 0 8 33 1 42
個性的 0 2 23 6 31
いい加減 0 0 17 0 17
わがまま 0 2 12 1 15
自己中心的 1 3 11 0 15
楽天的 0 8 10 0 18
面白い 0 2 10 1 13
二重人格 0 1 0 77 78
二面性がある 0 2 18 64 84
変わり者 0 0 1 13 14

よく分からない

0 0 0 12 12

出典:ブラッドタイプ・ハラスメント−あるいはAB型の悲劇−『現題のエスプリ〜血液型と性格』(佐藤達哉さん)

 A型は几帳面、神経質、真面目とかやれば、圧倒的に高い正解率になります(笑)。当然ながら、NO派はそんなことは重々わかっているので、絶対にこんなことはやらないはずです。

#なお、各血液型のイメージ≠性格ですので、念のため。自己評定は必ずしも正しくありませんから…。

 では次へ。

 さて、平成12年11月16日放映のスパスパでは、血液型と性格の関係を否定したそうです。

 高田和明教授(浜松医科大学)が出演し、

「血液型と性格は医学的に全く関係ない」「脳細胞は赤血球に触れることは全くない」「脳は自分の血液型を知らない」

 しかし、今回の番組では浅野哲朗教授(聖マリアンナ医科大学)が登場します。

「血液型と性格が無関係でないことは科学的な裏付けをもって証明できる」「血液型物質は体の細胞にある」「脳の細胞(神経細胞)にも血液型物質がある」

 ここで、高田和明教授が再登場

「脳の神経細胞は血液型がない」「全ての細胞に血液型がある訳ではない」「脳は自分の血液型を知らない」

 この後は、

中原英臣さん 「脳細胞に血液型あるか無いかは重要ではない」
AB型の人 「脳についてはちゃんと研究されているんですね」「そちらは読まれたんですか?」
中原英臣さん 「脳細胞に血液型があったとしても性格とは関係ない」

 以上のやりとりから判断すると、やはり脳細胞には血液型物質があるようです。なぜなら、本当に脳に血液型物質がないなら、中原英臣さんが「脳細胞に血液型があったとしても性格とは関係ない」と言うはずがないからです。また、本当にないなら、編集で「ない」と結論づけることも可能でした。しかし、それはしていません。つまり、脳細胞には血液型物質と判断するのが妥当というべきでしょう。v(^^)

 つまり、否定論者の「脳に血液型物質がない」という前提は覆ったことになります!

 ここで、再度チェックするとYES派は50人中23人から28人に増えます。これで、血液型に関係する部分はおしまいです。全部で約20分間でした。

 放送から判断する限り、内容をかなり編集してあるようで、放映時にカットされてしまった部分が面白かったのかもしれませんね(笑)。

#本当はどうなのか知りませんが…。(^^)

 その後、このページを書くために番組のHPを確認したところ、「血液型と性格は関係ない!!証明イベント」がメインのようで、やはり最大素数さんが言うように、心理学者のための放送という可能性も否定しきれないようです。

 私が担当者なら、今後もおつき合いする大村政男さんに気を遣いますから、いくらYES派の主張が正しい(?)としても彼の主張を間違いとすることはできないでしょう。そういう意味では、ある程度結論が決まっていたのかもしれません…。もっとも、中原さんの間違い(?)もちゃんと放送していましたし、はっきりとした結論は出していませんでしたから、かなり良心的な番組とは言えるでしょう。

 もし、次回にお呼びがかかるのでしたら、できるだけ協力させていただきたいと思います。

 スタッフと関係者の皆さん、どうもお疲れさまでした。そしてどうもありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。

Red_Ball12.gif (916 バイト)最大素数さんからのメール

 参考までに関係ページから抜粋しておきます。

Red_Arrow38.gif (101 バイト)メール(その29) H13.4.2 22:37

こんにちわ。最大素数です。公開メールは久しぶりです。

こちらのHPのトップで、
> 4月5日(木) 19:00〜 『回復!スパスパ人間学』春スペシャル(TBS) 「性格」 [メインコーナーは血液型と性格]

と大きく扱っておりますが、最新のTV情報誌『TV_Bros.』や『ぴあ』を見る限り血液型の話題がどれくらい出るのか、ちと首を傾げざるを得ません。
ひょっとすると、「製作サイドのお眼鏡」にかなう出演者が揃わなかった、ってあたりで(笑)、これはもうはっきり言って企画の失敗ではないかしらん。
血液型"性格判断"なるものを信じている輩を集めて、アノ大センセ(大笑)と、信じてその気になっていたら実は血液型検査違いでそれ以来信じられなくなったという半径50cm経験主義のMC氏が小馬鹿にしつつ頭ごなしに叱りつけてやろうという貧困極まる構図がミエミエで、ま、ぽしゃってしまうのも当たり前ではあります。

それでも、多分、一コーナーとしてなんかやるんでしょうが、冒険的に断言しておくと、肯定派側の連中は、「やらせ」です(ははは。言い切ったネ)。
しどろもどろで幼稚な主張をして失笑を買う役と、一見きちんとしている風でトンチンカンな意見をくどくど喋ってバカにされるいかにも頭悪そうな役、「だって本当にあたるんですよっ!」などと喚き散らして「ここは話し合いの場なんだから」とたしなめられる役、の方達がそれぞれにちゃんと働くことでしょう。
さて、わたしが制作者で、否定的にまとめようとするならば、"心理学者と同様の手法による"統計処理で有意差が見られる、とかFBI効果は疑問だらけとか、性格の捉え方で(血液型との)関係があったり無かったりするかも、などなどマトモなことを言う役を一人おいて進行役を担わせ、その一つ一つに心理学者とMC氏が否定意見を述べ、再反論は前記のおバカ役がおマヌケをまき散らしてウヤムヤにして次の話題、という風にしてみます。

さてさてどうなりますか、わたしの愚見共々ご笑味下さいませ(笑)。

Red_Arrow38.gif (101 バイト)どうもどうもお久しぶりです。あはは、なるほどねぇ。本当はどうなんでしょうねぇ? 私も知りたいです。

Red_Arrow38.gif (101 バイト)メール(その30) 「回復!スパスパ人間学」 H13.4.9 23:59

こんにちわ。最大素数です。録画しておいたビデオをやっと見ることができました。

ははあ、これはなんなんでしょ。
論評できるような内容は見受けられませんでした。
特に血液型のコーナーは、肯定論も否定論も「論」と呼べるようなものでは無く、ま、酷いものでしたが、所詮娯楽番組、こんなもんすかねえ。

まずなにはともあれ、ちゃんと"演技"のできる「肯定派」を「仕込む」時間がなかったのですね。
> 一見きちんとしている風でトンチンカンな意見をくどくど喋ってバカにされるいかにも頭悪そうな役
と、
> 「だって本当にあたるんですよっ!」などと
「喚き散ら」してはいませんでしたが(笑)そう言う役ぐらいしか集められなかったのですね。
で、
「マトモなことを言う役」は録画の能見親子にしちゃったのね。

脳内の血液型物質についての議論(というわけでは無かったけど)も、「脳内にあるから当然性格と関係ある(浅尾さん)」「脳内には血液型はない、血液型は血液にしかない(高田さん)」「あろうが無かろうがそんなことに興味はない(中原さん)」と、対立する論をそれぞれ録画で流してそれっきりって、なんだかなあ。
それぞれに根拠があって、そこからの議論の筈でしょうが、ばっさり終了。

あと、大村さんお約束の血液型別の特徴を読ませて自己判断させ、当たりませんねえ、ってやつ・・・。
なんですが、この結果の感想を求められた大村さん、
「面白いですねえ。いえね、この問題はね、あの、歴史的に考えるとね、あの、デタラメなんですよ」
とお答えになったのですが、「で、でたらめえ!?」と爆笑問題の大田さんが引き取って、そこまで、って、そりゃひどいよ。"歴史的に考えると"、"デタラメ"って聞きたかったなあ。

が、しかし、この血液型コーナーの失敗は、番組製作者の読みの甘さが最大の原因のように見受けられます。
関係あるか無いか、両論公平にとりあげるようなフリして否定的にまとめる、なんて簡単にできると思っていたフシが窺えます。
そう考える主な理由は山梨大学の尾見さん(助教授になられたんですね、おめでとうございます)の参加です。尾見さんは行動主義に属し、「フィールドワークの視点」から現場心理学を提唱・実践しており、この番組の冒頭での説明のような、中心に生まれつきの気質があってそのまわりに後天的な性格表現がある、というような性格観には否定的な立場の方です。そういう「生まれつきの気質」を重視する考えが血液型性格判断に付け入られるスキを生むのだ、という「否定派」なのです。
多分、単純に「否定派」というだけで、その内容を吟味せずに頭かずだけ集めたのでしょう。
ですから、「このあと、入り乱れての大激論」とナレーションだけあってカットされてしまった部分というのは、肯定派同士の性格論議だったに違いありません。
そうなのです。血液型で決まるの決まらないの判るの判らないのという以前に、性格とはなにか、ということが判っていないことが問題なわけで、そういう意味ではカットされた部分こそが番組のコンセプトに最も沿ったものであったはずです。あー、見たかったなあ。
恐らく尾見さんが、「"いわゆる"性格」は血液型と(少なくとも統計的には)関係がある、と言い出して、そして、それは「"いわゆる"性格」の捉え方が間違っているからだ、と主張して、他の否定派と激論になったのではないでしょうか。あーあ、そっちの方が面白そうだよなあ。

ま、今回は大ハズレ、ということでした。

Red_Arrow38.gif (101 バイト)私の感想はこちら[このページ]をご覧ください。

Red_Ball12.gif (916 バイト)出演者大募集の告知

 参考までに、ABOFANにはTBSの番組担当の方から依頼があった内容をそのまま掲載しておきます。はたしてHP上の募集告知が役に立ったのかどうか、少々気になります。

 実は、このときはダダモさんの本を読んでいませんでした。番組のスタッフに知らせておけば肯定側の完勝だったことは間違いないでしょう。残念!

Red_Ball12.gif (916 バイト)平成13年4月5日に放映予定の『回復!スパスパ人間学』春スペシャルの肯定派出演希望者大募集!

回復!スパスパ人間学(毎週木曜日19:00〜)では、4月5日に春スペシャルとして 「性格」をテーマに2時間枠で放映致します。番組のメインコーナーは「血液型と性格」です!

   回復!スパスパ人間学のホームページ http://www.tbs.co.jp/spaspa/

内容 肯定派一般市民50人 VS 否定派心理学者の激論!

スタジオ収録 3月16日(金) 17:30〜 東京メディアシティ・砧(きぬた)スタジオ (世田谷区/小田急線−祖師谷大蔵駅下車)

 肯定派の出演希望者を大募集!

  スタジオ収録日が迫っていますので、なるべく早めにレスしましょう!

  3月16日(金)のスタジオ観覧兼、血液型性格診断を信じている一般市民代表50人の中の一人として、反対派の心理学者大村政男先生と森本毅郎を論破してくれる人

  • スタジオで未だに血液型性格診断を信じていない奴等を論破しちゃいましょう!
  • 顔隠して声も変えて、誰だか分からない様にすることも可能!
  • 勿論、ギャラも出ます!
  • 「ここがヘンだよ日本人」の様な感じ

 氏名・年齢・性別・住所・電話番号・血液型・反対派に何を言いたいか・血液型性格診断を信じている根拠などを簡単に明記の上、下記アドレスに至急メール下さい。後程番組担当者から御連絡致します。

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最終更新日:平成16年10月11日