●[採暖]と[暖房]の違い

「暖房」とは、もともと部屋全体を暖めるという意味であり、コタツやいろり、ストーブなどは「採暖」として区別されます。今でも日本の居住生活は「採暖文化」であり、仕切られた個別の部屋で暖房機を使用して暖を採る暮らしが多く採用されています。

個別暖房には、二つの大きな特徴があります。
一つは
暖房室と非暖房室との温度差があることです。

暖かい居間から寒いトイレや脱衣室などに移動したとたん、
脳卒中心臓発作で倒れる事故が、特にお年寄りに多く発生することがあります。これは血管の急激な収縮や拡張が原因で「ヒートショック」
と呼ばれる現象です。

         



もう一つが「結露」の問題です。
部屋ごとに温度が違うと、空気中の湿気は温度の低い方へと流れて結露します。タンスの裏側や押入にカビが発生するのもこれが原因です。つまり、暖かい部分と冷えた部分があり、乾燥空気でもない限り、結露は必ず発生してしまいます

           

多くの住宅が結露に悩まされるのは、
穏やかな断熱と気密化(密閉化)が原因となることが多いと思われます。

良好な断熱・気密構造で施工した住宅では結露の発生はありません。暖房費の軽減と共に家全体を暖めることも可能になります。
「省エネ」で快適な居住空間が実現されます。

「全館暖房」とは、膨大な燃料費をかけて力ずくで暖房するのではなく、

小さいコストで屋内のどこに居ても寒さを感じない、五月頃のようなを温熱環境を創り出す
ことを指標とします。

結露を防止し、健康に暮らし、構造体を長持ちさせるなど、「全館暖房」には数知れないメリットがありますよ。







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