えびちゃんの山行記録 セカンドステージ 1


乗鞍ヒルクライムスキー・アナザーサイド

大丹生岳からの快適なスカイライン
ゴールは間近 〜乗鞍スカイライン〜

日 付  平成18年8月12日(土)〜13(日)
ルート  朴の木平スキー場〜平湯峠〜(乗鞍スカイライン)〜山上駐車場〜大雪渓往復

天 候

 曇り時々晴れ
同行者  ジョニー(1號:教祖)、エヴィン(2號)、kimuchi(28號)、バーゴン樫(38號)

<事の発端>
 北海道から伊勢に勉強に来ている八尾テレ38號こと「バーゴン樫」君を夏の乗鞍大雪渓に案内するにあたり、普通に行ったのでは「乗鞍林道雪壁落とし」の異名を持つ彼に失礼ではないか?ということで、2年前の夏に行った乗鞍ヒルクライムスキー形式で、八尾テレの第71回研究会を行うことになりました。

 乗鞍大雪渓へのアクセスは2年前に登った長野県側からのエコーライン・ルートだけではなく、岐阜県側からのスカイライン・ルートもあることは以前から分かっていましたが、雪渓までのアクセス距離が長い事とスカイラインの通行が有料だった頃は自転車の通行が不可だったことから、これまで話題には上っても、たぶん自転車では行けないだろうと思っていました。おまけにこのルートは大雪渓までは最高点(山上の駐車場)から雪渓の入り口まで下らなければならず、スキーを楽しんだ後に自転車で登り返して帰らなければならないという弱点があります。
 しかし、ネットで乗鞍スカイランの情報を調べてみると衝撃の事実が判明しました!!!!

 「乗鞍スカイラインは、岐阜県側から斜度・カーブ共に緩く快適なコース!ただ、景色や眺め、見所、紅葉は「乗鞍エコーライン」に比べ見劣りする。」

 とあり、通行可能車両は「バス、タクシー、自転車、道路交通法に基づく除外車両」となっていたのです。経験上、景色など目に映ることもない自転車ヒルクライムには絶好のコースなのでした(予想)
 これはまさに八尾テレに「乗鞍ヒルクライムスキー・アナザーサイドを敢行せよw」との神の啓示に違いありません。このコースをクリアすれば、八尾テレは乗鞍岳を完全制覇したことにもなる(かもしれない)からです。

 問題はまだありました。今回の参加メンバーである「バーゴン樫」は、自転車を持っていなかったのです。はっきり言って今回の研究会は彼のために実施するようなもの。彼は9月には北海道へ戻ってしまうので、それまでに八尾テレ7年分のエキスをたたき込んで、北海道支部での布教に生かしてもらう必要があったのです。
 幸い前回のヒルクライムスキー参加者である28號のkimuchi氏の協力により、MTBを無料で確保する事ができ、乗鞍ヒルクライムスキー・アナザーサイドの障害はすべてクリアされました。
 そう言えば前回のヒルクライムスキーの際に、kimuchi氏は「だまされた!もう2度とやらない」とぼやいておられたはずでしたが、時は辛い過去を美しい思い出に昇華する魔力を秘めているのでしょうか・・・・

<第1日目>
 朝6時に伊勢を出発し、今回は道を間違えないように車を走らせましたが、折しもお盆の帰省ラッシュで渋滞にはまったため、乗鞍スカイラインのベースとなる「朴の木平スキー場」の駐車場に到着したのは14時を過ぎてしまいました。
 ただし、今回は道中の高山市内で食料を買い込んだり昼食をしたためであり、珍しくほぼ計画どおりの行動です。途中、落雷と豪雨で前途多難の暗示を受けましたが、現地に到着すると天気も回復し前日の深夜に到着していたkimuchi氏とも無事合流して、準備運動も兼ねて朴の木平から平湯峠までの約6kmを空身でヒルクライムすることになりました。(午前中に登っていたkimuchi氏は2本目のトライ)

朴の木平スキー場駐車場にて
 ジョニーさんのスタイルは前回と同様、折り畳みのミニ自転車にサンダル姿。普通のサイクリストが見たら卒倒するか石を投げられそうなスタイルですが、これで普通に他のマウンテン・バイクについていくのですから「教祖様、恐るべし」と言うほかありません。一方バーゴン樫君はいきなりの慣れないMTBでかなり苦労していたようです。
平湯峠にて
 ロード仕様MTBのkimuchi氏と前回の教訓でブロックタイヤからスリックタイヤに履き替えたエヴィンは、特に問題なく平湯峠まで到達しましたが、他の2台は慣れないこともあって厳しかったようです。
 朴の木平から平湯峠は一般道で車の往来も激しいため、スキー板を担いで走るのは危険と判断し、板を担いで登るのは平湯峠から大雪渓までということにして一日目は終了。汗を流すために平湯温泉に向かいました。
 平湯温泉は硫黄の匂いが少な目で乗鞍温泉とは少し成分が違うようでした。個人的にはこちらの温泉の方が好みです。

 夜は駐車場で宴会です。高山市内で入手した飛騨牛を焼くために炭で火をおこしましたが、給食担当の教祖様はカスみたいな炭しか持ってこなかったため、火力不足でなかなか肉が焼けず、明るい内から始めたにも関わらず、結局夜遅くまで盛り上がってしまいました。早く寝たかったのに〜w
 しかし、気のあった仲間とまったりした時間を過ごせることは本当に幸せなことだと思います。

<第2日目>
 いよいよヒルクライム・アナザーサイドを決行する時が来ました。起床は朝6時、12時に山上のレストランで昼食すること目標に8時に平湯峠を出発しました。経路は以下の通りです。

ハンディGPSの軌跡
 見てのとおり三本滝方向から登るエコーラインと比べると、距離は長いものの比較的緩やかであることが分かります。一番きつかったのが夫婦松からのヘアピンカーブで、それを乗り切ると後は時間が解決してくれました。(基本的には30分登って10分休むというパターンでしたが、腰が折れそうになったので途中から20分登って10分休むペースに変更)
出発準備中
 実際、エコーラインを登った時はギアを一番軽い所まで落としましたが(更に軽くしたいくらいでした)、今回はギアにかなり余裕がありました。ただし、バーゴン樫は別だったようです。彼は慣れない自転車でいきなりスキー板を担がされてヒルクライムをした(させられた)ため、いつも遅れ気味で、あんなに苦しそうな彼を見たのは初めてでした。
苦難の登り
 前回は脱水症状で意識朦朧としていた(本人談)らしいkimuchi氏は、この2年間で鍛え上げた脚力をもって、ぐいぐい引っ張ってくれました。そして大丹生岳を抜けて尾根に出ると視界も開け快適なツーリングコースが待っていました。
景色も良かった
 スカイラインコースはバスがちょっと多いくらいで、エコーラインコースに比べると人も少なく、60近いと言われていた女性のランナーさん(驚愕の体力)に追い抜かれた以外は、自転車にも数台しか会わなかったので、マイペースで登ることができるとても良いコースだと思いました。
 気温もそれほど上昇せず、適度に曇っていたのも良かったのでしょう。予定よりも20分くらい早く(11時40分頃)山上の駐車場に到着しました。やはり、スキー板を担いで登ってくる馬鹿はいないようで、案内の人から「初めて見たよ、感動した〜」と声をかけられて思わずにやけてしまったテレマーク馬鹿4人。本来の目的を忘れてしまうところでした。
大雪渓は雪多いよ

<大雪渓テレマーク>
 そうです。テレマークスキーをするために登ってきたのです。自転車は手段です。今回は教祖様とバーゴン樫が3本、kimuchi氏とエヴィンが2本と、一応まともに滑ることができました。教祖様はあんな糞自転車で登ってよく体力が残っているものだと感心してしまいますが、バーゴン樫は自転車から降りた瞬間に元気を回復していたようです。やはり彼には文明の道具は性に合わないのでしょうか?

先達の滑り
 大雪渓の雪は今までで一番多かったような気がします。当然表面はスプーンカットで滑りにくいのですが、本物の雪であることには違いありません。北海道から来た樫君には理解しづらい所もあるかもしれませんが、どんな雪でも楽しく滑れるようになれば、八尾テレ指導員の免許皆伝です。
雪へのインプレッション
 3本目の滑走で転倒することなく降りて来れたバーゴン樫君には、1,2,28號全員一致でTOC(八尾テレ指導員課程)の最終査定合格の判定を下しました。「おめでと〜」

<ダウンヒル>
 スキー板を担いでの下りは「ギロチン・ダウンヒル」とでも言いたくなるくらい危険な行為です。登りはそれなりの格好でもいいですが、下りだけはヘルメットが必需品でしょう。スキー板にはタオルなどを巻いておくと更に安心です。

ギロチンダウンヒル
 無事ダウンヒルを終え、今回の研究会で夏の乗鞍は完全制覇したと勝手に思いこんでいます。少なくとも、これでまた一つ八尾テレに新たな伝説が生まれました。参加してくれた挺身隊員の皆様、本当にお疲れさまでした。

<終わりに>
 八尾テレ研の活動記録としてこの記録は作成しましたが、読んでの通りあまりにも量が増えてしまったため、急遽山行記録に移植することにしました(いままでの山行記録とは表現に違和感があるかもしれません)。このため現在休止中の「えびちゃんの山行記録」を「えびちゃんの山行記録ss(セカンドステージ)」として再開することにしました。

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